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● わんこさん宅ゲーム会 (2003/9/27) ●

 8月末あたりにお誘いのメールがあり、密かに計画していたゲーム会を 9/27 におこないました。よくよく考えると、自宅ゲーム会は「カタン三昧」以来ですから、かなり久しぶりになりますね。

 13:00 ちょっと前に到着してから、22:00 ちょっとすぎまでたっぷりとプレイしてきました。記録も兼ねた主観レポートをお送りします。


 到着は 13:00 ちょっと前くらいで、予定よりも 2人多い 6人が集まりました。自己紹介を軽くすませたところで、さっそくゲームということになりました。今回は、私のプレイしていなさそうなゲームを中心に選んでくださったようでありがたかったです。

● ウィルス一味

 まず最初にプレイしたのが、「ボードゲーム天国2」を見て気になった「ウィルス一味」です。箱の感じから行って、準備運動にはちょうどいい重さと思ったからです。

 ウィルスの感染や、注射の打ちすぎで、集中治療室送りにならないようにしながら、他のプレイヤーにウィルスを感染させていくゲームです。

 基本的に、ウィルスや、注射などとりすぎると危険になるものを、薬を支払いながら他のプレイヤーに押しつけていくという感じです。薬は減っていく一方なのですが、自分からウィルスに感染すれば、いくらか薬を補充することができます。

 これだけだと、回り順とタイミングが中心のゲームになるのですが、ある程度ウィルスに感染すると使える「リスクカード」がゲームを面白く、そしてノリを軽くしていると思います。

 「リスクカード」もウィルスなどと同じように他のプレイヤーに回ってくるのですが、どのような内容なのかは引き受けてみないと分かりません。有利なものも不利なものも混ざっています。

 中でも面白いのは「ドクター先生」(Herr Doktor) でしょう。このカードを引き受けたプレイヤーは「先生」となり、敬わなければなりません。ぞんざいな扱いをすると、ペナルティーとして薬を支払うハメになります。

 微妙に効いてくるのはスタートプレイヤーのカードです。これを取り忘れてしまうと、直前のプレイヤーに薬を支払う必要があるのです。これらのカードと、薬、ウィルスなどのテーマが相まって、不思議な雰囲気を醸し出してるのです。

 感想ですが、ICU 送りになるとトップをとることは無理になってしまいますが、勝負というよりもいかに楽しむかに重きを置くゲームだと思いました。ここまで軽い雰囲気の競りゲームというのも珍しいですね。不思議な雰囲気と競りゲームといったところで、個人的にけっこう好きなゲームでした。

 リスクカードの日本語訳は必須ですが、カードにしっかりとはってあったのでとてもプレイしやすかったです。プレイ環境を整えるというのも、大切ですね。

ウィルス一味 / Wirus & Co., Frank Start / Joerg Spiegelhalter, Zoch, 2002

● アルハンブラ

 次にプレイしたのは、今年のドイツゲーム大賞の作品「アルハンブラ」です。ゲーム大賞の作品を、プレイしないのは、かなりもったいないですからね。

 手札のお金を使って建物を買って、自分の敷地にたてていくゲームです。いろいろな意味でアクションポイントを使うゲームといった感じがしました。建物を買う際におつりが出ないようにすると、もう 1回行動することができます。

 ルールはそんなに複雑ではなく、決算の要素があるので、これからステップアップしたいプレイヤーにお勧めできるような作品になっています。購入できる建物や補充できるカードは、タイミング次第で決まりますが、決算の対象になる建物の集め方や、城壁ののばし方はある程度の計画性が必要になります。

 今回は 6人でプレイしたので、ターンもそんなに回ってきませんし、次のターンまでにがらりと状況が変わってくることが多いので、パーティーゲームの様相が強まっていましたが。確かに少人数でやると引き締まった展開になるかもしれません。

 2人や 3人でも遊べるゲームだということでしたが、最後の決算が 3位までとれるので、4人くらいがちょうどいいのかと思ったりしています。

 テーブルを広めに使うゲームなのですが、都市を造っていく様子など見た目もいいゲームですね。タイル配置の妙も味わうことができたりします。今回は、序盤の計画に失敗して、そのままずるずるといってしまったのですが、ちゃんとした計画性も必要になるというのが分かっただけでも収穫になりました。

 感想としては、初心者向けでも、がちがちとした戦略を求めるゲームというわけでもないのですが、基本的なところはしっかりと押さえてあるゲームだと思いました。個人的には、好きなテイストのゲームですね。ゲーム大賞を取るのも納得の作品でした。

 他のところのレビューでもありましたが、なぜかこのゲームは黙々とプレイしてしまう傾向がありますね。交渉の要素はないですし、自分のところに目が向きやすいゲームではあるのですが。

