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● 第2回クリスタルカップ決勝戦のレポート ●

 2007年7月28日、第2回クリスタルカップの決勝戦がおこなわれました。3地区からの代表戦ということですが、参加人数の増加に伴い3卓での開催になりました。予選終了時点では見学参加と思われていたのですが、増枠効果で予選通過となったためプレイヤーとして参加してきました。

 いつも通りのレポートと大会が終わったので、全体的に気づいたことなどをまとめて書きましょう。


- 試合前 -

 ゲームレポートの前に、決勝戦のルールなどを。決勝戦も、ゲーム内のルールは予選会と同じです。空き地の改築は禁止、カジノは「スロットのみ」がデフォルトからの差分です。

 マップは、予選の要綱と一緒に決定しています。1戦目が摩天楼(GK)、2戦目がスペースコロニー(GK)、最終戦が左半球(GK)です。

 要綱には明記されていませんでしたが、決勝会のお知らせの所に制限時間が明記されていました。摩天楼が3時間、スペースコロニーが2時間30分、左半球は20:00で打ち切りという条件になっています。予選と同様、制限時間オーバーでの減点があり、30分オーバーで打ちきりです。

 最初の2戦は、予選会と同様のポイント制で順位を決めます。最終戦は、上位から順に卓が割り当てられます。最上位の卓の優勝者が、クリスタルカップの優勝者になります。

●1戦目 摩天楼(GK)

 決勝戦は、ちゃんとマップ紹介も交えて行きます。1戦目は「いたスト2」から登場の摩天楼です。

 いたスト2の特徴を活かした、2階建てのマップで2Fに銀行と5つのエリア、1Fに4つのエリアがあります。分岐がそれなりに多く、ルートの自由度が高いこと、周回が長いこと、1Fには高いお店が点在しており、全体的にお店価格が高いことなどが挙げられます。

 5軒エリアを含むので、38軒と店数が多く同じ所を回れたりもするので店も固まりやすい傾向にあります。周回によっては株が買いにくく、資金繰りも厳しいため序盤以下に抜け出すかもポイントですね。テクニカるんなまっぷで派ありますが、全体的に店価格が高くなると、一転して買い物料勝負になります。

 ここは、序盤からかなり荒れた展開になりました。スタート直後にいきなりマーク周りとなるサウスウエストを3軒にされ、強力なチャンスカードを立て続けに引かれ、資金繰りの厳しい状態を 33番で、2700Gの大きな売却益を出して解決し、かなりのパワープレイの展開になりました。

 本当に、中盤まで引くカード引くカード、エース級のものばかりでしたね。気がつけば、トップが 10000Gを超えた時点で、他のプレイヤーは4000〜5000Gくらいとかなりの差がついていました。

 が、このままで終わるほど決勝会は甘くありません。交渉で回すタイプのプレイヤーがそろっていたこともあり、無理を承知で、3軒、独占を作らせて歩けない体制にさせました。その間に、私が交通量の少ないノースウエストを4軒に伸ばし、店も豊富だったため勝負しやすい形になりました。

 銀行も3軒になっていましたし、弾かれてばかりで株もまともに買えないような展開だったのですが、ピンポイントの証券取引所で、ノースウエストを100株でスタート。5軒エリアのため株は伸びにくいものの、銀行周りとの事故を見越して、独占状態から一点張りの増資を開始。33番も28番も出ていたのですが、直どりの展開があったためです。

 トップもここまで固められると相乗りが追いつかず、自分も持ちエリアがないため自立いた展開になりました。勝負が混沌としたところで、銀行勝負に失敗し、その好きに買い物料収入でゴールインしました。

 交渉がきれいに入ったのと(1回は必ずしも必要とは言えませんでしたが、最後で生きる形になりましたし、歩きにククさせることは大きいでしょう)、ノースウエストの経営のタイミングが絶妙だったのが、勝因ですね。安全地帯を回れて、証券取引所が生きたのも大きかったかもしれません。

 交渉は多かったものの、ワンサイドゲームから交渉で手早く回したため、終了時間自体は早かったですね。他の卓も時間切れこそありませんでしたが、残り5分のきわどいゲームがありました。

 きわどいといえば、最後の交渉もかなりきわどかったですね。目標金額越えでゴールさせず延長戦を狙ったところで、2位確定でも突っ込むという発言が出て、結局お流れになったのですが、もう少し時間があったら結果が変わっていたかもしれませんね。

 あと、個人的には、2位確定発言はちとグレーかと思ったりとか。まあ、無理矢理ゴールさせない状況を作り出すのもグレーな交渉ではあるので、どっちもどっちかと思ったりもしますが。このあたりは、難しいところかもしれませんね。

●2戦目 スペースコロニー(GK)

 2戦目は、「いたストGK」からスペースコロニーです。上下ループのあるマップで、若干のルートどりの妙があります。後は基本的に回避不能な2エリアからなる飛び地が勝負を分けます。飛び地に入る率は高くないものの、全員集合のカードもあり、時には一発逆転の目も出てきたりするのです。

