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● JAGA 2016年12月 ●

 2016年12月17日、ゲームマーケット明けのゲームの機会は今年最後の JAGAでした。忘年会と日程が一緒のため早めに抜けることになったので、入る時間を早めての対応にしています。新作中心のレポートをお送りします。


●モンスカート

 最初にプレイした新作は、こちらから。ドイツの伝統的なトリックテイキング「スカート」を簡易化し、モンスターをテーマにした作品です。

 スカートは、カード点も細かいのと、ビッドの種類が多いのと、得点計算が複雑なのはありますが、そのあたりはシンプルになっています。結果として少しナポレオンによっています。

 シンプルにはしていますが、ビッドありのトリックテイキングなので、テクニカルなゲームです。得点カードが 12枚しかないので、スートの強さは重要になってきます。達成点方式なので無駄に高いビッドは不要ですが、オーバービッドされない程度の感覚は必要になります。

 そして、チャレンジャーとディフェンダー2人の協力体制になるので、ディフェンダーの協力も重要です。このあたりはナポレオンに少し似ています。チャレンジャーはスロットを見て交換する権利と、切り札を決める権利がありますが、クレームできるまでのコントロールが難しいこともあります。

 ビッドは 7点を超えると難度が一気に上がりますね。それなりの手札でもトランプの枚数と、ディフェンダーの協力で 5点止まりになることもあります。

 1回だけ、切り札スートは 0枚なものの、赤スートが全部そろうものすごく強いカードが来ました。この回は 6の赤でビッドが通り、切り札狩りで切り札スートが 2枚、次の切り札狩りで 1枚出てきたので、切り札スートの位置関係が完全に掌握できました。3-1のディストリビューションだったようです。

 切り札以外のカードは 4枚しかなく、2枚は最強札、7-5の構成で1枚はエスタブリッシュ可能だったので、ボイドスートで得点が絡む物を適当に切り札でラフして、最後の1回の切り札狩りをかけての終了でした。ここで、1点差し込まれる可能性もあったのですが、許されたようです。

 最後の3巡は、最強札が確定したので、9巡目でクレーム(後の2トリックはとっています)、結局 12点のパーフェクトゲームが出ました。

 チャレンジャーは最終ゲームを含めて 4枚でしたが、3回が失敗しています。成功率はそれなりに低いので、絞り込むビッドか、アンダーを誘い込むビッドが必要かもしれません。

 トリックテイキングのルール自体はシンプルですが、人数が少ないのでコントラクトブリッジほどではないにせよ、テクニカルな要素があります。派手な効果はないので、本格的なトリックテイキングのステップアップによさそうですね。プレイヤーは選びそうです。

●航海の時代 第3版 [play:game]

 その次は、拡張を入れたので 5人でプレイできるようになった「航海の時代」です。ゲームマーケット2015大阪が初出でしたが、こともあろうか新作からアンケートから漏れていたようです。入場すぐにこれはと思って購入したのですが、第2版、第3版+拡張とここまで伸びるようになりました。

 ロンデル風の拡大再生産ゲームです。島の効果を適用して、必要な材料を支払って投資して、所定の投資が完了するとゲームが終了します。終了タイミングが意外と早いのと、島の投資状況によるエリアマジョリティがポイントになってきます。

 第3版では、少し弱かった得点系の島が強化されています。拡張は、追加の島カードがさらに増え、今回は入れていませんが、早い者勝ちの契約カード、最終得点に影響する書簡が加わり、見通しが多少よくなりました。5人用拡張コマとルールも入っています。

 5人でプレイし、初プレイの方もいらっしゃったので、追加の島だけをランダムで入れるようにしています。追加の母港が、それなりの効果になっているのと、5人プレイで出られない状況も出てくるので、結果として戦略的に母港に戻るというプレイが出てきます。

 4人と5人の違いは、島が 1つ増えるだけで、争いが激しくなると思われたのですが、予想よりはという感じでした。マイナスポイントの島はロースコアゲームでしたが、手数が早くなった分をギリギリ取り戻した感じですね。どう計算しても 1ターン足りないことがわかったりとか。

 安定のおもしろさですし、拡張の契約、書簡でさらによくなるとのことなので、そちらも入れた状態でプレイしてみたいと思います。

●メディチ [play:game]

 5人ということで、久しぶりにこちらをプレイ。グループSNEでも日本語版を出す予定ですが、今回プレイしたのはAmigo版、5点ボーナスのないバージョンです。

 序盤から、品物を集めるために、お金を払った状態から、2ラウンド目で 20点が狙える 4枚目をとろうとしたところで、「4」に対して 3 から 4 のオーバービッドをされたりとか。これにより、1ラウンド目は 3-1-1 で、品物ボーナス 12点と、数字ボーナス 0 で大幅に遅れることになりました。

