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● 第5回 アナログゲームオフ プラス ●

 2005年5月28日、第5回 アナログゲームオフ プラスをおこないました。今回は目黒銀座会館の改装ということで、機材の運び込みや、会場の広さなどを見るという名目で、比較的機材の取り回しがしやすいアナログゲームのオフをということで開催になりました。

 前回同様、ゲームマスターの協力のもと、ほぼ 3卓同時にいろいろとゲームをプレイしていきました。今回は、オフ会のレポートという側面もあわせて、プレイしたゲームのレポートをと思います。


- 会場入り -

 まずは、新しい目黒銀座会館のお話から。駅からの距離は予想していたよりも近かったですね。徒歩 5分くらいというのが正解でしょう。普通の建物の1階なので、気をつけないとスルーしてしまいそうです。これは、建物の正面の写真で判別がつくのではと思いますが。

 機材の運び込みは、車が置ける場所はないので、なるべく早くする必要がありそうです。一応雨のしのげる場所はありますが、雨が降ったときはちょっと大変かもしれません。

 会場内部を見てびっくりしたのは、思ったよりも広いことですね。室内は明るく、空調もあるので、夏場でも安心です。会場は土足厳禁なのでその辺は要注意でしょうか。

 今回はTV含めて 4卓を準備したのですが、広さ的にはかなり余裕があります。6卓までなら楽にできそうです。基本的にいすに座るスタイルになります。テーブル2つに4人が入ってプレイする分には問題なさそうです。

 ゴミは持ち帰りとか、炊事場が用意されているとかそのあたりもポイントになりそうですね。まあ、コンビニが近いので買い出しは楽にできるわけですが。

 とりあえず、最初の感想はこんな感じです。とにかくきれいな会場でした。


- 午前の部 -

 今回は、前日というより当日の深夜にお仕事が入り込んだこともあり、起きられるかどうかが非常に心配だったのですが、2時間30分ほどの睡眠で普通に出てきました。人数も 10人程度でしたし、企画を準備している時間もあまりなかったので、まったりという感じで進めています。

● ワイルドラッシュR [play:game]

 まず最初に全体企画みたいな感じになりました。準備運動にはちょうどいいゲームですからね。今回は初めての方もいらっしゃったので、基本ルールのみでやりました。

 あわててやると、カードがひっくり返ったり2人同時にカードを入れたりということになりますが、全員が慣れてくると「待ち」プレイをしていたのでは最後まで出せないということも出てきたりします。

 やはり、このゲームは多人数が集まったときの準備運動にはピッタリだと思いました。

● クラウドナイン [play:game]

 午前の部の 1ゲーム目は、準備運動の続きということでダイスゲームの「クラウドナイン」をプレイしました。ダイスロールの運もあるのですが、それよりもどこまで粘ってどこで降りるかというのが大事なゲームです。

 今回は新版の方をプレイしました。個人的にはシンプルで好きなのですが、Pass the burn などが入った九番のほうが面白いという方もいらっしゃるので、そのあたりは人それぞれなのでしょう。

 今回は、大崩れするプレイヤーもなく、一応全員が勝負できるの形になったようです。シンプルなルールで駆け引きが楽しめる、そんな感じのゲームですね。

● ツインズ [play:game]

 別の卓では、Knizia特集ということで、ジレンマ系のカードゲーム「ツインズ」がプレイされていたようです。私はまだプレイしたことがないのですが、作者のゲームらしい読みとジレンマの要素が入り交じった作品とのことです。

 JAGAにもあるゲームですし、機会があったらやりたいものですね。

● グリード [play:game]

 午前の部の 2ゲーム目は 3卓に分かれてのプレイです。私が提供した作品は、もう一つのダイスゲーム「グリード」です。どこまで欲張って、どこでやめて得点にするかがポイントのクラッシックなダイスゲームです。

 今回は、大きな役はあまり飛び出さず、どちらかといえばちょっとずつ得点を積み重ねていくような感じになりました。なお、得点はメモ用紙に付けていたのですが、得点を取らないと名前すら残せないという方式でやってみました。まあ、今回は全員名前がついたわけなのですが。

 そんなに考える要素は多くありませんし、運の締めるところは大きいのですが、たまには自分の感性でダイスを振ってみるのもいいものです。

● ついたて将棋

 2卓目は、やってみたいというリクエストがあって、本当に将棋盤を持ってきてのプレイとなりました。相手のコマがどこにいるか分からない、審判の必要な将棋です。まあ、文章に書くよりも写真を見たほうが早いので、そうします。

 この写真はおそらく序盤だと思いますが、普通の将棋ではあり得ないような位置にコマが出ていますね。これは、あとで感想戦もやっていたのですが、ネタばらしの瞬間が一番面白いですね。

