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● 横浜ゲーム会2010年6月(2回目) ●

 2010年6月13日、先週に引き続き横浜ゲーム会です。今回も見プレイのゲームを中心にいろいろと遊んできました。いつも通りのレポートをお送りします。


●くにとりっ! [play:game]

 最初はリクエストがあったので、プレイしてみました。戦国時代がテーマのデッキ構築型カードゲームです。パッケージデザインとは裏腹にまともに楽しめるという話を聞いてリクエストがあったのでした。

 同タイプのゲームだと「ドミニオン」があるわけですが、こちらは登場するカードは固定です。その代わりにコスト幅も含めカード構成に独自要素があります。特徴としては銀、金が早めになくなってしまうことと、途中から得点を稼ぐ手順として軍事力に走ることができることです。攻め込みに成功すれば得点カードを入手することができたりします。

 手探りでプレイしましたが、序盤に楽市楽座と金がなくなり、そこから銀がなくなってからが中盤戦です。国を獲得するのにはかなりの資金が必要になるので、届く前の段階で武将を味方につけるか、兵力を蓄えるかといった選択が入ってくることになります。デッキ圧縮でお金を稼ぐのは難しく、工夫が必要になってくるわけです。

 時間は若干長引きますが、中盤からの展開が面白いですね。不要なカードも出てくるので捨てる手段が必要になったりしますし、アクションが余ったら、カードドローを強化するなどやり方はいろいろとあるような気がします。武将と兵力のカードはパッケージ通りのイラストですが、それ以外のカードのいらすととタッチが違っていたりとか。これにより見た目で兵力とそれ以外が分かりやすかったりという効果があったりします。

 この手のイラストと、ゲームの難度が若干ミスマッチのような気がしているのと、ジャンル的にどれだけの需要があるのかが分からないのですが、ゲームとしてみたときも楽しめるということが分かりました。ヒストリカル分に造形がある方から見るとどのように写るのでしょうか?

●サマルカンド(Queen) [play:game]

 お次は、ゲームマーケット前日の拡張ゲーム会でお勧めされた作品をプレイ。舞台は中東で、民族間のつながりや、キャラバンをテーマにしていますが、要素をいろいろと置き換えてみると鉄道ゲームになっています。ルール説明のときにうっかり用語が出てきたりとか。

 うまく民族を操って、名産品を集めて得点を稼ぐというゲームです。他の民族と婚姻関係を結ぶことで、キャラバンを動かすことができますが、そのためには持参金が必要だったりします。他の民族と同じマスに入ると友好関係を結び、お互いに収入があったりします。最終的には所持金と名産品のボーナスで競うという感じです。

 プレイしてみて思ったのは、終了条件の兼ね合いでプレイ時間が思ったよりも短いことでした。あれもこれもやりたい行動はありますが、すべての部族が動き出す頃にはもう終盤で、消化しきれないまま終わる事が多いようです。

 所持金は最終的な勝利条件に関わってくるため、あまりに多くの部族を操るのも考え物ですが、かといって名産品を獲得できないと、得点も伸びません。自分から友好関係を結ぶと得点+現金になるため狙いたいところですが、うまく間合いをとられるとそうも行かなかったりします。

 プレイして思ったのは、数値バランスとカードバランスが若干荒いような気がしたことです。今回は、名産品が東に偏ったプレイヤーが初期資金で3部族をきれいに操り、それだけで大逃げしてしまいました。1時間弱のゲームではありますが、得点の入り方自体は地道なゲームなので、力業で押し切れてしまいそうな感じです。名産品の得点の独占8点が高すぎるような気もします。

●スナップショット [play:game]

 お次は、先週に引き続き「スナップショット」をプレイしています。説明は省略ということで。

 今回も5人プレイでしたが、宝石が余るところまでは行きませんでした。手数が大事になってくるゲームですが、最終盤のゴール合戦がやはりシビアです。ゴールさせる前と妨害の棒が置かれたり、それをかいくぐってゴールまで行ったら力一杯はじき飛ばす仕事になったりもします。

 中盤で、ボードとボードの隙間が若干浮いて見えない壁ができたりとか。あり得ない場所で跳ね返ったりするので注意が必要です。

 見た目以上にエネルギーを使うアクションゲームですね。人数は 4人くらいの方がいいのかもしれませんが、どうでしょうか。

●グレンモア [play:game]

