Written by Hammer
「カタンの開拓者」に関する私なりの戦術論を書いていこうと思います。
カタンには必ず勝てるような戦術はありません。また、ほかのプレイヤーの動きやダイスの目によってとるべき戦術は常に変化します(だから私は「カタン」を飽きずに何度もプレイしているのです)。
しかし、場面に応じてこうした方がいいといった選択はあると思います。これから紹介する戦術論では、私の経験などに基づいて「いい選択(だと思うもの)」の候補を書いていきます。当たり前のことを書くかもしれませんし、どんなプレイヤーに対しても通用するとは限らないかと思いますが、プレイの参考になっていただければ幸いです。
この戦術論で取り扱う範囲は特に断りのない限り、日本語版とドイツ語版の「カタンの開拓者」の4人ゲームとしています。
まずはじめに、カタンとはどんなゲームかを簡単に説明します。カタンとは、
カタン島に開拓地や都市、街道を建設し開拓していくゲーム
だと思います。4人のプレイヤーが1つの島を開拓していくわけなので、当然開拓する場所は取り合いになります。しかし時には、ライバルと交渉して開拓に必要な材料をそろえることもあります。
ほかのプレイヤーの動きやダイスの目で常に変化していく情勢を見つつ、いかに早く規定の勝利点にたどり着くかといった駆け引きがこのゲームの魅力といえるでしょう。
このゲームに勝利するためには、ほかのプレイヤーよりも早く開拓することが大切です。これから紹介する戦術論では「いかに早く、効率よく開拓できるか」をひとつのテーマにしています。
カタンのルールを覚えばかりの(ボードゲームにあまり慣れていない)初級者には、知っているだけで強くなるような基本的なことを紹介します。
● ゲームのメカニズム
前に述べたように、このゲームは開拓地や都市などを建設して勝利を目指します。建設のためには材料が必要になります。そして、その材料を多く得るためには新たな開拓地を建設したり、開拓地を都市にしたりする必要があります。つまり、
材料を入手する→材料を用いて建設する→材料が入手しやすくなる→建設しやすくなる
といった構図ができあがります。建設をすれば勝利点が増えるので、勝つためには材料を多く入手することが必要不可欠なのです。
● 土地の生産力
材料を多く入手するためには、いい土地に開拓地や都市を建設することが必要になります。いい土地か悪い土地かの目安として、土地の生産力というものを考えます。
材料は普通、プレイヤーがダイスを振って出た目の土地から生産されます。ダイスを2つ振ったときに出やすい目の土地のまわりに建物を建設した方が材料は入手しやすくなります。それぞれの数字に対して、ダイスを2つ振ったときに出る確率を36倍したものをその土地の生産力とします。数字ごとの確率と生産力は以下のようになります。
数字 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
確率 | 1/36 | 1/18 | 1/12 | 1/9 | 5/36 | 1/6 | 5/36 | 1/9 | 1/12 | 1/18 | 1/36 |
生産力 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | - | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
開拓地を建設する際に、たとえば3つの数字が4,6,11の土地と、5,9,10の土地ではどちらの方が材料が多く生産されるかは、この生産力を使えば簡単に分かります(前者は生産力10、後者は11)。
材料の種類やマップの状況によって異なりますが、基本的には生産力を最優先に考えましょう。
初級者がプレイするときに特に気をつけなければならないことをいくつか紹介します。詳しい説明は第2章以降で行います。
● 基本的に生産力重視
基本は生産力です。このことは、特に初期配置では重要です。
● 次に何をするのかを考える
手札の状況などから、次に何をするのかを常に考えておきます。自分のターンになってから行動を決めていたのでは、せっかくの交渉の機会も無駄になってしまいます。また、行動がすぐに決まるのでプレイ時間の短縮にもつながります。
● 終盤になるまでできる限り交渉をする
このゲームは生産力を早く高めた方が有利です。特に序盤は自分に必要な材料をどんどん交渉でもらってくるようにしましょう。
● 誰が勝っているのかを見極める
終盤になったら、少なくとも誰が何点かくらいは確認しましょう。道の本数や引いたカード、開拓地の建ちそうな土地、手札の枚数などで誰が有利かを見極めることができます。ただし、ほかのプレイヤーの正確な状態が分からないので、上級者でも完全には見極められません。それでも、注意して見ていた方がいいでしょう。
● 勝っているプレイヤーを止める
このゲームは富めるものはますます富むような仕組みになっているため、トップをしっかりと止めないとそのまま逃げ切られてしまいます。止める手段はそんなに多くないので、勝っているプレイヤーを確実に止めるようにしましょう。
● 目立ちすぎない
生産力の低いゲームの序盤にいきなり最長交易路をとってトップになってしまうと、ほかのプレイヤーに止められやすくなり、生産力が上がらずにさんざんな結果になってしまうことが多いようです。トップに立つときはそれなりの覚悟はしておきましょう。
以上が戦術論の入門編といったところです。初級者がここに書いてあることすべてに気をつけるのは大変だと思いますが、注意していれば格段に強くなれるでしょう。とにかく、場数を踏むことが大切だと思います。
建設やカードに使う材料は、組み合わせが決まっています。建設コストカードをよく見ると、どのような材料の取り方をすれば効率よく建設できるかが分かるはずです。いかに効率よく材料を取り、建設するかがカタンの基本戦術と結びつくでしょう。
この章では、建設するものによって分けた3つの基本戦術を紹介します。どの戦術にも長所と短所がありますし、うまくいくかどうかはボード上の状況やほかのプレイヤーの動きによって大きく左右されます。実際にプレイするときは、場の流れを見て臨機応変に対処する必要があるでしょう。
都市戦術とは都市の材料である鉄と麦を重視し、開拓地をどんどん都市にする戦術です。
● 長所
初期配置した土地は、後で開拓地を建設する土地よりも生産力が高いため、早い段階で生産力を高めることができます。生産力を高めるのは第1章で述べたとおりこのゲームの最重要事項です。
● 短所
ほかの土地に展開するのが遅くなるので、下手をすれば開拓地をたてる土地がなくなってしまいます。 また、材料を生産できる場所が少ないので泥棒の被害が大きくなってしまいます。
● 特徴
長所にも短所にもなる特徴なのですが、生産する土地が集中するため、その土地の目が出たときに大量の材料が生産されます。このため、ダイスの目の影響を受けやすいと言えるでしょう。この特徴から、港を持っていると大量に入った同種の材料の処理がしやすくなりますが、道を展開する力はあまりないので港自体を取るのが大変です。
