2006年5月28日、アナログゲームオフの翌日、いたストポータブル発売直後の日曜に、いたストオフポータブルが開催されました。PSP版限定という非常に珍しい企画です。
今回は、PSP版の通信対戦のことも交えながらレポートしていきたいと思います。なかなか、対人通信対戦をするのは大変ですから、この文章が参考になればと思っています。
今回は、前日からの連続イベントだったわけですが、あまりにも荷物が多かったためいったん帰宅しました。日帰りオフと同じなので、飲み物を仕込むことに成功しましたが、起きるのが遅く出発も遅めになってしまいました。
到着すると、すでに何人かがPSPを出していました。傍目でみると誰と誰が対戦しているかが分かりにくいのが特徴ですね。じつは、対人戦ではなくCPU戦を進めていたというはなしだったりするわけですが。
本戦前に、いろいろとテストを行ったりしていますが、せっかくなのでそのあたりはレポートの終わりにまとめて書きます。今回は、マップはすでに決定済みで、組み合わせ抽選だけ行って、軽く席を移動してゲームスタートでした。
1戦目はDQ8から登場の「聖風の谷」です。実は原作は、とあるところまで進んで満足してしまい、そこまで進めていなかったりとか。ちゃんと三角谷まで進めたいところではあるのですけどね。
マップの紹介もやりましょう。銀行を中心とした横に4つのループからなるマップで、各ループにマークが1つずつあります。両端のループはぐるぐると回れず、真ん中の2つのループは銀行通過で同じループには入れないようになっています。といっても、8の字に回ることは可能です。
全体的な特徴として、銀行周りのループのお店価格が極端に安いことです。あの、バーチャルを超える株価 4G のエリアを始め、4G - 5G - 5G - 6G と、このエリア数のマップにしては破格の安さになっています。外側は、9〜12G とそれなりの株価ですが、長いマップの割に、初期所持金 1500G があまり少なく感じないのです。
銀行周りを比較的ぐるぐると回りやすいのと、両端のループにある大砲のおかげで、それなりにルート自由度が高く感じられるマップです。なお、今回は大砲の移動先にあるマークだけは回収できるようになりました。
店状況で貧富の差があったのと、足が遅く周回が遅いことがあったものの結果的に銀行周りを取る展開になりました。逆に言えば十分なインサイダーエリアがなく、相乗りだよりということになりますね。
このマップで特徴的なチャンスカードといえば、移動系カードもさることながら、47番(パルプンテ)と80番(建設ラッシュ)でしょう。今回のパルプンテは、紙の店がわらの店(買い物料 50G)にあがる効果と、わらの店が紙の店に下がる効果がありますが、下がるほうがかなり強烈です。
わらの店の、買い物料が 15〜18G くらいまで落ち込みます。今回はお店の持ち方の兼ね合いでかなりひどいことになりました。160株所有のエリアに対して 3軒が値下がりし、株価がなんと 6G も下がりました。おおよそ 6000G くらいの時点で -960G はかなり大きいですね。
程なくして出た建設ラッシュも、このマップでは大きな意味を持ちます。銀行周りの株価が 4G 〜 6G のエリアに対して、押さえた 1軒に当たるとかなり有力な防衛増資になります。普通に防衛増資しても 150G 程度にしかならないお店価格が、場所によって 280G くらいまで上がりますね。
このカードが出ていない時点で、銀行周りに対しては、早めの 5倍買いをおすすめします。そして、状況によってはあまりにも安いお店の防衛増資はしないほうが得になる可能性もあるわけです。さらに、値上がりの時の株価上昇もそれなりにあるので、株を持っておいて損はないでしょう。
外エリアを取って、周回を重ねたプレイヤーが丁寧に相乗りをしていき、かなり重い展開になりました。有力なエリアを持っていたので、2回相乗りということになり、仕方なく 10株売りを繰り返すことに。あとは、店状況に恵まれず、交通の要所を押さえきれなかったのが大きいですね。
