今回は早めに新作のゲームのらくがきをお送りします。とはいえ、更新前日の夜に書き出しているので簡単にルールの部分とデザイナーズノートでも。バリエーションルールは割愛します。
プレイ人数は 2〜4人、プレイ時間は 15分程度です。
同じ仲間の動物をつなげていきましょう。
さまざまな場所に住む、いろいろな種類の動物カードが配られ、周りの状況を見ながら、同じ場所、同じ種類の動物をつなげていきます。つながらずに、はぐれてしまった動物には食料を支払う必要があります。食料をできるだけ多く残すのが目的です。
このゲームに入っているものは、以下の通りです。
・動物カード 24枚
・食料チップ 40枚
1点 8枚
2点 8枚
5点 4枚
10点 8枚
20点 8枚
50点 4枚
・リファレンスシート 4枚
・マニュアル 1枚
手札に配られた動物カードを、同じ仲間(グループ)をつなげて出していきます。出せるカードがない場合、その動物ははぐれてしまいます。
全員が配られたカードをすべて使い切ったら、はぐれた動物について食料を支払っていきます。このとき同じ場所に住む動物がたくさんいると、余計に食料を消費します。これを何回か繰り返し、最終的に最も食料が残ったプレイヤーが勝者となります。
各プレイヤーに食料チップを 70点分配ります。
動物カード 24枚ををよくシャッフルし、各プレイヤーに、2人の場合は 10枚、3人の場合は 8枚、4人の場合は 6枚ずつ配ります。2人の場合、余った4枚のカードは裏向きのまま脇によけておきます。
「ネズミ(森の2)」を持っているプレイヤーが最初のプレイヤーとなり、そのカードをテーブル中央(場と呼びます)に出します。
2人のときに「ネズミ」を持っているプレイヤーがいない場合、「マングース(サバンナの2)」「リス(山の2)」「ホッキョクウサギ(雪原の2)」「タカ(森の3)」の順で持っているかどうかを確認します。該当するカードを持っているプレイヤーが、最初のプレイヤーとなり、そのカードをテーブル中央に出します。
カードを出したプレイヤーの左隣のプレイヤーから、時計回りに自分のターンを行います。自分のターンにできることは次の2つのうちどちらかです。
1. 場に動物カードを出す
手札に、場の一番上のカードと、同じ地域、または、同じ数字のカード(同じグループのカードと呼びます)があれば、該当するカードのうち 1枚を、場の一番上に、表向きに重ねて出すことができます。
2. 自分の前に裏向きに動物カードを出す
手札の中に同じグループのカードがない、もしくは出したくない場合には、手札から好きな動物カード1枚を自分の前に裏向きして出します。この方法で出された動物カードを「はぐれた動物」と呼びます。
自分のターンが終了したら、左隣のプレイヤーにターンが移ります。これを全員の手札がなくなるまで繰り返します。
全員が手札のカードを出し終わったらラウンドが終了し、「はぐれた動物」について食料の支払いを計算します。
・支払いの計算
「はぐれた動物」の数字の合計だけ食料を支払います。同じ地域の動物カードが 2枚以上ある場合、2枚目から1枚につき 10点を追加します。
・パーフェクトボーナス
手札の動物カードをすべて出したプレイヤーは、パーフェクトボーナスとして、そのラウンドで支払われた食料を獲得します。複数人がすべて出した場合は、獲得する食料は山分け(端数切り捨て)になります。手持ちの食料が、最初に配られた食料(基本ルールは 70点)を超えた場合、超過分はストックに戻します。
・支払い免除
パーフェクトボーナスが発生しなかった場合、食料の支払いが最も少ないプレイヤーは、食料を支払わずにすみます。最小のプレイヤーが複数いる場合、該当するプレイヤー全員が支払い免除となります。それ以外のプレイヤーは、必要な食料をストックに支払います。
例1:
Aさんのはぐれた動物は、「ホッキョクオオカミ(雪原の4)」で4点。
Bさんのはぐれた動物は、「ホッキョクウサギ(雪原の2)」と「セイウチ(雪原の6)」で18点。
Cさんのはぐれた動物は、「マングース(サバンナの2)」と「バイソン(山の8)で10点。
Dさんのはぐれた動物は、「キツネ(森の4)」「ゾウ(森の9)」「トラ(森の10)」「オオカミ(山の4)」で47点。
Aさんが支払い免除となり、そのほかの 3人は必要な食料をストックに支払います。
例2:
Aさんのはぐれた動物は、「タカ(森の3)」で3点。
Bさんのはぐれた動物は、「ワシ(山の3)」と「ヤギ(山の5)」で18点。
CさんとDさんは、すべての動物を出し切りました。
Aさんが 3点、Bさんが18点を支払います。そのあとで、21点をパーフェクトボーナスとして CさんとDさんで山分けし、それぞれ 10点ずつ獲得します。あまった 1点はストックに支払います。
・食糧不足
必要な食料が足りない場合、払える分だけすべてを支払います。パーフェクトボーナスが発生した場合でも、不足分はもらえません。
・次のラウンド
誰かの食料が 0 になった時点でゲームが終了します。全員の食料が残っている場合は、次のラウンドに進みます。
誰かの食料が 0 になった時点で、ゲームが終了します。このときに持っている食料が最も多いプレイヤーが勝者となります。同点の場合は、引き分けです。
恒例のデザイナーズノートです。説明書にも書かないので、ここだけの話になります。
昨年「アニマル トレイル」という大富豪ベースの作品を作りました。頒布数こそ少なかったものの、これまであまりやってこなかった、簡単なゲームをベースにした作品ということで、秋向けにシリーズ化したいと考えていました。
