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● JAGA 2006年11月 ●

 2006年11月23日、今回は変則的に祝日開催です。場所も先月と同じく、いつもとは違うところでの開催となったJAGA例会に参加してきました。投扇興大会の様子も交えつつ、プレイしたゲームのレポートをお送りしましょう。


 今回は、前回の反省もあって、手近なところで昼食を取ったため早めの会場入りとなりました。といっても、場所があらかた埋まっていたので投扇興大会のメイン会場となる和室に移動し、セッティングを手伝いつつという感じなりました。

 投扇興は初めてという方が多かったので、説明がてら練習にけっこうな時間を費やしていました。一段落したところでメンバーが合流し、という感じを繰り返し、開始時間まで軽いゲームくらいしかプレイしませんでした。

●ゲシェンク [play:game]

 時間もあまりないと言うことで、簡単に終わるゲームから 4人でのゲシェンクを軽くプレイしました。思いっきり高い数字を取らされたり、チップ回収に走ったら直前で取られたりといいところがなく終わったような気がします。30以上のカードが2枚カウントされてしまうと、さすがに勝負にならない感がありますね。マイナスはぎりぎり2桁で止まりましたが。

●ゼロの恐怖 [play:game]

 Amigoの新作から「ゼロの恐怖」をプレイ。5色のカードを使ったメイフォローのトリックテイキングとされていますが。これはもはやトリックテイキングではないような気がします。抽象的な感じの普通のカードゲームですね。

 一番高い数字を出したプレイヤーがカードを取り、取ったカードについて得点が入るという感じですが、得点獲得のルールにひねりがきいています。「ゼロの恐怖」(Null & Nichtig)というタイトルはまさに言い得て妙で、ゼロのカードによって得点が一気に下がる場合もあるのです。

 このゲームの評価なのですが、個人的には一旦保留です。ルールを読んだときにあんな感じになりそうな気がすると思った傾向が、そのまま出てしまっているような感じなので。今回は 5人でプレイしましたが、4人くらいに減らすとどんな感じになるのかを見る必要がありそうです。どちらかというと、トリックテイキングみたいな楽しみ方より、パーティーゲームとしてとらえるべきかもしれません。

●投扇興 [play:game]

 今回のメインイベント、投扇興大会です。30人近い参加者になりました。これについては、言葉で説明するよりも実際に見た方が明らかに分かりやすいゲームですね。いや、ゲームというよりは遊戯と言うべきでしょうか。

 決められた距離から扇を投げて、枕といわれる木の台の上にある蝶に当て、扇と蝶、枕の位置関係の美しさで得点を獲得するという日本の伝統ゲームです。ただ蝶に当てるだけだと、ほんの少ししか得点は入りませんが、扇の上に蝶が重なったり、枕の上に扇が乗ったりときれいな形になると得点が上がります(どの形が何点かは定められています)。

 年に1回の大会ではありますが、経験の出やすい競技でもあります。今回は、従来のハンデキャップ制に加え、経験による差の出にくいように工夫がしてあります。

 このゲーム、なかなか蝶に扇が当たらないのですが、当たって思わぬ形になったときには気持ちのいいものがありますし、何せ見ていても楽しいというのはありますね。個人戦、団体戦とプレイしましたが、どちらもそうそうに抜けてしまいました。

 今回は、初プレイの方に紹介できただけでも十分な価値があったのではと思います。アナログゲーム好きで日本にお住まいであれば、一度はプレイしてみる価値のある遊戯なのではと思います。

●ゲシェンク [play:game]

 こちらは、3人で時間調整ということでプレイしました。3人でプレイするのはあまりないですね。より面白くするために、10の倍数のカードを抜くバリエーションを入れています。これがあることによって、明らかにないカードが分かり、戦略が立てやすくなります。

 大量のカードを3人で取り合うこと、チップが場に33枚しかないことがあるため、相場観が多人数プレイとは若干異なります。粘っても大量にチップを取れないが、ある程度はチップを稼ぎたいというジレンマと、これを取らないとあとでもっとひどいカードを取らされるというジレンマのぶつかり合いが見られることもあります。

