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● 第1回クリスタルカップ決勝の観戦記 ●

 2006年12月2日、10月〜11月に実施したクリスタルカップの決勝戦が埼玉で開催されました。クローズオフは久しぶりになるでしょうか? 千葉予選は次点に終わってしまったため、観戦と速報をするためだけに会場入りしました。

 今回は、試合の様子を簡単に、クリスタルカップ全体のことも交えつつ紹介していこうと思います。


- 試合前 -

 今回は、プレイ参加はないものの時間通りにつくように移動しました。移動中はPSPで「いたストポータブル」ではなく、いたスト風のものをプレイしていました。

 プレイヤーとしては参加していなかったものの、速報用の機材はいろいろと持ってきました。とりあえず、W-ZERO3[es]にキーボードをつないでどんどん投稿するつもりだったので、USBキーボードを持ち込んだり、バッテリーを仕込んでおいたりしました。

 開会式は、初対戦の方もいらっしゃったりと言うことで自己紹介から。今回はサポートと言うよりもっぱら報道という感じでやっていました。この辺で、クリスタルカップ決勝戦のルールを紹介しましょう。

 基本的に、デフォルトルールを使用しています。ゴール条件はシリーズのルールにしたがい、空き地の制限はありません(改築は禁止ですが)。カジノは全シリーズ通して「スロットなし」です。

 開催マップは、予選/決勝ともに主催の選択したマップになります。順位はポイント制で、1位10点、2位6点、3位4点、4位2点、破産0点です。いわゆる関西ポイントで、「2位の価値が高くない」のが特徴になっています。破産させには +1点がつきます。

 ここまでは、前回のときの文章をそのまま引っ張ってきました。最終戦は 2戦の合計ポイントの合計の上位4名が、決勝戦に進出し、残りは5位決定戦になります。

 最終戦の条件は、ポイント順、破産させの少ない順の次に、優勝回数の多い順というタイブレーカーが増えました。直接対決の成績、総資産合計が続きます。

 最終戦の勝者が、総合優勝になります。8人クラスになると、順位構成次第では最終戦だけ勝利で、総合優勝がとれることもあるわけです。ルールのおさらいはこんな感じでしょうか。


- 本戦 -

●1戦目 日本列島(GK)

 1戦目はGKの日本列島です。今回は参加していませんが、ストリート紹介くらいは入れていこうと思います。

 いたスト2から登場のストリートで、数少ない25000G目標のマップです。文字通り日本列島をかたどった11エリアの大きなストリートです。メインランドとなる本州と四国は東日本、西日本の2つのブロックからなり、一周することでサラリーがもらえます。

 北海道、九州は飛び地になっていますが、マークがとれる飛び地で空き地もあり、軒数の多いエリアなので、買い物料を伸ばしやすい場所ではあります。25000G目標だからこそ生きてくる場所でしょう。距離も長く、エリアの優劣もあり、総合的な力が要求されるストリートではあります。

 2卓平行で見ていたのですが、B卓は早くから四国3軒+中国独占になって、展開が早くなるかと思われました。案の定というか、東北、中部の3軒ずつの交換が入り全体的に歩きにくくなる展開に。

 ここの交渉は、独占者からみればやっかいではありますが、「やらないと始まらない」クラスの交渉との認識です。そのくらい、回避不能のエリアが独占になるのは大きいのです。

 確か、中部が銀行手前の高い店を出すという条件で、東北のそれなりの店を引っ張っていき、東北側に差額 +200G を出した感じになりましたが、直後にサラリー+株買い+増資が東北に入ってしまいました。

 日本列島の早いうちは、増資あまりを確保することより、回避不能のお店が高くなる方が重要と思うので少なくとも差額のプラスマイナスは逆だったかと思います。

 増資エリアは3軒の四国にとり、ノーマーク160株の増資が入ったものの、その間に中国のマークが思いっきり入ってしまっていました。

 攻め方、結果論に次第なるかと思いますが、せっかくの攻めエリアがもったいないかと思ったりとか。四国終了後安めに 450Gの増資がはいり、しばらくそのままの状態。MAX増資が最初に入ったのは終盤にさしかかるところ、株数は 80程度に下がっていました。

 九州が3軒まで伸び、増資が入ったりちょっとずつですが場が動きつつありました。北海道は手つかずの状態で、中盤まで伸びたでしょうか? 中盤には、九州、北海道も4軒のラインに伸びています。これについては、5倍買いでしっかりとブロックが入り、高い買い物料のお店ができずにランニングゲームの展開に。

