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● 横浜ゲーム会2010年7月(3回目) ●

 2010年7月11日、横浜ゲーム会が開催されました。7月のレポートは2本目ですが、回数としては3回目になります。今回は長時間ゲームを中心にプレイしたので、ゲーム数は少なかったりとか。いつも通りレポートをお送りします。


●ひも電 [play:game]

 最初にプレイしたのは、「ひも電」の 5人用ルールのテストプレイです。元のルールでは3人と4人に対応していたわけですが、5人にも対応するということでテストプレイをすることに。一番大変なのは外枠の5角形を作ることかもしれません。

 ルール自体は3〜4人と全く変わりません。進入可能なプレイヤー数もそのままなので、一部の駅の争いが激しくなります。また、乗り入れれば乗り入れるほど得点の上がる乗換駅はチャンスがさらに広がります。逆に乗り入れられると得点が減るタウン駅は首都を避ければ被害は押さえられるのですが。

 5人になると、ラウンド数が1ラウンド少なくなり実質の駅の数は変わりません。次の手番が来るまでに状況が大きく変わっているのと、長いひもの投入どころが 4人よりもさらに悩ましくなっているところでしょうか。都心に入り込むだけではなく、駅が密集したところをうまく通過していくというのもポイントになってきそうです。

 プレイ感覚としては、4人と変わらない感じです。アナログな陣取りの感覚は相変わらずですね。

●18TN [play:game]

 お次は、Deep Thoughtの18xxシリーズから、18TNをプレイすることになりました。18EUの希望があったのですが、時間がかかるということでそれよりも短いのをということでまだやっていないものをプレイしたのでした。

 感覚としては 1830 に近い感じでしょうか。最大5人で合計6社が登場します。ケンタッキー州を中心としたマップで、18xxではあまり見ないような会社が数多く登場してきます。最初は個人会社の競りからですが、個人会社は基本的に無料追加建設権のある会社がほとんどです。値段によって使いやすさとRevenueが変わってくる程度で、会社設立の時の参考程度にというところです。1社だけ L&N の社長株がついてきます。

 会社は60%で運営開始、L&Nだけは20%から運営開始なのですが、5人の場合 360ドルと資金はかなり少ないです。65ドルからの設立なので、自力での運営はできません。4人だと450ドルスタートなので自力運営が可能になります。そういった意味で5人は若干やりにくいかもしれません。

 今回は5人だったので、L&NとNCSLが建設されました。前者は必ず設立ですし、個人会社の都合上、初期株価は高くなりやすいですが、後者は中央に近い代わりに外に出るのに山を切り開いていく必要がある会社です。序盤は近隣に都市が多い方がいいような気がしますが、4列車が出るまでは1ラウンド1両の購入制限があるので、いきなりひどい列車の買い方にはなりにくいです。

 追加ルールとして、南北戦争があります。3列車の途中で1回列車が1両分走らなくなるもので、序盤の大量編成にさらに歯止めがかかる展開になっています。4社目設立のタイミングで発生したのですが、4人の場合にはタイミングがずれそうです。

 会社設立のためには、株式の売却が入ることが多いですが、売却価格は1ブロックではなく 1株ずつの計算になります。なので売る方もペナルティーが若干あったりします。多少株価が上がると、最低ランクのラインとその1ランク上で20ドルの差が出たりするので、割と大きかったりします。

 無事に全員が1社ずつ持ち、最後の会社が出ると同時に廃棄されないパーマネント列車が出るようになります。その前の4列車はすぐになくなってしまうことが多いのですが、このゲームの場合1回余計に走れるので、そこまで不利ではないかもしれません。定収入の時代に抜け出るチャンスになるかもしれません。といっても、会社資金は厳しくなるのですが。

 5列車450ドル、6列車600ドル、8列車700ドルと値段の上がり方がバラバラですが、これにはちゃんとわけがあったりします。8列車を都市だけでフルに走れるような路線はまず引けないのです。また、会社の資金が爆発的に増えるような要素はないので、普通に配当を出し続けるとパーマネントは1両しか持てないでしょう。

 株数制限も5人の場合は10枚、ICの社長株は30%なので、株数は合計 53枚とほぼ全部売り切れることになります。株価の低いところはカラーゾーンになっていますが、活躍の機会は思ったよりも多くないかもしれません。

 マップの特徴としては、キーとなるのは中心のナッシュビルです。一番高いのは盤外のシンシナティですが、そこに小都市を通らずに一番安くたどり着けるルートがナッシュビル経由になるのです。チャタヌーガ、メンフィスと1枚のPタイルの争いになりますが、立地条件から高確率で発展するものと思われます。

 プレイした感じですが、それほど余計な要素が多くなく、18xxの入門編としてはよさそうな感じがしました。プレイ時間は4時間弱でしょうか。ボリュームもちゃんとありますし、4人でプレイすれば1人1社に近い形で持てるかと思うので、なにがしかのプレイができた感覚が得られるのではと思います。

 局地戦というのもありますが、登場する会社は、「レイルバロン」をくらいにしか出てこないような会社が多いようです。GM&Oは遠目で見ると東北楽天のエンブレムに見えます。プレイ中はほとんど楽天としか呼ばれませんでした。

●オートモービル風のもの [play:game]

 最後にプレイしたのが、オートモービル風のものです。ベースとしてはオートモービルですが作ってるものが違います。これは、神保町ゲーム会でプレイしましたが、もう1回プレイされています。ボードが変更になり作るものが若干変わりました。といっても、ゲーム的には全く変わりませんが。

 あえて、詳細を書かないでいると、普通のオートモービルと変わらないのですが、今回は5人プレイで思ったよりも工場が前に進む展開になりました。

 特に序盤の普通車があっという間に時代遅れになるのですが、損失キューブの被害が小さい序盤はあえてつぶさずに残しておくのも手かもしれないと思ったりとか。工場閉鎖には100ドルの損失が出ますし、再建には時間がかかるのでターン数がかかる方がよろしくないのではという理論です。

 このゲームの場合、安全経営をしていると勝てないというのが如実に表れており、今回はうまく前に工場を置けたプレイヤーが積極経営で生産してそのまま利益を得ていくという感じになりました。借金については活用した方がよいのか、我慢した方がよいかが今ひとつ分かりません。時流によるところは多そうです。

 何だかんだで生産力に対して右肩上がりのゲームなので、いったん走り出したプレイヤーを止めるのは難しいようです。といっても、今回は実は接戦で最後の普通車で最低値が出て、1台損失が出たのが決定打になったようです。緻密なゲームに見えますが、高級車の「2」や、普通車で大きく需要が落ち込むと行った事故もそれなりに起こります。

 ダンピングはできるだけやらない方が利益になりますが、生産過多で、売却順で不利な時代遅れの車を持っているときに、売れなかった分の損失(キューブも含む)と、ダンピングの値下げ分があまり変わらない取った場面でやるのがよさそうです。今回のプレイで2回ほどそのような場面になり、ダンピングした分、他のプレイヤーに損失をかぶらせることに成功していたりもします。

 生産数は強気に攻めるのはいいですが、他のプレイヤーよりも頭が出過ぎてしまうと売却回数の差で負けてしまうことが多いようです。特に工場を3つ作っているときには注意が必要です。


 というわけで、今回は長時間ゲームを中心にたっぷりと楽しみました。18TNがプレイできたのが一番の収穫でしたね。


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