 お次は Aleaの新作から「グレンモア」をプレイしました。タイル配置系+リソース管理系のゲームではありますが、どのタイミングで自分のターンを取りに行くかが大事なゲームですね。材料を手に入れて、建物を建て、そこから得点を稼いでいくというのが大きな流れです。足りない材料はお金で買うこともできるのですが、最終的にお金は勝利得点につながっていったりします。

 勝利への道はいくつかあるようで、建物から材料を得点に変えていく方法がひとつ、一番作りにくいお酒を造って、酒場で得点を稼いでいくのがひとつ、特別な建物とキャプテンでラウンドの決算で得点を稼ぐのがひとつという感じです。1ターンごとの得点の入り方は地味ですが、こつこつと稼いでいくことになるのでしょう。

 タイミングの妙があるゲームですが、思ったよりもゲームが短く、材料も回らないというのが印象です。ただ、今回は最大人数の5人でプレイしていたので、3〜4人の場合もうちょっとプレイ感覚が違ってくるかもしれません。中盤から後半にかけていかに得点変換率の高い建物を入手できるかがポイントですが、手数も大事になってきます。ボードもそれほど大きくなく、こぢんまりとした感じです。

●アッフェン・ラッフェン [play:game]

 ここからは整理運動も兼ねて軽いゲームを中心に。かなり久しぶりにプレイするリアルタイムアクション神経衰弱のゲームです。片手だけを使い、お題にあった動物のペアを作って行くというゲームです。先着順に得点が入るようになっています。

 最初のうちは、どこでどの動物があったかが曖昧になりやすいのですが、慣れてくるとだんだんそのあたりがつながってくるようになります。お題の中には同時に作ってはいけないペアもあるので、どのペアをとったかも覚えておかなければなりません。

 最終ラウンドだけ先着しましたが、ボーナス得点のタイルをとることができず、得点差を埋められずにゲームセットでした。アクションゲームなので、そのあたりの駆け引きもありますね。プレイヤーを選びそうなゲームですがわかりやすく楽しいゲームです。

●ダビデとゴリアテ [play:game]

 お次は、トリックテイキングの作品を。こちらもプレイするのはかなり久しぶりですね。マストフォローのトリックテイキングですが、強弱にスートは影響しません。最強のカードと最弱のカードを出したプレイヤーがカードを獲得しますが、得点計算のルールが独特で、勝ちすぎると実入りが少なくなってしまうのです。

 取ったカードは公開のため、どのタイミングで勝つのか、負けるのかと、わざととらせて得点を減らしたりというのが出てくるわけです。スートがなくなってくる中盤戦からがこのゲームの見所ですね。手札が強すぎるとどうしようもなかったりしますが、そのあたりも併せてテクニカルなトリックテイキングです。

●プーティン食堂 [BGG]

 最後はリアルタイムアクションゲームから。「プーティン食堂」をプレイ。英語版では「ミス・プーティン」などと呼ばれるそうです。ウェイトレス役とコック役に分かれ、ウェイトレスは注文をコールしてコックに作ってもらい、自分の注文をさばくことが、コックはウェイトレスの注文をこなしていくことが目的になります。それぞれで一番カードが余ってしまったプレイヤーに失点という感じです。

 料理名をコールするため、当然ですが騒がしくなります。同じ料理が複数のコックから出てきたときは、どのコックから受け取るかを選べますが、悩んでいる時間はありません。勝っているプレイヤーを止めたいところですが、注文はこなさなければ行けないと、かなり騒がしく慌ただしいゲームです。

 これは、アクションの度合いも高く、声も出すゲームなので、プレイできる場所もプレイヤーも選びそうです。ただ、仕組みはとても単純で、それぞれの役割ごとの目的がうまくゲームとして成立させているようなそんな感じがしました。

 ちなみにプーティンは、フライドポテトにグレービーソースとチェダーチーズの粉をかけたカナダ料理のファストフードです。ゲーム上は、ポテトとソースの両方がないと完成しないという仕組みになっています。ちなみに、日本語でうまい名前が出てこなかった料理についておさらいを。

 Sous-marinはフランス語で潜水艦。英語で言うところのsubmarine sandwitchです。サンドイッチチェーンのとある店のサンドイッチがそうですね。

 Gyros(ギロピタ)はギリシャ料理のギロス(薄切り肉を棒に重ねて差し、棒を回しながら火であぶり、焼けたところからそぎ落とす。肉は主に羊肉が使われる)をピタで挟んだファストフードです。


 というわけで、じっくりとしたゲームからアクションゲームまでいろいろと楽しみました。新作や意外な作品が楽しめてよかったですね。


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