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2010年8月1日、ワードバスケット再販ということもあり、JAGAからのスピンオフのような形で大会が企画されました。強豪揃いということで顔を出す程度に参加してきました。今回は大会の様子をレポートしたいと思います。
オープンの大会形式を取ったのはずいぶん久しいと思いますが、JAGAでの大会もあったりで若干そちらに近い感じのルールになっていました。ざっくりとですが覚えている範囲でのルールを紹介しましょう。どちらかということ、今回のレポートはここがメインの部分かもしれません。
基本のルールですが、通常の「ワードバスケット」のルールに従います。今回はハンデも何もなしのシンプルなルールです。ワイルドカード上がりもOKです。仮名づかいのルールもそのままです。細かいところでは「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の扱いがあったりします。音で区別できないのでどちらを出してもよいとのことですが、濁音をひねって出す意味はゲーム上それほどないとは思います。
濁音関係では「ヴ」の音の扱いもルール化されていました。「ヴァ行」はすべて「バ行」として扱います。カードでは「ハ行」の扱いです。といっても「う」は出現頻度の高い文字なので濁音を出す意味はあまりないかとは思います。
細かいルールですが、文章はダメなので「鬼の目にも涙」とかはダメです。四文字熟語はOKのとのことです。人名は日本人はフルネームでとのこと。固有名詞は基本的にOKですが、審議のルールは有効です。
新版のルール差分として、ワイルドナンバーカードが文字なしの状態で場札になることはありません。スタート時にワイルドナンバーが出た場合はもう1枚めくります。リセットするときはワイルドナンバーが一番上でのリセットはできません。思いつくまでまつか、お手つきで1枚ペナルティーを受けてからリセットするかのどちらかを取る必要があります。
審議ストップについてですが、出した言葉が怪しいときはゲームを止めて、OKかどうかを参加者に確認します。過半数の同意が得られればそのカードは有効になります。そうでない場合はカードは無効でお手つきになります。ゲームを止めた場合、カードが有効無効にかかわらず、山札からカードを1舞いだしてゲームをリスタートします。審議が入らずお手つきの場合は、カードを引っ込めてそのまま続行です。
ようやく大会のルールに移ります。大会は予選、準決勝、決勝の3つに分かれます。
予選では、4〜5人 1テーブルで、テーブルに10枚チップが置かれた状態になっています。カードが配られて、中身を見ない状態で待機し、一斉開始、制限時間 15分のラウンド制です。同一メンバーで 10戦するか、時間切れになるまでゲームを行い、各ゲームの勝者がチップを1枚獲得します。合計4ラウンド行い、2ラウンド目と3ラウンド目に休憩時間が若干入ります。予選のなかで今回は上位15名が準決勝進出でした。
準決勝は、順位に応じたテーブルにつき 15枚のチップを取り合う1ラウンドの勝負です。制限時間はありません。各テーブルのうち、上位2名が決まるまでゲームを行います。チップ6枚で確定ですが、ゲーム数が進めばもっと少ない枚数でも2位が確定する場合はあります。今回は3テーブルでした。
決勝戦は今回は6名での決戦です。時間無制限で、先に10勝した人が総合優勝になります。当日のルールですが、場所によって有利不利が出るということで1ゲーム終了後とに席を入れ替えることになりました。
そして、予選、準決勝、決勝での着順決定で同点の場合は、対象メンバーでのサドンデス戦があります。1ゲーム先取で上位が決まるという感じです。
今回は55名参加ということで、予選は 5人×11テーブルに分かれました。同じメンバーとは当たらないものの、16人としか当たれないため、テーブル状況によってばらつきがあったものと思います。
参加したゲームでは1戦目は、2人がチップを6枚、4枚と分け合う展開で、リーチ2回までは持ち込んだもののチップ0枚でした。2戦目も、2人でチップを分け合う形になりましたが、7枚、3枚で 3枚獲得しています。
制限時間15分は意外と厳しいと思ったのですが、チップを少人数で分け合う展開の場合はそれほど気にしなくてもいいようです。ただ、テーブルに配られたチップが分配されないのはもったいないので、シャッフルとディーリングはスムーズにというのはありますね。
3戦目が、この大会では珍しいと思われる、5人でチップを分け合う面白い展開になりました。3-3-2-1-1 という得点分配でしたが、一番楽しいゲームだったという感想が多く聞かれましたし、全員でカードを出せる展開がゲームとしては楽しいですね。ここは 3枚を獲得。
4戦目は、チップをほぼ独占するような展開でした。7-2-1 という分配で 1枚獲得して終了。合計7枚でした。予選突破ラインは明らかにはなっていなかったのですが、10枚前後と思われます。チップ0で終了というのもかなり多かったのではと思います。
予選終了後、休憩と集計があったのですが、なんとここで15位のサドンデスがありました。この大会では基本的に 5人以上のテーブルなのですが、2人での1ゲームの真剣勝負はかなり面白かったですね。
ここからは見学ということで、いろいろと見てきました。準決勝は15名→6名なのですが、同じテーブルに強豪が3人以上集まると壮絶な争いになりますし、ギリギリで予選を通過してもここでほぼ手も足もでなくなるということもあります。順位バランスを取ったため、比較的スムーズに終わった卓が多かったようですが、1卓時間がかかったところもありました。
準決勝くらいになると、かなり激しいゲームになってくるのですが、これでもまだ準決勝です。ルールがルールだけに先行していてもあまり気が抜けないというのはあります。
決勝ラウンドは、6人の10本先取戦です。選抜方法から、接戦が予想されると思ったのですが、その通り、20ラウンドが終わってもまだまだ終わる気配がないという長期戦になりました。結局30ゲームを超える長期戦で決着がつきました。このくらいになってくると、言葉が先に出てくるという感じで、カードの入り方の判定で、何度かゲームを止めた場面もあったりしました。うかうかしているとすぐに流れてしまうのです。
今回の決勝戦は、本当にいろいろな言葉が出てきますね。プレイヤーごとに言葉の選び方に特徴があったり、得意な言葉があったりして聞いているだけでもかなり面白いです。大会の楽しみのひとつは、決勝ラウンドの真剣勝負でもありますからね。最終的には、同順位が出ずに終了となりました。
表彰式、閉会式が完了し、余った時間は軽くゲームをプレイして終了となりました。早めのアフターでしたが、いろいろな話が聞けて面白かったですね。
ここからは、個人的な感想などを。
これだけの人数の大会は初めてでしたが、ワードバスケットらしさが出ていたかと思います。運営が大変かもしれませんが、参加者ができるだけ楽しめるようにというコンセプトならば、最初の予選はスイスドロー+テーブルポイントのほうがいいかもしれません。実力が同じくらいのメンバーと当たった方が、カードが出しやすく楽しめやすいと思うので。
ただ、この形式も問題がないわけではなく組み替えの手間はかかりますし、初戦で強豪どうしが当たったりすると悲惨なことになることもあります。モチベーションを維持する工夫も必要になるかもしれません。変えたら変えたで問題もあるかもしれませんね。
大会向きではないかもしれませんが、少人数マッチというのも面白いかもしれません。決勝戦は 6人だと若干混み合った感じになるので、もうちょっと人数を絞り込むのもよさそうですね。
というわけで、大会レポートをお送りしました。
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