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● JAGA 2003年 8月 ●

 恒例の JAGA レポートになります。掲示板で速報として書いたものを加筆しながら、思い出として残すことにしましょう。


 遅れてきた夏、といわんばかりにかなり暑い中、目黒まで行きました。最高気温が 34度ということで、こういうときは涼しい場所でまったりとゲームというのがいいですね。

 会場に着いたものの、しばらくはゲームオリンピックモードでした。私は、思うところがあって参加回避なので、しばし観戦を。JAGA で MAGIC がやられているのはかなり珍しいですね。ドラフトの流れなどをやっていました。

● カタン

 今回の JAGA は 8/23 で、翌日は「カタン」の大会の日です。大会あわせということで誘われたので「カタン」をやりました。端に砂漠といういちばん広いマップの割に、土が 2, 12, 3 というやたら渋いものができあがりました。

 内陸の土地を取らざるを得ない状態だった割りに、思ったよりも止められたこともあってさんざんでしたね。あとで確認したところ、カードが 6人用になっていました。

 補足をしておくと、6人用の場合材料カードが各 5枚多く、発展カードの構成も違ってきます。特に発展カードはカウンティングの対象になるので、混ざっていると、とんでもないことになってしまいます。昔 3枚目の街道建設を見たことがありましたね。

カタン / Die Siedler von Catan, Klaus Teuber, Kosmos, 1995

 脇で「シュテルネンヒンメル」とか「メディチ」とか当時を思い出すものがプレイされていたりしました。メディチは 6人でプレイされていたのですが、後半 2ラウンドはそれぞれ 12枚ずつ流れていました。20点のゾーンに入ったプレイヤーがいなかったのが、とても印象的でした。

● ことばであそぼ

 メンバーもそろってきたところで、縁起物の「ことばであそぼ」をやりました。ルールはページに紹介されているものでやりました。

 今回は、3文字のことばがほとんどなく、かなり高レベルな展開になりました。最終的にできたことばは、「えんぎは」「ならべる」「ぶらっと」「おくびょう」「にねんかん」「うすうす」「やさい」「くうしゅう」でした。

 3文字の「やさい」は当然いろいろなプレイヤーの手をわたったことばなのですが、5文字の「よんしゅう」とか「にねんかん」ももとは別のことばでした。最高連鎖自体は 6連鎖で、ボーナスカードはありませんでした。

 審議の対象になったことばは「よんしゅう」(これは OK)、「やーい」(共通見解が得られなかったので NG)、「ごねんかい」(五年会、これは複合語なので NG) などがありましたね。

 作者が書くと公式の見解になってしまうのですが、ことばの基準についてを。基本的にボーナスにならないことばの判定は甘いです。3文字なら、略語でも通すことが多いです。「ぢ」「づ」は仮名遣いが正しいことが条件です。

通した例:「ガムテ」(ガムテープの略)、「ゴムて」(ゴム手袋の略)、「おっす」(あいさつことば)

 数詞付きの名詞ですが、「ものの数え方」として一般的な単位ならばいいと思います。ただし、正しい仮名遣いである必要があります。

通した例:「いっぱつ」「さんだすう」

 ちなみに、このゲームの場合は作れることばは名詞だけではありません。動詞、形容詞、副詞、感動詞などを織り交ぜると、普段使いにくいカードが使えると思います。今回だと、「ならべる」(動詞)、「ぶらっと」(副詞)、「うすうす」(副詞) がありました。

ことばであそぼ / World of Word, Hammer, Hammer Works (Original), 2003

● Cash or Chance

 オリジナルゲームつながりで、かなりひさしぶりに Cash or Chance もプレイしました。3人プレイのゲームということですが、当時はかなりゆるめのバランスで作っていたので、数値バランス的にかなりカツカツに作ってもいいような気もしています。

 ゲーム自体は 1ラウンド目で 6枚という大きな買い物をされるものの、18 独占と 15 の 3枚で大逆転となりました。90点はこのゲームではかなり高い部類にはいるでしょう。

Cash or Chance, Hammer, Hammer Works (Original), 1999

● 投扇興

 そのあとは「投扇興」を観戦しつつ初めて扇を投げました。練習しないと全然思うように飛ばないのものですね。柏木につき 8点とか、とにかく優雅な遊技です。

 役の一覧表がかなり便利でした。手習いにつき無点から、五十点の本当にできるのかというものまでさまざまでした。ほぼ一直線上にとかそういうアナログさがたまらないゲームですね。ただ、私は正座が苦手だったりします。

投扇興, (Japanese Classics)