● ポイント
初期配置で目安として、鉄の生産力が4以上、麦の生産力が3以上の土地が最低でもほしいところです。都市の材料がカードを引く材料と似ているので、後述するカード戦術との相性もよく、最大騎士力をねらうのが勝利への近道になります。都市を2つ作った後の開拓地の材料は、鉄を交渉で出すのが一番早いようです。また、発展カードも助けになるでしょう。初期配置の段階で木も土もないと、3つ目の開拓地を作るのにかなり苦労するでしょう。
都市戦術とは逆に、開拓地の材料である木と土、麦、羊を重視する戦術もあります。ここでは、道の材料にもなっている木と土を特に重視します。道をのばして重要な土地に開拓地を建設する戦術です。
● 長所
初期配置で取られなかった生産力の高い土地や港などの重要な土地が取りやすくなります。また、展開する速度が速いため、開拓地を建設する土地を確保することができます。材料を生産する土地が分散するので、泥棒の被害が比較的小さくてすみます。
● 短所
開拓地に必要な材料が4種類なので、どれか1つくらいは手薄になってしまいます。また、鉄の生産力が低いため、勝利に必要不可欠な都市を作るのに苦労します。残った土地は初期配置に比べると生産力が低いため、同じ得点では都市作戦と比べて生産力が若干低くなります。
● 特徴
都市戦術と対照的な戦術のため、特徴も正反対になります。材料を生産できる土地が広がるので、ダイス目に左右されにくくなる一方、一回の生産で材料が大量に集まらないので、下手をすると不要な材料が処分しにくくなります。港を取るのが簡単なので、港も駆使して必要な材料を集めるようになるでしょう。
● ポイント
初期配置の目安は、木か土の一方の生産力が4以上、もう一方と麦または羊の生産力が3以上(できれば麦の方がいい)の土地が最低でもとれていることです。道の材料が大量に入手できるので、最大交易路がねらいやすいでしょう。中盤以降(特に開拓地をたてきった後)の鉄不足は、3つ目の開拓地を生産力が高い(3以上、できれば4以上の)鉄の土地に建設したり、生産力の低い3や11の土地を囲んで1回の生産に賭けたり、港を駆使して無理矢理集めたりする方法があります。
カードも勝利点を得る1つの手段になります。カードを引くこと中心にした戦術も考えられるでしょう。ここで紹介するのは、生産力を上げつつカードを引く戦術です。発展カードについては後で詳しく説明する予定です。
● 長所
カードを引くため、泥棒をコントロールしやすくなります。また、引いたカードは他のプレイヤーには分からないので動きを読まれにくく、カードを引くのは目立たないため、他のプレイヤーに止められにくいといった点があります。
● 短所
カード自体は生産力の上昇をもたらさないので、あまりにも早くにカードを引いてしまうと、生産力が低くなってしまいます。また、どのカードを引くかは完全にランダムなので、必要なカードが来るかどうかは完全に運任せです。さらに上級者には、裏になっているカードをある程度読まれてしまいます。
● 特徴
カードを引くだけでは生産力が上がらないため、都市戦術と組み合わせて使うことが多いようです。この場合は目安として、最低でも1つ目の都市を建設してからカードを引き始めます。最大騎士力は一度取ってしまうと奪われにくいということも特徴になるでしょう。
● ポイント
初期配置では、生産力が3以上の鉄と麦、羊が必要だと思います。中盤以降ならほとんどのプレイヤーがカードを引くことができるでしょうが、自分が一番カードを引きやすい形になるように序盤から配置する必要があるでしょう。最終形は、都市3つと最大騎士力、得点カード2点となることが多いようです(この場合は、2点目の得点カードを引くのが大変なのですが)。
以上が入手できる材料から大きく分類されるカタンの基本戦術です。しかし、はじめからこれらの戦術がとれる状態になるとは限りません。第3章では、どの基本戦術にもに当てはまらないような、中間的な 戦術について考えてみます。
第2章で述べた戦術は、建設に必要な材料がうまくそろっていて初めて成功するのですが、特に初期配置では配置の順序や、マップの状況によって必要な材料がとれなかったり、逆に5種類すべての材料がバランスよく手に入ったりもすることがあります。この章では、都市戦術と開拓地戦術の中間にあたる戦術について紹介します。
初期配置で、5つの材料をバランスよく(すべて生産力が3以上で)とれたり、開拓地戦術の中盤に、すべての材料がそこそこよくとれる状態になったりする場合です。
● 長所
中盤で都市を作るのが開拓地戦術より楽になります。また、材料が自給できるため、交渉をする必要があまりなくなります。相手の戦術に応じて柔軟に対処できます。
● 短所
中途半端な戦術なので、基本戦術と比べてスピードが遅くなります。
● 特徴
バランス戦術は、鉄のとれるやや遅い開拓地戦術といった感じになります。いろいろな材料が手に入るので、3:1港の方が役に立つでしょう。うまくいけば、あっさりと最長交易路と最大騎士力の両方がとれて勝利することもできるかもしれません。しかし現実は、スピードが遅くなり最大騎士力も最長交易路もとれずに7〜9点で終わってしまうことが多いようです。
バランス戦術とは反対に、初期配置で基本戦術には使いにくい組み合わせの、生産力の高い土地が取れる場合です。また、中盤から終盤にかけて都市の建設状態によっては、使いにくい組み合わせの材料が大量に入手できる場合もあてはまるでしょう。
● 長所
交渉に絡みやすくなります。元々生産力は高いので、材料の組み合わせがよくなれば一気に加速することができます。
● 短所
材料の組み合わせの悪さから、交渉をさかんに持ちかける必要があります。また中盤以降も組み合わせが悪いままだと警戒されて交渉してもらえないあげくに、手札も使いにくいという事態も起こります。
● 特徴
この戦術では不要な材料を処分する意味で港が大きな助けになります。しかし、中盤以降の苦しさから早いうちに都市戦術か開拓地戦術のどちらかに移行する必要があります。
もう1つの戦術として、特定の材料をとにかく集めるという戦術があります。特定の材料の生産力が高い土地を2つ以上押さえて、その材料の港を取るという戦術です。マップ上の土地の種類を色と見立てて、単色戦術と呼ぶことにします。
● 長所
特定の材料に対する生産力が高いので交渉がしやすいし、不要な材料は港で処理することができるので動きもとりやすいと言った点があげられます。泥棒で止められなければ、序盤の動きがかなり早くなるのも長所です。
● 短所
とにかく目立つ戦術なので、常に泥棒のターゲットになってしまいます。押さえている材料が生産できなくなるとどうしようもないという弱点があります。また、他のプレイヤーの生産力が追いつく中盤以降は、自分の材料が偏っている分だけ不利になります。
● 特徴
