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● 横浜ゲーム会 2010年11月 ●

 2010年11月7日、いつも通り横浜ゲーム会に参加してきました。先週はゲーム会なしの週末だったので、久しぶりという感じもします。今回はメビウス便を中心に新作をという感じになりました。いつも通りレポートをお送りしましょう。


●アロザ殺人事件 [play:game]

 まずは、メビウス便の新作からプレイしています。直方体に近い変則的な形のボックスですが、独特なコンポーネントが入っています。

 8階建てのホテルで起こった殺人事件の被害者を探しだし、犯人を追い詰めていくというゲームです。独特なコンポーネントというのは、8回建てのホテルを実際に組み立ててそれを使ってゲームを進めていきます。

 ホテルの各フロアには穴が開いていて、最上階の穴からキューブを入れることができます。これがこのゲームの一番大きな要素です。

 ゲーム開始時に、被害者のキューブと、各プレイヤーのキューブを穴から1個ずつ落としていきます。落としたキューブはどこかのフロアにとどまるのですが、音を頼りにどこに行ったかを推理するのです。タイトルから推理の要素があるように見えますが、その要素はそんなところにあったりします。

 ゲームは大きく分けて2つのフェイズがあり、最初は被害者を見つけ出すフェイズ、次に犯人を追い詰めたり、自らの被疑を晴らしたりするフェイズになります。

 最初のフェイズでは、最初に落とした被害者コマの位置を予想し、見つけ出すというところです。正解すれば被害者と、同じフロアにあるコマを取り出し、別途ボードに置かれます。同じフロアにあるコマは、そのまま容疑を示すマーカーになります。不正解の場合は、自分のコマを1個ペナルティーとして追加投入します。

 犯人を追い詰めるフェイズでは、どのフロアにどのプレイヤーのコマがありそうかを予想したり、自分のコマがありそうなフロアを予想したりします。正解すれば、それだけ有利に進みますが、不正解の場合はペナルティとしてコマが追加投入されてしまいます。

 フロア取りが重要で、被害者のフロアの近くで見つけ出されてしまうと、それだけ疑惑が強まってしまいます。また、地上の1Fだけ宣言するには特別な条件が必要になります。テーブルに直接コマが落ちるのでわかりやすいというのはありますが。

 そうして、コマがなくなったり、規定数のコマが容疑にかけられた時点でゲーム終了です。最も疑惑がたまらなかったプレイヤーの勝利で、最も疑惑がたまってしまったプレイヤーは犯人ということになります。

 直接攻撃がな可能なゲームではありますが、音を頼りにと言うアナログなところが何ともいえない雰囲気を出しています。名探偵というよりも、うっかり加減を楽しむようなそんなゲームのような気がしました。他にはないタイプのゲームですね。

●サンダーストーン [play:game]

 お次は、前日に日本語版が出たばかりの「サンダーストーン」です。デッキ構築型のカードゲームで、アメリカではすでに2つめの拡張セットが出ようとしているところです。

 ファンタジーがテーマで、村で装備品を整え英雄を集め、ダンジョンに潜り込んでモンスターを倒し、勝利点をためていくというのが大きな流れになります。ダンジョンにあるサンダーストーンが回収されたらゲーム終了です。

 ルールブックに沿って説明をしていきましたが、要素がやたら多いように見えて、初プレイ用のセットの範囲だと登場しないルールがあったりします。村のあたりはわかりやすいですが、レベルアップ、攻撃値、体力と武器、明かり、モンスターのあたりが要素としてありますね。最近のデジタルボードゲームなら、おそらく要素追加ごとにヘルプが入るところでしょう。

 今回は、最初に強敵が並んでしまったこともあり、序盤は村で戦力を整える段階になりました。民兵の数が多いので、それを強化するカードを取るか、民兵を減らして英雄にシフトするかなどいろいろな戦略が取れそうです。デッキを圧縮しにくいゲームではありますし、村で買い物をしただけでは勝てないゲームでもあるのがポイントですね。

 「ドミニオン」は方向性を決めて一気にという感じのゲームですが、こちらはもうちょっと地味にこつこつと地盤固めをしていくような感じになるでしょうか。成長の方向性もある程度重要はありそうですね。

 中盤から、そこそこのモンスターが出てきたので一気に加速してきました。初期のカードセットの場合、盗賊の2レベル以上の効果のディスクカードが怖いですね。運良く病気のペナルティーカードを捨てられることもあるのですが。最終的な討伐隊は量より質になりそうな気もします。

 要素がかなり多いので、デッキ構築ゲームの経験者向けかと思いました。ダンジョンのランダム制があるので似たような展開になりにくく、そのあたりの幅広さがあるのではと思っています。折を見てもうちょっとプレイしたいですね。

●インカ帝国 [play:game]

お次は、Essen前の作品と言うことでプレイしています。厳密なアクションポイント制ではないですが、それに近い感じの勢力争いのゲームですね。文字通りインカ帝国の発展から滅亡までをテーマにしたゲームです。

 アクションを使っていき、自分の勢力を伸ばし得点を稼いでいくゲームなのですが、道が重要な要素になります。都市を造ったプレイヤーにも多少得点は入りますが、道をつなげていれば継続的に得点源になるのです。

 あとは、ゲームの途中から登場するカードによる能力もこのゲームの大きなポイントです。アクションが増えたり、コストが減ったり、ボーナス得点が入ったりとプラスになるものから、コストが増加したりというマイナスのものまで様々ですが、この能力が 2人に影響を与えるのがポイントになります。

 カードの配置順は、得点の低い順なので、追いかけやすくはなりますが、得点の入り方が右肩上がりのゲームではあるので、地盤を固めるのも大事になってきます。カードの効果は累積するので組み合わせの妙もあるでしょう。

 今回のプレイですが、日本語訳でとても大事なルールが抜けていたこともあり、配置のトラップなどがあったりとか。成長速度がやけに遅いと思ったのですが、そのあたりにあったのですね。

 というわけで、評価自体は保留ということに。狙ったプレイヤーだけを攻撃できるようなゲームではないので、そのあたりの駆け引きが難しいですね。

●サフラニート [play:game]

 最後に、アクションゲームの「サフラニート」をプレイしました。材料を集めて、レシピを完成させるのが目標のゲームなのですが、材料を手に入れるなどのアクションが、なんとディスクを飛ばして止まった場所で決まるというアクションゲームになっています。

 ラウンド開始時に登場するレシピと材料に限りがあり、材料はお金を使って購入していく必要があるのですが、いくら使うかなどは使うディスクの種類で違ってきます。先手を取らないと品切れをしたりと言うこともありこのあたりはテクニカルですね。裏向きに投げると数値が分からなくなるというブラフもできたりします。

 あとは、ボーナスアクションも領域は小さいですが結構強力です。終盤のスタートプレイヤー争いはかなり重要になってきます。

 アクション数は限られているので、逆転が難しいかと思われたのですが、最後は他のプレイヤーのディスクをはじき飛ばして他のアクションをさせるなどのテクニックもあり、延長戦が発生することもあります。

 ままならない感じと戦略的なところの組み合わせが何ともいえないですね。所持金も意外と大事で、お金が切れるとかなりできることが限られてしまいます。そのために1ラウンド使ってディスクを集めて高値で売却するというのもテクニックとしてあるみたいです。

 これも他にないタイプのゲームで楽しめました。


 というわけで、今回はメビウス便のゲームを中心に新作で固めてみました。TGF前ではありますが、面白い作品はいろいろと出ていますね。


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