お待たせしました。「シティープラン デルタ」のゲームのらくがきです。ルールは 2.0 からいろいろと変更していますが、本質的な部分は変わっていません。今回もデザイナーズノートらしきものも一緒にお送りしましょう。
プレイ人数は 2〜5人です。今回から 2人もサポート範囲に入れることにしました。プレイ時間は 60分ほどです。
あなたは、新しい都市の市長です。まだ開発されていない広大な土地があります。住民の要望に従いつつ、住宅地やデパート、工場を誘致し、都市を発展させていくのがあなたの役目です。計画的に都市を発展させ、住民を一番満足させたプレイヤーが勝者となります。
建物カード 100枚
アクションカード 15枚
収入カード 6枚
議事堂カード 1枚
市長カード 1枚
議員チップ 15枚
電力/得点チップ 適量
初期の発電所とプレイヤーに配られたカードを元手に都市を発展させていきます。建物を建設するには、コストとして手札からカードと発電所から得られる電力チップを支払わなければなりません。
また、議会に出向き議員の支持を得て、議員チップを獲得することも大事になってきます。建てた建物の得点、議員チップの得点、ボーナス得点の合計のもっとも高いプレイヤーが勝利します。
各プレイヤーに、アクションカード1色ぶん(3枚)と、初期発電所1枚、電力チップ18電力ぶんを配ります。
配られたアクションカードは「アクションカードの手札」とします。初期発電所はプレイヤーの前に建物カードの場として表向きに置きます。電力チップは自分の初期発電所の近くに置きます。
建物カードをシャッフルし、各プレイヤーに5枚ずつ「手札」として配り、残りを裏向きの山札としておきます。
収入カードと議事堂カードは全員から見えるところに置きます。議員チップと電力/得点チップは適当な場所にまとめておきます。このとき、議事堂カードの議員チップ置き場にはまだチップを配置しません。
適当な方法(たとえば、いちばん最近に役所に行ったプレイヤー)で最初の「市長」を決めます。市長は市長カードを受け取り、自分の前に置きます。
1つのターンは「アクションフェイズ」「建設フェイズ」「収入フェイズ」の 3つのフェイズに分かれます。
各プレイヤーは、アクションカードの手札から1枚選び、同時に公開します。
それぞれのアクションは書かれている数字の小さい順に、カードに書かれている処理を行います。同数の場合は市長から始まり時計回りに処理を行います。
1. 収入
山札からカードを1枚引き、手札に加えます。山札がなくなったら、その時点で捨て札をシャッフルし新たな山札とします。
2. 交換
手札から好きな枚数カードを裏向きに捨て札にし、捨てた枚数だけ山札からカードを引きます。
3. 議会
議員チップ置き場から、議員チップを1枚受け取り、全員に見えるように自分の手元に置きます。議員チップは1枚につき1点になります。
議員チップがまだ配置されていない、または、議員チップがなくなってしまったといった理由で獲得できなかった場合は、山札からカードを1枚引きます。
市長から始まり時計回りに、次の2つのうちどちらかを行います。
1. 建設
手札からカードを1枚選び、建物カードの場に配置します。
このとき、選んだカードに書かれたコストを支払わなければなりません。カードコストの枚数のカードを裏向きにして捨て札にします。発電所以外の建物については、電力チップを消費電力ぶんだけ支払います。
コストが支払えない場合、建設することはできません。
2. 収入
建設しなかった場合、山札からカードを2枚引きます。
建設フェイズの終了時に手札の枚数をチェックします。9枚以上持っているプレイヤーは 8枚になるまでカードを捨て札にします。
収入カードの数値の低い順に、収入条件のチェックを行います。誰かが収入カードに書かれた条件を満たすと、全プレイヤーに収入として山札からカードが配られます。
条件を満たした収入カードは裏向きにします。1枚の収入カードは、ゲーム中に 1回しか条件を満たすことができません。
最初の収入カードの条件を満たした時点で、議会が開会します。議事堂カードの「議員チップ置き場」に、プレイ人数×3枚の議員チップを配置します。
収入フェイズで一時的にカードが 9枚以上になることがありますが、次の建設フェイズの終了時まで手札の上限を超えていても捨て札にする必要はありません。
収入フェイズが終了したら、ターンが終了します。誰かが(初期発電所)を含め建物を10軒建設したら、そのターンでゲームが終了します。
それ以外の場合は、市長カードを左隣のプレイヤーに渡し、次のターンが始まります。
誰かが建物を10軒建設した時点でゲームが終了し、得点計算に移ります。
各プレイヤーの電力チップをすべてストックに戻し、得点チップとして使用するといいでしょう。
・議会ボーナス
議員チップを最も多く持っているプレイヤーは5点を獲得します。最大数のプレイヤーが複数いる場合は、該当者全員が5点を獲得します。
議員チップを全く持っていないプレイヤーは5点を失います。
・完成ボーナス
建物を9軒以上建設しているプレイヤーには、建設した特殊施設の件数に応じて完成ボーナスが入ります。
