● 西湘ボードゲームサークル 2003年 1月 のレポート ●
2002年1月25日、西湘ボードゲームサークルにおじゃましました。今回もプレイしたゲームの紹介を中心にレポートしたいと思います。テーマは「クラマー特集」ということで、Wolfgang Klamer のゲームを中心にプレイし増した。
● フィレンツェの匠
「クラマー特集」という話を聞いて、「フィレンツェの匠」が真っ先に思いつきました。だいぶ昔にプレイ用にチャートを作っていたので、それを持参してきました。あのゲームの場合はチャートがあるのとないのでは、だいぶ違いますからね。
私も、「フィレンツェの匠」をプレイするのは去年の豊洲ゲーム会以来なので、約半年ぶりですね。計画性と競りのゲームということで、難しい部類のゲームに入りますがお気に入りのゲームのひとつです。
簡単な展開ですが、競りの値段はそこまで高騰せず、安すぎもせずといった感じがしました。1ターン目のスカウトカードが最後の 1つになって 200で手に入りましたが、誤差の範囲内といえるかもしれません。
最初の手札から、権利 3種類と景観 2種類、建物 4種類の形になることがほぼ確定していました。1ターン目は、人物と権利、2ターン目は建築家を 900で競り落として、権利とボーナスカードという行動をしました。ところが、このボーナスカードを引くのがちょっと早すぎたようでした。
3ターン目に、すでに行動数に余裕がないことが判明していました。発表をするため、森を 200で競り落として、建物を建てて発表。この時点で、ボーナスカードを引くのが早すぎたことに気づいたのです。次のターンに景観を競り落とさないと、十分な形では発表できません。
4ターン目は湖を仕方なく 300で落札。権利をそろえ、スカウトカードを使って、すでにある建物での発表を余儀なくされました。ところが、ここで湖の配置場所を間違えて建物が 4種類たたなくなってしまったのです。
5ターン目。そろそろ手品師を入手しないとまずいという場面で、手品師を所有していないプレイヤーの間で値段が高騰、結局 1000 までつり上がったので、あきらめました。このターンは名声カードを 400で落としたのですが、引いてきたのにぱっとしたものがなく「景観を 3種類集める」を選ばざるを得ませんでした。
このターンは、すでに行動が決まっていたので建物を建てて発表。作品ポイント 15点と、予選突破ラインぎりぎりでした。じつはこの時点で、競りの行動数が足りなくなるので、発表 1回か、名声カードの達成をあきらめる必要がありました。
問題の 6ターン目の競り。ここでも、手品師が高騰し 1000 近い値段で買わせました。また、残った名声カードでも思いっきり競り合い 1000 で買わせました。このあたりは、かなり大胆なせり上げ方をしていますね。結局、大枚をはたくよりはと思って最後に建築家を 200 で落札しました。
6ターン目はちょうど自分が最後の行動になるので、様子を見ながら発表して 3点のボーナスを取ろうと思っていました。このターンは、大きな発表があまりされず、建物と発表にボーナスカードをつけて 21点でトップをとりました。この時点で競りで 2連敗していたので、所持金は 1000を越えていました。
7ターン目は、6ターン目の行動を受けてほとんど方針が決まっていました。公園を競り落として、名声カードの条件を満たすのが、行動数で見ても一番点数が上がるからです。湖でも競り合いになりましたが、さすがに全員の所持金を削っていたおかげで 400 で買うことができました。
最終ターンの行動は、6ターン目に落とした建築家がここで役に立ち、建物 2軒をたてて 6点を稼ぎました。これが、他のプレイヤーの名声カードを 1つ妨害したことになっていました。
最終結果は、トップが 56点で、私が 49点の 2位でした。さすがに 1回ミスをすると 50点まで届きませんね。競りで、唯一大量出費をしなかったプレイヤーがそのまま逃げ切っていました。プレイ時間は、説明込みで 150分以上かかっています。今回のゲーム終了時の盤面はこんな感じでした。
ちなみに、この日は 2卓プレイされていて、もう 1卓は「エルグランデ K & I」でしたが、そちらの方が早く終わっていました。6ラウンド目の行動中に、最終決算をやっていたみたいでした。
● 6ニムト!
