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● テーブルゲームフェスティバル 2010F ●

 2010年11月28日、テーブルゲームフェスティバル2010Fに参加してきました。出展者側としての参加は今年で6回目。来年からはゲームマーケットになるので、TGFとしては今回が最後になります。

 春のゲームマーケット、秋のTGFということでおおよそ半年周期ですが、最近は頒布もOKになりました。とはいえ自分のところは従来通りテストプレイ中心であることには変わりありません。今回は、作戦会議ゲーム会とセットでレポートします。


- TGFの準備段階とか -

 TGFは最後ということで、エントリーから参加までの舞台裏でも。いつものメンバーでテストプレイをして出展できる作品が出そろっていれば、参加ということにしています。

 Webサイトやショップでエントリーの通知が来たら、関係者と出展方針について簡単に調整します。といってもブースは自分で取るので、お手伝いの依頼と、出展物の確認が中心ではあります。今回は先行でブースを取り、あとで OKAZU Bland と別のブースを取ることになりました。

 Hammer Works の出展作品は、制作者に一任というスタンスなので、基本的に自分の作品についての調整は行うという感じです。頒布はないので、普段テストプレイしているものがそのまま出ることが多いです。

 パンフレット原稿は、テストプレイ中のコンポーネントの作品と、簡単な文章をつけることにしています。紙面の関係とタイトルが決まっていなかったりする場合もあるので、方針程度という感じです。

 あとは、前夜祭、当日の集合などをメールベースで詰めていきます。ゲームマーケットからの通例で、イベント後は荷物がひどいことになるので打ち上げは行わず、代わりに、前夜祭と惨敗ゲーム会をすることにしています。旗振りをするのは作戦会議+前夜祭と当日くらいですが。

 物作りの作業がないので、ディスプレイなどは1週間前あたりから準備するというまったりとした感じです。ゲームマーケットでは物作りがギリギリまであるのですが、それと比べると、TGFはまったりとした感じです。

- 前日(作戦会議+ゲーム会) -

 作戦会議といっても、当日の運営というよりは買い出しの作戦会議が大部分だったりします。今回はノートPCを持ち込んで一通り出展サークルの情報を見ながら、ショップの頒布品で気になるものをチェックするという作業です。

 いつもであれば、前夜祭で前日の夜に夕食もかねてだったり、当日朝にだったりするのですが、時間に余裕を持って前日の昼からという感じにしました。だいたいは事前公開の情報をプリントアウトしてチェックし、買い出し組へ渡すというのが流れです。

 ゲームマーケットでもそうですが、出展者側として出ていると、ブースを開けられないので、そのような作戦にしています。それでも、毎回掘り出し物がほとんど探せないという状況だったりします。

 そんなこんなで一通りの作戦会議が終わり、簡単にゲーム会ということになりました。

●ロンドン [BGG]

 3人で正しいルールでプレイしました。1回プレイするとだいたいの感覚が分かってきますが、3人の場合土地も余裕がありますし、ターン数も若干多いので、いろいろな攻め方ができますね。

 建物の得点を稼ぐという方法で攻めていきましたが、それなりによく回りました。最後は地下鉄の得点差という状況ではありましたが、建物の建て方を工夫すればカバーできそうなくらいの点数だったかと思います。

●擬人化総選挙

 3人〜4人で翌日のテストプレイの作品をプレイしました。まだカード化されていないため iPadを使ってのプレイですね。新しいルールになっても、悩ましさは同じですね。カード化するに当たってどうするかという点はあったりするのですが。

●グッドプライス

 こちらは久しぶりにプレイしました。コミュニケーションゲームではあるのですが、これまでにないタイプのゲームですね。裏読みで意表を突いたりとか、まともな線で攻めたりとかいろいろとできるゲームではあります。

●ディスカバー インディア [play:game]

 メビウス便からこちらをプレイしました。インド各地を旅行し、同じジャンルのものを集めて行き得点を稼ぐというゲームです。シンプルなゲームなのでバリアントを入れてのプレイです。

 ツアーの次の行き先は、直前のプレイヤーのコマの隣接区ということで、移動先に関してはアブストラクトの要素がかなり強く、時には選択肢のないほうに進めさせることもできたりします。が、どちらかといえば自分の得点を伸ばしに行った方がいいゲームですね。