初期配置のうちから単色戦術をねらうと、警戒されやすく生産力戦術以上に泥棒の影響を受けやすくなってしまいます。3件目の開拓地あたりで港をとれるようにして結果的に単色戦術にするような形でないと、勝つのはかなり難しいかと思います。いくら材料が港で交換できるとはいえ、初期配置の際に材料が2種類しかとれないような状況だとかなりつらいでしょう。逆に基本戦術で使えるような材料3つの組み合わせであればうまくいくかもしれません。材料の種類も羊では役不足で、麦あたりで行うのがちょうどいいでしょう。
この章では基本戦術に当てはまらないような、中間的な戦術について述べました。中間的な戦術は基本戦術 と比べると若干見劣りしますが、うまく基本戦術につなげることができれば、その戦術が より安定したものになるでしょう。次の章では、マップ上の材料の稀少度から見た戦術を紹介します。
マップ上で5種類の材料が平均的に生産されるとは限りません。入手できる材料の「偏り」をうまく利用すると、他のプレイヤーとの交渉などに有利に働くことがあります。ここでは、主にマップ上の材料の稀少度から見た戦術をいくつか紹介します。これらの戦術は、地味ではありますが基本戦術を影で支えるような存在になるでしょう。
数字チップの偏りによって特定の材料(主にタイルが3つしかない鉄や土)が極端に入手しにくくなる場合があります(生産力が2以下の土地がほとんどなど)。このような場合に初期配置で、入手しにくい材料の生産力が最大となる土地を取ります。取る土地は1つだけでかまいませんし、独占する必要はありません。
レアな材料を持っていると、交渉の時の強力な交換材料となるでしょう。また、あまり交渉をしないようなメンバーと対戦する場合でも、4:1交換や港での交換をしなくてすみます。ただし、生産力をどのくらい犠牲にしてレアな土地を取るかは、材料の種類などによるでしょう。
マップ上でレアではなくても、他のプレイヤーがほとんど取っていない材料があればその材料を中心にレア材料戦術が行えます。泥棒をうまく利用すれば、一時的にレア材料戦術をすることができます。
この戦術は、2や12といった目が立て続けに出てしまうと効果が薄れてしまいます。そうでない場合でも、生産力をちゃんとつけておかないと、トップに追いつけなくなってしまうことがあります。特に終盤は他のプレイヤーが交渉にあまり応じなくなってしまうので、この戦術の効果が薄れてしまうことになります。
特定の材料の土地を1人か2人で占拠する戦術です。レア材料戦術よりも強く土地を支配しようとします。基本的に、ある材料の生産力の高い(3以上の)土地をすべて押さえます。ただし1人で占拠すると泥棒の格好の的になってしまうので、2人の方がやりやすいでしょう。
この作戦の利点は、レア材料戦術と同じです。特に鉄はマップ上に3つしかなく、ゲーム全般を通して価値が高いので、独占するのに適しています。2人で占拠していると、泥棒の被害がかなり小さくなります(その土地に泥棒を置くプレイヤーが1人減り、移動させようとするプレイヤーが1人増えるからです)。
泥棒をうまく使うことによって、一時的にこの戦術を行うことができます。たとえば、ある材料の2番目に生産力の高い土地を1人で持っているプレイヤーが、もっとも生産力の土地を止めると、かなり強力な独占になるでしょう。
レア材料戦術も独占戦術も、どちらかといえば都市作戦と組み合わせやすいでしょう。鉄は独占の対象として適しているし、泥棒を動かす騎士カードが、場の材料の生産を有利なようにコントロールする働きをするからです。泥棒については後で詳しく説明します。
相手にレア材料戦術や独占戦術を使われて材料をコントロールされたときに、対処する手段を紹介します。
● 港を取る
材料不足を解消する地味だけど有効な手段です。特に終盤は交渉に応じられなくなるので有効です。ただし、中盤までは交渉応じたほうが断然早くなります。
● 生産地を2つ以上にする
特に泥棒の関係で独占になるのを防ぐために行います。2つ以上の土地から生産されるようになると泥棒で止まりきらなくなるため、生産がかなり安定します。ただし、序盤からやってしまうと生産できる材料の種類が減ってしまいます。
独占は強力ではありますが、交渉に応じるのはプレイヤー次第だし、ダイスの目によっては独占している材料が出てきてしまうこともあります。そうはいっても交渉の主導権を握るのは(中盤までは)とても重要なことだと思います。
第2章から第4章までで大まかな戦術は取り上げられたと思います。次の章では、カタンにおいて最も 重要な初期配置について考えてみようと思います。
第1章でも述べたのですが、このゲームでは生産力を上げることが最重要になります。初期配置での生産力がゲーム全体に影響しますし、今後の展開もかなり決まります。このような点で、配置場所は特に慎重に考える必要があります。この章では、初期配置についてのいろいろなポイントを述べようと思います。
初期配置の方法は何番目に配置するかによって大きく異なります。プレイ順によるポイントをまず紹介します。
● 1番目
1つ目の開拓地で基本戦術が95%くらいできるような土地に配置します。2つ目の開拓地はどこに配置できるかが予想しにくいので、とりあえず何かができる形にするのがいいでしょう。
● 2番目
1番目と同じように基本戦術が80%くらいはできるようにしておきます。どの材料が余りそうかが若干読めるので、足りない材料が1種類あっても何とかなる場合があります。
● 3番目
3番目は特別でまず4番目にいい土地を渡さないように考える必要があります。4番目は手札に入る材料が調整できるので、多少の組み合わせの悪さは解消できるからです。4番目の動きを予想すると、どの材料が余るか分かるでしょう。特に同じ材料でいい土地が2つある場合は、その土地は後ででも取れるでしょう。
● 4番目と5番目
4番目と5番目はセットで考えます。特にどちらを5番目にするか選択できるので、生産しにくい材料をあらかじめ手札に入れておくこともできます。残った土地のなかで一番いいものを取るのが基本です。
● 6番目以降
6番目以降はほとんどいい土地が残っていないので、足りない材料を補うくらいしかできないでしょう。ただし、材料に気を取られて発展する土地を確保するのを忘れないようにしましょう。
初期配置の場所についていくつかのポイントがあります。配置場所は順番が来るまでにいくつか候補を考えておくとスムーズに決まります。
● 土地の生産力
特に1つ目の開拓地を配置するときに重要になります。生産力がいかに重要かはこれまでに述べたとおりです。それ以外の要素については、生産力をどのくらい落としてもいいかを考えながら 取り入れた方がいいでしょう。
● 材料の組み合わせ
確かに生産力は重要ですが、自分に必要な材料の組み合わせが入手できなければ、いくら生産力を高めてもあまり意味がありません。ただし、前述したとおり3番目のプレイヤーは多少材料の組み合わせが悪くても、4番目のプレイヤーにいい土地を渡さない方がいいでしょう。
● 6や8の土地