 結局、序盤のアドバンテージをそのまま持った形で逃げ切り勝ちでした。中盤以降手がない状態が続いていたのですが、ランニングゲームは簡単に予期できただけに、交渉がもうちょっと入ってもよさそうだったかもしれません。終盤の中国60株は全員で10株売りを入れられる場所だったかも。株価 60Gの下げ幅は 4〜5Gほどあり、全員で売れば -13G くらいでしょうか? 一方逃げる側は、もっと早めに中国の増資が入っていたら、ワンサイドゲームまであったかもしれません。

 A卓は、序盤こそまったりしていたものの、流動資産の少ないプレイヤーが東北、北海道、関東と北を押さえる展開になりました。東北+関東の組み合わせは鳴かず飛ばずになりやすいものの、潜在的な力は強いと思います。

 流動資産がたまるまで重い展開でしたが、北海道が火を噴き出し一気に走り出しました。それとともに交渉が入り、中部、東海が独占同士に。さらに、九州とゾーンになる北陸の3軒どうしの交換も入りました。直後に九州が5倍買いで伸び、戦犯かと思われる交渉になりましたが、これはコマ位置と条件次第だったかもしれません。

 確か、ほぼ等価条件だった覚えがあるので、そうなるといくらゾーンが張られているとはいえ九州有利だったかもしれません。ゲームを動かす姿勢は、十分評価すべきと思います。このあたりで、ラッキーセブンが出たものの、これが出ると勝てないとのジンクスがあったりとか。

 ゲームはだいぶ動き、上越独占、関東独占まで伸びたのですが、最後の最後は北海道の空増資、関東の一等地のいただきで目標金額付近まで来て、チャンス5番でサラリーゴール狙い。22番引きで勝負を決めた感じでした。

 序盤の資金繰りの厳しさがウソのように、中盤以降伸びたのが印象的ではありました。個人的に関東も評価は高いエリアではあるのですが、関東らしいいただき方をしたのではと思います。北海道ラッシュで一気に引き離し、交渉で歩きにくくするというあたりは、見ごたえのあるところだったと思います。

 1戦目終了は、14:00くらい。B卓は早く終わったのですが、全体的に時間が押すことになりました。実況の方も、B卓で一気に動きがあってからは比較的まったりしていたので、休憩を取りつつやっていました。途中、機材がフリーズして投稿できない時間があったりもしましたが。

●2戦目 雷平原(SP)

 2戦目は、いたストSPの雷平原です。3つのループと飛び地1つからなるマップで、マップの構造上よく通る場所とそうでない場所がはっきりと分かれています。クリスタルカップは通常のルールを使うと言うことで、同じループをぐるぐると回ることができます。

 そのため、早いうちから同じところをまわると3軒以上ができやすくなり、歩きにくくなるので他のところもと、連鎖的にお店が固まりやすいマップではあります。雷スイッチの買い物料増加もありますし、飛び地や空き地もあります。テクニカルなマップといえるでしょう。

 序盤は動きが少なく休憩ができると思ったら、大間違いでした。A卓に大きな動きがありました。空き店はまだ多く残っているところで、交通の要所となるサハギンが3軒に。2周目に入った直後に交点のお店を 990GのMAX増資。このお店に、1週目のサラリー前のプレイヤーが直撃し、1050Gの買い物料が。

 序盤から高い店ができれば、勝負せざるを得ない状況も出てくるわけで、さらに同じプレイヤーから2週目のサラリー直前も討ち取って、大きなリードになっていました。時を同じくして、銀行周りのエイロージュが独占。3人が3つのループを持ち合い、誰が破産させるかという感じになっていました。

 やはり、序盤で高いお店を作られたのでは動きにくく、エイロージュ独占のプレイヤーも周回できないうちにしっかり株を捕まれてしまいます。左ループのお店を大量に持っていたことがあり、流動資産が心許ない状態になっていたのです。

 右ループ所有者は、周回をにらみつつ地道に軒数を伸ばして増資していたのですが、ここでサハギンの交点に捕まってしまいました。このあたりで、サハギン所有者は飛び地に手を伸ばし、株を買った直後に73番で3軒目のお店のなる空き地に木の店を建設。ゲームを決めた形になりました。

 最終的に、この飛び地が猛威をふるい、大きな振り込みがあったりして、気がつけば1人をのぞいて全員が初期資産の 2000Gを割る展開に。最後は誰が破産するか分からない状態で、目標金額越えのゴールでした。うっかり、最初にサハギンに捕まって以来ほとんど総資産が 2000Gを超えなかったプレイヤーが2位でした。