● グラグラカンパニー [play:game]

 3卓目は、ダイスゲームでもこちらは手先の器用さが要求される「グラグラカンパニー」がプレイされていたようです。

 このゲームの見所はなんといっても、ビルの増築とラウンド終了時の合併劇ですが、今回も 27フロアのビルができあがっていたようでした。

 見た目は軽いゲームですが、プレイしてみるとけっこう精神力を消耗するゲームだというのが分かると思います。増築や合併もそうですが、どこの会社に移るかというのが悩ましいゲームですね。


 というわけで、午前の部が終了しお昼休みになりました。休み時間中もまったりとゲームがプレイされていたので、ちょっと紹介を。このほかにも、ニンテンドーDSがそこここでプレイされていたみたいですが。

● タングラムプラス [play:game]

 バトルケースの中にピースを落としていって、はみ出したら負けというきわめてシンプルな、力学的対戦ゲームです。時間つぶしに有効ということで持ってきましたが、予想通りけっこうウケていましたね。

 写真は狙いすぎてうっかりしてしまった例です。下が堅いテーブルということでけっこうピースがはねていたようでした。


- 午後の部 -

● いただきストリートスペシャル

 午後の部は、TVも持参していただいたのと、実際に会場でプレイしてみる必要があるということで、「いたストSP」をプレイしました。とはいっても、コントローラーは 3つしか集まらなかったのですが。

 今回は、SPの中でも比較的時間がかからないとされているラバナスタをプレイしました。ここだけは、いたストオフみたいな感じでちゃんとストリート紹介もしましょう。

 ラバナスタは、いたストSPの隠しマップの 1つで メインランド 7エリアと、飛び地 1エリアの合計 8エリアからなるマップです。銀行まわりの 4エリアをぐるぐる回れるとかなり楽になりますね。

 今回は1週目にバザールの1等地をつかまされた形になってかなり厳しかったですね。30%アップした直後に競売に出すのが正解でしたが、2軒と2軒になっていて、うっかり売ることができなくなっていましたから。

 ゲームの方は、銀行まわりの店数がそのまま勝負の有利不利につながりました。つぶし合いの展開になっているとはいえ、安定して株が買えるのと、うっかりすると賞金がもらえるのはやはり強いです。結局、銀行まわりで独占ができるかどうかがそのまま勝負の分かれ目になったみたいでした。

 このマップ、プレイしてみるにつれ、銀行から外の4エリアが使いにくいですね。銀行が大通りの上の位置にあったり、その位置が「株屋」だったりするとだいぶバランスのとれたストリートになってくると思うのですが。

● ダス・シュピール [play:game]

 いただきストリートの裏は時間がかかるものがプレイされるかと思っていたら、まったりと「ダス・シュピール」がプレイされていたみたいでした。

 どのゲームがプレイされたかまでは見ていなかったのですが、あとの話題で出ていたところを見ると、3人用のやつはきっとプレイされたことでしょう。

● スティーブンソン・ロケット [play:game]

 いつまでもまったりとというのもということで、「いたスト」の裏番組は 2卓に分かれました。1つ目は、私もひさしぶりに見た「スティーブンソン・ロケット」です。うっかり、私が作っていたチャートが掘り返されたようです。

 線路を引くゲーム鉄道ゲームなのですが、実態は決算、配当系のゲームで、「アクワイア」あたりに近い感じなのかもしれません。基本的に運の要素は全くない、本格的なゲームです。

 途中からしか展開は見ていなかったのですが、盤面に大きな会社ができるのは分かるものの、いつの間にかその会社が変わっていたというのはびっくりでした。

 この手のゲームにしては、90分もあれば終わるというのは短い方ですし、充実感がかなり味わえるゲームなのではと思います。折りを見てプレイしたいゲームですね。

● 余計な料理人 [play:game]

 スチーブンソンロケットの裏でプレイされたのは Knizia の不思議なトリックテイキングっぽいゲーム、「余計な料理人」です。原題は Too many cooks、英語のことわざ Too many cooks spoils the broth. (多すぎる料理人はスープをダメにする → 船頭多くして船山に上る) をよく表したゲームです。

 各プレイヤーは、本日のメニューを決めて、メニューにあったスープを作るのが目的ですが、鍋は1つしかありません。特定のポイントをためたプレイヤーがスープを獲得するのですが、いろいろなプレイヤーの思惑の詰まった鍋なので、中身はそのプレイヤーにとって「おいしくない」スープかもしれないのです。

 ゲームとしては、どのタイミングで攻めるかがポイントのトリックテイキングっぽいゲームですね。プレイの感覚は不思議なのですが、他のゲームにはない感覚がありますね。

● 乗車券ヨーロッパ [play:game]