 ここは、飛び地の存在で周回の事故が起こりやすく、お店価格がそれなりに高くサラリーが安いため、2周目くらいまでは資金繰りが厳しいとされています。

 1周目は順調に周回していきましたが、いきなり独占エリアができるという波乱含みの幕開けです。銀行周りや、飛び地といった重要エリアではなく、ルートどりでどうにかなりますが、歩きにくくなったのにはまちがいありません。

 というところで、1周目の終わりの方で飛び地に捕まりました。誰も来ていない状態だったので空き地がとれればと思ったのですが、税務署を押さえて、安めの店を2軒ずつ買って出て行きました。銀行周りのガバメントエリアが 2軒になったのですが、ソユーズ狙いのシフトで強制売却で1軒に落としています。

 2周目がきわめて順調で他のプレイヤーが歩きにくい状態で、ガバメントエリアを 3軒に復旧。増資も成功し、いただきもあり、一人だけ資金に余裕がある展開になりました。あとは、タイムリーに外周に飛んで、農場ブロックを空き地なしの 3軒にしました。

 ここから、チャンスカードの波に載った感じです。資金不足でソユーズをスルーされたところで、05番で3軒目のソユーズをゲット。77番を引いたり、ワープを引いたりで、ガバメントエリア 4軒、農場ブロック 3軒、工業ブロック 3軒の固い体制になりました。

 一方で本土が都合よく、歩きにくい状態になったため、ガバメントエリアの収入が生きる形になりました。増資は飛び地から株数を少なめでもスタートし、あとははまるのを待つだけという状態になりました。

 一時鳴かず飛ばずの状態になり、トップが怪しいという場面もありましたが、それ以上に資金繰りがきついプレイヤーが出て、外周の独占店舗を 6倍程度で買い取る交渉が起こりました。勝負を分けるという意味では、必ずしも必要ではないわけですが(5倍買いすればよいので)、長引くと変なことが起こりそうだったので早めに交渉をまとめました。

 最終的には、外周がそまり、均等に増資が入り、ほぼどこに止まっても 1700Gクラスという状態になりました。ここに1人お客さんがきて、滞在している間に目標金額を超えゲームセットでした。

 ソユーズ3軒のあたりで、パターンに入った感じのゲームになりました。かたくなに交渉を蹴って固く進めるというのもあったわけですが、休憩時間のためにも勝負を急いで取りに行きました。プレイ時間は 90分とかからなかったのではと思います。

 スペースコロニーは、マップの特性もあって比較的早くゲームが終わりました。事故が起こりやすいのですが、周回は外周でできてしまうこともあり、比較的早く決着がつきやすいとされていますからね。

 私が2連勝したため、決勝のボーダーラインが下がりました。会場に着く前は「14点」だと推測していたのですが、12点の総資産勝負まで下がることになりました。結果的に1戦目最下位でも決勝進出の目が見えてよかったと思います。逆に言うと、3卓が限度という感じもしています。

●3戦目 左半球(GK)

 決勝戦は、実は前回はあえて登場させなかったといういわく付きの「左半球」です。初代いたストからのマップですね。ゲーム内で最も正当派といわれているマップで、ルートの自由度が高めです。株が買いやすいことと、高いお店を避けやすいことから、株勝負というこのゲームの醍醐味が味わえます。

 序盤から、店の持ち合いになりかなりまったりとした展開になりました。東南アジアは早めに 3軒になったものの、全員がきれいに 99株を相乗りするという状態になり、増資を見合わせることに。5回買えば変動率は 1.4 を超えるくらいに。逆に増資見合わせをすると、イヤな感じで 20〜30株を全員で残す形になりますね。

 本当に中盤までは、目立ったエリアがなく、私がインドを3軒に伸ばすも、79番で崩されてしまい 2軒に落ちてしまいました。自分の3軒を狙わずに崩す方に向かうのもこのマップらしい動きかもしれません。

 79番で崩されたりもあり、中盤までは資金が豊富でしたが、相乗りもひどく有力なエリアは変動率が下がっている状態でした。交渉もあまり積極的には動かず、中近東の高めの1軒も、1等地は大事という理論から放出しませんでした。5倍買いは 3000G近くかかるところを、5倍買い可能なインドの交換交渉には出せなかったですね。

 フランスの3軒も思うように伸びなかったので、安全周回を周り 15000Gくらいまで伸ばしましたが、ここから独占交渉も織り交ぜた動きがあり、雲行きが怪しくなってきました。気がつくと、東南アジア、エジプト、ロシア、インドとそれぞれが独占エリアを持つ展開に。こうなってくると変動率勝負になるので、客足を見て勝負に出ました。

 マーク狙いのロシアルートを取り安全に抜ければ(収入が期待できたので、安め1回でも)、サラリーゴールという状況にしました。これで一気にゲームが動き、このマップらしくない直撃狙いの空だきが始まりました。

 狙い通りにロシアを抜け、サラリーでぎりぎりゴールができそうな状態になったものの、ここで勝負を分ける展開が。独占のエジプトの一等地に空増資が入り、直撃で目標突破の展開に、ここでエジプト所有者は東南アジアとのゾーンに阻まれ、サラリーゴールが濃厚になる 550Gの振り込み。