 A卓については、ワンサイドゲームだったといえばそれまでですが、途中まで右エリアで地道に伸ばしていったのは惜しかったですね。まあ、株を押さえていないにしても 73番の事故までは読めないのかと思います。

 もったいないのは、エイロージュ所有者ですね。サハギンの伸びに対抗できるエリアは、ここか飛び地かというところで、流動資産切れで何もできないでいましたから。これは、選択と集中でサハギンの一等地を落とすことまで考える必要があったかもしれません。あれだけ壊れた展開で、エイロージュ3軒所有であれば、2倍売りはやむなしかも。

 エイロージュは交点にMAX増資をかけてゾーンを張ることや、500Gくらいまで買い物料を上げて地味に稼ぐことまで、いろいろと作戦はあったのではと思います。自株で持っていれば、相乗りはこの際関係ないレベルの店配置ですし、そうでもしないと厳しい展開だったはずですから。

 B卓ですが、こちらは3軒エリアがクサーリク、イエローゼリーのみと比較的まったりとした展開で中盤をむかえていました。飛び地のイクシオンが動き出してから、エイロージュが伸びて、クサーリクが伸びてとじょじょにゲームが動き出してきました。

 終盤は、エリアはできるものの株をがっちり捕まれていて攻めづらい展開に。その間にランニングゲームに入りました。ここで、次の試合のためにタイムリミットが入りました。そのせいか、一気に差を詰める必要があり勝負に出るプレイヤーが出てきました。ここで、大きないただきがあり目標金額突破、そのままぎりぎりでゴールインでした。

 中盤の展開の遅さと、そこまでで得たアドバンテージを株の相乗りに持っていき、時間切れに近い形で逃げ切りという展開でしたでしょうか。ここは、時間制限の関係も大きく影響していたかもしれません。

 17:40 ころに2戦目が終了しています。エリアがなかったとはいえ、3時間30分越えの長いゲームでした。

●3戦目 太陽系(GK)

 決勝戦は、太陽系です。GKの太陽系はしばらくオフでもお目見えしていなかったかもしれ戦。いたスト2から登場のストリートで、太陽系の惑星をエリア名にした10エリアのストリートです。惑星から除外されてしまった冥王星も含まれています。

 左半球に近い形状ではありますが、マークまでの距離が1マス遠い部分があることと、最大出目が7であること、分岐から遠いところに高いお店があることから、マークの集めにくさはこちらの方が格段に高いです。空き地が大量にあるのもこのストリートの特徴です。

 銀行から4〜7マスの位置に空き地があるため、1ターン目から空き地を狙えますし、銀行通過で株を買ってコンビニインサイダーも可能です。空き地に何を建てるかはGKの方が悩ましいですね。

 5位決定戦となったゾーンBから。こちらは、79番で早いうちに税務署が動いたものの、まったりとした展開になっていました。が、動物園の虎から買い物料が発生し、またもや初期資産割れが見られました。動物園とヘリポートのコンボは随所に見られましたね。

 中盤は3軒のエリアが立ち並び、サラリーがもらえないという、このマップらしい重苦しい展開に。しばらく2強2弱のもつれた展開でした。5倍買いなどが入り、終盤になって勝負が動き出し、早く終わると思っていた決勝卓を追い抜く展開になりました。

 最後は、増資チャンスゲットで目標金額突破後、ゴールしに銀行に向かったところで、2位のプレイヤーへ買い物料が流れ逆転。サラリーがあり、目標金額を割ることが困難と思われた状況で、銀行到着。サラリーでは、目標金額を下回ることも、追いつくこともできず、他のプレイヤーのところに「優勝」の文字が出ました。

 A卓の方はというと、早い段階でお店持ちでコンビニインサイダー成功をさせたプレイヤーがいたため、ワンサイドゲームの体制になるかと思われていました。

 中盤にさしかかるところ、トップは140株相乗りが入っていたものの、株の買い足しで 250株所有でMAX増資のチャンス。ここで、最下位と所有しているエリアの株を 90株でブロックし、MAX増資を取らず安め300Gの増資にとどまりました。

 変動率を確認していませんでしたが、5回の株買いがあれば 145% くらいになっているはずで、250株×14Gでも 3500Gの儲けが出たはずです。この 3000G の差は大きいと思いました(増資が決まっていれば、13000Gほどまで資産が伸びます)。