アルハンブラ / Alhambra, Dirk Henn, Queen, 2003

● ヨーロッパツアー

 お次は、ヨーロッパを巡る旅行計画を立てるゲーム「ヨーロッパツアー」です。これも、最近の作品で気になる未プレイものでした。

 ヨーロッパの国と、飛行機、船からなるカードを麻雀の要領で 1枚引いて 1枚捨てるを繰り返して、完璧な旅行計画をいち早く立てていくというゲームです。国と国は隣接していれば移動できますし、飛行機を使えば同じ「色」の国を移動することができます。船は海沿いの国を移動するのに使います。

 はじめは、きれいにそろわないのは当たり前と思っていたのですが、ヨーロッパの国の隣接関係は私たち日本人にとってはかなり「慣れ」が必要になります。西ヨーロッパは位置関係が把握しやすいのですが、大きな国が多いだけに、隣接している国が少ないのです。

 東ヨーロッパ諸国は、旧ユーゴとか、旧ソ連のあたりが複雑で、隣接関係がかなり分かりにくいですね。当然ロシアとか、トルコとかの大きな国は分かりやすいのですが、マップの端に位置していますからね。

 このゲームをやって思い出したゲームは「エウロパ」でした。あのゲームも、当然ヨーロッパ諸国が再現されていますからね。「ヨーロッパツアー」の方は紛争もなく平和な世界観なわけですが。

 多人数ソロプレイ風のゲームですが、捨て札の要素があり、多少の戦略性はあります。ヨーロッパの地理に詳しくないと大変なことは多いのですが、雰囲気を楽しむのにはいいゲームですね。

 同様のシリーズで、10 Days in Africa と 10 Days in USA がアメリカのメーカー Out of the Box から発売されるみたいです。そちらは国や州がひろいので分かりやすいのかもしれません。でも、日本人ならやはり日本版の「日本旅行」が欲しいところでしょうか。

ヨーロッパツアー / Europa Tour, Alan R. Moon / Aaron Weissblum, Schmidt, 2003

● 6ニムト!

 淡々としたゲームが続いたので、わいわいとという感じで「6ニムト!」を 6人でプレイしました。定番中の定番ですが、いいものはいいですね。

 個人的には、このゲーム 6人がいちばん面白いような気がしています。読めるか読めないかの瀬戸際が楽しめる人数ですし、下手をすれば同じ列に 6人が来るということもあり得ますから。

6ニムト! / 6 Nimmt!, Wolfgang Kramer, Amigo, 1994

● スクイント

 ここら辺で、趣向を変えたものということでこれも気になっていたものの未プレイのゲーム「スクイント」をプレイしました。JAGA でたかのさんが出していたのを見たことがあるのですが、実物をプレイするのは初めてでしたね。

 いろいろな形のカードを使って、「お題」を当ててもらうゲームです。サイコロを振って出題レベルが決まるのですが、1レベルは「クシ」「たばこ」とかと簡単なもの、2レベルは「レッカー車」「ミルク」といった難しめなもの、3レベルは「トルネード」などというかなり難しいものがお題になります。

 変な形のカードがあったりするのですが、ちょうどいいカードが見つかったりすると面白いものです。平面的な動きは OK なので、いろいろと想像力をかき立てられるものがあります。アメリカ産のゲームらしく、問題カードもかなり多いので、けっこう長い間楽しめるゲームですね。

 この「パーツを集める感覚」って何かに似ていると思ったら「アスキーアート」に似ているのかもしれません。最近見かけるようになった _| ̄|○ の意味を初めて知ったときに近い感覚がありますね。

 これも、お題カードの日本語訳が必須のゲームですが、わんこさんの準備も万全でかなり楽しむことができました。わいわいとプレイするのにはお勧めのゲームですね。

スクイント / Squint, (デザイナー情報なし), Out of the Box, 2002

● ロッティカロッティ

 次は、変化球ということで「ロッティカロッティ」をプレイしました。ウサギが山を登っていくレースゲームなのですが、プラスチック製の立体感のあるボードと、真ん中にそびえ立つニンジンがこのゲームの特徴になっています。

 プレイヤーは自分のターンになったらカードを引いて、書いてある数だけ移動するのですが、カードの中には「スイッチを回す」というものがあります。このカードを引くと、真ん中のニンジンを音がするまで回さなければなりません。

 実は、マップ上に 1箇所穴が開いていて、ニンジンを回すことで穴の位置が変わるようになっています。ウサギがいるところに穴が開けば、当然落ちてしまいます。落ちたウサギは、二度と使うことができなくなるのです。まあ簡単に言えば「ボッシュート」になるのです。

 どこに穴が開くかはボードを見れば分かるので、それなりにスリルと戦略を楽しむことができます。やはり「ボッシュート」の視覚効果がかなり面白く、思わず持っているデジカメで動画に納めてしまいました。難度も再生させましたが、単純だけども面白いエフェクトですね。