6や8の土地は確かに生産力が高いのですが、それと同時に泥棒による被害が大きくなることも考えてください。また、他のプレイヤーも集まりやすいので発展する場所が狭くなります。同じ生産力ならば、6や8のない方が安定して材料が入手できます(ただし爆発力は落ちます)。泥棒をコントロールできるといった点で、カードをたくさん引くプレイヤーは6や8の効果を最大限に得られるでしょう。
6や8の他があまりよくない数字の場所、例えば6,3,11(生産力9)は意外と生産力がありません。前に述べたように6や8は泥棒に止められやすいからです。同じ生産力なら5,4,11といった方がいいでしょう。
● 数字の分布
開拓地に隣接する数字の種類を多くする方法と少なくする方法があり、それぞれに長所と短所があります。一緒に使うことができる材料は同じ数字だと便利です。数字の種類が少ないと、ダイスの目の影響が大きくなります。また、7の目を振ったときに被害を受けやすくなります。
経験上、4〜10のうち4種類あればかなり安定するようです。また、2種類以下だとダイスの目の影響をかなり受けるようです。ダイスの目は意外と偏るので注意するに越したことはありませんが、あまり気にしすぎて他のことがおろそかにならないようにしましょう。
● 自分の開拓地
自分の1つ目の開拓地の近くに2つ目の開拓地が配置できる場合、近くに置くかどうかは戦術次第になります。2つの開拓地が近いと最長交易路が取りやすくなりますが、発展する場所が狭くなり、泥棒の被害が大きくなるといったこともあります。
6や8といったいい土地に自分の開拓地だけを配置すると、そこに泥棒が置かれやすくなります。特に、いい土地の対角線上の2か所に開拓地を作るのは、発展する場所を減らすことにもなるのでやめた方がいいでしょう。
● 他のプレイヤー
他のプレイヤーの初期配置を見てどのような戦術をするのかを考えます。他のプレイヤーがやっていない戦術は成功しやすくなります。また、他のプレイヤーに自分の発展する場所を取られないように考える必要もあります。いい土地の周りに他のプレイヤーがいる場合は、その土地に配置するのもいいでしょう。複数のプレイヤーの開拓地があるいい土地は、泥棒のターゲットになりにくいからです。
かなり重要なことなのですが、他のプレイヤーを妨害するだけのために開拓地を配置すべきではありません。自分も不利になるように妨害すると、第三者にかなり有利になってしまいますし、妨害されたプレイヤーに対してはかなり迷惑です。
初期配置の際に引く道の方向もかなり重要です。特に序盤では、道を1本よけいに引くと他のプレイヤーに開拓地半分くらい遅れてしまうからです。道の方向を決めるときに注意すべきことをあげてみます。
● 海に向けて引く
海に向けて道を引くとたいていは無駄になりません。また、港を取ることもできます。難点は、海沿いの土地はどうしても生産力が低くなるという点です。海沿いの2つの土地を取るのは生産力の点でかなりいいでしょう。
● 内陸に引くときの注意
1つ目の開拓地を配置するときに内陸に向けて道を引くとたいていは無駄になると思っていいでしょう。生産力が6以上の土地に向けて引くときは他のプレイヤーとの競争になることを覚えておいてください。内陸に向けられるのは、1番目か2番目のプレイヤーの2つ目の開拓地の時くらいでしょう。
● 競争に勝つコツ
2つ目の開拓地で木と土を取っておくと直後に道を引くことができます。これによって競争に勝てる場合があります。他のプレイヤーが都市戦術をしていると道はあまり引かれないので近くのプレイヤーの戦術を読むと有利になります。
● 次の開拓地
初期配置で引いた道の先に、もう1本道のばすと開拓地が建設できるような形にするのが基本です。さらに道を三つ又になるように引けば、その先にも開拓地が建設できるようになります。効率よく道を引くことによって道の材料が節約できることを覚えておいてください。
以上が初期配置のポイントです。初期配置はゲーム中でもっとも考えるべきところだと思うので、慎重に やりましょう。初期配置でミスをすると自分が不利になる上に、他のプレイヤーが有利になってしまうからです。
この章では、プレイヤーによって好みの分かれる港について考えてみます。これから述べることはあくまでも経験によるものです。他のプレイヤーがどれだけ交渉に応じてくれるかによって、港の価値が大きく変わるので注意してください。一般的には、交渉がさかんに行われるほど港の価値が下がることになります。
当たり前のことなのですが、港はあった方がいいです。しかし勝つために絶対に必要なものではありません。
港が効果を発揮するのは主に交渉が少なくなる中盤から終盤にかけてです。生産力の低い序盤では、同じ材料が集まりにくいので、それほど港が有効にはなりません。初期配置の時に港を取ると、たいていは生産力が下がってしまいます。
港の取るタイミングは戦術とマップの状況によるのですが、都市戦術なら3つ目、開拓地戦術なら4つ目の開拓地で取るのがちょうどいいと思います。開拓地戦術を行っている場合、3つ目の開拓地で港を取ると生産力が多少落ちてしまうことが多いようです。しかし港を取り損ねると都市を作るときに大変になります。都市戦術では港を取る余裕がなかったり、そもそも港が必要にならなかったりすることもあります。
注意すべき点は序盤で港への道を確保しておくことです。
港には大きく分けて3:1港と2:1港があるのですが、どちらがいいかはそのときの状況によるので一概には言えません。しかし、港の種類による特徴はあります。これから、種類別に見た港の特徴について述べてみます。
● 3:1港
万能な港で持っていると安心しますが、効果はそれほど強力ではありません。中盤あたりで7を振ったときの手札制限に微妙に効いてきます。たとえば、鉄2枚と麦2枚、交換用の木3枚といった感じで、建設に必要な材料が7枚で足りるようになるからです。思ったよりも地味な港であることを覚えておいてください。
● 麦港
2:1港の中で一番使い勝手がいいと思います。麦自体も開拓地や都市、カードの材料になるうえ、枚数はあまり必要にならないので、余ったものを処分するのにはもってこいです。前述した単色戦術にもっとも適した港でしょう。
● 木港と土港
木や土は終盤になると価値が下がっていくし、中盤の都市を作るうえでは不要なのでそこそこ利用しやすいかと思います。木の方が土よりも土地タイルの数が多いので木港の方が使いやすくなります。
● 羊港
麦港と同様の理由で使いやすいのですが、羊自体が都市の材料ではないので単色戦術のように集中して集めて使うのには不向きです。
● 鉄港
2:1港の中でもっとも使い勝手が悪いものです。鉄は都市を作るのに3枚も必要になるので余ることはそんなにありませんし、余った鉄も中盤なら他のプレイヤーに交渉で渡した方が効率がいいからです。鉄港が有効なのは、都市を作りきって鉄が大量に生産されるような長期戦の終盤くらいです。
港が特に必要になる作戦として、単色戦術があります(内容は第3章を参照)。単色戦術は、ある材料のいい土地1つとその材料の港という形で行うと泥棒に止められやすいし、止められるとダメージが大きくなります。港を取るときには2つ以上の生産源を持っておく必要があるでしょう。
