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● 1890会 ●

 9月7日、1890をプレイしてみたいというオファーがあり、参加してきました。前日の状況によっては参加自体が危ぶまれたのですが、無事に参加できることが確定したのでよかったですね。18xxシリーズが出てくるとは思わなかったので、油断していました。

 今回は、1890を中心にレポートしていきたいと思います。


●1890 [play:game]

 今回のゲーム会のメインですね。長時間ゲームですし、ちゃんと説明から行こうと思います。

 鉄道ゲームの18xxシリーズのバリエーションで、関西(神戸、大阪、京都、和歌山、奈良)を舞台にしています。18xxシリーズは、株式を購入し鉄道会社を経営しつつ自分の資産を稼ぐ長時間ゲームのシリーズです。ランダムな要素が少なく、濃密なゲーム展開になることから、人気の高いシリーズです。

 私も18xxシリーズをそれほど種類はこなしていませんが、1830がベースと考えられます。個人会社6社と小規模会社5社が初期の競りに登場します。個人会社は特殊効果というよりは、収入と、付随する株式、そして大規模会社(公共会社)への売却がメインと思われます。

 小規模会社は、1835 などがベースでしょうか。通常の運営で50%が会社、残りが所有者に行きます。そして、小規模会社にも列車の所有義務があります。自体が進むと、1社をのぞいた4社が近鉄になり、残りが神戸市電の個人会社になります。

 マップは、高収入の大阪とそこから各方面に抜けるという感じになっています。京都から大阪方面への道に大きな制約条件があります。また、都市タイルの数が少なめなのと、配置制限で置けるタイルとそうでないタイルが出てくるという特徴があります。

 大阪は、個人会社の影響で地下鉄が設立するまではタイルの置き換えができません。緑タイルの置き換えにも費用がかかります。それ以外ではお金のかかる場所はそれほどありません。

 公共会社は、関西近郊の私鉄とJR西日本が登場します。会社ごとの特殊能力があったりします。50%設立ということ以外は通常通りでしょうか。

 マップの位置では、神戸方面から大阪に向かう阪神と阪急。和歌山方面からの南海、奈良方面から合併で設立する近鉄、京都方面からの京阪、大阪市外を本拠とする地下鉄、岡山方面からの山陽、そして、各地に本拠が点在しているJRです。JRは本拠が多く列車制限が緩い代わりに、配当の半分は自動的に会社に入ります。

 また、後期の個人会社が存在します。値段は高い代わりに配当が高かったり、公共会社にも収入が入ったりするものがあります。このあたりの収入は後々効いてくることになりますね。

 列車は、基本的に 1830と同じで、D列車も登場します。いわゆるパーマネントになるのは5列車以降で、4列車〜6列車で9両あります。D列車が出るかでないかというのもポイントになってきます。

 長くなりましたが、ここからがプレイレポートです。といってもかいつまんでの紹介になるかと思いますが。

 初期会社の競りがない、18TKや、1846を多くプレイしていたのと、種類があまりにも多いというので、競りはかなり悩ましくなりました。所持金も決して多くはありませんが、小規模会社の収入も魅力的ですし、値段の高い個人会社は株式がついてきたり、後で会社に売却できたりで目移りします。

 結局、若干近鉄よりのプレイヤーができましたが、小規模1社と個人会社2社という流動資産を絞り込んだ形でのスタートになりました。

 最初の会社設立は、大阪に近いという理由で、株式が1枚出ている阪神と、株式が全く出ていない阪急が設立されました。どちらも 65での設立で、阪急の方が先に設立されたりとか。ただし、阪急の株式は 30-30-30-10と、ものすごく平たい所有状況になりました。誰がどのタイミングで売り抜けるかが勝負になってきます。

 阪神も阪急も列車を大量に購入して収益を確保する方向に。こちらは株式があまり持てない形なので、小規模会社と個人会社の収入で食いつなぐ形です。1ターンに 70くらいの収入が出ていたのですが、流動資産が少ないので会社が建てにくかったりします。

 最初に動いたのは、阪急所有者で、3株売却で山陽が立ちました。これで神戸方面の争いが激しくなりましたが、同時に通常の都市が足りなくなってくることも意味しています。ゲームを通してですが、うまく効率のいい路線を引くとなるとかなり大変なのが分かります。

 現金ができてきたその次のターンに大きな動きがありました。京阪、地下鉄、JRが一気に動き、にわかに設立ラッシュの様相になりました。1株先に出ていたということもあり、京阪が最初に動き40安い3列車を購入、これで中盤に突入します。

 1株持っていた京阪は、そのまま株価会社にすべく、まったりと大阪を目指そうとして、一旦京都に入りました。これは後期個人会社の効果があるためです。このあたりで4列車が出て、京急、阪神の冬の時代が。阪神は、個人会社を高値で買い取ったので資金が厳しいのですが、JRと協調体制を取ることに。

 あとは、近鉄の設立で記念運行が。列車がけっこう残っていたので、収入が出ました。こちらは、小規模会社の効果で 70 ほどの収入が入り、近鉄の株が有効に動き、次のターンも会社設立のチャンスがきました。

