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● JAGA 2003年 4月のレポート ●

 今年の連休は、カレンダーに恵まれず微妙な日程になってしまいましたが、2003年4月27日におこなわれた JAGA の例会に行ってきました。今回もプレイしたゲームを中心にレポートします。


● ことばであそぼ

 最初は前日の 4/26 に公開したばかりのオリジナルゲーム「ことばであそぼ」のお披露目をしました。Play on Words (プレイオンワード) のルールを見たときに、日本語でやるとどうなるかと思ったので、思い切ったリミックスを加えて作ったのがきっかけです。

 4人までがいいと思っていたのですが、参加希望者が 5人だったで試しに 5人でプレイしてみました。ルール的には問題なく動いているような感じでした。序盤の 10枚の手札では結構面白いことばが作れるので、ワードゲームとしての楽しさも出ているのではと思います。

 今回の印象に残ったことばは「がんぜない」ですが、他にも「たほいや」や「ポリプロピレン」「つぼいのりお」などを作ろうとしていたらしいです。1ターン目にさらすことばは、ある意味「つかみ」なので大切です。

● 宝石商

 JAGA 4月のイベントは「和風ゲーム大会」ということでしたが、「投扇興」も「八八」もルールを知らなかった(「投扇興」はルールを調べたかったけど事前に時間がなかった) ので、出走回避。その代わりに持ち込みゲームの「宝石商」をプレイしていました。

 「バサリ」のリメイクということで、アクションカードでの行動、宝石の交換や、ボーナスの入り方など共通の部分は多いのですが、完全なカードゲームになっています。今回は「バサリ」の適切な人数でもある 4人でプレイしました。

 ルールを読んで、プレイする前までの印象はというと「バサリ」とあまり変わっていないけど、イベントカードがちょっと煩雑なような感じでした。

 実際にプレイしてみると、アクション選択のターン数が 4人の場合 8ターンと少ないので 3人でバッティングしてしまうとかなり痛いことが分かりました。何もできないくらいなら、少額でもいいからお金を手に入れた方が明らかにうれしいです。

 結果は、中盤から終盤にかけてバッティングを避けて地道にお金を稼いだプレイヤーと、宝石を集めて最後に 3色でトップを取ったプレイヤーとの一騎打ちになりましたが、1 の差でお金を稼いだプレイヤーの勝利になりました。

 感想戦では「イベントカードが微妙だ」とか「バサリの方がよかった」という話も聞かれましたが、今回プレイしていない方の中には「宝石商」の方が洗練されているという話もあったりしています。個人的には 1プレイで「こんな感じ」という評価をするのですが、今回は見送りです。

 というのも今回は、ルールに慣れていないはずなのに、かなりハイペースでプレイしていた(全員の宝石カードを確認するまもなく、私以外の全員がアクションカードを出しているという状態が何度もあった)ので、こちらも半ば無理矢理にペースをあわせていたことがあります。

 現に 3〜5人で 3ラウンドある 45〜75分ゲームということは、1ラウンド 20分弱で終わらせるのが標準的なはずなのに、最終ラウンドあたりは 10分少々で終了していました。慣れているならまだしも、初プレイでこのペースは速すぎな気がします。

 「ボードがない」のと、交渉が絡むゲームなので、全員の宝石カードと所持宝石はしっかりと確認する必要があるのですが、それをさせてもらえなかった感じがしました。テーブル上もごちゃごちゃとしていたし、イベントカードのめくり忘れも何度もありました。

 改善策としてはターン数が知りたければ、宝石カードを全員に配ってしまうのが一番楽な気がしました。あとは、イベントカードは、カードに和訳をはるのがいいような気がしています。ボードがないのですから、ことさら場をクリアにする必要があると思うのです。

 私のレポートでは珍しくプレイ後の意見を書きましたが、評価するのに十分なものが見えなかったと思ったのであえて書いてみました。

● スフィンクス

 そのあとは、人数が少なくなったので 2人用ゲームの「スフィンクス」を教えて頂きました。対戦相手が造った迷路をはやく脱出したほうが勝ちというクラシックなゲームですが、雰囲気のあるコンポーネントが特徴です。ゲームマーケットのオークションに出品されたらしいです。

 どこかでルールを見たことがあったので、スムーズにプレイすることができました。これは、昔からやってみたかったということもあってなかなか面白かったです。単純なゲームですが、コンポーネントもあるとだいぶやりやすさが違ってきます。

 これは「ブラックボックス」が好きな人には、お進めできるゲームだと思います。手探りで道を探すとか、対戦相手を引っかけてやろうと迷路を造るあたりが共通の部分になりますから。

スフィンクス

「スフィンクス」

● ジンラミー

 続いて 2人用のトランプゲームということで「ジンラミー」をプレイしました。トランプの本でルールは読んだことがあったり、去年たかのさんのところに行ったときに、あちこちでプレイされているのを見て人気があるゲームなのだというのは覚えていました。

 身近にプレイされているルールを知りたかったので、ルールから教えて頂きました。確かにこれは、ほどよい駆け引きと運の要素があって面白いゲームでした。2人用のトランプゲームとして根強い人気があるのも十分にうなづけます。テンポもいいゲームなので、たしなみとして知っておいて損はないと思いました。

● ツタンカーメン

 投扇興からのメンバーが戻ってくる中で、ちょっと古めの Amigo のゲーム「ツタンカーメン」を 5人でプレイしました。クニツィーア作のゲームで、コマを動かしてタイルを取って決算するだけの至ってシンプルなルールのゲームです。

