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● 自宅ゲーム会 2019年8月 ●

 2019年8月17日、日程の都合で自宅ゲーム会になりそうでしたが、人数がギリギリまで確定しませんでした。結果としては 5人ということで、リクエストにあった 18EUのバリアントルールをプレイしています。今回もレポートをお送りします。


●テストプレイ その1

 時間の都合もありましたが、テストプレイだけは進めておきたかったので、ねじ込んだ形に。5人プレイは久しぶりですね。今回は売却数制限を入れましたが、もっと売却数をきつめにしてもよさそうでした。

 あとは、売却枠の関係で、早売り抜けが少し弱い感じもあったのと、高いものが普通に強い展開になったので、そのあたりはレートも含めた修正が必要そうです。特殊能力は、購入時から保有し続けでもいいかもしれません。購入金額に対しての売却レートの差が大きいので、そのあたりは少し見直しをかけるかもしれません。購入レート自体を上げてもいいのですが、そのあたりは初期資金を増やす方向で要調整でしょうか。

●18EU [play:game] [BGG]

 今回はリクエストもあり、先月に引き続き 18EUのバリエーションルールをプレイしました。今回は 5人です。事前にルールは読んできてもらっています。

 バリエーションルールは、15社のマイナー会社の競りの代わりに、特殊能力を持ったマイナー会社を獲得していきます。前回のプレイの感想なども共有しています。

 マイナー会社はプレイ順に、2-7-12、4-5-15、6-8-11、1-3-13、9-10-14 でした。自分では 3番手で 6番スタートだったので、消去法からベルリンか南パリかどちらかと思っていました。

 それぞれの会社の出現場所は、1がブリュッセル、2がアムステルダム、3が北パリ、4がストラスブール、5がミュンヘン、6が西ベルリン、7がリヨン、8がドレスデン、9がブダペスト、10が北ウィーン、11が東ベルリン、12が南パリ、13がミラノ、14が南ウィーン、15がベニスでした。

 だいたい、北パリ → ドイツ中南部 → 南パリ → ベルリン → ウィーン → イタリア の順番ではあるのですが、このあたりは獲得した会社の番号によります。

 1ORの敷設ですが、4番と7番の順番でちょっと手数がかかる展開に。4番が南パリルートを取りに行ったので、7番が収益を避けて南パリ接続にとる形に。4番の配当は変わらないので、あとの手数の差になるのですが、このあたりの牽制は評価が分かれるところかもしれません。

 20Rでの建設は、2番がユトレヒトを通るルートをとりました。これで 2番に 110 の配当が出るのですが、ここの敷設が終盤に大きな影響を与えることに。ここの手数は欲張らずに早々に手を結ぶのがベターだというのが私見です。

 次の株式ラウンド、ベルリン 3社体制をしいていたので、夢の 1SR 100設立に成功しました。資金が 210あったので、100設立と3社合併でちょうど足りる形に。ベルリンを囲む 2-2-2-3 の形でしばらく走ることが確定しています。

 このラウンドは合計 4社でましたが、ウィーン 3社体制の 90設立、ストラスブールとミュンヘンで 70設立、南パリとリヨンで 70設立という感じです。ここも 70での設立は賛否が分かれそうなところではあります。1ターン待てば 100で設立となり、株式チャートの 2つ右上でスタートするので、2回配当を出したときの株価が 2段階上になるのです。

 ベルリンは 100設立の初手ですが、この時点で、席順的には一番悪い順に。株式順のトップは、新しい時代に入れないので、1手遅れになるのです。とはいえ、11番の能力の +10 ボーナスが最大限に生かせる形になっています。

 あとは、9番の1割引が終盤までかなり利いていました。90での設立でしたが、列車購入金額が安いので実質100で設立したのと同じですね。10と14なので会社の組み合わせ的にはそちらの方が強いでしょうか。3社設立とみていたのですが、4社設立で 3列車が 5両買われたので、3列車はあっという間に売り切れました。

 次のSRで、1社設立になりましたが、ここで 4が出ると1回無配当になることが確定したので、1ターン全く動かない展開になりました。このあたりは、あとでちょっと気になったので、後ろで補足しましょうか。

 これにより、かなり重い展開になったので、ベルリンの 2-2-2-3 が猛威を振るう展開になりました。最終的に 340 - 370 - 420 とぐんぐん収益が伸び、この時点で上位株を抑えるのに十分な資金を持つことに。ルール上自力の設立ができないので、上位株を持つことが至上命題となります。

 次の株式ラウンドで 8社目まで出切りました。前のラウンドで会社が出なかったのは 5列車が出ると、合併ができない会社が出るため、ということはあります。設立順の兼ね合いで、ずっと株式が悪順になっているのが非常に厳しいです。