前述のように、交渉をしてくれるプレイヤーが少ないときには港が有効になりますが、そのほかにもマップ上に極端にレアな材料があるときは港が役に立ちます。
逆に港がそんなにいらない場合は、中盤の建設が交渉で何とかなる場合や、都市戦術で麦と鉄といった使いやすい材料がまとめて入手できる場合などがあげられるでしょう。港で交換するより、他のプレイヤーと交渉をした方が効率はよくなります。
港は戦術によって必要かそうでないかが分かれてきます。取るのであれば有効に使いたいものです。港での交換と他のプレイヤーとの交渉は独立したものでなく、組み合わせて考えるとより強力になります。次の章では、他のプレイヤーとの交渉について考えてみます。
この章では、他のプレイヤーとの交渉について考えてみます。交渉はほしい材料を手に入れるもっとも効率のいい方法です。また他のプレイヤーとの協力によって、トップのプレイヤーに追いつく働きもあります。特に必要な材料が入手しにくい序盤や中盤では交渉が重要になります。
よく、他のプレイヤーが有利になってしまうからという理由で交渉をあまりしないプレイヤーがいます。確かに交渉をすると他のプレイヤーにも有利になってしまいますが、自分も同じように得をしているはずです。
逆に、交渉をしなければ交渉を持ちかけた相手を止めることができますが、同時に自分自身の動きも止まってしまいます。これを繰り返すと、交渉をしない分だけ他のプレイヤーに取り残されてしまうことになりかねません。
交渉をすることによって自分と交渉の相手が得をし、結果として交渉しなかったプレイヤーが取り残されるということになります。いろいろなプレイヤーと交渉を積み重ねることによって、自分が一番得をするようになるのです。
しかし、交渉によって相手も得をしていることを忘れないでください。交渉が原因で、相手を勝たせてしまったら元も子もありませんから。
ここで気をつけていると交渉がしやすくなるような、基本的なテクニックについて述べます。交渉のテクニックといっても、だましや泣き落とし、説得といった交渉内容とは関係のないテクニックについては、このゲームの本質とは異なると思いますし、プレイ時間を引き延ばす原因にもなるので取り扱いません。
● 序盤や中盤はできる限り交渉する
何度もいいましたが、序盤で生産力をいち早く上昇させることは最重要事項です。必要な材料を集めるためにどんどん交渉しましょう。
● チャンスは有効に活用する
相手に持ちかけられた交渉を、後になって同じ条件で行ってくれる保証はどこにもありません。本当に必要な材料ならば、自分のターンが来る前に入手してしまう確率があっても手に入れておくべきです。また、交渉の条件を厳しくしすぎると後で自分への交渉が行われなくなります。目先の利益にとらわれて、今後の交渉のチャンス逃すことのないようにしましょう。
● 方針を立てておく
交渉とは直接関係がないように見えますが、第1章でも述べたように常にどのように動くかの方針は考えておく必要があります。必要な材料は何かが分かっていると、相手の交渉に素早く反応することができます。また、プレイ時間の短縮にもつながります。
● 相手の交渉に耳を傾ける
他のプレイヤーの材料に対する価値は、自分のとは違うものです。他のプレイヤーから意外な条件が提示されることは十分に考えられます。相手の交渉内容はよく聞いておきましょう。また、交渉すべきかどうか迷っている場合は、勝手にターンを終了されないように交渉する意志があることを告げるといいでしょう。
● 交渉相手
交渉相手は自分と開拓地の場所争いをしていないプレイヤーや、単純に負けているプレイヤーが適しています。とはいうものの、勝っているプレイヤーに対して考えなしに貿易封鎖をしてしまうと、貴重な交渉のチャンスを逃してしまうことになります。
● 港は最終手段
港で必要な材料に交換できる場合交渉をしないプレイヤーがいますが、港で交換するよりも交渉をした方が効率がいいのです。余っている材料で必要な材料を集めてみる努力はしましょう。港はあくまでも最終手段として使うべきです。
基本テクニックだけでも交渉の腕を上げることができますが、さらに次のようなことに注意するともっと有効に交渉できるようになります。
● 材料のレート
交渉は基本的には材料1枚と材料1枚の1:1交換がほとんどですが、どうしても手に入れたい材料に対しては2:1交換という手もあります。2:1交換を行っても、港での交換を行うより効率はいいのです(ただし、相手に材料が2枚行ってしまいますが)。
組み合わせとしては、不要な材料2枚や、何かと羊が多いようです。この交換だと実質1.5:1くらいのレートになります。どうしてもほしい場合は、麦と羊とか、木と土といった使い勝手のいい材料での組み合わせまでありえるでしょう。こうなるとほぼ2:1交換になってしまいます。
相手の2:1港の材料を交渉に出す方法もあります。これは相手の港を借りるような感じですが、使用料が相手の好きな材料1枚とかなり高いので持ちかける際は十分注意してください。
鉄だけは特別に相場が高くなることが多いようです。鉄は勝利に必要不可欠な都市を建設するのに、大量に必要だからです。開拓地戦術を行っているプレイヤーの序盤か、相手に鉄が不要な場合をのぞいては他の材料約1.5枚分(もう少し低いかもしれません)の価値になると思っています。
● 材料以外の要素も考える
交渉で交換の対象となるものはあくまでも材料ですが、状況によっては他のものも交渉材料に使えます。たとえば、最長交易路をトップのプレイヤーから奪ってもらうように交渉したり、トップのプレイヤーの土地を狭くするように他のプレイヤーに開拓地を建設させたりするような交渉もありだと思います。
このような交渉に抵抗感を持つプレイヤーは多いですが、トップに追いつこうとする方法の1つとして覚えておくと、このゲームがより深く、おもしろいものになると思います。
● 港も含めた交渉を考える
いろいろな条件を提示するわけですが、最終的には港での交換を含めて必要な材料を入手することまで考えるといいでしょう。
● 相手の手札の枚数を考える
手札の枚数以上に材料を建設をすることは普通はできません。このことから、手札の少ない相手には交渉を持ちかけてもそんなに大きく動かれることはありません。逆に、手札の枚数が多いプレイヤーに交渉を持ちかけると何をされるか分かりません。一般的に、手札が多いほど交渉による利益が大きくなります。
交渉で材料を手に入れたあとで建設をするとほとんどの場合は何枚か手札が残るわけですが、その手札の残し方にも多少コツがあると思います。
● 必要な材料は残さない
自分のターンが終了するときに、できるだけ必要な材料は残さないようにします。手札を使い切るのも一つの方法です。泥棒に必要な材料を奪われるのは大きな損失になるからです。
● 壁を作る
港で必要な材料が交換できそうな場合でも、手札が7枚以下ならば交換せずにターンを終了させたほうがいいようです。確かに手札が増えて泥棒で捨てさせられるリスクはありますが、そのときは交換用の材料を捨てればいいわけですし、手札を1枚引かれるときに交換用の材料は、必要な材料を守ってくれる壁にもなります。
