トップ > アナログボードゲーム > 雑記

● 小箱ゲーム特集 2008年4月号 ●

 3月号に引き続き、小箱ゲーム特集をお送りします。今回はその他の海外メーカーと、国産ゲームからいろいろ挙げていきましょう。

 観光シーズンですし、新しいメンバーとプレイする機会も多いと思いますので、このあたりから始めてみるのもいいかもしれません。


●その他の海外メーカー

 海外メーカーで小箱ゲームを出しているところは他にもいろいろとあります。

・ゴキブリポーカー [play:game]
 小箱の定番ゲームのひとつでメビウスから日本語版も出ています。基本的に言語依存のないゲームですね。

 8種類の嫌われ者の生き物を他のプレイヤーに送り込んで行きます。生き物の名前を言って他のプレイヤーに渡すのですが、このときにカードに書かれていないものを言ってもかまいません。ウソか本当かを見極めるか、先送りにするかの選択ができるのがこのゲームのポイントです。

 読みあいの要素が強いゲームで、性格を読んでのプレイが楽しいですね。下手に悩むならさくさくと渡してしまった方がいい場合もありますし、弱点を狙ってうまく攻めていくというのもあります。

 ルールはとても単純で、6人までとそれなりに広いプレイ人数を持ちます(実際には、多少人数が増えても対応できます)。読みあいのゲームは数多くありますが、小箱でカードだけということになるとなかなかないかと思います。この手のゲームに入るきっかけとしてもいいゲームでしょう。

・ヘックメック [play:game]
 Zochの小箱ゲームもいろいろと出ていますが、こちらはKniziaのダイスゲームです。サイコロを振っていき、数字を加算していき、数字に対応したタイルを獲得していくというゲームです。

 こちらも単純なダイスゲームですが、数字の確定のさせ方や、ちょうどの数字を出すと他のプレイヤーのタイルを横取りできるなど随所にひねりがきいてあり、ダイスゲームの楽しみがあるゲームです。

 プレイ人数は 7人まで対応可能で、こちらもかなり幅広くプレイできます。少人数と多人数でゲーム性も大きく変わってきます。個人的には、少なめの人数の方が好きではありますが、このあたりはプレイヤーの好みによるところが大きいと思います。

 特徴は、カードを一切使わないことでしょうか。タイルはしっかりとできており、それなりの重さがあります。

・グリード [play:game]
 ダイスゲームの名作といってもいいでしょう。サイコロを振って役を作り得点を稼いでいくというゲームです。役が全くできない場合バーストとなり、0点になってしまいます。

 もともとは Avalon Hillの筒入りのものでしたが、最近になってダイスのみの小箱で販売されるようになりました。プレイマットもありませんし、ダイスも印刷されたものなので安っぽい感じにはなっていますが、そのぶん価格も安く、名作が手にはいるのには個人的にはうれしいですね。

 人数は8人くらいまでですが、工夫すればもっと多い人数でも楽しめるかと思います。通常の得点制のルールでやるのであれば 5人くらいまでがちょうどいいかもしれません。

 戦略的な要素は少ないものの、無性にダイスゲームで遊びたくなったときにちょうどいいゲームだと思います。準備運動や整理運動、気分転換にもいいですね。

●国産メーカー

 国産ゲームも、小箱で楽しめるものはいろいろと出ています。遊宝洞やグランペールなど比較的新しいメーカーからいろいろと出ています。

・ノイ [play:game]
 手始めは、おもちゃ箱イカロスから出ている1988年の作品で、とても手軽なカウントアップ系のゲームです。「101」を超えないようにカードを出していき、カードが出せなくなった時点でアウトという生き残り制のゲームです。

 この系統のゲームは数多くありますが、特殊なカードがそれほど多くないシンプルさと、「101」カードの存在がよくできていると思います。ルールは非常に簡単ですぐに楽しめることができます。

 この手のゲームになれていない方でもすぐに楽しめる作品です。プレイ人数も 7人まで対応していますが、8人くらいまでなら対応可能と思います。

・クク [play:game]
 こちらは、古典カードゲームですね。最近では若干箱が大きくなりましたが、グランペールからでています。いろいろな遊び方ができますが、一番よく遊ばれているものを紹介しましょう。

 チップを使ったギャンブル系のゲームで、隣の人とカードを交換するか、交換しないかを1巡だけ行い、その結果最も弱いカードを持っていたプレイヤーが負けというゲームです。負けたプレイヤーは、チップを供託したり、チップ獲得の権利を失ったりします。最終的に生き残ったプレイヤーが場のチップを総取りするというものです。

 判断のチャンスこそ少ないのですが、昔から遊ばれているギャンブルゲームということもあり、よくできていると思います。特殊なカードがそこそこあり、若干は慣れる必要がありますが、それほど難しいものではありません。

 このゲームの楽しさは、バリアントルールで楽しむことができることでしょう。基本的に自分しかカードが見えませんが、自分以外のカードが全部見える「インディアンクク」など、いろいろな楽しみ方ができます。

 プレイ人数はなんと、20人くらいまで対応可能です。多人数が集まったときに一緒に楽しめるゲームですね。

・R-ECO [play:game]
 ちょっと本格的なものをということで「R-ECO」を紹介しましょう。リサイクルをテーマにしたカードゲームです。うまく手札のゴミを出して得点を稼ぐのが目的ですが、ゴミを出したあとに出ているゴミを回収しなければならず、手札があふれ出すと不法投棄で失点になってしまいます。

 派手な動きはないものの、ゴミを出したいけど手札がたまってしまうとか、そのあたりのじりじりとした感じを楽しむことができるゲームだと思います。このあたりの感覚がいかにも作者らしいと思います。

 もともとはゲームマーケットの出展作品でしたが、後にグランペールから小箱で出ています。また、Z-MANから英語版もリリースされています(こちらは箱が若干大きいですが)。

・ごいた [play:game]
 最後は、チームプレイの伝統ゲームを。能登半島の伝統ゲーム「ごいた」です。2人ずつのチーム戦で、自分のチームの誰かが手札を出し切ったら得点になるというゲームです。もともとは、専用のコマがあるのですが、グランペール版ではカードになっており小箱のゲームにアレンジされています。

 プレイした感覚は、大富豪とかそのあたりに近いかもしれません。相手が出したコマにたいして返せるコマが決まっており、相手に出されないように、またパートナーに有利になるようにうまく仕向けていくという楽しさがあります。

 1回のプレイにそれほど時間がかからず、配り運に翻弄されるもののその中でうまくやりくりしていくという楽しさもあります。プレイ人数は 4人限定です。


 今回も、簡単にいろいろな作品を紹介してきました。ボードゲームのような大箱のものも見た目で分かりやすいですし、それだけでしかできないようなこともありますが、小粒で面白い小箱ゲームにも目を向けてみるのもいいのではと思います。


トップ > アナログボードゲーム > 雑記