 ちなみにこの文章を書いている時点で、年内で一番プレイしたゲームということになっています。個人的には、常時持ち歩きたい「殿堂入り」クラスのゲームと思っています。

●トリックステークス

 ひさしぶりに、創作ゲームをプレイさせていただきました。前の週に隣でプレイされていたと思われるゲームですね。こちらは、トランプもあり、マストフォローのトリックテイキングになっています。

 トリックを取ることが目的ではなく、うまくトリックを取って自分の予想した馬を勝たせるというのがこのゲームの目的になります。切り札は場をコントロールしやすいですが、その分配当が低くなっており、うまくひねられていると思いました。こちらも、調整の結果が楽しみな作品です。

●乗車券 USA 1910 [BGG]

 今回のメインイベントにするはずが、すっかり遅い時間のプレイになってしまいました。先週惨敗したての新作ゲームをプレイしています。

 あの「乗車券」「チケット・トゥ・ライド」の追加カード集です。新たなチケットカードと、バランス調整されたチケットカード、さらに通常の列車カードを含めたカードだらけのセットです。チケットカードの組み合わせで 3種類のバリエーションがあります。

 今回は「USA 1910」ルールでプレイしました。目的地が全部従来とは違う組み合わせになり、最長路線の 10点ボーナスの代わりに Globetrotterのボーナス 15点が入ります。他のルールは従来と全く同じです。

 目的地の組み合わせか、Globetrotterのボーナスのせいか、ほとんどチケットを引かないプレイはあまり見られなくなり、ちゃんと全員が追加のチケットを引くようになりました。5人でプレイしたので険しい道のりになる可能性もあったりするのですが。

 チケットの組み合わせの妙もあったのですが、中盤で 2枚の目的地を完成させ、追加のチケットを引いたらそこからさらに拡張する長距離路線が 2つあったので、勝負に出てみました。いわゆる素点重視の従来型の戦略に近い感じですね。

 結果は、手順の差で最後の 6マス路線を完成させ、Globetrotterと同じ得点を取って逃げ切りました。15ポイントくらいの差ではありましたが、手順が逆だと得点が下がった上に、1ターン余計にまわるという感じになったので、混沌とした勝負になったでしょう。新たな目的地もそうですが、ボーナスの効果が大きいかという印象でした。

 初代「乗車券」では、手札をため込んで長い路線をつくり、最長路線のボーナスを狙うというのが強い印象がありましたが、ルールの変更により、攻めどころの判断が難しくなったのは評価に値すると思います。シリーズの作品が好きな方にはいいバリエーションになるのではと思います。最初から、1910ルールでも十分入っていけるでしょう。

●トレンディ [play:game]

 最後にちょっとした時間が余ったのでひさしぶりに「トレンディ」をプレイしました。ナウなヤングにバカうけな感じのライトなカードゲームですね。流行に乗り遅れないように、ファッションモデルのカードをプレイして得点を稼ぐゲームです。イラストは、ちょっと昔のゲームらしくバタ臭い感じがします。

 このゲームは、わいわい楽しみながらプレイするのがいい感じですね。整理運動や箸休めにちょうどいい感じといえるでしょう。時流の流れは自分一人では作れないという感じが何とも言えません、「ダミー」に近い感じがしますね。

 このゲーム「クレイジーダービー」というタイトルでリメイクが出ています。テーマは動物の競争ということで、イラストがポップな感じになっています。どちらもゲームとしては同じなので、好きな方をチョイスすればと思います。


 今回は、このくらいで解散とあいなりました。ひさしぶりに投扇興大会に出ましたが、やはり魅力のある遊戯ですね。今回は 8人でのアフターとなりました。ピンポイントの祝日ということもあり、なんとか席を確保することに成功しました。常識力トレーニングとか、DSが猛威をふるっていましたね。

 来月は、元の会場での開催となります。今年最後の開催は、惨敗ゲーム会の様相が強くなるでしょうか。新作もどんどんプレイしたいですね。


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