● ワイルドラッシュ

 そのあとは、カワサキさんの「ワイルドラッシュ」をプレイしました。日記で話は見ていたのですが、実際にやるとなかなか難しいパニック系のゲームです。

 1から人数と同じ数字までのカードが配られて、よくシャッフルします。バスケットに NG カードが入った時点でゲームスタート。1から昇順か、最大数から降順になるようにカードを入れていきます。NG カードの数字は飛ばしてカウントします。NG カードを出したり、間違えたり、カードが裏返ったり、出せなかったりしたら負けです。

 聞いただけだと簡単そうなのですが、これがなかなか難しいのです。意外とカードが裏返りやすく、あわててもいけないし、かといって数字を探しているとどんどん探す数字がずれたりすることもあります。

 ラウンド開始前に、最小数と最大数を頭の中でチェックしておくと反応が早くなるような気がします。これは、タッチでウノーの某ゲームで心がけていることだったりしますが。

 あっさり、わいわいというのにはぴったりのゲームです。カワサキさんの「カウントダウン」もしかりですが、この手の軽さのゲームを作れるようになりたいものです。

ワイルドラッシュ, カワサキ, (Original Games), 2003

● アプディポスト

 田中風太郎さんのリクエストで「アプディボスト」をプレイしました。飛行機レースのゲームですが、飛んでいる場所によってかなりゴールまでの距離が違います。近道をしているとそれだけ危険なこともあるわけですが。

 飛行機の移動には、玉の入った飛行機型のオブジェを振ります。出てきた玉の色によって移動数やアクシデントが決まります。あの、「宇宙カタン」の宇宙船のような感じです。

 ルールも単純で、やること自体は、体力を蓄えて、あとは飛んでいくだけという感じなのですが、リスク管理の要素や出発のタイミング、コース取りなど考えるところもちゃんとある、これぞドイツのゲームという感じの作品でした。5マス進める黄色の玉を「ハワイ旅行」(理由:一等賞だから) と名付けたりしていました。

 この文章のために The Board Game Geek を調べたのですが、思ったより低い評価がついていますね。ゲームというのは実際にやってみないと分からないものだと思ったりします。

Ab die Post, Hermann Huber / Helga Huber, Goldsieber, 1996

● ホンネとタテマエ

 カワサキさんのオリジナルから、ホンネとタテマエをやりました。以前に JAGA でやったときからまたバージョンアップがされています。

 バッティングさせすぎないようにするという、単純明快なテーマになっていました。タテマエで見せたのが思わぬ方向によけていったりと、お互いに道を譲り合ってしまうという様子を思い起こさせるゲームでした。

 最後の方になると首が絞まっていくというのもこのゲームの特徴で面白いですね。

ホンネとタテマエ, カワサキ, (Original), 2003

● サイコロン

「卓上遊戯創造館」で紹介されている「サイコロン」というフリーゲームをカワサキさんのアレンジを加えてプレイしました。PS のパズルゲーム「XI」に感覚としては近いゲームです。

 これも、さっくりと終わってなかなか面白かったです。featuring カワサキさんの変更点が絶妙だったと思います。サイコロが 30個必要ですが、それさえ乗り切ればけっこう楽しめるゲームだと思います。意外と少人数の方がいいのかもしれませんね。

サイコロン, D. Obara, (Original), 2003

● 知略・悪略

 最後にドロドロとしたメイフォローのトリックテイキング「知略・悪略」をプレイしました。

 4色 21枚ずつとかなりスートごとのカードが多いゲームなのですが、メイフォローになっています。トリックごとに 2人がカードを取り合うことになりますが、独特の得点計算のためにドロドロとしたことになるのです。

 まず 2色のカードの枚数でベースの得点を決めます。得点は、それぞれの色のカードの枚数をかけ算します。それ以外の色のカードを取ってしまった場合、ベースの得点をその枚数で割ります(このとき 0 は 1 として扱います)。

 まあ、2色のカードを平均的に集めるといちばん得点が高くなるわけですが、メイフォローのいやらしさも相まってなかなかうまくはいきません。ちなみに 1色しか集まらないとベースのかけ算に 0 が入るため 0点です。

 個人的には、ダーティーさが強いゲームだという印象でしたが、終わってみるとなかなかの接戦でした。トリックテイキングの知識が前提にはならないのですが、通好みのゲームであることには違いないと思いました。

知略・悪略 / Mit List und Tueck, Klaus Palesch, Berliner, 1999


 今回もオリジナルゲーム、旧作、新しいものが、まんべんなくできました。いろいろとやってみたいと言うこともあるので、かなりうれしいことだと思っています。

 なお、今回の会場ではビバリーから「アップル トゥ アップル」の先行販売がありました。日本語版でネタになりやすいゲームとのことで迷わず購入しました。


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