 獲得したものの配置もパズル的な要素になっていて、どこでどのようにそろえるかが重要になってきます。ひとつ残念なのは、シンボルの「色」が紛らわしいものが多いということです、これを間違えると致命傷になるので注意が必要です。赤とオレンジ、青紫と紫という色合いが間違いやすいところです。

 とはいえ、「エクスペディション」ほど厳しいというわけでもなく、中盤でちゃんとゲームメイクをできるようにするのがポイントになりそうですね。若干アブストラクトよりかもしれませんが、プレイ時間はそれほど長くはありません。


- 当日 -

 いつものレポートを交えたあとで、当日の様子をお送りします。恒例の集合場所も、最近のゲームマーケットでは直接会場入りするので、ひょっとしたら今回が最後になるかもしれません。

 朝食+最終調整を終え、9:30 くらいに会場入りしました。過去最大級の人数ということで、もうちょっと余裕があってもよかったかもしれません。

 出展物がほとんどなく、ディスプレイ自体は時間内に治まり、若干の余裕はありました。

 開幕の拍手と同時の出足も、まったりとしており TGFらしいところですね。ゲームマーケットだとそうはいきません。

 開幕直後は、ゲームマーケットの出展物にもかかわらず、求めてこられる方がいらっしゃったりと、頒布のチャンスがあることは悪いことではないようです。今回、おまけはないですが、シュリンクラップをしていたりします。乗車券のミニマップは作って正解でした。

 事前情報に、ここだけの話で書いた 18TMのミニボードをそれとなく持ち込んだのですが、数名の方から反応がありました。じっくり作り込んでいこうと思いますが、18xx シリーズということで向けられる目も厳しそうな気がします。最近の Deep Thought の入門編のあたりを意識しており、短時間、若干ゆとり仕様という方向性になるかと思っています。

 買い出し組は、いつも通り 10:30 くらいには戻ってきていましたが、その後のチェックでいろいろと情報が入ったりとか。今回は特に動きが多かったような気がします。私はというと、10:40 ころに 3分ほど抜け出して同フロアの様子をざっと見て回るくらいでした。

 11:00 くらいからテストプレイ開始。「シティープラン デルタ」が最初に回りました。同時行動選択は、カードの引っ込め忘れが起こりやすいですね。新要素の議会もうまく回りました。あとは、前作までのプレイヤーから反響が大きかったのは「テレビ塔」ですね。カードテキストを思わず見直してしまうくらいの効果が書かれています。

 12:00 ちょっと前には 2ゲーム目が回りました。全くの初プレイの方が多かったのですが、特殊施設のテキストを読み出すとどうしても展開が重くなるというのが分かりました。というよりカードテキストのあるゲームになれていないとこのあたりはかなり重く見えるようです。あとは、特殊施設があると建てたくなるというのもありますね。

 ゲーマーズゲームとして作っているのと、特殊施設もゲームの一部で基本軸はそのままで行きますが、バリエーションとして簡易版があった方がいいのかとちょっと思ったりします。特殊施設と議会の要素をすっぱり切り捨てるだけでだいぶ軽くなると思っていますが、ゲームとしてちゃんと動くかどうかはやってみないと分からないですね。

 あとは、デルタから入ると、電力消費もコストの一部として見えるようで、このあたりはテキストの工夫が必要です(工事現場、建設予定地など)。系統別のアイコンをつけるとわかりやすいとか、発動のタイミングを大別するとわかりやすいとか、そのあたりの工夫はできそうです。カードのデザインもこれからなので、そのあたりと併せての修正になりそうです。

 まだ、一部の特殊施設が使われにくい懸念もありますが、数値的なバランスよりも、プレイしやすさとかルールの簡潔さとかのあたりを 2月くらいまででブラッシュアップしていきたいところです。

 3ゲーム目のプレイが始まったタイミングで、ようやく昼休みが取れました。この時点で時間はすでに 13:30 を回っていました。昼食を取って 5F のショップを見て回れたのは 14:00 くらいです。掘り出し物はあらかた掘り出されたあとですが、いくつか惨敗したりとか。直接見ないと分からないものが多いのはつらいですし、買いのがしも若干出てしまいます。