これが最後のサラリーといっていたにもかかわらず、チャンスカードと大砲で 2回余計にサラリーが入り、ランニングゲームで逃げ切られました。
とはいうものの、私は交通の要所となる銀行周りの2エリアを独占しており、買い物料収入で 2位になっていました。あれだけ丁寧に相乗りされても、目標金額近くまで伸びるということもあり、危険なエリアには間違いないようです。
交通の要所となる、守り人の集落とがけの洞くつの2エリアはかなり強いです。その中でも初期株価 4G の割に通行頻度の高い場所のお店価格が若干高く、力づくで独占に持ち込みやすい、守り人の集落は、要注意のエリアのひとつでしょう。
増資あまりはたかがしれていますが、回避不能の場所に 1000G クラスのゾーンができるのはかなり強力です。ここを押さえられたら、銀行周りの他のエリアを交渉でまとめて、買い物料勝負に持ち込ませるなどが必要になってきそうです。
なお、マップの構造からもおわかりの通り、上級者の対人戦では株のつかみ合いが起こり、長期戦になりやすいマップと思われます。私のところは 2時間30分くらいで終わりましたが、もう一つのテーブルは 4時間 30分ゲームになりました。
マップ自体は面白い構造なものの、全体的なお店価格の安さが長期戦を招いていると思います。銀行周りがもう少し高く、5倍買いしにくいエリアになれば、また話は違ってきたのかもしれません。
2戦目は、FF6から登場のオペラ劇場です。こちらは、原作もクリアしています。比較的早い時期に出てくるイベントでしたね。
全10エリアの広いストリートです。銀行から2エリアずつ伸びる長い直線と、3エリアずつからなる上下 2つのループから構成されており、上側、下側のどちらかのループを通れば賞金がもらえるという算段です。変形スイッチがあり、通路が上側のループにつながるか、下側のループにつながるかが変わります。
ルートの自由度はループ中に上下に行けるかどうかくらいなのでそれほど高くはありません。通路がつながっている場合ループから強制排出されます。逆に言えば、スイッチをタイミング悪く踏まれるといつまでたってもループから出られません。救済処置として大砲マスはありますが、事故が起こる可能性もはらんでいます。
こちらは、序盤はあまりお店が買えませんでしたが、比較的店数に余裕があるストリートなのでそれほど痛くはありません。24番と33番で流動資産を大きく稼いでいました。そうなると、2軒を増資して、株を押さえる展開になりますね。
6軒エリアが 5軒まで伸びたり、2軒で330株といった怪しい展開になりますが、こちらは株の押さえなどでなんとかなっていました。が、さすがにエリア数が多いと押さえきれずにノーマークの株でのインサイダーが走ったりしてトップ争いが混沌としてきました。
こちらも、交通の要所となる銀行周りを 5倍買いで 3軒に伸ばし、インサイダーと相乗りで 2人同時に目標金額に突破、コマ位置の関係で徒競走ではかなり有利な状態にありました。
ここで、ひさしぶりにトップ阻止の独占交渉がピンポイントに入りました。次のチャンスで勝利するまで現金を出して、独占となるお店を出すというもので、ここまで煮詰まっていないと成立しないようなそんな感じでした。
交渉成立、阻止増資、いただきときれいに決められて目標金額を割り込みゲーム延長になりました。交渉した本人は、大砲で優勝の可能性があったものの、株を撤収し忘れて目標金額を割り込むという事態に。結果論からいうと、独占交渉のせいで支払いが高く目標を割り込んでいたのですが、交渉としては惜しいところですね。
賞金確定ではあったので、銀行を通過した瞬間に目標突破に復帰。自分の株を買って 5倍買いで独占をかけ、、楽々で目標突破するくらいまで伸びました。延長戦により、全員が目標金額に到達する徒競走の展開になりました。
