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● JAGA 2019年6月 ●

 2019年6月8日、JAGAに参加してきました。今回はリクエストがあったので開始時からの参加になりました。長時間ゲームが中心ですが、いつも通りレポートをお送りします。


●ラマ [play:game] [BGG]

 手始めはこちらの作品から。2019年のドイツゲーム大賞の候補作です。基本的にはゴーアウト系のゲームです。

 配られた手札を順番に出していき、手札を出し切ることを目指します。残った手札は減点対象になり、上がったプレイヤーは、失点を戻すことができます。1点チップと10点チップに分かれており、「チップを1枚返す」ことができるのがポイントです。なので、10点までは失点を乗せた方が後々有利になるかもしれません。

 カードが出せない、出したくない場合は、カードを引くか、これ以上の失点を避けてゲームから抜けるかのどちらかなので、あまりに状況が悪い場合は早抜けもありかもしれません。

 軽い感じの作品ですが、ざっと遊ぶにはいいですね。「シリメツレツ」のあたりから、シンプルなカードゲームが増えてきたような気がします。

●パール [ボドゲーマ] [BGG]

 その次も、準備運動としてこちらをプレイしました。シンプルなセットコレクションのゲームです。

 自分の手番でできることは、1種類のカードをすべて獲得するか、(オールマイティ含む)1種類のカードをプレイするかのどちらかです。プレイしたカードの数字に等しい得点が最終的に入ります。また、特定の枚数をプレイすることで、ボーナス得点のカードを早い者勝ちで獲得することもできます。

 山札がなくなるか、ボーナスが取りきられたら、1巡だけプレイして終了で、手札に残ったカードは減点の対象になります。これだけだとシンプルなゲームではあるのですが、「手札上限が10枚で、上限を超えるようなカードの取り方ができない」のが一番のポイントです。

 こちらは、より昔ながらの90年代のカードゲームのような感じですね。手札上限のルールが厳しいことと、ボーナスカードの最大値が 9枚なので、そこまでのカードを集めるのが大変ですね。

 こちらも、準備運動にはちょうどいいカードゲームですね。ここ数年、小箱で面白い作品がそこまで多く無かったのですが、この 2作品はどちらもいいですね。

●東印度公司 [ボドゲーマ] [BGG]

 お次は、リクエストがあったこちらの作品を。台湾からの作品です。東インド会社をテーマにした交易のワーカープレイスメントゲームです。

 自分の船を使って、交易品を獲得したり、交易をしたり、注文を達成したりして得点を稼いでいきます。ワーカーとなる船の動きが特徴的です。通常のワーカーとして配置するのにも使いますが、交易品の数を示すのにも使います。

 他のゲームとの違いは、注文を達成するなどで支払われた交易品は、ストックではなく手元に戻ってくることが挙げられます。なので交易品を使うと、他のアクションがとれるようになります。

 得点要素はいろいろとあります。1つは注文達成によるもので、こちらはカテゴリーごとに得点化できる枚数と、1枚あたりの得点倍率に影響を与えます。2つめは拠点を配置することによるマジョリティです。3つ目はラウンドごとの注文達成状況や、拠点の配置、得点化のための投資をおこなうことで上がる軍事力による競争です。軍事力はより低い人数が多いほど得点が加算されることになります。

 初手盤が非常に有利ですが、その分、初期状態が大きく変わっています。5人プレイの場合、盤面が混雑するので、より早い手番は大事になります。

 このゲームの特徴は、交易で、拠点を配置することにより交易相場を操作させることができます。これを使っていかに相場の安いものをつくり、交易で大量に入手できるかがポイントでしょうか。逆に相場が平たくなると、交易が起こりにくくなります。

 様々な要素が絡み合っていることと、1ターンあたり2アクションできるゲームということもあり、かなり悩ましい作品ですね。ダウンタイムは長めでプレイ時間は 2時間程度かかりました。

 今回は、相場が下がったものを集められたので、最終的に注文達成の得点で走りきった形になりました。多人数の場合は、どこか1か所にうまくリソースを絞り込んでという感じがいいでしょうか。BGGによると 4人がお勧めとのことでしたが、少なめの人数でプレイしてみたいところです。

●スマートフォン株式会社 [play:game] [BGG]

 その次も、長時間ゲームですね。日本語版がリリースされたこちらの作品をプレイしました。

 スマートフォンを製造し、世界各地で販売をし、利益を出していくというゲームです。このゲームのポイントは、アクションを決めるパッドの組み合わせにあります。2×3のボード2枚を少なくとも1か所は重なるようにして、1×2の技術タイルで上書きして、見えているものに対応するアクションをとるという感じです。

 アクションパッドにより、価格、生産数、技術強化、移動、開発強化のパラメータが割り振られます。価格が安いほど、先に行動することができますし、一定以下の価格でないと買わないお客もいますが、売り上げはそのまま得点に直結するので安すぎると得点が伸びません。

 アクション選択は悩みますが、いったん選択すると、あとはスムーズに進むという感じです。とはいえ、各要素とアクション数のバランスはプレイしてみないとつかみにくいかもしれません。

 技術強化をすると、特定の技術があれば、どの値段でも買ってくれるようになるのと、特殊な能力をもらえるのと、先着はパテントとして得点がもらえます。難しい技術になるほど、技術力は必要になりますが、その分能力も強力で、競争を避けることもできるようになります。

 移動は、販路を増やすことになり、新しい土地に参入することができるようになります。場所が増える代わりに、複数人数のマーケットになるとエリアマジョリティのボーナスが増えることになります。エリアごとに算入できる人数に限りもあるので、大事ですね。

 開発強化は、行動を上書きできるタイルが獲得できます。生産強化、値段アップ、技術開発など様々な方向に使えるので、方向性を決めるのに重要です。

 このあとで、値段の安い順に、スマートフォンを売っていくことになります。ここはエリアマジョリティの要素もあります。1つの地方でより多いスマートフォンを売ったプレイヤーが上位になり、より安いものを売ったプレイヤーが同数で優位に立ちます。

 これもあるので、値段を安くしたプレイヤーがエリアマジョリティーで有利になり、高くしたプレイヤーが不利になります。とはいえ、技術を持っていないと売れないマスもあるので、高級路線を攻める方法もあります。

 最初のうちは見通しがつきにくい感じではありますが、徐々に、販路が広がりどちらの方向性に行けばいいかが分かりやすくなっていきます。今回は、販路を広げてエリアマジョリティ有利に進めていたのですが、技術開発がかみ合わずに、生産数を増やすものがなかなかとれませんでした。独占していたところもあったので、生産数と価格を上げて高級路線に行った方がよかったかもしれません。

 最終ターンは 8×8 の 64の売り上げまで出ていたプレイヤーもいました。こちらは 4×11 で 44の売り上げで、それだけで 20近い差になります。値段を上げると生産量が減るのですが、5×10、6×9 の方がさらに儲けが出た感じではありました。このあたりの計算が難しいところですね。


 アフターは、いつもとは違って中華料理屋に。ここ最近のゲーム事情などいろいろな話を聞くことができました。次回は、7月2週目、海の日の3連休の1日目ですね。


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