 14:20 くらいに戻って、「バリュースケール」のテストプレイを回しました。不思議なタイプの競りゲームではありますが、ポイントは伝わっていたようなそんな気がします。こちらはもっとゲーマー向けの作品ですし、全く競り落とさないで勝てるようなゲームではないので攻めどころが難しいですね。

 頒布物ですが、乗車券は 13:00 前には持ち込み分がすべて出ました。「ショッピング パニック」も 15:00 の時点ですべて出ました。ほぼルール説明に終始していたので、メンバーに感謝です。

 15:30 くらいにはテーブルが開き、エンディングムービーを流しながら、16:00 を過ぎた時点で撤収準備などに入りました。今回は買い出し舞台で事前に集計をしていたのでとてもスムーズに受け渡しもすみました。メンバーも多いのですが、出展側で購入も積極的に行うところはそれほど多くないですからね。

 16:50 くらいにはすべての撤収じゅんびが終わり、17:00 を回り締めの挨拶と、次回からはゲームマーケットになるという宣言があり、拍手で幕を閉じました。


- ひとり反省会 -

 ここでひとり反省会を。TGFとしては最後なので、次に生かせる場があるかどうかは分からないですが。

 今回準備してこなくて失敗したのは、「ゲームタイトルを示す看板」でした。ボックスをちゃんと作っていれば何がプレイされたのかが分かったのですが、それを作ってこなかったので急遽手書きのポップが登場しました。

 逆に持ってきてよかったのは水です。今回は休憩の機会があまり取れなかったのと空気が乾燥していたので、あるのとないのではだいぶ違ってきます。ディスプレイは最低限でよさそうですね。

 買い出し組の集計は今回についてはかなりうまくいったと思います。いつもなら、分配や精算でかなり手間取るのですが、リストがちゃんとできていたのが大きかったようです。

 今回は、久しぶりに Hammer Works (無印) 単独のブースだったためメンバーがどう回るかというところもありましたが、自分自身の休憩のタイミングが 1ゲーム分遅かったですね。様子を見るというよりも、時間を切って優先的に交代に回った方がよかったかもしれません。ちなみに、ゲームマーケットでもそうですが、時間優先のため、外に出ないで食事をすませています。

 ゲーム的な反省点は、主に「シティープラン デルタ」で本文に書いたとおりです。カードのデザイン、カードテキストのレベルで調整が必要ですね。あとは簡易ルールをつけるかどうかです。裾野を広げるためのゲームとしてアリなのかどうかも含め、考えたいところですが。


- まとめ -

 TGFの大元は「ゲームパーティー」という創作ゲームのテストプレイの場を提供するというところからだったと思います。ゲームマーケットは頒布中心でしたが、TGFは創作ゲーム側はテストプレイ中心で当初は頒布なしでのスタートでした。

 途中から頒布もOKになり、去年からは頒布専用のブースもできて、頒布の場という側面もできましたが、Hammer Worksでは、制作の都合上テストプレイの場として使わせてもらいました。

 前日に作った「ほんのきもちです」が翌年のゲームマーケットの頒布品になったり、「東京乗車券」のボードの駅名にふりがながついたり、生産数の参考にしたり、プレイしにくそうなところを見つけてデザインを変更したりと、いつものメンバーでは気づかなかったところを見るいい機会になりました。

 あとは、会場後のまったりとした雰囲気も、余裕を持って参加できるのもTGFならではと思っています。

 今度からゲームマーケットが年2回開催になりますが、TGFのような側面を持つ場もほしいと思っています。やはり年2回物作りだと、一年中物作りをすることになってしまうので、このあたりはメリハリをつけて対応したいものです。といっても、来年のゲームマーケットの様子や運営方針を見ないと、作戦を立てられない部分もあったりします。

 第1回の一般参加から、2回目以降の出展者参加まで全7回の参加を果たすことができました。よくここまで続いたものだと思っています。

 遊んでくださった皆様、スタッフの皆様、ありがとうございました。また、お会いしましょう!


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