 戦略性もそんなに高くなく、わいわいと雰囲気を楽しむゲームですが、「ボッシュート」の効果は絶大です。一発ネタに使うのにはかなりおすすめできると思います。

ロッティカロッティ / Lotti Karotti, Seven Towns, Ravensburger, 2001

● ことばであそぼ

 夕食を挟んで、オリジナルゲームの話になったので私の持ってきたものをプレイしました。ワードゲームに興味がありそうな感じだったので「ことばであそぼ」を持ってきていたのです。

 今回も写真に納めていたので、最後に残った言葉を一挙に紹介します。「かつら」「にゅーす」「けんざい」「でんとう」「れんぽう」「ふうすいし」「いちぐう」「しょうけい」の 8つでした。4人でプレイしたはずなので、後半は全員で言葉を書き換えていたことになります。

 残った言葉を見れば分かるとおり、ほとんどが 4文字の言葉という非常にしまった展開になりました。その割には 4文字の言葉でけっこう連鎖がつながって言葉が変わっていきましたね。

 「ワードバスケット」は手が動かなくなるけど、このゲームなら大丈夫だという感想をいただきました。アクション制のないゲームですからね。時間制限ありにすると、かなり難しくなりそうという意見もありましたね。砂時計つきは、あくまでもオプション程度と考えています。

 今回は、私も参加したのですが、面白いことばが作れなかったのがちょっと心残りでした。戦略上 1つ見逃してしまったことばがあったりして、個人的には悔しかったりするのですが。

ことばであそぼ, Hammer, Hammer Works, 2003

● The Last Hope

 もうひとつ、オリジナルゲームをということで The Last Hope をプレイしました。今回は「刻み」が可能な青いボードを使用しました。ルールなどについては、オリジナルゲームのコーナーをどうぞ。

 はじめのうちは 150点あたりで刻む展開になったのですが、エクストラを出して 500点台というのは、やはり大きいです。今回出して気づいたのは、エクストラの点数計算がちょっと分かりにくいかということでしょうか。

 他のプレイヤーとの点差は少なくて 500点ちょっと、多い場合は 1000点以上という、けっこうなリードをつけて最終ターンになったのですが、ここでドラマが起こりました。なんと、にゃんとろさんがエキストラを 2回出して 920点で終了しました。私の見た範囲では獲得点数の記録だと思います。

 最後は、比較的点差の少なかった私が、エキストラの 9マスで 500点を取って終了しました。やめられないとなると、ものすごいところまで行くものなのです。

The Last Hope, Hammer, Hammer Works, 2002

● What Were You Thinking?

 時間も遅くなってきたので、コミュニケーションゲームということで見たこともなかった What were you thinging をプレイしました。

 お題に対して、なるべく他のプレイヤーと回答が一致するように答えを書くというもので、いちばん一致しなかったプレイヤーは失点カードを受け取ります。ある意味「フラッシュ」に近いかもしれません。

 これもアメリカ産のカードゲームということで、問題カードがたくさんあります。問題も 2択問題から、一般的なクイズ問題、多答型の問題、プレイヤーを指定する問題までさまざまです。ジャンルはスピナーを回して決まるのですが、運がよければ自分で問題を作ることもできます。

 今回のオリジナル問題としては「つぶあん」か「こしあん」かというものがありました。別に本当のことを答える必要がないのも、このゲームの特徴だったりします。一般的な問題「世界でいちばん長い川は?」という質問で正解を書いても失点になるかもしれないのです(まあ、確率は低いと思いますが)。

 失点カードに、(英文ですが)いいわけが書いてあるのもなかなか面白いです。The dog ate my answer. (犬が答えを食べちゃった) とか、たまたま撮った写真に写っていたのは、Aliens abducted my brain. (エイリアンに脳をさらわれちゃった) といった内容なのです。本当にアメリカのゲームらしいですね。

 8失点までやったのですが、1時間ちょっとかかりました。アメリカならではの日本人には答えにくい問題もありましたし、思ったよりも精神力を使うゲームなのですが、コミュニケーションゲームとしては面白い出来だと思いました。これは、気の知れたメンバーでやるとより楽しめそうな気がします。

 ちなみに、私は 1失点だったのですが、失点カードのメッセージが Oops. (**** おおっと ****) でした。知る人ぞ知るネタになるカードを引けたものです。

What Were You Thinking, Richard Garfield, Wizards of the Coast, 1998


 最後にもう一度「6ニムト!」をやって締めました。整理運動という感じでも使えるのだと実感しましたね。

 今回は、未プレイのものを中心にいろいろとプレイさせていただきました。気になる新作から、コミュニケーションのゲームまでしっかりと楽しむことができたと思います。わんこさん、にゃんとろさんを始め一緒にプレイしていただいたみなさまに感謝です。

 今回のゲーム会で感じたのは、日本語訳の整備は大事だということです。普通のゲームにしても、別のチャートを見るのとカードに直接書いてあるのでは大きな違いがありますね。


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