 そして、問題のターン。「1」が出ると直撃で大逆転、それ以外はサラリーの金額次第、後で数えたら「6」はゾーンで 1242Gの確定振り込みでした。出た目はなんと「1」で勝負が決まりました。

 最後の最後は、非常に暑い幕切れですが、かなりいい勝負ができたのではと思います。実質 80% は勝てる展開でしたし、こういう事故は起こりうるものなのであまり悔いはありません。いつぞやの関東オフで、総合優勝を破産させを取られて逃すというのもありましたからね。

 まったりした展開で、かなりの熱戦になったため時間がかかりましたが、時間の貯金があったため最後までプレイすることができました。まあ、勝負に出た時点でゲーム終了はかなり時間の問題だったわけですが。


 閉会式も終わり、アフターは埼玉予選に引き続き肉にしました。前回パンドラの箱を開けてしまったがために、今回ももう1人道連れをつれてやってしまいました。堪能しました。


- 第2回 クリスタルカップの総括 -

 というわけで、今回は予選3箇所と、決勝戦をフルタイムで参加してきました。一通り見て気づいたことなどをいろいろと挙げておきましょう。

・時間制限ルール
 今回の目玉となる時間制限についてですが、運営上はかなりよく機能したのではと思います。時間が切られることで、ちょっとでも早くプレイしようという流れにつながりますからね。

 ポイント減点についてですが、全27戦で減点が1ゲーム、時間ぎりぎりが 2ゲームくらいだったでしょうか。減点の1ゲームについては当事者でもあったわけですが、生き残るために交渉が必須な状況になってしまったのが原因です。

 勝負には影響しないだろうと予測していた減点は、増枠などの要因で救済されたものの、決勝進出条件に大きく影響していました。

 減点の問題については、破産しそうな時に遅延行為をした方が被害が少なくなるということまでは、打ち合わせの時に気づいていましたが、さすがにそんなことをするプレイヤーはいないだろうということで、意見を出しませんでした。

 まずいことになると思ったのは、予選直前に通過条件のシミュレーションをしたときでした。計算すると、時間切れがなければという条件がつきまとうことになったのです。飛空挺は長時間マップとして名高いので時間切れの可能性があると思われましたが。

 代案を出すなら、順位決定の時に「勝利数の次」くらいの影響範囲に落とすべきですね。30分多く取って「打ち切り」のみでいいかもしれません。打ち切られると、総資産勝負でも不利になりますから。

・決勝通過人数
 今回は、3会場で実施され、割り当て人数が千葉、埼玉が3ずつ、横浜が2となりました(規定人数の 16人に達したため、後に 4人に増えましたが)。ふたを開けると、千葉が8人、横浜が6人、埼玉が 6人という結果に(埼玉は、決勝解散か表明をしていなかったため、推定人数です)。

 参戦状況は戦略的に選ぶというより、個々人のスケジュールに依存するので、会場ごとに人数枠を割り当てるより、決勝会への参加表明人数で均等分配した方がいいと思いました。まあ、各地区の代表 1人は必要になりますが。

・予選ごとの運営の差
 微妙な差は、会場・地域の特殊性ということでいいと思いますが、しっかり決めておくところは決めておいた方がいいでしょう。

 対戦組み合わせは、当日くじ引き(横浜)と、事前決定当日発表(千葉・埼玉)に分かれました。どちらにも一長一短がありますが、幹事もプレイヤーとして参加する可能性が大いにあるため、事前決定なら、組み合わせも事前公開すべきでしょう。事前決定は、くじ引きの手間が省けるため、5分くらい時間短縮の効果がありますね。

 参加表明は、千葉、横浜では、ルール説明後、1戦目開始直前に、一斉に手を挙げてもらう形で実施しています。埼玉では実施しませんでした。埼玉は最終予選なので参加表明の意味はあまりないのですが、通過条件の兼ね合いもあるので、念のため意思表明は取るべきでしょう。

 ちなみに、意思表明の影響を受けたのは私も含め数名ですが、複数参加できると有利なのでシステム自体は維持すべきかと思います。

 時間が余ったときですが、エキシビジョンをせず、観戦に集中するという運営になっていました。なお、他の卓の影響についてですが、意外にも広い会場ほど大きく影響を受けた気がします。いまならピクトチャットがあるので、その辺を使ってというのがいい感じがします。

・マップの選定
 毎回難しいと思いますが、決勝の GKマップ 3つはちょっと偏りすぎと思っています。GKは対人戦では処理が軽く時間がかかりにくいとされていますが、少なくても SPマップを 1つ入れるくらいは欲しいかと思っていたり。

 思いつくところでは、そんなところでしょうか。意見を述べましたが、予選のマップ選択とか、通過条件の妙は今回かなり洗練されたと思います。交流戦というのを意識して、という話がありましたが、3会場になったことで多少は、そういった側面も出てきたのではと思います。


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