 交渉自体はなかったものの、店持ちプレイヤーが買いの株を押さえだしたため、他のプレイヤーもブロックに入り重苦しい展開に。他の3人がトップの株を交代で押さえ合う共同体制が組まれていたのです。気がつけば、297株増資を決められ、一気に横一線に並ばれました。

 実は、19:40くらいから、トップの総資産は 14000Gからほぼ変わらずに 20:25くらいまで経過しています。その間に、他のプレイヤーは5桁に乗せ、増資などで一気に追いついていたのです。

 その後、33番が出たりして 16500Gくらいで並ぶマッチレースに。ただ、残された時間はあとわずか。勝負に出てマーク回収にきたプレイヤーから 2600Gをもらい、直後に増資で連続収入をもらって一気に目標金額突破。時間ぎりぎりで銀行に滑り込み、結果的には逃げ切り勝ちになりました。

 このゲームのポイントは、250株増資を「取らず」というところでしょうか? そこからの3人の共同体制がすばらしかったと言うべきかもしれませんが、勝っている展開はそのまま押し切ってしまうのが一番と思います。最終盤は勝負に出ざるを得ない展開になりましたが、時間切れの関係があったのでしょうか? トップ狙いの策でしょうか?

 最終的に、予選、決勝を通して1勝で総合優勝という珍しい結果になりました。


 時間ぎりぎりになってしまいましたが、無事に閉会式まで終わりました。アフターもひさしぶりに焼き肉を堪能して、ゲームを全くしていないのに、ゲームをした感じになって帰途につきました。


- おまけ -

 ここでは、舞台裏中継と、クリスタルカップ全体のことを書きましょう。まずは舞台裏中継から。

●舞台裏中継

 ノートPCもなく、文字だけで状況を伝えるのはなかなかに大変でした。総資産のところは順番が決まった段階でエディタに書いておいて、簡単な状況とともに総資産を打ち込んで投稿という感じにしました。総資産が出ていない画面で長考したり、早く動いて数値が変わってしまったりとメモを取るのも大変ですね。

 写真投稿と平行してと思ったのですが、写真はちゃんと投稿用の体制を準備しておかないと無理と言うことも反映しました。すぐに投稿できるような状態(画素数)にして、手ぶれのない写真を撮って送るというのはテクニックを要します。

 テレビ画面をとるのに、移り込みを避けるためにフラッシュはNGです。走査線の速度もあり、シャッタースピードを速くすることはできません。となると一番怖いのは手ぶれです。文章か、写真かどちらかを犠牲にして投稿すべきでしょう。

 あと、バッテリーはものすごく食います。予備を持ってこなければ実現できなかったでしょう。通信のパケット代もかなりかかることが予想されます。まあ、私の機材では使い放題なので問題なしですが。

●クリスタルカップ全般

 予選の時に問題になった、順位調整ですがこれは得点形式を取っている以上は、避けようがない問題かもしれません。やるとすれば、予選通過順位で決勝にアドバンテージを与えるくらいでしょうか。8人クラスだと、展開次第で順位が大きく動くので、対戦相手の調整はあまり意味がないかもしれません。

 あとは 8人なら、3戦目は上位卓3人通過、下位卓1人通過という感じにしてもいいかもしれません。少なくとも変な2位狙いは少なくなるでしょう。この方法自体に問題があるかもしれないので、あくまでも参考程度にですが。

 決勝の、最終戦通過条件は現状の方式が妥当だと思いました。優勝条件も、今回は予選決勝で5連勝して優勝できないとか、1勝で優勝とかというのは見られましたが、これはこれでいいかと思います。2位の評価を低くしたいという考えからは意図せず外れてしまっているようですが。

 マップ選択についてですが、意図的に買い物料勝負のマップを抜いたとのことですが、時間のかかるマップが多すぎと言わざるを得ないでしょう。千葉予選も時間が押しましたし、埼玉もかなり遅くなったようです。決勝もぎりぎりの展開を余儀なくされています。

 マップ構成にもよりますが、予選、決勝のうちどれか1つくらいはいわゆる「時短マップ」があるといいのではと思います。現状の会場事情を見る限り、時間制限は厳しいと思われるため、時間切れのルールなど至急整備する必要がありそうです。今回、この処置のため展開が変わってしまったように見えた場面がありましたから。

 この人数、この得点方式だと、誰かにワンサイドゲームにされてしまったり、まともなゲームができなかったりすると、厳しいということは分かりました。得点システムは、大会の根幹をなすところで、手を入れにくいと思いますが、実施人数でシミュレートしてみる必要があるかもしれません。


 また、第2回があったら参加したいと思います。今度は、どんな大会になるか楽しみですね。


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