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● 横浜ゲーム会2009年6月(2回目) ●

 6月27日、6月2回目の横浜ゲーム会でした。うまくメンバーが集まったので、新作のプレイをやるか、長時間ゲームをやるかのもありましたし、いろいろとプレイされる候補があったりしたのですが、その場の感覚でという感じで進めています。今回もプレイしたゲームのレポートを。


●ファウナ [play:game]

 動物の生態をテーマにした、トリビアゲームです。世界地図と、重さ、全長、そして「しっぽの長さ」のスケールが書かれたボードに自分のコマを配置し、当てていくというゲームです。

 このゲームは、ドイツ語版なので問題文の動物の名前はドイツ語です。学名と動物のイラストが記載されていますが、しっぽはわからないように描かれているものもあったりしますね。下手に名前が読めるよりもかえってドイツ語で書いてあった方がおもしろいかもしれません。

 細かく書くとネタバレになってしまうのがトリビアゲームの残念なところではありますが、動物のことは意外と知っているようで知らないというのがよくわかりました。

 コマのベットの仕方もゲーム的によくできています。全長はともかく、重さとしっぽの長さは難しいですね。生息地は同じような季候の場所でもヨーロッパなのかアメリカなのかとか、オーストラリアでもいくつかの地域に分かれていたりして曖昧になったりします。

 問題数も多いのでなかなか楽しめるのではと思いました。「動物もの」といっても幅広いわけですが、実際に動いている動物が好きな方に特におすすめできるのではと思います。

 今年のドイツゲーム大賞のノミネート作品ですが、それらしい感じのゲームですね。

●サギ師 [play:game]

 お次は、Kniziaの新作からCosmos社の小箱カードゲームです。数字の書かれたカードを使って全員の持っている数値の合計を予測するゲームです。と、書くと「ブラフ」や「コヨーテ」に似た感じに見えますが、まさにその通りです。

 ルールが若干読みにくかったものの、軽くプレイするとすぐにわかるタイプのゲームですね。ビットが高騰したときは思ったよりも数値が伸びやすいというのは「ブラフ」を彷彿とさせます。

 このゲームのいいところは、負け抜けではないところです。一騎打ちのじりじりとした感じにはならないのですが、終盤はだんだん情報も出てきて、選択肢も狭くなってという感じになります。プレイ時間も15分程度と手頃ですね。

 手軽にできるカードゲームで、いいゲームだと思いました。この手のゲームが好きな方にはおすすめできる作品ですね。

●日本漫遊記(仮)

 ここで、ぎりぎりで制作が間に合った作品の初お披露目をしました。「レイルバロン」の東京地下鉄中心の「東京漫遊記(仮)」は去年の秋から作っていたのですが、今度は日本全国版です。元々は東横杯のために東京地下鉄版を作ったのですが、これはいろいろな地方の方に楽しんでいただきたいと思い、全国版を作ろうと思いました。

 日本全国となると、細長く電車だけではかなりの長距離になってしまうということで、航空機の路線を必要最低限に入れたり、特急列車+新幹線でいろいろと合併させたりして何とか作ったという感じです。初のテストプレイということで、どんな感じかを見るのが中心です。

 序盤から、収入を割り増しにしていた航空機路線が連続して入り、高額路線の少なさと相まって、お金がだぶつく展開に。序盤から最高額の「のぞみ」が出たのですが、これが終盤までかなりの収入を生む路線でした。長距離目的地が連発して、いい路線が買えないとやはり厳しいようです。

 このあたりは、速度重視の路線と、カバー範囲優先の路線と、独占駅を持つ路線のタイプに分けてというのがいいでしょうか。全国編は時間距離のリアリティよりも、ゲーム的な方に舵取りをした方がよさそうだと思いました。

 ワンサイドゲーム化のように思われたのですが、終盤にチャレンジ成功があったり、のぞみの収入があったり、やまびこ+つばさからの山形独占の収入があったりで、5人中3人のマッチレースになりましたが、手数でそのまま逃げ切ったような感じでした。長距離路線があるので、今回はゴールチャレンジもかなり荒れた感じになりそうです。

 感想としては、航空路線の使いやすさと、長距離路線の少なさあたりがコメントとして多かったです。東西を結ぶ大東脈はもうちょっと太くした方がよいとか、そのあたりも加えつつ、路線の調整からしていく必要がありそうですね。でもゲームにはなっていそうでしたし、楽しさもあるかと思うのでこのままバランス調整を進めていくことにしましょう。

●日本乗車券

 またもや日本マップですが、こちらは調整を続けている「日本乗車券」です。東京版を作ったら早いうちに全国版を作っておきたいと思って手をつけたのですが、こちらも細長いマップにだいぶバランス調整は苦労しています。前回から目的地チケットを普通に戻し、4枚引きに変更したのですが、こちらの方がバランスが取れていそうですね。