 残り会社は南海、プレイヤーの資金状況を見て、どうなるかと思ったのですが、チャンスが回ってきたので設立しました。列車は4が残り1両なので、一気に 4 と 5 を購入できるいい形です。

 と思ったら、地下鉄が先着で4と5を取っていきました。残金 780で、4と5がギリギリ出る形になっていたのです。トークン代が出ない地下鉄ならではの買い方かもしれません。これで巡目がずれてしまい、行動完了している京阪に列車が回ってこない形に。

 南海はトークン代を残す形で、5列車と京阪の3列車を購入。大阪にトークンが置けたのは大きいですね。ここからの他社の動向によっては、自腹でD列車をつかまされるという自体も予想できたのですが、近鉄の資金が足りず、京阪はギリギリで最後の6列車を購入し、無配当が出たのは痛いですが、パーマネント2両の安定した形になりました。

 4〜6列車が8社9両の形で出たので、しばらくはこれで回ることになります。収益が出にくい形から、後期の小規模会社が買われ、あとは銀行破産待ちになりました。他の会社は列車の長さに応じて 240〜330くらいの収入に対し、大阪を本拠に持ち、トークンすり抜けの効果がある地下鉄が 560の収入で圧倒的でした。

 南海の設立で地下鉄株が買えなかったのと、株所有者が手放さずだったので、そのままは走られてしまいそうな感じと思われました。そして、運営ラウンドでまさかのギリギリ続行が確定。JRに資金が貯まっていたので、D列車が出そうな感じでした。

 追加の株式ラウンド、D列車狙いの売買があったのですが、こちらは株があまりにも動かせない形だったので何もできませんでした。半配当状態のJR株が入れ替え戦に代敗北し、ずるずると株価が下がる結果に。18TKの5%株と同じ現象ですが、こちらは売られると株価が暴落するのです。

 そして、この売却で阪神とJRの位置関係が逆転しました。JRが先に阪神の5列車を購入、資金を移し、満額配当が出る阪神がDを買うというのが困難になりました。

 そして、次の運営ラウンドの最初で、思いがけない自体が。株価トップの近鉄に800の資金が貯まって、4列車からD列車の改造が成立。無配当ゼロで1ターン早くD列車を手に入れる形になりました。

 地下鉄は4列車がなくなり配当が 560から310に低下。こちらの京阪は6列車で330、南海が5列車で300と収入で並ぶことになりました。ここで一番の影響が出たのはJRでした。持っていた4列車がなくなり購入義務発生で、D列車をつかまされることに。結果として阪神が5列車確定になりました。4列車を持っていた阪急は自腹でDを購入しています。

 近鉄は京都にトークンを持っているので、関西空港に抜けて D列車の収入が 950 まで上がりました。JRは堺から南に抜けるルートがなく、半配当効果で 400弱、阪急は京都を抜けられず、600ほどでした。もちろんこの時点で銀行破産は確定、最後の最後はJRが記念事業でD列車を購入して終了でした。

 最終結果は、300差で2位でした。株内容が思ったよりも良くなかったので、1ターンの続行がなければ逃げ切っていたかもしれません。近鉄はD列車の出るタイミングで 900配当が1回多く出て、なおかつ無配当がないこともあり、その1手で1株あたり 140ほど差がついています。

 とにかく濃厚な展開でしたが、最終的にD列車が走ることも考えながらというのが面白いですね(展開によっては出ないこともある)。マップの制限は、D列車の時に大きな影響があることが分かりました。

 大阪は4〜6列車の重要拠点で、京都は奈良にトークンがない限り6列車でも届かないという印象がありましたが、D列車が出てくると断然世界が変わってきます。京都を抜ける権利があるのは、JR、近鉄と1社で位置関係から京阪が第一候補でしょうか? 特に近鉄と京都にトークンがある京阪はD列車向けの会社かもしれません。

 特殊効果が若干多いという印象はありますが、会社にこまごまとお金が入るのが、実はD列車に効いていて面白いですね。そして、JRは入れ替え戦の影響を受けやすいことから扱いの難しい会社と思いました(じつは、フィーダーライン向けかもしれません)。

●天道虫ゲーム(仮)

 時間が多少余ったのと、大雨が降ってきたので、オリジナルゲームのテストプレイをすることに。初お披露目の天道虫ゲームをプレイしました。握り合いのゲームではありますが、いくら握るかというのが悩ましくできています。

 感想戦でいろいろとアイデアが出たので、また変わっていきそうな感じですね。

●オリジナルゲーム(仮)

 そして、こちらで作ってきたものも初お披露目しました。ルールは2種類用意しておいたので、両方ともプレイしています。セルフテストプレイも若干回したのですが、それと同じような動きになって安心しました。

 プレイしていて気づいた点などもあったのでそのあたりを入れながら調整をしていくことになるかと思います。取りあえず即没にならなくて安心しています。こちらは、ヒストリカル分が豊富な方々に世界観をいろいろと聞いたりとか。


 雨の影響も心配されたので、アフターはなしでそのまま変えることにしました。1890は思っていた以上にボリュームがあり、楽しい作品でした。そして、創作ゲームのテストプレイもいい収穫になったと思います。


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