 とはいっても、やはりクニツィーアのゲームだけあって独特のカツカツ感があります。欲しいコマはあるけど、動きすぎると決算にならないかもしれないとか、そういったジレンマがあるのです。いろいろな意味で、昔のクニツィーアの作品だという感じがしました。忘れかけたものを思い起こさせる、そういったゲームでした。

ツタンカーメン

「ツタンカーメン」

● ハットトリック

 お次は 1995年の Amigo のトリックテイキングゲーム「ハットトリック」をプレイしました。昔、仙台にいたころにカードを作ってまでプレイしたゲームなので、それなりに思い入れがあります。当時は役割分担をされるという理由で避けていた 6人でのプレイになりました。

 変わったフォロー義務のあるトリックテイキングですが、独特の緊張感とバランスがありなかなか面白いです。6人プレイでもカードのディストリビューション(分布)が偏るので、あまり役割分担にならないという結果でした。

 変わったトリックテイキングなので、通常のトリックテイキングをやったことのあるプレイヤーの方がいいとは思うのですが、いまでも面白いゲームなのには代わりありません。しかし「シュティッヒルン」のボーナスカードでこのゲームがプレイできるとは思いませんでした。

● 造形家倶楽部

 これは、ゲームマーケットで購入された粘土ゲームだそうです。あるお題にしたがって、みんなで粘土細工を作る段階と、それを評価する段階に分かれています。

 お題の出し方が独特で、形容詞か副詞しか使えません。例えば「辛い」とか「かわいらしい」とかそんな感じのお題になります。従来は名詞がお題になっていてそれに沿ったものを作るのがほとんどでしたが、このゲームではプレイヤーによって作るものにばらつきが出ます。制作時間は 1分と少なめなのも特徴です。

 全員で作品を作ったら、品評会に入ります。スタートプレイヤーから順に全員の作品に ◎、○、△、× の評価をつけます。このときに、他のプレイヤーとなるべく同じ評価をして多数派を取ると得点になるのです。

 一番高評価を得た作品を作ったプレイヤーにもボーナスが入りますが、評価の予想の得点と比べると微々たるものです。実は、心理戦が主体のゲームなのかもしれません。

 これは、創作系、コミュニケーション系のゲームでも面白くできていると思います。いったん点差がつくと逆転しにくいのはこの手のゲームの常ですが、まあ課程を楽しむゲームと考えて頂ければいいのではと思いました。 もちろん、ゲームのあとにはちゃんと手を洗いましょうね。

 写真は、最終ラウンドで作った作品「眠い」です。3人が「ふとん」を作る中で、1人だけ作った「勉強」[作者いわく、本とノートと箸(笑)] が意表をつく作品で高評価を得ていました。

造形家倶楽部

「造形家倶楽部」 作品名:眠い

● 陰の騎士

 2度目の「ことばであそぼ」をプレイしたあと、こちらも「ナイトオブザレインボー」のリメイク「陰の騎士」を 5人でプレイしました。私は、リメイク前のものをメビウスから通販で購入していました。もう 2年前の話になるのですね。

 「陰の騎士」の方は競りカードが追加されており、最初の山札の勢力争いが激しくなっています。最初の権力も 9 に増えて、うっかりと消されてしまうことも少なくなりました。その昔、残り体力 5 でターンを終了したら、次のターンが回ってくる前に、消されたことがありました。

 競りカードの競りはかなり難しいです。カードは累積されるので、序盤からためておく必要があるのですが、競りカードの効果も恒久的なものなので、早ければ早いほどありがたいのです。うっかり値段を付けすぎると、消されてしまう可能性がありますからね。

 でも、やはり直接攻撃ができてしまうゲームだけに、攻撃対象などはかなり難しいです。あと通称エチケットカードの青いカードは、今作でもかなり強力な効果があります。

 競りの要素も加わってゲーム的により楽しくなりましたが、直接攻撃できるあたりの「すさみ具合」は前作と代わりありません。そのあたりは、古典的なアメリカゲームに近いものがあると思います。いろいろな意味で、プレイヤーを選ぶゲームだと思いますね。

● The Last Hope

 時間もそんなになかったことや、すさんだあとということもあって「縁起物だから」という理由で私の The Last Hope を 4人でプレイしました。今回は通常のボードでプレイしています。

 2人が刻みを含めた 700点を獲得するものの、失敗が続いたり、1000点ちょうどになってしまい続けるしかなくなったりで、膠着状態になりました。そんな中で私が 740点を取ったあと、760点で一気に突き放して 1500点で最終ラウンドにしました。最後の望みで 700点を覆すことができずにそのまま逃げ切りました。

 このゲーム、何度もプレイしているのを見てきたのですが、マスの取り方には性格が出ますね。確率の低いマスを重点的に埋める人、エキストラを重視する人、偶数を避ける人などさまざまです。

● オリジナルゲーム

 最後に「もじきゅーぶ」のダイスを使ったリアルタイムのワードゲームをカワサキさんが考えたので、プレイしてみました。これは、テンポもよくノリもよく面白いと思いました。意外と自由にことばを作れるのも面白さになっていますね。


 今回は 6時間で 10タイトルとかなりプレイすることができました。以前からやってみたかったゲームや、作ったばかりのオリジナルゲームなど、やってみたいゲームは一通りプレイすることができたのでかなり充実したゲーム会だったと思います。

 「ことばであそぼ」はまだまだ作り始めたばかりなのですが、それなりにウケたので安心しました。雰囲気を楽しむゲームなので、さっくりと作る予定ですが形にしてオリジナルゲームに昇格させたいですね。


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