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● 自宅18EU会のレポート ●

 2010年1月24日、年明けに到着した 18EUをさっそくプレイしてみようということで、自宅ゲーム会にしました。全員初プレイの方がいいだろうというのと、少人数の方が手応えをつかむにはいいだろうということで、3人全員が初プレイという状態でやってみました。

 というわけで、今回は 1ゲームのみのレポートになります。事前準備で地名なども訳しておけばよかったのですが、時間が取れなかったので事後に調べたものを記載しています。


●18EU [play:game]

 今回プレイしたゲームは、18xxシリーズの中で人気の高いヨーロッパを舞台にした 18EUです。Deep Thought Games から出ており、直輸入での入手になります。今回は共同購入で購入し、おおよそ1年かけてようやく到着しました。

 18xxシリーズは、鉄道会社を経営し、自分の資産を稼いでいくゲームで、全体的に運の要素はほとんどないというのが特徴の長時間鉄道ゲームです。代表的な鉄道ゲームのシリーズのひとつといえるでしょう。

 18EUは、西ヨーロッパ(オランダ、ベルギー、フランス、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリア、ポーランド、ハンガリー、チェコ、スロバキア、ハンガリー)が主な舞台になっています。ゲームの特徴は、各国に点在する15の小規模会社を合併させることで大規模会社を設立するという点にあります。大規模会社は、合併元の会社の資産(本拠地も併せて)がベースになります。

 このゲーム、ボックスを開けてルールを読んで最初に思ったのが「展開がよくわからない」でした。小規模会社で立地条件的に強そうだとか、弱そうだとか、近い会社同士を連携させるとよさそうだ、というのはわかりますが、大規模会社ができてからの展開があまり想像できませんでした。

 あとは、ルールも章立てで書かれているものの、必要な要素が1か所にまとまっていないので、ここはどうなるのかを調べるのが大変でした。特に、会社のお金の入り方が複雑ですね。5列車が出る前までと、それ以降で変わりますし、吸収合併とも絡んで複雑になっているのです。

 前置きはこのくらいで、ゲームの流れを追ってレポートしていきます。


 最初にわからないと思ったのが、ゲームスタートの 15の会社の競りです。競り値のスタートは 100ポンドから、全員パスの場合のみ競り下げというルールになっていますが、3人のときの所持金は 450ポンドしかありません。つまり、どこかで必ず競り下げが入ることになります。

 最初にいきなり、ボード上で最も高くなるパリ(北)を本拠に持つ、1番のフランス北部鉄道(仮訳)が競りに出されました。これはせり上げになったのですが、いきなり悩ましいことに。若干使いにくい11番のオーストリア南部鉄道(仮訳)を出して様子を見たり、勝負所になると思われるベルリンの会社を出したりと手探りで競りにかけられていきます。

 資金はオープンで有限ということで、競争に書けるような競りの出し方をしてみました。最後はパリ(南)を本拠に持つ 3番パリ-リヨン-地中海鉄道を競り落とされたものの、所持金をほとんど使い切らせて 8番のハンガリー鉄道を20ポンドで入手し、現金を余らせた状態でスタートしました。

 最初の競りでは、1-2-3-10-15+10ポンド、4-6-7-9-12、5-8-11-13-14+140ポンド という感じに分かれました。最初はウィーン(北)や、ミラノ、リヨンを取ろうとしたのですが、ベルリン、ドレスデンを固められたり、玉突き状態でイタリアまで進出されたりしたりで取れず、その代わり取れないと思っていたストラスブール、ミュンヘンのマップ中央を取って現金を残す形になりました。

 最初は、株式ラウンドなしでいきなり小規模会社の運営に入ります。さらに、最初のターンだけ2本路線が引けるというおまけ付きです。この1手はかなり大事で今後の未来を決めることになります。ここで重要なのは、小規模会社は黄色タイルしか建設できないことと、以降は1運営ラウンドで1本しか路線が延びないことです。思ったよりも路線建設はできないものと思った方がいいでしょう。

 1番と2番は手を結んでパリとブリュッセルを結び、さらにリール、アントワープと小都市を結ぶ形に。他プレイヤーの12番も利益重視でアムステルダムからユトレヒトを結び、さらに他の会社の待つブレーメン、ハンブルク方面に向かっています。

 ベルリン近辺は4番が7番との接続を後回しにし、ドレスデンからライプチヒと小都市を増やす方向に、7番はベルリンから、ハンブルクや12番アムステルダムを目指しています。9番はベルリンからポーランドに出てシュチェチン、トルンと小都市を抜け、番外のワルシャワへという感じに。

 ウィーン近辺は、6番はブルノ、プラハ経由で4番の方向へ。11番は 5番と結ぶか、8番と結ぶかの2卓でしたが、収益の出にくい方を先につないでしまうべく8番方面へ。5番は本拠のベニスから独立でボローニャ経由のローマへ。そして10番は、本拠のミラノからトリノで収益を確保し板外都市のローマに向けて足を伸ばすことに。

 南フランスは、3番は本拠のパリ(南)から同一プレイヤーの15番の待つリヨンへ。15番は3番の受け入れを狙いつつ収益を上げるためにジュネーブへ。

 南ドイツは、13番はアウグスブルクへ向かい、小都市を稼ぎつつ14番のストラスブールへ。14番は利益を最大限に確保するため先にバーゼルに向かうことに。

 最初の1ラウンドを地域別にまとめて書きましたが、実際には番号順にさらにプレイヤーもいろいろと入り交じってということで、かなり複雑なことになっています。そして、このラウンド(と次のラウンドの動き)がこれからの運命を大きく分けることに。