● ターンを終了する勇気
必要な材料が2枚あり、港でちょうど1回交換できるような材料を持っている場合、どちらにすべきか迷う場面がありますが、手札が7枚くらいならばあえて交換せずにターンを終了させる勇気も必要な場合があります。泥棒で手札を捨てるのは確かにつらいのですが、苦労して手に入れた材料が次のサイコロであっさりと入るのもかなりつらいものがあります。1ターン待てば、本当にほしい材料が分かるようになるかもしれません。
このように交渉はかなり重要で、テクニックが問われるところでもあります。無理な交渉を粘って成立させるのではなく、スマートな方法で行いたいものです。交渉に時間をかけすぎるのはゲームの本質とは違うと思いますし、他のプレイヤーの迷惑にもなります。いい交渉をすることを心がけましょう。
最長交易路や最大騎士力のボーナス2点は勝利への大きな近道になります。ゲーム中どちらか1つを狙うようになるでしょう。この章では、最長交易路と最大騎士力の取り方に関するテクニックについて述べます。
最長交易路と最大騎士力は取る条件も使用する材料も大きく異なりますが、取るタイミングなどは共通のテクニックがあります。
● 序盤は気にしない
序盤は生産力を上げましょう。最長交易路も最大騎士力も、それぞれ道やカードを引いて取るので、生産力の上昇にはつながりません。ただし、基本戦術などからどちらを狙うかは決めておいた方がいいでしょう。
単独トップに立たない
中盤あたりで取るときに、ボーナス2点でトップになってしまうことがあります。生産力の低い状態で止められるとかなりつらいです。トップのプレイヤーが複数いれば、生産力の分で止められにくくなります。逆に、すでにトップを取っている場合や、トップに追いつかない場合は、止められやすさはあまり変わらないので、チャンスがあれば取っておきましょう。
● 競争相手は少ないほどいい
他のプレイヤーが追いかけなければ、それだけボーナスは取りやすくなります。どちらもできそうな場合はライバルが少ない方を選ぶのも手です。
最長交易路を取るためのポイントを述べます。最長交易路は開拓地作戦と組み合わせて取るのが一般的ですが、道をあまり作らないプレイヤー同士でやると、都市作戦のプレイヤーに一気に取られる場合もあります。
● 効率よく道を引く
最長交易路を取るために大切なのは、いかに枝分かれをせずに道を引くかです。道の数は15本と限られていますし、1本の無駄が勝負を分けることもあるからです。道を無駄にしないためには、三つ又に道を引いた後で1つの土地を囲むとか、2つの開拓地がつながるように道を引くとか、いろいろな方法があります。
● 分断されないようにする
ルールに書いてある中で特に忘れやすいことなのですが、他のプレイヤーの開拓地によって自分の道が分断されます。最長交易路を取るときはこのことをよく考えて建設しましょう。最長交易路を争っているときに道を分断されてしまうと取り返しのつかないことになってしまいます。
● 開拓地でガードする
これも忘れやすいのですが、他のプレイヤーの開拓地や都市を越えて道を建設することはできません。このことを利用して、自分の道を引く場所を開拓地を建設することで確保できます。
● 最長交易路は取られやすい
最長交易路は最大騎士力に比べて他のプレイヤーに取られやすいです。最長交易路を持っていても安心できません。逆に、相手が最長交易路を持っていても1〜2本の差なら取り返すことも比較的容易です。
● チャンスを逃さない
道の長さは一目ではわかりにくいため、最長交易路を取るチャンスを逃してしまうことがあります。本数の目安として、1つの土地を囲むと長さが6になることを覚えておきましょう。土地を囲んで道がつながることは意外と多いです。
最大騎士力を取るためのポイントを述べます。最大騎士力は都市作戦と組み合わせるのが一般的です。最大騎士力は発展カードと深い関係がありますが、ここでは最大騎士力の取り方についてのみ述べ、発展カードについては後で詳しく説明します。
● 最大騎士力は取られにくい
カードは1ターンに1枚しか使うことができません。そのため使用した騎士カードの数は1ターンに1枚ずつしか増えず、最大騎士力は一度取ってしまうとなかなか取られにくいという特徴があります。
● 出し惜しみしない
前述のように最大騎士力は取られにくいので、騎士の数が追いぬかれそうならばどんどん使ったほうがいいでしょう。ただし、トップを止めるのを忘れないようにしましょう。
以上が最長交易路と最大騎士力に関するポイントです。経験上、序盤でいきなり最長交易路を取ってしまうとそのプレイヤーはほとんど勝てないようです。次の章では、最大騎士力と深い関係のある発展カードについて考えてみます。
この章では、最大騎士力を取るために絶対に必要な発展カードについて考えてみます。発展カードはボード上の状況を操ったり、奇襲をかけたりするのに有効なカードが多くありますが、開発カード自体では生産力が上昇しません。
発展カードを引こうとするとき、カードの構成を知っておくとどのくらいカードを引けば分かるので便利です。発展カードはドイツ語版や日本語版では25枚あり、内訳は次のようになっています。
カード名 | 枚数 | 確率 |
---|---|---|
騎士カード | 14枚 | 56% |
得点カード | 5枚 | 20% |
街道建設 | 2枚 | 8% |
発見 | 2枚 | 8% |
独占 | 2枚 | 8% |
気をつけなければならないのは、騎士カードが半分以上であることと、得点カードが5枚しか入っていないことです。このことから、他のプレイヤーがカードを引いたら、まず騎士カードであることを考えるのが妥当だと思います。また、得点カードを当てにしすぎるのはどうかと思います。
冒頭にも述べましたが、発展カードでは生産力が上昇しません。このため、生産力を上げなければならない序盤にカードを引いてしまうとその分だけ遅れることになります。特に得点カードを序盤で引くとかなりつらいです(得点カードは何の材料も生み出しませんから)。
逆に、中盤から終盤にかけてはカードの価値も上がります。生産力に余裕が出てくると、無理に生産力を上げるよりもカードを引いた方がいい場合が出てきます。港での交換を多用して3つ目の都市を建設するくらいならば、カードを1枚引くことも考えてみるといいでしょう。得点が上がるよりはマークされにくくなります。
貴重な材料を使って引いてきたカードですから、できるだけ有効に活用したいところです。ここでは、カードの種類別に、使い方のコツを書いていこうと思います。
● 騎士カード
騎士カードは、ゲーム中でもっとも引きやすいカードです。最大騎士力を狙う場合でも序盤のうちは無駄遣いしない方がいいでしょう。自分の土地に泥棒が置かれたときに使えば十分です。ただし最大騎士力を争うときは例外です。前にも述べましたが、1ターンに1枚しかカードは使えないのです。
