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● JAGA 2006年12月 ●

 2006年12月16日、今年最後のJAGAが開催されました。会場も工事が完了したのでいつも通り目黒に戻ってきました。今回も、プレイしたゲームを中心に紹介していこうと思います。


●電力会社 中央ヨーロッパ [BGG]

 あの「電力会社」に新しいエキスパンションが登場しました。今年のEssenの新作と言うことで、この文章を書いている時点では、まだ和訳つきでは入荷されていないのですが、英語版を購入してルールを読んでお披露目しました。おそらく、かなり早い段階でのレビューになると思われます。

 前の「フランス・イタリア」と同様、ボードの両面にマップが書かれており、2マップでの拡張になっています。今回のテーマは、「中央ヨーロッパ・ベネルクス」ということで、さらにヨーロッパの国が舞台になっています。

 プレイしなかった「ベネルクス」の方から紹介すると、ベネルクス3国(ベルギー、ネーデルランド(オランダ)、ルクセンブルク)を舞台にしたマップです。北海油田の豊富な石油、天然ガス資源から、石炭と石油の産出量がきれいに逆転しています。また、エコ発電が推奨されている国と言うことで、登場が若干優遇されています。

 マップとしては、低コストでネットワークがつながっていることが多く、追加ルールにより時代の進行も若干早くなっています。そのため、全体的な展開が早くなるとのことです。

 もう一方が今回プレイした「中央ヨーロッパ」です。こちらは、石炭が豊富な土地ということで、石炭が若干多く出ます。が、全体的な資源は少なめに設定されている模様です。また、ウィーンに支社を建てているとゴミ発電に若干有利なことがあります。

 さらに、ポーランド、オーストリアは国政で原子力発電所を禁止しています。そのため、支社の配置によっては原子力発電所の競りに参加できないという制限も出てきてしまいます。まあ、マップが変わっただけでもだいぶ様相が変わるゲームではありますから。

 今回は、6人プレイでしたがきれいにウィーンが消えてしまい、追加ルールが少ない状態でのスタートになりました。初めての方もいらっしゃったので、ひさしぶりにルール説明もしました。このゲームの場合、あまりチャートがなくても大丈夫なような気もしていますが、慣れているからなのでしょうか?

 電力会社もひさしぶりにプレイしましたが、それなりにカツカツで、順番取りが大切というのは変わらないですね。安い発電所が全体的に買われたこともあり、順番争いが激しくなり、燃料代も序盤から高騰していくことに。

 発電所は、今回は将来の発電所があまり出てこなかったこともあり、それなりの電力量で粘る展開になりました。数字の大きいのも比較的燃料が多く消費されるものが多かったりとか。そんな中、順番の関係でいい発電所が定価で転がり込んでくる場面がありました。

 珍しい展開ですが、33番の4電力のエコ発電が大活躍しました。2件のエコ発電所でほぼタダという燃料費と、コストの安い土地配置が功を奏し、一気に軒数でリードしてそのまま中盤へ。この頃には、位置取りによる貧富の差がだいぶ出ていたようでした。

 結局のところ、大きな独走を許してしまい、中盤で大きな発電所が出ずに、ステップ2の2〜3ラウンド目にゲームが終了してしまいました。14軒建てきり、11件発電で他のプレイヤーの発電量が10件以下という状態になっていたのです。資金を読み違えていたというのもありましたが、燃料1つで延長戦まで十分ありましたね。

 ただ、燃料を持っていたとしても優位はあまり変わらなかったかもしれません。大きな発電所が出て、15件勝負とかになっていたら分かりませんが、燃料費が高騰してどうにもという感じがしました。

 今回は、位置取りで独走されてしまいましたが、マップバランスもそんなに悪いとは思いませんし、追加ルールもゲームをがらっと変えるというものでもありませんでした。

 電力会社のゲーム性はそのままという感じなので、シリーズが好きな方は持っていても損はないかと思います。プレイ時間はある程度かかりますが、これだけボリュームのあるゲームが 2時間クラスで終わるというのもポイントですね。

●ローマ帝国の危機 [play:game]

 お次は、4人になったので気になっていたのにプレイできなかったものをやってみました。こちらも Essenの新作から「ローマ帝国の危機」です。カタンファミリーに属するゲームですね。ローマ帝国を侵略する侵略者となって、ヨーロッパ全土に勢力を伸ばしていきポイントを稼ぐというゲームです。

 マップ自体は、カタンそっくりですし、サイコロを振って材料が入るところや発展カードなど似たような要素がいくつかありますが、基本的には別のゲームという感じです。

 ゲームは大きく序盤と終盤という感じになっています。序盤のうちは兵力を増強しながら民族を移動させ、各地へ侵略を進めていきます。侵略自体は得点にはなりません。全土を侵略することで初めて得点が入ります。ターンごとに民族を移動させていくのですが、遠くに行くためには材料が必要になるため、移動力と材料の兼ね合いが難しいのです。

 また、民族のいる場所に対応した材料が手にはいるため、時には移動することによって生産力が激減すると言うこともあります。このあたりの兼ね合いも悩ましいところだったりします。侵略戦争と言うより、陣取りという感じですね。

 民族は定着することで得点になります。一旦定着したら、そこから手を広げていくという形に移行します。侵略先から手を広げていくのには、元になる材料が大量に必要になりますが、新たな土地からも材料が出るため生産力が上がっていきます。これにより、終盤は加速度的にゲームが進行していくことになるでしょう。

 ゲーム自体は、序盤はかなりまったりとした展開だったものの、全員があらかた侵略が終わってからの時間があっという間という感じでした。初期位置は生産力がそれなりにある上、いわゆる泥棒が飛んでこないのである程度力を蓄えるということも大事になってくるかもしれません。

 プレイ時間は、2時間以上かかりましたが、侵略移動の考えはアクションポイント制のゲームに近い感じがしましたし、どう広げていくかというわくわく感は、作者ならではという感じもしました。あと、終盤の生産力の上がり方を考えると、早めに定着させて、生産力で一気に押し切るということもあるかもしれません。

 楽しいゲームではありますが、ボリューム感はそこまで大きくないので、長時間ゲームのまったりとした感じになるかと思いました。


 今回は、2ゲームだけでしたが 19時を回ったのでちょっと早めに終わりにしました。アフターはひさしぶりにいつもの場所で、今後の話などいろいろとありました。

 なんだかんだで今年は11回参加できたようです。来年もまたちょくちょく顔を出すことになりそうですね。


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