 2ラウンド目になると、すぐにトークンで建設件を失う会社が出たりします。次のラウンドあたりで、うっかり脱出不能になったり、合併困難になったりする会社が出てきたりするのですが、そのあたりもあとになってから気づいたりしました。私も5番の会社が取り残されたことが判明しています。

 昼食休憩を挟んで次のラウンドへ。ここから株を買われて会社が設立されます。初期株価は違えど1人1社を持つことに。ブリュッセル、ベルリン(東西)、ウィーン+ブダペストと地理的に分かれたところからのスタートに。ブリュッセル以外は思ったよりも収益が出ないことに気づいたりとか。2-2-3-Pという持ち方で3列車が走らない形になったのは初めてかもしれません。

 2ターン目に入ると、小規模会社の数が減り建設制限があることから、思ったよりも路線の敷設が難しい(最終交換ラウンドに間に合わないことも)というのがあったりします。3列車は5両ですが、1人2両購入したため残りは1両。実はこのあたりで小規模会社の列車の移動も重要になってきます。

 第2運営ラウンドで、先に動いて 5番の現金をすべて14番に吸い出し、最後の 3列車を買える準備を取りました。残念ながら 5番は合併しないことが確定したためです。これにより、14番のところで最後の 3列車が出ることが確定。4列車が出れば、2列車が廃棄され、次に建てる会社は列車なし、つまり、無配当でのスタートになってしまい、最終資産への影響は大きいのです。

 そんなこんなで、無理矢理列車が動いたり、合併準備を整えたり、うっかり13番、14番のラインが小都市5つを含む路線になったりしながら次の株式ラウンドへ。ここで会社が3社建ち、4列車が4両中3両出そうな形に。早くも5列車の時代への突入という形になりました。

 ここで、自社のお金に余裕があったこともあり、最初の会社も 4列車を1両購入し、時代を動かすことにしました。しかし、車両数制限を読み誤ってうっかり 6列車が出るまで列車が買えない壁の形になってしまいました。最初の 5列車を購入することで事なきを得ましたが、立地条件も悪く収益の上がりにくい形になりました。

 5列車と6列車は合計で5両しかなく、会社が 6社あるのですが、ここは何とか踏みとどまって次の株式ラウンドへ。という前に、最終転換ラウンドがありました。3人ということもあり、大きな事故もなく進んだのですが、5番の会社は1ポンドを残してクローズさせてしまいました。

 次の株式ラウンド(4ターン目)ですが、北パリと南パリが1か所空いており、残り2社ということで、早い者勝ちで北パリを取ることに成功しました。後発会社は1回無配当が入ってしまうのですが、トークンスペースが空いている状態では十分元が取れますね。この時点で 8列車が出ることが確定。最後の時代に突入します。

 3人の会社の持ち方ですが、フランス国鉄(北パリ、ブリュッセル)+プロイセン王国鉄道(南パリ、リヨン、ミラノ)+ベルギー国鉄(南パリ)、ドイツ国鉄(ベルリン、アムステルダム)+オランダ国鉄(アムステルダム、ベルリン、ドレスデン、プラハ、ウィーン)、オーストリア帝国鉄道(ウィーン、ブダペスト)+バイエルン王国鉄道(ミュンヘン、ストラスブール、リヨン)+イタリア国鉄(北パリ)という状態でした。

 ここから先はというと、基本的にパーマネント(5、6、8列車)+Pで走る展開で、ほぼ列車の長さと同じような収益になりました。板外運行のボーナスがあるためルート取りが大変ですが、プラハ、ウィーンの道を全員で共有する形になり緩衝地帯ができあがりました。このゲーム、トークン代は先払いで、かつ、数には余裕があるので、オフェンシブな展開になりそうな感じです。多人数のときはかなりシビアですね。

 5ターン目で株は売り切れ、あとは銀行破産を待つばかりですが、ここでオーストリア帝国鉄道に8列車の資金が貯まり購入したことで、1ターン延長になりました。資金的にパーマネント1両+P列車の形がメインと思われたのですが、配当額が低調なこともあり、2株余ったままだったのと 8列車の資金があったのに5列車で止まったのが大きかったかもしれません。といっても5+8はそれぞれ1都市ずつ走れない状態だったので、2社ある8+Pの収益があまり変わらなかったりとか。

 結局、1000ポンドくらい現金が残り 6ターン目に突入し、最後は全員で大量の現金を持った状態でゲームセットになりました。中盤で安定経営に入れたあげく、収益トップ 3の会社を持っていたので、逃げ切りました。株式で走り出したらトークンで止めるというゲームなのかもしれません。


 中盤以降の感想ですが、閉じ込められやすいマップ構成になっているので、合併でのつながりはかなり大切ですね。都市数を稼ぐという意味でも、トークン置き場という意味でも重要になってくるように思いました。8列車は気をつけていないと走りきれないことがあります。

 4列車が出るタイミングでは P列車は無理して買う必要はない(車両制限がきついので)と思ったりとか。3列車までのタイミングでのP列車は保持するのが難しいようです。

 あと、小都市群はかなり侮れません。5列車くらいの長さだと10円ずつの加算がかなり大きいです。13番〜14番は結局リヨンからプラハ方面に抜けるルートで無料の小都市8つをすべて通るルートになりました。この +80円は、終盤まで Y都市の収益が低いのを補ってあまりある感じでした。

 板外運行は8列車が出てからが一番重要ですが、主要なルートが少ないだけに場所取りが重要になってきます。今回 5番と10番が別プレイヤー持ちで、なおかつ 5番が放置されていたためかなり厳しかったですね。ワルシャワ、ブカレストの板外都市の出口が1か所しかないのもポイントになってきます。

 プレイ時間は 6時間程度でしょうか。かなりボリュームがありましたがおもしろかったですね。ほどよく動けるという意味で 4人くらいの方がいいのかもしれませんが、またトライしてみようと思います。


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