また、騎士カードがないと泥棒はなかなか動かないことを覚えておきましょう。サイコロ2つで7の出る確率はわずか1/6なのです。泥棒の動かし方については後で詳しく説明します。
● 街道建設
このカードは主に2つの使い方があります。1つ目は、開拓地を建設する場所まで道を引くことです。これはゲームの序盤から中盤にかけての土地争いや、都市作戦での3つ目の開拓地を建設するときに非常に役に立ちます。また2つ目は、最長交易路をとってゲームを終了させるために使います。
どちらの使い方をするにしても、奇襲をかけるのが大きな目的になるでしょう。ほとんどの場面で使える便利なカードですが、閉じこめられて開拓地を建設する土地がなかったり、道を使い切ったりしたときには「はずれ」カードになってしまいます。
● 発見
これは、地味なカードですが確実な効果があります。好きな材料2枚に変わるので、普段は建設しにくいものを建設するのに使うのがいいでしょう。
● 独占
強力なカードです。使いどころが難しいかもしれませんが、過去1巡に振られたダイスの目をよく見ていると何を言えばいいかが分かります。また、どの目が振られたかを忘れたとしても自分の手札や、材料カードの山を見ればだいたい何が場にあるかが分かります。
● 得点カード
そもそも使うカードではないのでコツはありません。初心者相手には大きな奇襲になりますが、上級者相手には未使用のカードがある程度分かってしまいます。カードの判別についてはこの後で紹介します。
これは上級者向けのテクニックです。相手の持っている未使用のカードをある程度判別する方法を紹介します。
● 騎士カードかどうかの判定
カードを持っているプレイヤーの重要な土地に泥棒をおいてみます。そのプレイヤーの次のターンで泥棒を動かさなかったら、そのカードは騎士カードでないと思っていいでしょう。
● そのほかのカード
騎士カード以外であれば、中盤から終盤にかけては1枚につきほぼ1点の価値があると思ってください。得点カードは1点ですし、街道建設と発見は使うことによって間違いなく1点は上昇します。独占カードは1点以上時には2点の価値がある場合もあります。開拓地や都市を建設した後でも使用されなかったカードは、ほぼ得点カードです。
以上が発展カードに関するポイントです。発展カードは使い方や引き方によってゲームを大きく変える効果があるといえるでしょう。次の章では泥棒の動かし方について考えてみます。
この章では、トップを止める数少ない手段である泥棒の動かし方について考えてみます。泥棒の動かし方も、プレイヤーによってかなり意見が分かれるところだと思います。ここでは、トップを止めることを優先に考えてみます。
ルールにあるとおりなのですが、泥棒を動かすことで他のプレイヤーに対して2種類のダメージを与えることができます。
● カードを1枚引くことによるダメージ
相手に直接的なダメージを与えると同時に、うまくいけば自分のほしい材料も入手できます。
相手の手札が少ないときや7によってカードを捨てた直後にはダメージが大きいのですが、交渉のところで述べた壁(たくさん入手できる材料)があるとダメージを軽減することができます。
よほどのことがない限りは材料をもらうだけのために泥棒を動かすべきではないと思います。ほしい材料が必ず入手できるとは限りませんし、トップを止めなかったことで独走を許してしまうことにもなりかねないからです。材料がほしいのであれば、まず交渉する事を考えましょう。
● 土地を止めることによるダメージ
これは、プレイヤーの生産力を下げる唯一の手段です。トップの生産力を落とすことによって、トップに追いつきやすくなります。
生産力を下げる目的があるので、より生産力の高い土地に泥棒を動かした方が効果的です。特に、都市戦術で1つの土地に生産力が集中しているプレイヤーに対してはダメージが大きいです。
次にいつ7が出るかは分からないので効果は確実ではありませんが、材料が入手できないのは序盤でも終盤でも、かなり大きなダメージになります。
一番重要なのは泥棒の行き先です。泥棒を動かせる機会はそんなに多くないのですから、効果的に動かしたいところです。以下に述べるような土地は泥棒を置くべき土地の例です。いいタイミングで泥棒が動かせるとは限りませんが、覚えておいて損はないでしょう。
● トップの土地
このゲームは何度も述べたように、富めるものはますます富むようになっています。その構造を崩す手段が泥棒なのです。トップの土地に置くことを最優先に考えます。自分がトップの場合には、一番自分を追い抜く力のあるプレイヤーを止めるのがいいでしょう。
● 生産力の高い土地
やはり基本は生産力です。6や8などといった生産力の高い土地に置けばそれだけ相手に大きなダメージを与えることになります。泥棒の移動先に困ったときは、トップの生産力の高い土地を止めるのが無難でしょう。
● 自分にとって都合のいい土地
レア材料戦術や独占戦術のところでも述べたのですが、特定の材料について自分の生産力が一番高くなるように泥棒を動かすと交渉がやりやすくなります。これは、交渉がさかんに行われる序盤から中盤にかけて特に効果的です。
● 相手にとって都合の悪い土地
開拓地を5つ作っているプレイヤーに対して鉄を止めたり、道を作りたいプレイヤーに対して木や土を止めたりすると、それだけで相手の動きを妨げることができます。ボードの状況や最近の出目から相手の状態を考えて、置かれると嫌なところに動かすのが効果的といえるでしょう。また、使いやすい組み合わせの材料(鉄と麦、木と土)が同じ目になっている土地や、2:1港の材料の土地は、それ自体が「危険な土地」なので、独走を防ぐ意味でも止めたほうがいいでしょう。
● 複数のプレイヤーの土地
より早く発展したい序盤にやると効果的です。相手の速度を遅くすることで相対的に自分の速度を速めるという働きがあります。カードを引く相手を自由に選べるという利点はありますが、置いた土地から泥棒が動きやすくなります(このことについては後で詳しく述べます)。
● 未使用の発展カードを持っているプレイヤーの土地
カードを判別するために行います(第9章を参照)。自分のところに泥棒が戻ってしまっては意味がないので、自分がトップでないときに行いましょう。トップと未使用のカードを持っているプレイヤーの生産力が高い土地を止めます。カードを使わせる目的があるので、カードを持っているプレイヤーにとって嫌な土地に置いて、材料はトップから奪うのがいいでしょう。カードの判別ができる上に、最大騎士力が早めに確定するのでカード戦術での奇襲を防ぐ働きもあります。
● 自分の土地
トップを止めるもっともいい土地に自分の建物がある場合は、よほどのことがない限りその土地に動かすは必要はありません。自分の役割は、生産力を下げずにできるだけトップにダメージを与えるような土地に動かすことです。その土地を止めたいと思っているプレイヤーは他にもいるはずですから。
7の目によって泥棒が動く場合、手札を8枚以上持っているプレイヤーは手札の半数(端数切り捨て)を捨てなければなりません。本題から少々はずれますが、カードの捨てるときに注意すべきことを考えてみます。