 しかも、4列車も十分に出ない展開で、2ORの頭で 4-5 と購入して、時代を動かすことに。無配当こそ出なかったものの、ベルリンのトークンが戻ってくるまでに1手余計にかかり、ルートが全然できず、株価が 240で、配当が届かずに株価が足踏みすることに。これが非常に大きく影響しています。

 パーマネント列車の形ですが、株価順、特殊能力を含めて、ベルリンが 5-P、ウィーンが 6-P、北パリ 5-P、南パリ 6-P、アムステルダム 6、ベニス 2-5-P、ストラスブール 8、ブリュッセル 8 でした。ブリュッセルの会社は、ファイナンスが必要な形になったため、株が大幅に落ちています。

 序盤の展開が効いてきたのは、北パリから、ブリュッセルやアムステルダムを経由し、ブレーメン、ベルリンを通るルートが全く開発されていないことでした。1番がアムステルダムに向いたこと、2番が港とアムステルダムに向いたことで敷設権が全く出なかったのが原因です。あとは、北パリに必要なタイルがなかったというのもありますが、ベルリンに向かってこなかったことが遠因になっています。あとは、最初のORの中央ドイツからの手数も効いています。

 これにより、南パリの方がルートが早くできあがり、イタリアに抜けるルートがその次という感じに。一番安定していたのが、ブカレストからウィーン経由でイタリアに抜けるルートだったので、これが最終的な勝負を分ける形になりました。最終盤は、6-P の南ルートよりも、5-P のベルリンルートの方が配当が出ましたが、すでに遅しでした。

 結果としては、予想通りの 2位終了でした。思ったよりも差がついていなかったのは、中盤の配当が相当高かったからというのはありそうです。終盤は、後発会社の方が配当は出ているのですが、株価が低いのでその分の差という感じですね。

 そして、序盤の展開で、ブリュッセル、アムステルダムをとった 2人が大きく沈む展開になりました。アムステルダムの方は出口が全くなく、8列車なのに中盤まで 五都市も通れない展開に、ブリュッセルの方は、トークンの前後で早めに 8列車は走れたものの、いわゆる 4-8 を買わされるハズレの展開でした。

 全体の完走としては、18EUはしっかりとトークンを置いてルートを確立させるゲームなのと、8列車は意識しないと走りきらない点です。Yは茶色にならないと穴が開かないので、黄色のままだと抜けにくい印象があります。都市数を稼げるのは、ドイツのケルン、ドルトムント、フランクフルトと、イタリアから南フランスのマルセイユ、トリノ、ジェノバのルートです。

 18TKだと、埼玉、多摩方面に対応するような感じですし、地下鉄はあまり意識しなくても 8駅を通れますが、18EUは 2ルートある代わりに、8列車を持つ 3社はルート開拓が必要です。下手をすると 6列車ですら走りきれなくなります。

 その代わり、ルートが完成したあとのトークンボーナスは大きいですね。5列車だと 3トークン、6列車だと 4トークン、8列車だとパーフェクトの 5トークンを巻き込める計算になります。

 5人の場合は、さすがにコントロールできないところで、決着がつくような感覚があり、人数としては少し多すぎかもしれません。今回は、明確なプレイミスはなく、改善点は、最後の株式で勝負に出て、配当が出たブリュッセルの株を 2枚拾うくらいですが、それでも 100 も差は埋まらないかと思います。中盤以降SRが 4番手で続いていたのと、つねに時代を動かす番手になったこと、ベルリンに誰も来なかったのが原因と思われます。

 ちなみに、アフターで検証していましたが、2番が無理にアムステルダムをとらずリヨンをとっても、結局うまく地方が分かれるという結果になったようです。

 積み残しですが、5人の場合は、英文ルールにあるとおり、追加列車を入れるべきだと思いました。理由は、1社目を設立する前に 4列車が出てしまい、1回無配当が発声する建て損の会社が出るためです。4人では 3列車1両、5人では 3列車2両を追加すると、そのあたりは解決するものと思います。

 だだし、2回目の SRで会社を設立した場合は、配当が出る小規模会社が先に 3列車を購入し、後発の大規模会社の前に 4列車が出てしまう展開もあるのですが。その場合は、後発になりそうなプレイヤーが 70で建てるなどでしょうか。この場合は、後発会社の方が先に動くので、結局 6列車がらみで無配当が出そうです。なお、3列車1両と4列車を1両加えると、展開によっては、買うと 8列車をつかまされる 4列車が 1両余ってしまい、展開がロックしそうです。

 5人の場合は、3人ほど展開は派手になりませんでした。地域自体はうまく分かれるようですが、3列車の不足があるので、追加の3列車は必須です。3社合併が強い印象はありますが、ウィーンの3社合併は 180までしか現金が貯まらず、ベルリンの3社合併はちょうど 200貯まるので、ベルリンが100で先行します。