重いゲームをプレイしたので、気分転換にとクラマーの名作カードゲーム「6ニムト!」をプレイしました。プレイヤーがちょうど 10人ということで、最大人数の 10人でプレイしました。こんなに多人数でやるのは初めてでしたね。
10人プレイだと、当然 1列に集中したら誰がとるかなんてわかりません。でも、すべてのカードが場に存在しているので、ある意味読みあいになります。プレイした結果としては、失点はかなり平均化されることがわかりました。15〜20点の間に集中しますね。
全部のカードの失点合計が 171点で、最後に場に残るカードも考えると 150点くらいが失点として取らされることになります。これを 10で割ると 15点。だいたいそのくらいのところが平均になるのもうなずけますね。
● アウフ・アクセ
次にプレイしたのは、1987年にドイツゲーム大賞を取った「アウフ・アクセ」です。トラックを動かし、荷物を運んでミッションを達成するゲームです。個人的には、PS版の「鉄道王」に近いという印象を受けました。
私も含めて、メンバーでプレイ経験者がいなかったので説明書から読んだのですが、付いている日本語説明書の質がかなり悪かったですね。とりあえず、一通りルールを読んでプレイを始めました。
内容としては、サイコロ運あり、競りあり、計画性ありといったバラエティーに富んだゲームでした。トラックに積み込める荷物の数には制限があり、受けたくてもうけられない仕事が出てきたり、おいしい仕事はダンピングをかけてでも受けたりと、考える要素はいろいろとあります。
チャンスカードの内容に物議を醸しつつも、一通りプレイしてゲームが終わりました。これは、大味なゲームだったとかいう意見があったのですが、気になったので英文ルールを探してみました。
そうすると、いろいろと新事実が明らかになりました。簡単にまとめると「競りは移動後に自分のコマが都市マスにいるときにおこなえる」とか、「購入した仕事は手札に入り、出発点に来た時点で公開し荷物を受け取り、目的地まで運ぶ」とか、怪しかった部分はほとんど違うルールでした。
あと、チャンスカードですが、ゲーム終了の原因になったあのカードはしっかりと誤訳していました。そのほかにも、訳が違うカードが結構ごろごろとしていましたね。これは、ちゃんと調べた上でもう一度やった方がいいゲームなのかもしれません。ドイツゲーム大賞を取るだけの要素はちゃんとそろっていますから。
ちなみに、このゲームの裏では「トーレス」がプレイされていました。気になる作品ではあったのですが、初挑戦のゲームを優先したかったので、今回は見逃したわけです。
● キングス・ゲート
最後に 90分ほど時間があったので、持ち込みゲームの「キングス・ゲート」をプレイしました。指輪物語のゲームのリメイクという情報を初めて聞き、びっくりしました。そういえば、説明書にドイツ語訳がなかったですからね。ちなみに、このゲームはクニツィーアの作品です。
タイルを配置して、勢力を争うゲームです。ルールを読んでみて「サムライ」に近いという印象を受けましたが、もうちょっと局所的で全員が勢力を競い合うという感じですね。得点計算もとても単純ですし。
指輪物語の方は、TCG のサイズでカードを配置していくゲームのため、テーブルの幅がいくらあっても足りないというゲームだったそうですが、こちらはタイルなのでかなりコンパクトに収まります。
プレイの結果ですが、序盤から手札に恵まれていたので、積極的にせめて得点を加算し、そのまま逃げ切ったような展開になりました。タイルを使い切るくらいが戦略的にも強いので、そのあたりを意識してプレイするのがいいでしょう。
実は、最終ラウンドの手前で得点を計算したときに、安全圏に入っていると思ったのですが、実際にふたを開けると、そんなに点差が付いていないのにびっくりしました。それぞれのラウンドのボーナスが、結構絶妙になっていて、そのあたりがクニツィーアのゲームだと思いました。
タイルが全体的に小さくなったのはとてもいいのですが、背景の絵が結構濃い色で描かれているので、盤面をじっと見ていると疲れ目を起こします。初代のカルカソンヌとか、そのあたりの目に優しい色だとうれしかったのですが。
タイルの数字が書かれている部分がなぜか右上になっていて、手札として持ったときに隠れてしまったりとか(右利きの方は試してみるとわかると思います)、チップにバリが残ったりとか、用具としては気になるところはあるのですが、ゲームの出来としては面白いと思いました。
海外サイトでの見解なのですが、元のゲームを英語版で出すに当たって版権のコストを押さえるために、一般のファンタジーにリメイクして出したのだそうです。確かにアメリカで $19.95、私が購入したときは 3000円ちょっとだったのですが、指輪物語なら 1.5倍くらいにはなっていたかもしれませんね。
今回は久しぶりの遠征で、久しぶりに長時間のゲームをプレイしてきました。たまにはじっくりと時間のかかるゲームをプレイしてみるのもいいものです。今回いっしょにプレイしてくださったみなさまに感謝します。そして、また一緒にプレイしましょう。