● 方針を決めておく
捨てた後の手札で次に何ができそうかを考えておきましょう。開拓地の材料と都市の材料が同時に集まりそうな時は特に重要になります。どの材料を残すかは状況次第ですが、経験上どちらも建設できるように中途半端な材料の残し方をするのが一番よくないでしょう。
● 壁を捨てる
不要な材料の「壁」は必要なカードを引かれる確率を下げるだけではなく、カードを捨てなければならない時にも役に立ちます。港などでの交換用の材料は他の材料に比べて価値が低いからです。
● 材料を捨てたプレイヤー
材料を捨てたプレイヤーから、泥棒の効果で材料を引くことはとても大きなダメージを与えることになります。しかし、誰がトップに立つか分からない序盤で特定のプレイヤーに大きなダメージを与えてしまうとその後の交渉に影響しますし、自分がトップを追いかける際の仲間の戦力を奪ってしまうことにもなります。このため特に序盤では、材料を捨てたプレイヤーには追い打ちをかけない方が無難でしょう。
今まで述べてきたように、泥棒はプレイヤーにダメージを与えます。このダメージもうまく建設することである程度は軽減することができます。ここでは、泥棒のダメージを軽減する方法について考えてみます。
● 不用意にトップに立たない
トップに立ってしまうと、ほぼ必然的に泥棒のターゲットとなってしまいます。そのため、できるだけ目立たない方がいいでしょう。
● 複数のプレイヤーで土地を分け合う
6や8といったいい土地を複数のプレイヤーで囲んでいると、そこには泥棒が置かれにくくなります。特に3人で囲んでいる土地にはほとんど泥棒が置かれなくなります。これを利用して、3人で囲んでいる土地の開拓地を都市にすると効果的になります。逆に1人でいい土地を独占しようとすると、トップに立ったときにその土地は間違いなく泥棒のターゲットになってしまいます。
しかし、トップと2人でいい土地を囲んでいるとトップのプレイヤーも泥棒を動かしてくれるのですが、トップを止める目的で他のプレイヤーがその土地を止めてくることが多いようです。
● 生産地を2つ以上にする
同じ材料の土地が2つ以上あると、その材料を完全に止めることができなくなります。
以上が泥棒の動かし方です。トップを止める手段は少ないうえに、泥棒を動かす機会もそんなに多くは ないので、どこに動かすかはしっかりと考えるべきでしょう。
戦術論でも書いたように、生産力を高めることはゲームの勝利にもっとも近づく方法だと思います。しかし、生産力の低い土地でも、それなりの使い道があるのかもしれません。今回は、生産力の低い土地の中でマップ中に 2か所ずつある 3 と 11 の土地に焦点を当てて、使い道を考えたいと思います。
材料の生産はサイコロの目によって決まるので、「絶対に安定して材料の生産ができる」ということはないのですが、経験上信頼のおける数字はあります。
私の場合は、生産地として信頼できる数字は 4 〜 10 だと思います。戦術の中心となる材料で安定した供給をのぞむなら 5 〜 9 の生産地が欲しいところです。人によっては 4 や 10 はあまり信用できないと言う人もいますが、このあたりに異論のある方はあまりいないと思います。
もう 1つ経験上いえることなのですが、通常のルールでプレイするとサイコロの振られる回数は 50回くらいになります。メンバーやマップによって異なるのですが、これについてもプレイしていれば、だいたい実感できる数字だと思います。
ゲーム中で 50回くらいサイコロを振るということは、3 や 11 の目は 1/18 の確率で出ることから、ゲーム中に 3回くらい振られる計算になります。他のプレイヤーの 3 や 11 はあまり評価していないぶん、よく出るように思いますが、実際にはそんなに出ないのです。
以上のことから、3 や 11 の土地は戦術の中心となる材料を入手するのには信頼できず、ゲーム中に 3回くらいしか生産されないことがいえます。
ここまで書くと、あまり使い道がないように見えるのですがそんなことはありません。3 や 11 の土地にはちゃんとメリットがあるのです。
1つ目は、生産力が低い土地なので中盤でも比較的安全に開拓地を建設できることです。まわりの土地にもよるのですが、3つ目の開拓地を建設するときに、自然と 3 や 11 の土地のまわりになることがよくあります。
2つ目は、泥棒のターゲットにほとんどならないことです。いくらいい材料が出るからといって、3 や 11 の土地を止めるのはよほどのことがない限りはしないでしょう(これは、プレイヤーに依存するかもしれませんが)。
3 や 11 の土地は、場所争いの点からも、泥棒の点からも安全性の高い土地だといえるのです。
メリットとデメリットが出そろったところで、本題の使い道の方を考えてみましょう。戦術の中心となる材料以外で、ゲーム中 3回くらい入手できればいいという材料はどんなものでしょう?
開拓地を中心とする戦術をとる場合でも、10点に届くためには都市が 2つくらい必要です。また、都市を中心とする戦術をとる場合は逆に、新たな開拓地が 1つは必要です。これらの、戦術の中心にはならないがゲームに勝つために必要な建物を作るのに役立ちそうな感じがします。
もうちょっと掘り下げてみると、3 や 11 の土地は、3つ目以降の開拓地でもとれます。また、開拓地を中心とする戦術で足りない材料は鉄だけになるはずです。開拓地を中心とする戦術で足りない鉄を取るのに使いやすいような感じがします。
このような使い方をするためには、3 や 11 の鉄の土地は囲むのが有効です。開拓地を中心とする戦術なら、土地を囲むのは比較的容易でしょう。都市には鉄が 3枚必要なので、できれば 3つの開拓地で完璧に囲みたいところですが、2つでも十分です。
中盤で囲むことができたら、あと 1 〜 2 回は生産が望めると思います。不安定ではありますが、これだけの回数があればぎりぎり 10点に届きそうな感じです。
ちなみに 6 や 8 の土地で手に入る材料を港で 3:1 交換をしてほしい材料を得るよりも、3 や 11 の土地から直接得るほうが効率がいいのです。交渉が停滞しがちな場では、ゲームが長引くぶんサイコロの振る回数も増えますから、なおさら効率がよくなります。
3 か 11 の土地に頼るのは、いささか不安だと思う方も多いでしょうが、いい鉄の土地が取れそうにないときに、開拓地戦術でいちばん難しい 1つ目の都市を作る手段として覚えておいて損はないと思います。念のため、交換用の材料くらいは集めておいた方がいいのですが。
ひとまず「カタンの開拓者」の基本セットの戦術論は終わりにします。様々な場面での戦術を述べてきましたが、書き残したこともあるかもしれませんし、もっといい戦術があるかもしれません。新しい戦術が見つかったら書き加えていく予定です。ゲーム全般に言えることなのですが、とにかくみんなで楽しくプレイするのが一番だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。