10軒建設したプレイヤーは、自分の建物の場にある特殊施設が0軒なら20点、1軒なら10点、2軒以上なら5点を獲得します。
9軒建設したプレイヤーは、自分の建物の場にある特殊施設が0軒なら10点、1軒なら5点、2軒以上なら2点を獲得します。
・発展ボーナス
住宅地、商業地、工業地をバランスよく建設していると入るボーナスです。自分の建設した住宅地、商業地、工業地のそれぞれの合計得点を計算します。これら3つの中で最も小さいものの2倍の得点を獲得します。
例) それぞれの得点合計が、住宅地で 5点、商業地で 8点、工業地で 10点の場合、発展ボーナスは 5点×2=10点となる
・都市ボーナス
建設した建物の組み合わせに従って、ボーナスカードの抽選権が与えられます。
住宅地、商業地、工業地のそれぞれについて、建設している軒数が 3軒以上で、抽選権を獲得します。3軒ならば1枚、4軒で2枚、5軒で3枚、以降1軒増えるごとに1枚ずつ増えます。
エコ施設についても同様に、軒数に応じた抽選権を獲得します。3〜4軒で1枚、5〜6軒で2枚、7〜8軒で3枚、9軒で4枚を獲得します。
さらに、住宅地/工業地/商業地の最低軒数に応じても、抽選権を獲得します。1軒ずつ建設していれば1枚、2軒ずつで3枚、3軒ずつで6枚獲得します。
抽選権の枚数だけ、山札からカードを引きます。それぞれのカードについて、左下に書かれたボーナス得点を獲得します。
これらのボーナスと建物の得点、議員チップの得点を合計し、合計得点が最も高いプレイヤーが勝利します。同点の場合「シティーホール」を建設しているプレイヤーがいればそのプレイヤーの勝利となります。それ以外の場合は、同点の勝利です。
・アクションポイントからアクションカードの選択に変わりました
・マニフェストカードがなくなりました
・建物を発電所につける必要がなくなりました
・議員チップ/議会ボーナスが追加されました
・「補助金」で建物7軒のプレイヤーにも収入が入るようになりました
・発展ボーナスが倍増しました
・完成ボーナスの得点が変更され 9軒でも得点が入るようになりました
・建物の電力、得点バランスが変わりました
初版から2.0で、住宅地、商業地、工業地のバランスを変えています
2.0からデルタでは、特殊施設と発電所のバランスを変えています
・特殊施設と他の種類の建物のどちらとしても扱う「混合施設」ができました
ここだけのデザイナーズノートです。「シティープラン」は、2.0 で再販リメイクを果たしたのですが、きれいなカードで作りたいと思っていました。そんなところで、カードの外注を試した結果それなりにきれいなものができあがったので、実行に移すことにしました。
再販の時はリメイクをということで、プレイ時間短縮のため、アクションポイント制から2つのフェイズに分けて、同時行動を入れることにしました。TGF以降で建設フェイズについては同時行動ではなく順番通りにということに変更していますが。
また、ダウンタイムの元となっていたマニフェストカードを廃止しました。その代わりのランダム得点の要素として都市ボーナスを加えました。このあたりは賛否が分かれそうだと思いながらも計算できすぎるゲームにしたくなかったというのはあります。都市ボーナスの得点差で決着がついた場合は、ほぼ同点と思ってください。
議員チップもマニフェスト廃止の影響で、こちらは行動のばらつきを持たせるという働きもあります。マニフェストはどこかで 2枚とる必要がありましたが、議員チップは1枚あれば当面のペナルティは受けず、跡はトップを何枚でとれるかという勝負になります。同時アクションなのでこのあたりの読みもあったり手札との兼ね合いもあったりします。
この手のゲームのお楽しみ特殊施設ですが、基本的なところは 2.0 まででこなしてしまったので、バランスをとるのが大変でした。1枚のカードがゲームを壊すことも十分にあります。電力チップの支払いが不要になる「テレビ塔」や2軒がカードコスト0枚で建設できる「建設予定地」など高コストのところにインパクトのあるものを作りました。
従来のものも、バランスを変えたり、一部効果を調整したりしてコンボが組みやすくなっていたりもします。このあたりはどこかに文章としてまとめたいのですが、別の機会にということで。
TGFのテストプレイで、特殊施設の量の多さが若干気になったので、いっそのこと特殊施設をなくしたバージョンを作ってしまえということで作ったのがプレーン版です。こちらについては前回のらくがきで書いたとおりです。シンプルですがよりシビアになっているのではと思います。
パラメーターとして電力を含むゲームなのでいろいろと思うところが出てくるかもしれません。とはいえ、2010年のTGFの時点ですでにほぼ完成版に近いところにあったので、そのあたりの意図はありません。
タイトルのデルタですが、ナンバリングタイトルにせず、そのほかの何かで区別しようということで考えたものです。3作品目なので「3」にちなみ、三角州、三角地帯などを表すデルタとしています。
きれいなカードで作ったので、とりあえずの目標は達成です。とはいえ、このシリーズは大事にしていきたいと思っていたりします。