 今回は5人中4人がいきなり関東から南東北に出現して事故が起こることになりました。完全封鎖があったり、最短路が封じられたりというのがあったようです。

 1人だけ中国四国のあたりでのびのびとプレイしており、チケットを大量に引くプレイに走ったりしました。普段ならこのあたりで圧勝という感じなのですが、今回はちょっと状況が違っていました。

 さすがに高密度を避けて九州に飛び火したり、最長路線狙いで北海道や中部の長距離路線を狙ったり、チケットを引き続けたりとプレイスタイルが分かれました。

 ふたを開けたら、競争の少なかったプレイヤーが勝ちはしたのですが、2点差でした。チケットの枚数が多くても路線が短いと得点は下がるようです。最下位までの得点差は 10点の範囲に収まり、かなりの接戦でした。最長路線を取ったプレイヤーもチケット枚数で届かなかったようです。

 ようやく、目指しているバランスに向いてきたかという感じがしました。北海道がどのくらい強いのかというのが今回見られませんでした(見ようと思ったら、序盤のブロックで遠回りを余儀なくされたのと、中盤でカードを引いたら北海道が1枚も出なかったというのはあります)。このあたりもプレイして確認したいですね。

 九州が若干少なかったのと、東北の事故が起こったためカード枚数を微調整してという感じになりそうです。これは早いうちにベータテストに出せるかもしれませんね。

●落穂の問題 [play:game]

 その次は、農業をテーマにしたボードゲームをプレイしました。若干厚いタイルを使ったタイル配置ゲームです。うまく畑をのばしていき得点を稼ぐゲームです。

 得点の獲得方法にはいろいろとあり、畑を広げて、面積に応じた得点を獲得したり、作物ポイントを平均的にためて、小屋を建てて毎ターンの収入を稼いだり、集中的にためてボーナスポイントとなる家畜を獲得したりします。

 それなりにダイナミックに得点が入るのですが、どの方法で得点を稼ぐかが悩ましいですね。そしてタイル配置ゲームの常として、自分の持ちタイルとの相性もあったりします。

 ポイントなのは、ゲームの最初に切り札として使える小さなタイルを持っていることです。配置制限で高さを合わせる必要があるため、高さ調整に使ったり、畑の拡張や作物ポイントの獲得に使ったりと切り札としての使い方ができます。

 見えている要素はそれなりに多いゲームですが、適度に他のプレイヤーの得点を削りつつ、自分の得点をうまく伸ばしていくタイプのゲームのようです。

 中盤に他のプレイヤーの小屋に隠れるような形で建てた小屋が思ったよりも活躍し、素点をそれなりに稼いで逃げ切った形になりました。

 アブストラクトの要素もありますが、手札の制限もそれなりに厳しいですし、うまく調整する切り札があったりと個人的に好きなタイプのゲームですね。

●フィンカ [play:game]

 最後にプレイしたのは、ドイツゲーム大賞のノミネート作品の1つ「フィンカ」です。カラフルなコマと、10の地域に区分けされたマップをつかった見た目に楽しそうな、こちらも農業をテーマにしたゲームです。

 プレイヤーは自分の駒を動かして、作物を獲得し、決められた地域に決められたものを運んで得点を稼ぐというゲームです。

 プレイした感じは、思ったよりも公開情報が多いことにあります。コマの移動も、持っている作物も、獲得したタイルもすべて見えています。打てる手はそれなりに限られていますね。

 途中までプレイしたのですが、ブロックに走るプレイよりも自分が伸びていかないとどうしようもないゲームだということがわかりました、が気づいたときにはもう手遅れの状態になっていました。

 作物のバーストはあるものの、気をつけてプレイしているとものがあふれないですし、どうしようもないときは本当に何もできない状態にから抜け出せない状態が続いたりします。自分の都合でプレイしていけばいいのかもしれませんが、決算のルールが加速度的な右肩上がりになっているような気がします。

 結局のところワンサイドゲームで終わりました。終盤は、ゲームを終わらせるためにトップと自分に得点加算という手を打たざるを得なくなりました。

 これは「落穂の問題」とは逆のタイプで、なりふり構わず当たればいいという感じで突き進んでいくゲームで、その割に公開情報が多すぎる感があり、個人的にはあまりあわないゲームかもしれません。メンバーによって展開が変わってくるかもしれませんが、右肩上がりになるのはゲームシステムから来ているような気がします。


 今回は、創作ゲームあり、新作あり、重いものから軽いものまでいろいろと楽しめました。まだまだプレイしていないゲームはたくさんありますので、機会を見つけて楽しんで行ければと思います。


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