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夏休み特集ということで、久しぶりに鉄道ゲーム特集をお送りします。前回の鉄分ファンと重なることもあるのですが、今回はアメリカを舞台にした鉄道ゲームということで、「アメリカ横断鉄道ゲーム選手権」あたりの話を中心に、新作を交えつつという感じでお送りしようと思います。
「アメリカ横断鉄道ゲーム選手権」とは 2007年、2008年に2回行われた企画で、アメリカ合衆国を舞台にした鉄道ゲームをプレイし、ポイント形式で競うというものです。ゲームの選定は名作を中心に「トランスアメリカ」「ユニオンパシフィック」「エンパイアビルダー」「レイルバロン」「蒸気の時代」「乗車券」「1830」の7作品です。
第1回の時はプレイ時間が収まらず、6作品のみになりましたが、第2回はルール変更を加えて7作品すべてをプレイできています。2日間ですらかなり厳しいスケジュールです。
プレイしたゲームと時間短縮のアイデアなどに加えて、(やるのかどうかは全くの未定ですが)次回のための候補になりそうなものを書いていきましょう。
選手権では第1チェックポイントに常に選ばれている、トランスアメリカです。シンプルな鉄道ゲームということと、トランスヨーロッパとバリアントも出ていることもあり、選ばれています。
時間短縮のポイントは特にありません。普通にプレイしても30分くらいで終わりますね。運の要素が多分にあるゲームなので、最初の方にトップのみの配点でやるのがいいのではと思っています。
お次は、現在は入手難の「ユニオンパシフィック」です。Alan R. Moonの作品はもう1つ選ばれていますが、こちらは「エアラインズ」からのリメイク作品です。決算/配当系のゲームではありますが、決算に上位に入るためには株をオープンしなければならない、株をオープンすると会社を成長させることができないと悩ましいゲームです。
ほかのゲームと性質が異なるのは、決算のタイミングがランダムで、ゲーム終了時間も読みにくいことにあります。いつ終わるかわからないからこその作戦もありえます。
ゲーム短縮のアイデアはないのですが、現在入手混乱なのが難点かもしれません。リメイクも出るといわれていますが、未だ音沙汰がない状況だったりします。
おそらく、選手権運営上一番の難所でしょう。クレヨンゲームのエンパイアビルダーです。自分の路線をクレヨンで引いていき、それに沿って移動して荷物を運んでいくというゲームです。Pick up and deliver(荷物運び系)のゲームではありますが、路線を自分で引けるのはほかにはない要素です。
現在でも入手可能な作品で、「ユーロレイルズ」などバリエーションもいろいろとある作品ですね。独自の要素のあるゲームですが、プレイヤー間でバランスをとるタイプのゲームではありますし、昔ながらの作品なのでとにかく時間がかかるのが難点です。
時間短縮の要素ですが、スピードを12→16と 4/3 にするのが、一番手っ取り早いかもしれません。スイッチバック禁止などの要素も省略し、カードの補充はターン終了時としてダウンタイムを短くするというのが考えられます。工夫することで時間は結構短縮される作品ではあります。
難所は、ほかのゲームではあまり出てこないカナダとメキシコが出てくるところでしょうか。リファレンスを作っておくと役に立つことでしょう。
その次は、これも昔ながらの作品「レイルバロン」です。目的地を目指し収入を獲得しながら路線を購入し、ほかのプレイヤーから使用料をもらって目標金額を稼ぐというゲームです。長時間ゲームで運の要素も多分にありますが、路線の組み合わせの妙を楽しむゲームでもあります。
これほど鉄道会社が出てくるゲームはほかにないかと思います。ほかのアメリカ鉄道ゲームをプレイするときにもきっと役に立つのではと思います。現在、入手困難なのが難点ですね。
逆転の要素もそれほど多くなく、まったりと進んでいくので時間短縮の要素はそれなりに必要になってきます。一方通行の廃止、1000ドル支払いの廃止、出目あまりの許可(0マス移動はNG)と、報酬をもうちょっと上げて、ゴール条件をもうちょっと下げるくらいでしょうか。
テクニカル部門の作品の一つ「蒸気の時代」です。Martin Wallaceの名作鉄道ゲームの一つで、とにかくシビアなゲームです。うまく運営していかないと赤字経営のままゲームが終わってしまうことにもなりかねません。
タイル配置、荷物運びのゲームですが、ポイントはプレイ順と特殊能力の選択にあります。ターン数がそれほど多くないので1ターンごとの重みも大きいですし、ほかのプレイヤーとの競争状態に常にさらされており、いい路線やいい荷物は早い者勝ちでなくなっていきます。
時間短縮の要素は「蒸気の時代」の範囲内では特にありません。それなりの時間で終わるゲームではあります。どちらかというとプレイ難度の高さが厳しいゲームかもしれません。
現在も入手可能ではありますが、コンパチでもうちょっと要素を単純にした「スチーム」も発売されています。根底は同じではありますが、もう少し緩やかな感じになっており、今後の候補としては有力なのではと思っています。
これも、比較的最近の作品ですね。Alan R. Moonの作品です。同じ作者の作品が2つ選ばれていますが、こちらはゲーム大賞に選ばれており、バリエーションも数多く出ています。目的地カードに従い路線を引いていき得点を稼いでいくゲームです。
プレイ時間は60分ほど、難度もそれほど高くなく、特に注意すべき点はありません。バランスとしては USA 1910の方がいいかもしれませんが、大きな違いはないでしょう。
最終チェックポイントに設定している 18xxシリーズの代表作です。運の要素がないゲームで、実は最終戦には向いていないのかもしれないというゲームではあります。
鉄道会社を運営していき、自分の資産を稼いでいくというゲームです。鉄道会社自体を育てるのはあくまでも手段であって、最終的には自分のもうけにならないと意味がないのです。タイル配置と列車運営ですが、トークンによる陣取りの要素があったり、株式の仕手戦があったりとシビアな作品ですね。
短縮ルールもありますが、通常ルールでそのまま楽しんだ方がいいような気がします。時間短縮という点では、最近の局所的な 18xx シリーズをプレイするというのも考えられます。ただ、5人だとある程度の広さと会社数があった方がおもしろいということもあります。
ここからは、選手権でプレイしていないものから。「スチールドライバー」は競りで会社の経営権を獲得し、経営した会社の路線を延ばし収益を上げていくゲームです。Martin Wallaceの作品で、それなりにシビアではありますが、やるべきことが比較的わかりやすいのとプレイ時間が 90分程度で終わるというのがあります。
競りの要素も大きいですが、行動順の大事さや、競りの力の入れ方などがポイントになってきます。特に時間短縮の必要もないですし、いろいろな要素を短時間にまとめたいい作品だと思います。
こちらも、競りで株式を獲得したり、会社を伸ばしていき利益を上げるゲームですね。アメリカ東海岸からシカゴを目指すゲームです。路線の長さに限度がありますし、株式は発行されるごとに利益が下がってしまうので、そのあたりも考えながら攻めていくという感じでしょうか。プレイ時間は90分くらいです。
できることはそれほど多くはないですが、プレイヤー間でバランスをとっていくような感じのゲームですね。右肩上がりのゲームではあるので、そのあたりの感覚は1回プレイしないとつかみにくいかもしれません。
というわけで、今回は「アメリカを舞台にした鉄道ゲーム」をテーマにざっとまとめてみました。鉄道ゲームは独特のロマンがあっていいですね。長時間ゲームに縛られず、ライトな感じのゲームが出てきてくれればと思っています。
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