 品物が 4〜5個入っていれば、35点でも十分ですが、3個だと次のボーナスは、パーフェクト条件になりますね。これにより、数字トップが大きく走る展開にありました。品物が 3-2 で 30点ボーナスを取っているので、ラウンドの収入だけで 33点違います。

 2ラウンド目は、3枚勝負で得点ボーナスの30点を取るか、品物を5枚集めて20点ボーナスを取るかどちらかですが、初期に後者が出てきたので、数字ボーナスを無視しての 20点ボーナスを狙うことに。2ラウンド 60点にはなりますが、2ラウンド目の分は 1ラウンドの遅れを取り戻すだけ、そのほかの品物ボーナスが入りません。

 このラウンド、手前のプレイヤーが大きく勝っており、品物を安く回す展開になったので、色数は集まりました。ボーナスは 10点まで入りましたが、このラウンドと次のラウンドでやけに安く品物が回ったのと、トップの 20点ゾーンが確定したこともあり、手が出せない展開に。カットすべきはむしろこのラウンドではと思ったりとか。

 3ラウンド目は、トップと 15点のビハインドが。これを埋めるためには数値ボーナスと支払いで 15点を上回る必要があります。これを達成するには、同額の支払いで、自分が 2位以上、相手が 4位以下がおおよその条件です。

 トップは、カードを集めさせなければいいだけなので、大量にカードをめくって大きく不足させる展開に。3枚引きをさせない展開に持ってきました。結局は、3枚の不足をすべてかぶる形でしたが、7点を 8 でオーバービッドされたものの、最後の 2枚での 13点を 1で購入。結局 5点ボーナスが入ったので、こちらの方が得でした。

 結果は最下位でしたが、5人では珍しい、比較的どうにもならない展開でしたね。アドバンテージを読み切るのは難しいですが、トップに楽をさせてはいけないゲームです。あえて言えば、すべての元凶の 3枚組を「とらない」があったかもしれません。その場合、資金がかさみそうですね。

●トゥーアンリミテッド [play:game]

 最後に、時間が少し合ったので、こちらをプレイ。せっかくの新版で 5人だったので、3チップ持ちの拡張ルールでプレイすることに。初手の後手番のカードを出す機会が難しいため、1パスのタイムロスの対策でもあります。

 5人プレイは 12枚持ち。このゲームは、負け札となるルーザーはあるものの、確実な勝ち札はほぼありません。

 低い数字は多かったものの、2、4、赤6、8 と倍数でうまくつながりそうな部分、12と13でのペア、20×2枚と黄色の10の切り札候補の 3枚組が見えました。単独のカードをいかにうまく処理して、負担の低い組を作ることになります。

 序盤は 3枚組が頻発する場で、チップの支払いのないパスを1回しましたが、12の3枚組に対して、赤6、赤12、赤13の3枚組をチップ8枚で出すことに。ここが勝負所でした。3枚組の場で、赤21×2枚+黄11 での 23が出たのと、赤19×2枚を含む 19の3枚組が出たので、手持ちの 20の 3枚組がほぼウィナーに。

 3枚組は、ほとんどのパターンで赤が必要なので、ハイカードの状況は重要です。21を作れるのは、赤21やそれに準ずるカードと黄7×3、22は赤18くらい以上と黄11×2、24が黄6×4、黄8×3と赤の20くらい以上、25、27、28はあまり実用的ではないでしょう。30は黄10×3と黄5×6です。だいたい 24が上限でしょうか。

 2枚組になると、同数の黄色2枚があるので、もっと伸びます。チップ 8枚以下だと、27、30、32、33、35、36、40、44、45、48、50、55 くらいまでがありえます。こちらは黄のハイカードが重要ですが、意地の張り合いが見られます。

 1枚はもっとやっかいで、黄のハイカードでかなり伸ばせます。11×5の55くらいが体感的なボーダーラインでしょうか。

 このゲームの場合、数字はチップで増やせますが、カードの枚数は増やせません。ということは、最後に1枚だけ残してしまうと、2枚組にどうやっても対抗できません。2枚組、3枚組はそれなりに出るので、終盤で無理なく出せそうな物を残せるかがポイントだとおもうのです。

 今回のプレイの結末ですが、物理的なカード枚数を活用しました。終盤、ほぼ通せる 20の 3枚組で、打ち出し権を獲得、対抗 1人の状態で 4の4枚組をプレイ。これが通っての上がりでした。チップ2枚持ちだったので、2手くらいの差でした。

 不思議なプレイ感のゲームですし、赤のカードが多かったり、組み合わせが作りにくいと動きにくいですが、それを工夫していくのがポイントになるかもしれません。


 アフターは、忘年会なので、場所を移動していつもの忘年会の場所でした。今回もしゃぶしゃぶで肉を大量に堪能しました。ゲーム会では珍しくアルコールを入れています。ゲームプレイの時は飲まないので、忘年会くらいですね。

 というわけで、新作を中心にいろいろと楽しみました。来年 1月のJAGAは企画があるようですね。


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