さらに、今年春のゲームマーケットでカード24枚「ダンジョン オーダー」を作ってみて、24枚でできそうな作品なら比較的負担も小さくできるのではと思っていました。
そのあたりから、ベースとなるネタを探して作ってみようと思ったのがきっかけです。
まちづくりファミリーは「シティー プラン」「シティー ビジョン」「シティー ブロック」と同じまちづくりがテーマで、様々なジャンルのゲームを作るという試みですが、どちらかといえばゲーマー向けのゲームを想定しています。
こちらのアニマルファミリーは、動物と食料をテーマにしています。ジャンルは問いませんが、テーマ的に幅広く楽しめるように、比較的簡単な作品を想定しています。動物は味付け程度なので、厳密な生態を動向というより雰囲気付けの要素が強いかもしれません。
ベースとなる作品はカード24枚ということもあり、かなり苦労しました。最初はトリックテイキングを考えていたのですが、ゲーム的に今ひとつ難しいところがあって別の方向性に手を広げていました。
今回は、天九牌の「長天」をベースにしてみました。ドミノのような牌をつかったチップを使うゲームで、牌が出せない場合は失点になるというところは共通です。得点計算が差分を支払うサイド計算で複雑だったことや、牌の種類に癖があり、このあたりをわかりやすく変えるところから始めました。
出せるカードはわかりやすく、UNOやアメリカンページワンのように同じスート、または、同じ数字にしてみました。セルフテストではメダルゲームの What if などにも通ずるところがあるかもしれません。このあたりがベースになっています。
最初は 3スート8枚ずつや、4スート 6枚ずつ、5スートで 5枚と4枚と考えてみたのですが、3スートや 4スートだとつながりすぎる、5スートだと微妙につながらなさすぎる状態になっていました。
ここでひとひねりを入れて、4スートでカード構成をわざとアンバランスにしてみました。最初は枚数のみを調整し、数字は小さい方から振っていったのですが、枚数の多いスートが出しにくくなることから、数字の割り振りを変えてみました。
カード構成は 8枚、7枚、5枚、4枚で数字構成を変えて、スート間のつながりを多少とりながら散らしていくことで、パーフェクトはあまり出ないようなバランスに調整しました。
この時点で、ゲームになるかならないかの判断をしたかったので、仮の得点計算ルールをつけてテストプレイへ。
得点計算は、パスをしたときのカードによって、追加のルールをつけていたのですが、全体のプレイ感が重くなりました。2回くらいテストプレイして、数字と同じスートのカードで決めればいいのではというコメントをもらって、プレイしたところ全体的な感覚も軽くなり、これで行けそうだという感じになりました。
ここから、計算を簡単にするため同スートのペナルティーを 2枚以降 10点ずつに変更しました。小さい数字ほどパスに使われやすいのを逆手にとって、スート数の少ないカードに大きい数字を持っていっています。これにより小さい失点を避けようとするとカードが出しにくくなるようにしています。
何回かこのルールでプレイして、逆転しにくいところと、得点が 0点近くまで減ってしまうと、ちょっと削られただけで終了してしまうので、この2点をパーフェクトボーナスと支払い免除のルールで補っています。
カードを配るゲームなので、どうしようもないときはどうしようもないのですが、うまく切り抜ける楽しみはあるかと思います。あとは、支払い免除のルールが入ったのでうまくすると、自分以外の全員のカードが出せない状態で、意図的にパスをして他のプレイヤーの支払いを増やすというテクニックもあります。
ここでは割愛していますが、バリエーションルールでは、得点計算のルールをちょっと追加/変更して 4ラウンド固定のゲームにしています。こちらは終盤になると失点が大きくなるようにできているので、逆転の要素も大いにあります。
今回も、動物がテーマということで、ここの想定読者を置いてきぼりにした部分でも。
今回は時間の都合で、写真ではあるのですが、それなりに選定していますし「アニマル トレイル」に登場した動物も別の写真を用意しています。前回は生息地を意識せずに選んだのですが、今回はグループの要素があるので生息地もそれなりに意識しています。
24種類の動物ですが、ざっくりとアジア(森)、アフリカサバンナ(サバンナ)、北アメリカの山脈(山)、北極圏(雪原)という地域に分けています。
「アニマル トレイル」で登場したものは基本線でできるだけ残すようにして、そこから 14種類を増やす方向にしています。さすがに「遠吠え」はテーマと合わなかったため外していますが。
数字別には、2は小動物、3は鳥類、4はイヌ科、5は偶蹄目、6は水棲動物、7はクマ、8はウシ、9は大型草食動物、10は大型肉食動物という割り振りです。数字が先で動物をあとで当てはめたので、いろいろと無理があるかもしれませんが、それとなくグループらしいところが出ていればと思っていたりとか。
今回の作品も、それとなくシリーズ化していますが、「アニマル トレイル」の在庫も結構あるので、どこまで需要があるのかあまり読めません。作りたいものを作りたいときに作っているのでこんなこともありますが、秋向けにうまくファミリーを増やしたいと思っていたりとか。
あとは、一歩踏み込んで特定の層を狙ってみるという方向性もあるのかもしれません。いいネタが思いつけばというところはあります。
今回は、実作業があまり進んでいない段階でのゲームのらくがきでした。物作りはここからが本番です。