 いたストが終了して午後の部の2ゲーム目。本日のメインイベントでしょうか。本格的なゲームがズラリとプレイされていました。私のテーブルは、新作から「乗車券ヨーロッパ」を持ってきました。

 「乗車券」のリメイクで、ヨーロッパを線路で結んでいき、目的地をつないで得点を稼ぐというゲームです。「乗車券」から新しい要素が追加され、ちょっとだけ難しく、ゲーム的な要素としては面白くなりました。

 今回は 4人でプレイしたのですが、珍しく4人ともフランス近辺に路線を引くかなり荒れた展開になりました。目的地の関係で、4人が4人ともフランス近辺に固まることはあまりないので、誰が嘘をついているのかに終始されましたね。

 今回のストックホルム-ペトログラード間の夢のトンネルは無事に完成しました。あの21点は人数が少ないときにはかなり強力ですね。

 序盤から中盤にかけての路線の取り合いでもつれたのですが、きれいに遠回りをさせられた感があります。2マスのトンネルとかは、手が遅くなりますからね。そこそこ早い展開で、新しいチケットを引く暇はほとんどありませんでした。

 最後の最後で、ようやく真相が分かりました。ふたを開ければ 3人は本当にフランスを通す必要があったみたいでした。得点の差は、おそらく長距離路線と、ヨーロピアンエクスプレスの差なのだと思います。ヨーロッパ版は、特に得点を稼げる路線は少ないですから、21点、15点、7点の路線の動向は重要ですね。

 最終的に、駅舎の数で同点という結果になりました。駅舎を使うのかどうかというのは作戦として悩ましいですが(誰も路線を引かないと駅舎すら使えないので)、1個使うくらいのプランで行くのもアリなのかもしれませんね。

 最終目的地は、リスボン-ダンツィヒ、カーディス-ストックホルム、ブレスト-ペトログラード、エジンバラ-アテネでした。4人プレイでスペイン 2人の展開は何かと厳しいですね。実は、このゲームが一番遅くに終了しました。

● アムステルダムの商人 [play:game]

 2卓目は、Knizia特集から「アムステルダムの商人」がプレイされていました。私もだいぶ昔にプレイしたっきりなのですが、オークションクロックを止めて落札額を決めるという、独特の競りシステムのゲームです。

 やはり、あのクロックがまわる音はいいものですね。プレイしているとどこで押すのか非常に悩ましいのですが。

 こちらは展開を全く見ていなかったのですが、たまにはプレイしてみたい作品ですね。ちなみに、たくさんプレイしているとオークションクロックのゼンマイが壊れやすいみたいですね。

● アクワイア [play:game]

 3卓目は、クラシックなホテル合併ゲーム「アクワイア」がプレイされているみたいでした。「スティーブンソン・ロケット」直後にプレイされていたみたいです。

 こちらも、展開は全く見ていなかったので詳細までは分かりませんが、あのアクワイアのセットが大活躍しているみたいでした。やはりボードゲームにはある程度の携帯性があったほうが、登場頻度が増えますね。

● コロッサル・アリーナ [play:game]

 最終ゲームということで、Knizia特集の締めをプレイしました。これは私がうっかりしてしまった「コロッサル・アリーナ」です。モンスター同士の戦いで、誰が生き残るかを予想するゲームです。

 手番順という言葉もありますが、人数が多めの場合は他のプレイヤーとの協調がある程度必要になってきますね。秘密の競りの 5ポイントは意外と気づかれにくく得点に化けることもあるみたいです。

 操り人形の作者 Bluno Faidutti は、このゲーム3人がおすすめといっていたのですが、その意味が何となく分かるような気がしました。3人だといい感じで自分の手の及ぶ範囲がやってきますし、予想も空席が多めでより悩ましくなりますからね。

 ゲームとしては、Knizia らしいジレンマと、アメリカのゲームらしい特殊能力の派手さが入り交じった感じですね。ちなみに、カードイラストは個人的にはものすごくおすすめですが、あくまでも私の意見なので気にしないほうがいいかもしれませんね。

● シティー・プラン [play:game]

 ここで「シティー・プラン」がプレイされたようです。計画的に、バランスよく建物を建てたり、マニフェストを達成したりして得点を稼ぐ街作りのゲームです。まさか、データベースに載っているとは思いませんでした。

 こちらも、展開は見ていなかったのですが、かなり遅い展開になって高得点のプレイヤーが続出したそうです。60点台で勝てるかと思ったら、70点が勝利ラインというかなり珍しい感じになりました。

● 創作ゲーム(名称未決定)

 もう1卓は「いたスト」をベースにしたマージャン風の創作ゲームがプレイされていました。こちらは、時間がちょっとだけあったので、一度プレイしてみました。おそらく、感想を期待されていると思うのでまとめてみましょう。