こうなると、大砲は強いですし、チャンスカードの 53番や 57番、飛空挺乗り場には YOU WIN と書いてあります。大砲で一気に銀行 5マス前まで詰めて徒競走に有利な展開に持ち込んだものの、2ターン連続の 1 で出足が鈍っている間に、私がチャンスカード 5番で銀行となりに止まり事実上のリーチをかけました。
その後ちょうど 3を振り、ウソ優勝がみられたわけですが、徒競走でこれだけ分からない展開も珍しいですね。うっかり独占と大インサイダーで総資産を上げていたのでウソ2位での終了でした。
前の試合もそうでしたが、この試合も隣の卓は若干長期戦になっていました。といっても、つかみ合いになりにくいマップなので、3時間くらいで納まったでしょうか。
流動資産が一気に増えるカードや、83番(バシルーラ)、96番(自分以外の誰かのところに緊急集合)など、コマ位置で事故が起こりやすいカードや、37番(お店価格 30%アップ)、84番(メテオ)といったお店価格で事故が起こりやすいもの、81番(メダパニ) も入っていたりします。チャンスが引かれる機会はそれなりに多いのです。
展開として、荒れやすいといえば荒れやすいのですが、個人的には対人戦でも十二分に楽しめるストリートだと思います。買い物料勝負の面もあるので、交渉の計算もしやすい場所ではありますね。
3戦目は、舞台自体は2度目の登場となる「世界樹(P)」です。DQ4が出展ということでいいのでしょうか? アイテムとしての「世界樹の葉」はDQ2からの登場ですね。まあ、DQ1では存在しても使えないアイテムですから。
全8エリアのストリートで馬車をモチーフにした形のマップです。車輪に当たるリバーサイドと、ブランカ、エンドールのループがあるためそれなりに移動の自由度は高いと思われます。全般的に通行頻度の高いところはお店価格が安く、3つの 5軒エリアも特徴的です。
今回は、18:00 過ぎからのスタートということでクイック設定でプレイしました。最初から目標金額の半分の所持金を持った状態でスタートするという、驚きの設定です。このマップの場合 10000G を持った状態でスタートです。当然のごとく、全員クイック設定での対人戦は初めてです。
このマップの場合、ルートの自由度が高く、お店価格も高いということもあり壮絶な店の取り合いが始まりました。100G くらいのお店は買われてもすぐに 5倍買いが可能ですからね。私は、いきなり 79番を引いてしまい、処遇に困ってしまいました。
賞金を無視するとそれなりに銀行を通過できることから、株の取り合いが横行しました。あと、このマップの場合有力エリアとそうでないエリアが分かれているのですが、通行頻度が低く増資あまりだけ多いエリアは、かなり使いにくくなるという実情もあります。
インサイダー株をみんなで押さえあったこともあり、多少の有利不利はあったものの、全員が勝負になるような展開にはなりました。が、やはりここでも株価 4G エリア、バトランドが最終的に 5倍買いで独占まで伸びて勝負を決めるエリアになってしまいました。交通の要所のエリアの割に、最終的に独占になりやすいですからね。
クイック設定といいつつ、プレイ時間は 2時間程度とあまりクイックではありませんでした。参加者からは、微妙な評価でしたが、どちらかといえばマップとの兼ね合いの問題かもしれません。クイック設定向きのマップもあると思うので、ぜひ探してみてはいかがでしょうか。
今回は、ぎりぎりまでプレイしていたので終了後は特に何もありませんでした。PSPでの対戦ということで、撤収作業が簡単なのがいいですね。次回予告などが軽くあったりして、閉幕となりました。
というわけで、今回のオフのレポートはここまでなのですが、せっかく PSPを使った対戦をやったので、通信対戦の感覚などを紹介しましょう。
というわけで、通信対戦のことをいろいろとまとめてみましょう。
・PSPは4台必要なの?
