2005年5月27日に、第6回アナログゲームオフを開催しました。いたストポータブル発売直後ということで、ジョイントオフでの開催になりました。今回は、主催イベントということでプレイしたゲームを全体的に紹介していきましょう。
会場自体は、3月末のゲームマーケット直前の段階でとれていて、早めの告知をうったのですが、連休をはさむ形でなかなか予定が確定しなかったのもあり、5月頭の関東オフの段階でほとんど参加者がいない状態でした。
いたストオフでの宣伝とか、各方面からの参加者もあったりして、最低ラインの 4人を超え、あとは何人まで増えるかという状態になり、最終的に参加者は 7人になりました。
アナログゲームにとって「7人」という数字はある意味鬼門です。3人向け、7人向けのゲームが少ないので、1卓にするにしても、2卓にするにしても調整が難しいというのがあるのです。
参加者数がほぼ決まった段階で、3人向け、7人向けのゲームを強化することになり、前日のゲーム選択は困難を極めました(ゲームを引っ張り出す作業もあったわけですが)。
今回は、ほぼ私の持ち込みゲームだけで 25タイトルほど準備して会場に持ち込んでいます。まあ、ゲーム選定の作業は、難しいながらも楽しい作業ではありますからね。
当日は雨が降っていましたが、土砂降りではなかったので傘を差して、荷物を持って移動しました。毎度のことながら荷物はかなり重く、今回は 12.8kg ほどありました。
多少早く着いたので、会場前で「いたストポータブル」をしながら待っていたのですが、やはり時期的なものもあり、参加者は反応しますね。
参加者は6人でスタートということで、簡単に 2卓を作って、ゲーム置き場のテーブルを1つ出して設営完了です。過去最少の規模ということで、セッティングも簡単でした。
さて、ここからは、プレイしたゲームと簡単な結果をお送りします。アナログゲームオフは、実績重視ということで、おすすめのポイントなども一緒に書いておきましょう。
手始めということで、簡単に楽しめるものを選びました。といっても、今回のメンバーは、ルール説明が不要でした。「インディアンポーカー」の要領で、自分以外の数字をヒントに全員の合計数を予想するというゲームです。
数字は 0〜5の間が多いのですが、-5, -10, 10, 15, 20 などの大きなものが入っていたりして、このあたりがゲームの面白さにつながっています。カウンティングをちゃんとしているとうっかりしたことに気づいたりするのですが、そうでなくても十分に楽しめます。
白々しく、低めの数字をいって他のプレイヤーを疑心暗鬼に陥れたり、ぎりぎりの数字と思われるものを宣言して悩ましくさせてみたりと、心理戦もあります。どちらかといえば雰囲気を楽しむ類のゲームでしょう。
今回は、全員に均等にダメージが入ったと思われたのですが、主催者本人が勝利してうっかり嘘つき王の称号をもらってしまいました。
類似のゲームとして、「ブラフ」「ファブ・フィブ」がありますが、こちらは、外で見ていてもすぐに楽しさが分かるゲームですね。5〜6人で軽いゲームをプレイする機会が多い方にはおすすめです。
なお、内容物としてはちまきもついていますが、個人的にはカードを手に持つことをおすすめしてます。場所によっては、あっと驚くものを頭に巻いてというプレイスタイルもあるわけですが。
ここからは、7人でプレイしています。午前中の早い時間帯ということで、もう一つ軽いものをということで「ダイヤモンド」をプレイしました。鉱山を掘り進んでいって、ダイヤモンドを入手していき、危険な目に遭う前に持ち帰るというゲームです。
このゲームの面白さは、なんといっても「のるかそるか」の度胸試しですね。基本的に、ダイヤは鉱山にいるプレイヤーで山分けなので、できるだけ最後まで残っていたほうが分け前は増えるのですが、帰還できないと水の泡ですし、タイミングによっては帰還した時に大きな利益を得られる場合もあるのです。
1ラウンド目は、けっこう深くまで掘り進んで、貧富の差が分かれたのですが、2〜4ラウンド目は、早々と終了してしまい、欲深いプレイヤー達が次々と犠牲になりました。最後のラウンドは、それなりに深く掘り進んだのですが、トップのプレイヤーが絶妙のタイミングまで残った上で帰還に成功し、ダントツでした。
このゲームは、おそらく説明を聞くより一度プレイしてみたほうが分かりやすい類のものだと思います。4〜8人くらいであれば、何人でやっても楽しいゲームなので、プレイヤーの数が不定で、比較的軽いものが好きなメンバーが多いときにお薦めできるかと思います。