 マージャン風ということで、ゲームシステムとしてはあまりいじる必要はないかと思われます。最初カードが 142枚あると聞いたときはカードの枚数が多すぎてゲームとして「薄まる」のではと危惧していたのですが、プレイしてみるとそんな感じはなかったですね。

 役作りと得点計算がはっきりとは分からなかったのですが、マージャンでいうところの役牌、ホンイツ、チンイツくらいの分かりやすい役があると手作りが楽しくなるかもしれませんね。このあたりはもうちょっと確認が必要でしょうか。

 あとは、カードの配色とアイコンでしょうか。文字は黒か濃い色で、エリアの区別は文字色でなくアイコンがいいのかと思います。あと、個人的にお店の名前はフルネームを希望ということで。

 どう育つのか楽しみなゲームだと思いました。また機会があったらプレイさせていただきたいですね。


 そうこうしているうちに終了の時間がやってきたので、片づけをして終了とあいなりました。今回は、人数も少なかったのと、事前に企画を準備しなかったのと、直前にお仕事が入ったこともあって、いつもよりまったりとした、アナログゲームのゲーム会に近い感じになったのではと思いました。

 終了後は恒例のカツ屋にいってきました。久しぶりでしたが、いつも通りおいしいカツを堪能してきました。カツ屋の会話は今回はけっこう局地でいろいろとという感じでしたでしょうか。

 というわけで、第5回のアナログゲームオフのレポートをお送りしました。今回は、いつもより肩肘を張らずまったりとという感じにしましたが、いかがでしたでしょうか。機会があれば第6回もやりたいと思いますので、よろしくお願いします。


- おまけ -

 今回のおまけコーナーは文末に追加ということで、宿舎の様子を。宿舎ではリクエストがあってプレイされなかった、「電力会社」をプレイしました。

● 電力会社(新版) [play:game]

 超本格派の電力会社経営ゲームです。競りの要素から、資源の買い付けと市場操作、支社の配置と順位によるプレイ順操作とこの手のゲームで要求されるいろいろな要素が含まれたゲームです。

 今回は発電所が安い順に出るという展開でしたが、1ターン目にゴミ発電をひろったこともあり、序盤はかなり遅い展開になってしまいました。

 最初の発電所のカットの時に「核融合」といったら、本当に 2枚目に核融合発電所が出てきてしまいました。今回の発電所は、最初に高いのが出て、あとでだんだん安くなっていくという感じでした。

 中盤の 7軒のゾーンに誰が達成するかもありましたが、このあたりで強力な発電所が買えたか買えなかったかの差が出つつありました。ただ、オーバーパワーで、石油発電所が最盛期ということもあって、発電所を買えたプレイヤーもかなり苦しんではいましたね。

 中盤からは、一転して発電所が厳しくなりこのあたりから順番操作も考えつつのプレイになりました。いい発電所が出ないときはとことんでないのがこのゲームですね。

 終盤、ゲームが終了するポイントが2つほどありました。1つ目は第3の時代に入る直前と思われるシーンでした。ここで 15軒の建てきりができそうな場面があったのですが、発電量は最高でも 12軒という状況で、どれだけリードしているかが問われる場面でした。

 結局ここがスルーされて 1ターン先送りにしたら、第3の時代になりました。このあたりの読みは絶妙ですが、第3の時代には、最初のカットで出てきた、核融合やら、7電力の石炭やらがゴロゴロと転がっています。勝負はここの競りで決まったような感じでした。

 私は、中盤に運良くひろった石油発電所のおかげで 6 + 5電力が確保できていたので、15軒には 4電力あれば十分、5電力で 16軒という感じでした。結局若干出力の小さい 5電力の石炭発電を定価でひろったのが勝負手になったみたいでした。これで、石炭の供給を絶って、発電量で単独トップに立ち、そのままゲームセットでした。

 ルール説明込みで実に3時間近くかかった長期戦になりました。このゲームはかなりボリュームがありますが、しっかりと楽しめる作品だと思います。

● シティー・プラン [play:game]

 宿舎の朝のゲームということで、上級向けの16電力でプレイしました。今回は、速攻になるか、遅くなるかに展開が分かれそうでしたが、中盤から早い展開になったみたいです。

 まあ、私が工事現場2軒から、スタジアム、22電力の原発と連発して建てたので、警戒されたのでしょう。高速道路、交通局とコンボが決まったところでピッタリ手が止まってしまいました。

 中盤から早い展開になって、結局は序盤の空港を活かして商業地を建てきったプレイヤーが最後に逆転勝利になったみたいでした。16電力のゲームだと、18電力の時とはプレイ感がかなり違ってきますね。

 というわけで、おまけをお送りしました。


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