 あと、3社合併は北パリ、南パリ、リヨンが候補としてあります。このルートは、南パリとリヨンを優先で結べば 225 くらいまで貯まります。アムステルダムからリールを先にとられても、215 までたまるようです。この会社の 2-2-2-3 もパリが 2回使えればかなり走りますが、この形になるときは、北パリが安い場になる必要があり、アムステルダムが先行でロンドンに入る悪型になりそうですが。

 特殊能力の組み合わせが楽しいゲームではありますね。4人だと、比較的評価が高いブレーメンが使えるようになり、16社が登場することになるので、また展開が変わってきそうです。今度は 4人でプレイしてみたいところですね。

 別途ルールを読み直しましたが、今回のプレイでルールの読み飛ばしがありました。運営ラウンドでは、すでに自分のトークンが置かれているヘックスにはトークンを置けないとのことです(合併は例外)。今回だとベルリンと、南パリのトークンに影響があったようです。1846のシカゴや、1830のOOタイル、ニューヨークなどと同じですね。


 あとは、不明確だった、会社の株式の売却ですが、BGGのフォーラム、Yahoo Group のフォーラムを見たところ、1846 とは違い、会社の運営の一番最後のタイミングになります。最初のORでは売却ができないので、2ORの最後に売却することになります。

 これにより、4列車で詰まったタイミングでの会社設立は、下手をすると破滅を招くことになります。ちょっと検証してみましょう。

 会社が最も資金を持てるパターンとして、270ポンド持ちのマイナー会社を合併し、100ポンドで設立、60%まで購入するパターンですが、これでも、設立時の資金は 770ポンドです。ここからトークン代がひかれ 670ポンド持ちの会社ができます。無配当で4列車を購入すると、会社の資金は 370ポンドで 5列車ですら買えません。さらに、最初のORでは会社の株を売れず、そのまま次の ORになります。会社の株価は 90ポンドですね。

 次のORで、パーマネントが出ないパターンの場合は、通常の展開なので省略です。パーマネントが出る場合、5社目でスムーズに行けば 6の2両目に引っかかり、4列車で 230が出れば(ロンドン、パリがらみでないと困難と思われます)、無配当で 600ポンドに届き、6列車が買えます。この場合は 2回の無配当で 82ポンドに株価が下がります。とはいえ、次のSRで設立する 6〜8社目は、無配当が 1回挟まるので、株価としては同じに落ち着きます。内容は、会社の場所次第ですが、先発側が若干有利でしょうか。

 6社目で、8列車の1両目に引っかかるパターンは、4列車で走れる分だけましです。8列車までは 430ポンド必要で、4列車では足りないので、配当を出したあとで、100ポンドで 4〜5株を売り、株価を 75ポンドに下げて、800ポンドを持った状態になるかと思います。この形の場合は、後発の 7〜8社目が 100ポンド設立だと後発になり、8列車を先に買われて、無配当が1回出て 70ポンドで 8列車を購入することになります。

 この状態では、後発会社が 90ポンドで 8列車を購入することになるので、単純に同じ資本金で、上下方向に 3ブロック下回ることになります。この状態で残り 3ORで 32ポンド、5ORで 40ポンドの株価の差が出てきます。さすがに配当差でひっくり返すのは難しく、後発有利な形になります。

 最悪は 7社目以降で、8列車が出てしまうパターンです。この場合、所持金は 370ポンド、強制購入で 430ポンドの自腹が発生し、所持金不足の株売りが発生する程度の被害が出ます。次のSRでも、まともに株が買えないので、ほぼ敗着手になるかと思います。この場合会社の株価は 82で、(ないかもしれない) 後発会社と同じ位置ですが、1回余計に 8列車での配当が出るものの、損失を埋めるまでの配当は出ないでしょう。

 色々と考えた結果ですが、自分で設立した会社が 4列車を購入することになる形について、5社目までは充足するので問題なし、6社目は、3列車持ちのマイナーを転換させれば、8の1両目をファイナンス後に購入できそう、7社目はリスキー、8社目はアウトという感じでしょうか。場が停滞し、5社体制で既存の会社が 4列車を出せる形になった場合は、マイナー会社へ吸い上げられる、比較的不利なプレイヤーが、時代を動かしたほうがよさそうです。

 人数が減った場合も、4-5-6列車の数は変わらないので、基本コンセプトは同じはずです。100での設立が前提ですが、6社目は 3列車を転換させ、配当を出してスタートできるならOK。7社目以降は、後発会社ほど、4と 2両目の 8 をつかまされる形が多くなるので、基本は待ちでしょうか。3人の場合は、6社で充足。4人の場合も同様に 6社で充足になりそうな気がします。


 というわけで、18EUバリエーションルールでした。作業期間のあとは、新作が届く予定なのですが、どこかで 4人プレイをしてみたいところです。


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