一番気になるのは、PSPの台数でしょう。対人戦といえども 4台が集まる機会というのは難しいですからね。結論から行くと、3台以下でも大丈夫です。
主催者側で、必要な台数が入ったところで○ボタンを押し、その後でプレイ人数を選択すればOKです。PSPの液晶は視野角も広くきれいなので、2台で 2人ずつというのも可能と思われます。もちろん、PSPの台数は多ければ多いに越したことはありません。
・通信のタイムラグは?
実際にやってみた感じ、それほど気になりませんでした。ターン開始時にデータ送信をして整合性を取っています。実際のターンでは、プレイしているPSPから若干の遅延があって、他のPSPに通信されます。そのため、待っているプレイヤーからすると、予知能力があるかのように見える場合があります。
タイムラグがあるとすれば、競売の時でしょうか。1秒くらいずれる可能性があるので、残り時間に余裕があるうちにボタンを押す必要があります。うっかり連打しないように気をつけましょう。
PSPの台数は、2台〜4台のどれでもタイムラグは変わらないような気がしました。もちろん 1台では通信しないので、タイムラグはありません。
・通信が切れてしまったら?
何らかの原因で通信が切れた場合、整合性チェックが入ります。数秒から1分程度かかる場合がありますが、復旧できれば、そのままゲームが再開されます。
ターンの途中で通信エラーが出たときは、ターンの頭から再開になります。振ったサイコロの目は変わらないようですが、ターンの頭からなので、移動ルートや株を売るコマンドなどのやり直しはできてしまいます。対人戦の場合は、そのままの行動で復旧というのが望ましいでしょう。
整合性チェックで復旧できなかった場合、そのマシンは使用不能になり、代わりに主催者のマシンで操作するか、リリーフを送ることになります(この選択は、主催者マシンでできるそうです)。万一のことがあっても、縮退状態で動作するのは心強いですね。
今回は例がなかったのですが、主催者のマシンにトラブルがあった場合は、さすがに復旧できないかと思います。通信が全くだめになっても全部主催者のマシンに移動するだけですから、本体のトラブルがあったときくらいでしょう。
こちらも試していませんが、PSPは電池切れになっても、スリープモードで落ちる仕様になっているので、ACアダプターを差して電源を入れれば復旧可能かもしれません。
無線通信のアンテナ付近を手でふさいでしまうと、通信エラーが発生しやすくなるようです。また、通信対戦のデータセーブはできませんので、ご注意ください。
・プレイデータはどうなるの?
基本的に、データといたスト賞は、主催者のマシンに記録されます。ただしコインだけは、参加者にも割り振られます。通信対戦はフリー対戦よりもらえる枚数が多いですね。
・携帯ゲーム機の対戦ってどんな感じなの?
通信対戦でも 4台そろえば、プレイ感覚は据え置きゲーム機の対戦とほとんど変わりません。同じ「場」を共有しているということもあり、他のジャンルのゲームとくらべて、明らかにプレイ中の会話もしやすいですね。傍目でみると、何をしているか分からないという点はあるかもしれません。
今回は、1戦目は、席を移動して同じ卓でまとまってプレイしましたが、2戦目は席を移動せずに、2卓入り乱れてのプレイになりました。対戦相手がはっきりと分かっているので、そんなに混乱はなかったですね。
余談ですが、1台を 4人で回すとなると間が持たないというのを別のゲームで経験しています。対人戦をするのであれば、2台以上欲しいところですね。
・通信対戦の出来は?
予想よりもいいと思います。設定でプレイ速度を早く設定できるというのもありますが、通信対戦と感じさせないような、きわめて自然な作りになっているのに好感が持てます。
ソフトよりも、ハードの問題ではありますが、バッテリーが持たないという点だけが残念なところです。プレイ時間からいって屋外でというより、部屋の中でという感じになるでしょうから、バッテリー充電手段は常にあった方がいいかと思います。