3人ゲームで、真っ先に思いつくのはこれですね。「王と枢機卿」のころからアナログゲームオフで難度か持ち込んだことがあるのですが、プレイされたのは今回が初めてだったりします。中国を舞台にした領地争いのゲームです。カードを使って館や公使を配置し、多数を取ることで得点を稼ぐゲームです。
たった 5色のカードと、配置の「3-2-1のルール」だけとシンプルですが、作戦の幅があったり駆け引きがあったりします。相手の動きを見つつ、欲しいカードをうまく入手して自分の作戦を遂行していく感じのゲームですね。
今回は、ひさしぶりに 3人でプレイしましたが、ダウンタイムが短く、ボードの状況もほどよい変化具合がいいですね。早めに公使を置いて得点を稼ぐプレイに出ましたが、コマ数の関係もあり、そこまで得点は伸びないのです。
結果、公使の分よりも、4つつなげたボーナスや、決算の滑り込みの差でトップを取った感じになりました。3人プレイだと、「王と枢機卿」のほうが派手な感じですが、こちらはバランスがとれていてより味がありますね。
30〜45分クラスと、決算配置系のゲームの中ではかなり短時間の部類ですし、なんといっても 3人プレイが楽しいゲームです。本格的なゲームへのステップアップや、3〜4人で遊ぶ機会の多い方におすすめです。「3人ではなかなか面白いゲームがない」とお嘆きの方にはもってこいの作品です。
4人卓の方は、持ち込みのオリジナルダイスゲームがプレイされました。アナログゲームオフは、基本的に実績重視ではありますが、こういうのもアリだと思うわけで、前回も持ち込みオリジナルはプレイされましたね。
「チャイナ」の説明のためプレイには参加しなかったものの、事前にコンセプトは聞いていました。そして、作り込んだ仕掛けに原作者みずからはまってしまうというお約束があったりとか。
詳細については、実際にプレイしていないのですが、なんとか形にして登場させたいとのことでした。
ここで、昼食をはさみます。「アナログゲームオフ」は比較的時間の調整がききやすいこともあり、昼休みはちゃんと取ることにしています。卓がえの機会というのもありますからね。
午後の1ゲーム目は、全体企画ということで、7人でプレイできるものから「ボードニムト」を選びました。「6ニムト」なら、比較的プレイされやすいのですが、ちょっとひねりを入れてというのがコンセプトとしてありますからね。
「6ニムト」と同様、数字の書かれたタイルを出し、数字順に配置していきます。列の最後や、うっかりしたものを踏んでしまうと失点となり、失点を少なくするのが目的になります。ボード上には、いろいろと仕掛けがあり、一筋縄ではいきません。
といっても、7人でプレイしたこともあり、悩むよりもカンで勝負するという感じですね。タイルの補充は失点をすることでできるのですが、得点のルールがあるため、タイルが買いにくい状態になったり、失点が思いっきり増えたりというのが多人数プレイの特徴ではあります。
2枚プレイ、オープンルールなど、マイナス要素の仕掛けはあらかたプレイされました。基本は「6ニムト」なので、そんなに重くはありませんが、その中でも考える要素がちょっと入っているという感じでしょうか。オープンルールは、7人だと相当悩ましくなりますね。
「6ニムト」を触れる機会は多いかもしれませんが、その先にある深い世界に入る時に立ち寄ってみるといい作品ですね。5〜8人くらいの比較的多い人数でプレイしてみるのがいいかもしれません。人数幅が広いので、ゲームサークルなどに向いているのではないのでしょうか。
ここからは、また 2卓に分かれます。私は 3人卓のほうで、ルール説明をすることになりました。ドイツゲーム大賞を取った作品で、3人でも十二分に楽しめる「カルカソンヌ」を出してみました。
フランス、カルカソンヌを舞台に、タイルを絵柄が矛盾しないように配置して、置いたタイルの上にコマを配置し、得点を稼いでいくというゲームです。タイル配置系のゲームの中では、最もオーソドックスなゲームと思います。
3人の場合は、場がそこまで動かないことと、協力体制/妨害体制のバランスがほどよいというのがあります。タイルの引きに左右されつつも、ほどよくやりたいことができるという感じでしょうか。
得点源になる修道院も連続で 3枚引くとゲンナリだったりとか、1本の道が 3人で 9点から、12点独り占めの合併があったりとか、事件になるようなことはいろいろとありました。そして、一面都市のタイルが最後の方までずっと出なかったりとか。
12点の大合併が勝負を分けた感じにはなりましたが、得点バランスで思惑通りに行かなかったりと、3人ならではの面白さがあります。
