ここでは、カタンファミリーの作品である「旅立ち」(「アドベンチャー人類」 / 「原始の開拓者たち」 とも呼ばれている) の紹介をしたいと思います。このゲームは、2002年の作品でしたが、日本での発売が遅くなり 2003年の夏になって初めてプレイすることができました。
「旅立ち」はカタンファミリーの作品として発売されております。「宇宙カタン」と同様に基本セットは必要なく、それだけで遊ぶことができます。基本的なルールについては「カタン」のルールを踏襲しており、テーマに会わせた味付けがされているというわけです。
人類の進化をテーマにしたこのゲームは、アフリカからヨーロッパ、アジア、オセアニア、アメリカへと進化をしながら民族が移動していく様子をプレイすることができます。
各プレイヤーはアフリカからスタートするのですが、アフリカの土地はゲームが進むにつれて砂漠化が進行していき、他の土地への移動を余儀なくされます。新しい土地へ定住したり、秘境を探検することによってポイントを得ていき、規定のポイントに達成したプレイヤーの勝利となります。
このゲームのテーマにある、進化も大事になっていきます。「食料」について進化させることで、より効率よく移動することができます。「狩猟」は邪魔なものを追い払うことができます。「装飾」は寒い地方を探検するのに必要不可欠で、「建築」は海を渡るのに必要になってきます。
また、進化を続けていくと芸術を見いだします。これによってポイントを獲得することもできるので、ゲームを通してどのように進化させていくかということも重要になってきます。
ゲームをプレイしてみて、テーマをよく表しているのが分かりました。アフリカの砂漠化によって、中盤から展開が厳しくなっていくのは従来の「カタン」にはない新しい感覚です。
カタンファミリーの作品としては、完成度は高いと思います。時間は 90分程度かかってしまいますが、たっぷりと楽しめる作品なのではないのでしょうか。
Tips がかけるほどはやっていないのですが、何回かプレイして感じたことなどを書いていきます。
初期配置は、自分でやった方がいいと思いました。集落の配置は 3順回ってくるので、4番目のプレイヤー → 1番目のプレイヤー、1番目 → 4番目、4番目 → 1番目の順に配置することをおすすめします(元のルールの逆順)。コマを移動させるルールでは、最初のプレイヤーの方が有利になりがちなので。
材料は 4種類に減っています。その中でも、肉は移動するのに必要なのでしっかりと生産する必要があるでしょう(ポイントを獲得するためには、移動は必要不可欠なので)。骨と火打ち石はほとんど同じ役割だと思っていいでしょう。
交渉の機会は必然的に少なくなります。しかし、交渉した方が有利に進められることは多いので、機会を見てやってみるのがいいでしょう。
このゲームのポイントの 1つは進化です。他のプレイヤーの動きを見ながら、どのように進化させるかが重要になってくると思います。
序盤は、「食料」を進化させることになるはずです。はじめの移動力では、序盤の密集地帯を抜けるのが厳しいですから。2〜3段階まで進化させておくと、いろいろと楽になるでしょう。
次に進化させるのは、「建築」か「装飾」のどちらかになるでしょう。探検でポイントを通過するのにも、新しい大陸に行くのにも必要になりますから。
オセアニアに行くためには「建築」の 3レベル、アメリカに行くためには「装飾」の 3レベルが必要になります。早めにレベルアップをしてユーラシアの開拓を進めるという手もありますね。これは、どの作戦で得点を稼ぐかに依存しそうです。
「狩り」は防御的な手段で使われます。ボーナスを狙わない限りは、無駄遣いをしないほうがいいでしょう。いざというときに、使えないのはとても厳しいですから。
アフリカを抜けて最初に訪れるのはヨーロッパです。ユーラシア大陸中央の土地はかなりいい土地なので、取り合いが激しくなると思います。安定した生産と、移動の拠点を作るために、東よりに開拓を進めるという手もありますが、ヨーロッパの探検のために西よりのところにひとつ拠点をつくるという手もあるでしょう。
ヨーロッパから地続きにアジアに行けます。中央は生産が安定しますが、今後の開拓のために東や南にもう一つ拠点を作っておくという手もあります。また、比較的通りやすい北側の探検を進める方法もあります。このあたりは、自分の進化の状況と他のプレイヤーの動きによるところが大きいです。
オセアニアは、大陸自体が狭く生産力は低めです。しかし、一番最初に行けばそこそこいい土地を取ることができます。行くのなら決断は早めにしましょう。オセアニアに着いたら、「装飾」を進化させて探検や、アメリカに向かうようにするのがいいでしょう。なお、オセアニアは肉の生産が薄いです。
アメリカは、大陸が広く競争も激しくなりがちです。主要な土地を取って生産力を安定させる方法と、最初に拠点をつくったあとは「建築」を進化させて探検に回るという方法が考えられます。アメリカは骨の生産が薄いので、気をつけましょう。
全体的にいうと、探検のボーナスがかなり優遇されています。とくにいちばん探検したプレイヤーの 2点ボーナスはかなり大きいです。探検の数は、通過しやすいユーラシアのあたりで決まってくるので、他のプレイヤーの動向には十分注意しましょう。