今回は、初の試みとして絶賛調整中の「シティー・プラン」の内容の紹介をやりたいと思います。普段は、ルールもほぼ固まって、コンポーネントも決って、あとは微調整というところで紹介しているのですが、今回は、それより前の段階での紹介になります。
「ことばであそぼ」以来のカードゲームになります。今回のテーマは、都市づくりのゲームで、去年からずっと考えていたものが、ここへ来てようやく形になったという感じですね。
メインとしては、限られた資源の中でどうやって都市を発展させるかと、どの方向に持って行くかという感じです。タイトルは、同名のゲームがあるという理由で、変更してありますが、図らずも、ゲームの方向性と一致した感じになっています。
プレイ人数は、今のところ 4人でのみ調整していますが、2〜5人くらいでできればいいですね。プレイ時間は 30分〜45分クラスを想定しています。
建物を建設したり、マニフェスト(政権公約)を実行したりすることで、魅力的な都市をつくり、得点を稼いでいきます。いちばん得点の高いプレイヤーが勝者となります。
初期の発電所カード 4枚
建物カード 100枚程度 (枚数は、住宅地 20、商業地 20、工業地 20、施設 20、発電所 20 で調整中)
マニフェストカード 15枚
収入タイル 6枚
・建物カード
建物カードには、「発電所」と「区画/施設」の 2種類に分かれています。建物には、建設に必要な「コスト」と、建設していると加算される「得点」が与えられており、「発電所」には供給電力が、「区画/施設」には消費電力が書かれています。
建物を建設するには「コスト」の分だけカードを捨てなければなりません。また、区画/施設は、かならずどれか 1つの発電所から電力を供給してもらう必要があります。もちろん、供給電力を超えるような建設はできません。
建物の中には「環境に優しい」建物があります。環境に優しい建物は、収入につながったり、一部のマニフェストを達成するのに必要になります。また、「施設」にはゲームを有利に進める効果が書いてあることがあります。
・マニフェストカード
マニフェストカードには、守るべき「公約」と、公約を守ったときに得られる「得点」が書かれています。マニフェストの内容は、他のプレイヤーには秘密になります。
ゲームはラウンド単位でおこなわれ、各ラウンドでは最初のプレイヤーから時計回りに1回ずつ自分のターンをおこないます。
1. カードの補充
ターンの開始時に「山札から1枚カードを引く」か「マニフェストカードを引く」(後述)かのどちらかをおこないます。
2. 建設/再補充
つぎに、「建物カードを1枚建設する」か「カードを再補充する」かのどちらかをおこないます。
2.1 建設
自分の手札から、建設したい建物を1枚の自分の前に置き、その建物のコスト分だけカードを捨てます。区画や施設を建設するためには、自分の前にある1つの発電所から電力を供給する必要があります。
施設の効果によって、カードのコストが減少する場合があります。コストは0まで減少し、0になったときはカードを支払う必要はありません。
2.2 再補充
建設しなかった場合は、カードを引くことができます。「カードを2枚引く」か「カードを1枚退いた後で、マニフェストカードを引く」かのどちらかを選ぶことができます。
・マニフェストカードを引く
マニフェストカードを引く場合は、マニフェストカードの山から 4枚引き、内容を見た上で 1枚を自分の前に裏向きにしておくことができます(置かなくてもよい)。残りのカードは、好きな順番で山札の一番下に戻します。
マニフェストカードは、自分の前に2枚まで置くことができます。すでに2枚持っている状態で、マニフェストカードを引くことはできません。
マニフェストカードは1ターンに1回しか引くことができません。
3. ターンの終了
建設/再補充が終了したら、ターンが終了します。このときに、手札が 9枚以上になっていたら、8枚になるまでカードを捨てます。
全員のターンが終了したら、ラウンドの終了です。ラウンド終了時に、収入タイルの条件をチェックし、収入の判定をおこないます。
ラウンド終了時に、10軒建物を建てたプレイヤーがいれば、ゲーム終了になります。
・収入
収入タイルには、次の6種類があり、建設した建物によって、カードを引くことができます。
住民税:誰かが住宅地を3軒建設したとき、住宅地の数に応じてカードを引く。
消費税:誰かが商業地を3軒建設したとき、商業地の数に応じてカードを引く。
事業税:誰かが工業地を3軒建設したとき、工業地の数に応じてカードを引く。
所得税:誰かが、住宅地、商業地、工業地の3種類の地区を建設したとき、建設した地区の種類に応じてカードを引く。
エコ奨励金:誰かが、環境に優しい建物を2軒建設したときに、該当する建物の数に応じてカードを引く。
補助金:誰かが8軒建設したとき、建設した建物が6軒以下のプレイヤーはカードを引く。
ラウンド終了時に、10軒建物を建てたプレイヤーがいれば、そのラウンドでゲームが終了します。建物とマニフェストの得点に「発展ボーナス」と「完成ボーナス」を加えたものが最終的な得点になります。
・発展ボーナス
住宅地/商業地/工業地のそれぞれの地区に属する建物の得点を合計し、得点のもっとも小さな地区の得点がそのまま発展ボーナスになります。バランスよく建設すれば、それだけ発展ボーナスが高くなります。
例:住宅地が 5点、商業地が 11点、工業地が 7点の場合、発展ボーナスは 5点になります。
・完成ボーナス
10軒建物を建てたプレイヤー全員に、3点のボーナスが与えられます。
最終的な得点の最も高いプレイヤーが勝者となります。同点の場合、建設している建物の数、それでも同点の場合は手札の枚数の多いプレイヤーが上位になります。それでも同点の場合は、同点です。
だいたいのめどがついたので、特別な効果のある「施設」の一部を紹介をしましょう。
他の建物を建設するときに、コストとして手札を捨てる代わりに、あらかじめ建てておいた「工事現場」を捨て札にすることができます。何ができるかお楽しみの施設です。
当然のことながら、なるべくコストの高い建物に使うのがおすすめです。ただし、工事現場は美観を損ねてしまうので得点は 0点です。さらに、工事現場が残った状態では、ゲームを終了させることができません。
建設している、住宅地、商業地、工業地、その他の建物の数に応じてボーナス点がもらえる建物です。それぞれの地区にあった建物をそろえてみました。
交通の要所になると、より建物が建ちやすくなります。住宅地、商業地、工業地、その他の建物について、建設するときに必要なコストが 2枚少なくてすみます。
交通手段をとりまとめるということで、大規模な建物が建ちやすくなります。コストが 4枚以上の高い建物が、コスト 3枚で建てられるようになります。
なお、他のコスト減少の効果と重複します。全部そろえれば、どんな建物でもコスト 1以下で建てられるようになります。もっとも、全部そろえるとそのほかの建物を建てる余裕がないわけですが。
産業のバランスを整える建物です。これらの建物の得点は、2つの地区に好きなように割り振ることができます。発展ボーナスをより効率よく獲得することができるのです。
コスト 6枚と非常に高価な建物ですが、集客力にすぐれ、定期的に収入を与えてくれる施設です。この建物を建てていると、毎ターン開始時にさらに 1枚カードがもらえます。
都市の象徴ともいえる、豪華な市庁舎です。コストも必要な電力もどちらも大きく、特別な効果もないのですが、その分得点も高く設定されています。