60分クラスのゲームで、見た目にも美しいゲームです。いろいろとエキスパンションが出ていますが、基本のセットをじっくりと楽しんでみるのがいいような気がします。基本のゲームなので、幅広くおすすめできるかと思いますが、3〜4人でプレイする機会の多い方にはおすすめです。
他の方に、この手のゲームをおすすめするときにもいい感じなのではと思います。なお、もうちょっと深く、悩ましくという場合はシリーズ最新作の「新たな地」もおすすめです。
4人卓では、新作の「郵便馬車」がプレイされました。私もプレイしたかったのですが、別卓でした。ルール改正の情報をつかんだので、さっそく改正後のルールでプレイされた模様です。
ヨーロッパを舞台に、カードをプレイして自分の郵便網を作っていき、得点を稼ぐゲームです。郵便網完成のルールがなかなかに悩ましくできており、シンプルながら他のプレイヤーの動向や、止めどきなど見極める感じのゲームになっています。
いきなり効率のよい経路で得点を稼ぎ、長い馬車が次々と作られて大差でゲームセットしたという話です。
プレイ回数も浅いのと、人数幅が 2〜4人で、3人プレイの検証はできていませんが、少なくとも 4人でプレイするにはいい感じのゲームです。地図上に配置するというのは、見た目としても、プレイ感としてもいい感じですし、シンプルなルールで、そこそこのプレイ時間で本格的なものが楽しめます。
これから本格的なゲームをというステップアップにいい感じのゲームなのでは、と思います。
なんと、3人卓のほうが時間が余ってしまったので、空いた時間を有効活用するということでひさしぶりにプレイしました。
ルールにしたがってロボットを動かし、条件を満たす最短手数をいち早く答えていくという、リアルタイムのパズルライクなゲームです。ルールは単純で、原理的には何人でも楽しめるというのがポイントですね。
みんな久しぶりということもあり、最初はうっかり手を見逃していたりとかというのもありますが、慣れてくるとなかなか熱い展開になったりします。偶然といってもタイミングよく、10手クラスの難しいものが入ったりしますからね。
ジャンルとして、好き嫌いが分かれそうな感じではありますが、なんといってもプレイ時間、プレイ人数の幅が限りなく広いというのが特徴です。時間帯、人数のばらつきが大きくなりやすい、ゲームサークルに向いた作品だと思います。
ここで、もう一度 7人に戻って、結果的に今回一番の全体企画となった「クク」をプレイしました。ざっくり 7人くらいで楽しめる感じのゲームですからね。
基本的なルールは、隣の人とカードを交換し、自分が最弱のカードを持ったり、脱落したりしないようにするというゲームです。選択肢は、交換する/しないしかありません。チップを使うゲームで、最後まで勝ち残ると場のチップを全部取ることができるという爽快感があります。
数十人クラスのゲームサークルにいっていると、プレイする機会が多いであろうゲームも、なかなか仲間内だけでは人数が少なくプレイできないということもあり、初めての方が意外と多かったような気がします。最初は、基本ルールだけでプレイしました。
まあ、それだけで終わるまでもなく、いろいろとルールを入れてプレイしたのですが、やはりインディアンククはウケますね。似たようなギミックで「コヨーテ」をプレイしてはいたのですが、こちらはより外野で見ていると楽しいゲームだったりするのです。
最後は、ハイローキャンセレーションククという、チップの払いが多いルールでやりましたが、これがかなり荒れました。2組キャンセルされて、1人をのぞいて全員が支払いだったり、山札から引いた札でキャンセルがあったりしましたが、最後の最後に、山札からククでキャンセル確定という幕切れをしました。
結果、20枚持ちのはずなのに、場に残ったチップが 36枚で、場が優勝してしまいました。このゲームの楽しさが十分に伝えられたのではないかと思います。
雰囲気を楽しむゲームというのはありますし、若干ですがカードの説明が複雑なので、ある程度ゲーム慣れしていた方がいいのですが、6人以上 10人ちょっとくらいまでという広い人数幅で楽しめるゲームだと思います。こちらも、ゲームサークル向きのゲームだと思います。
再び 2卓に戻って、今度はトリックテイキングにトライしてみました。プレイ回数が多い「トランプ トリック ゲーム」です。
マストフォローのトリックテイキングなのですが、「取った札が次の回の手札になる」という仕掛けがあります。これがこのゲームを悩ましくしているゆえんですね。
1ゲームでは分かりにくい感じのゲームなのですが「変な感じ」を読み取れればという感じでやってみました。序盤に大量得点がうっかりはいってしまい、ワンサイドの展開にはなったものの、このゲームの悩ましさみたいなものは伝わったのではと思います。
トリックテイキングは、さまざまありますが、ほどほどのプレイ時間で、基本からちょっと外れたくらいのルールで楽しめるという意味で、価値があるかと思います。トリック制限もあるので、参加している感は得やすいですからね。
実績重視という見地からだと「命中」とかそのあたりを出したかったのですが、3人を意識したラインナップということで、持ってきた作品でした。
こちらが 3人テーブルです。実は犬夜叉とはあまり関係がない感じの、ダイスを使った配置/決算系のゲームです。卓の状況は全く見られなかったのですが、プレイ中にどの面にどんな目が書いてあるかをいぐるぐると回して確認するという、このゲームにありがちな光景が見られた模様です。
4人のペア戦が面白いのですが、2〜4人のどれでも楽しめる作品とのことです(私は、3人プレイだけ未経験ですが)。Kniziaらしい悩ましさが光る、他にはないプレイ感のあるダイスゲームですね。
最後の時間は、若干本格的に、かつ実験的にということで、こちらを 3人でプレイしました。ホテルカジノを経営するゲームで、内装を作っていって魅力的なカジノを作り得点を稼いでいくゲームです。
ゲームボードがサッカー場みたいといわれたのは、2回目だったりするのですが、カジノ風のボードが特徴的ですね。やっていることは地道な競り/経済ゲームで、カードによるランダム要素が適度に入っていきます。
3人プレイの場合、競りの対象となるものの数が多めで、競りの難しさというよりも資金をいくら貯めるか、どこで何を買うかといった計画性のゲームに変わってくるみたいです。欲しいものが買えなくてがっかりというのは少なくなるので、これはこれでありだと思います。
また、3人でプレイしたので、カジノをすべて埋める方の条件でゲーム終了になりました。タイルは何枚か残っていたのですが、ちゃんと後半のタイルが登場していたので長さとしても適当といえるでしょう。
やることは比較的単純で、若干配置のルールはありますが、そこまで複雑ではありません。派手な要素や飛び抜けたものはないのですが、ゲーム同様、地道に楽しめる作品なのではと思います。3人もアリと分かったのは今回の収穫でしょう。
裏番組は、3ゲームほどプレイされました。1つめはAmigoの「ラッツィア!」です。「ラー」のリメイクということで、警察の手入れが入る前に欲しいものを競りで入手して得点を稼ぐというゲームです。
1ラウンド目に最高で 0点という面白い展開になったようでしたが、このゲーム独特ののるかそるかの感覚が伝わればと思います。こちらの方は所有しておきながら未プレイだったりするのですが、今回もプレイする機会を逃してしまっています。
こちらも 3人の実績もある(「ラー」は 3人でも面白いです)ので、準備した作品ですね。単純に「競り」の要素のあるゲームが少なめだったのでというのもありました。
3人でも楽しめるという意味で「ヘックメック」を持ってきました。こちらは、普通に 4人でプレイされました。ダイスを振って出目の数字に応じて、タイルを取り得点を稼ぐという感じのゲームです。
他のプレイヤーのタイルが横取りできたり、同じ目は1回しか確保できなかったり、タイルを取るための条件があったりと、ひとつひとつのルールが悩ましさ、面白さを演出しているのではと思います。Kniziaの最近のダイスゲームでもこれは人気がありますね。
多人数のほうが面白いとか、少人数のほうが面白いとか意見は分かれますが、私は、3〜5人くらいの少人数をおすすめしています。
こちらは、7人対応で持ってきたのですが、プレイしたことがない方もいらっしゃったので 4人でプレイされました。いわゆる「うすのろ」系のゲームではありますが、ポイントはさりげなく終了を示すことにあります。
普通に話をしていても、何となく会話が上の空になったりとか、何かに気を取られているとうっかりしてしまったりとか、そんなことを楽しむ感じのゲームです。
ゲームの特性上、多めの人数のほうが面白いですね。ほかのゲームにはない、独特の空気感があります。
というわけで、時間は若干オーバーしましたが、おおよそ 8〜9ゲームくらいをプレイして終了となりました。終了後、撤収に多少手間取りましたが、恒例のカツもおいしくいただきました。
人数は少なくなってしまいましたが、恒例のイベントではあるのでまた次回もネタをためて企画していこうと思います。