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● ゲームのらくがき 「地下鉄漫遊記(仮)」 ●

 ゲームマーケットのシーズンでも、TGFのシーズンでもありませんが、今回は早めに「地下鉄漫遊記(仮)」のゲームのらくがきをお送りします。

 こちらも市販ゲームのリメイクということになるので、ルールは書かず、変更点とデザイナーズノートみたいなものを中心に。プレイ人数は 3〜5人、プレイ時間は1時間程度です。


- 地下鉄漫遊記(仮) -

●制作のきっかけ

 制作のきっかけは、アメリカ横断鉄道ゲーム会からですね。公式種目の一つに「レイルバロン」があり、こちらは、種目に採用される前から何回かプレイしていました。

 おもしろいものの、4時間30分くらいかかることと、ワンサイドゲームになると逆転が難しいということもあり、何とかしたいと思っていた作品です。

 「東京乗車券」や「東京鉄道網」と同じように、東京横断鉄道ゲーム会を実施するにあたり東京首都圏版を準備する必要がありましたが、「東京男爵」があり、当初はそちらの方を採用しようと思っていたのでした。

 ところが、2008年の夏に「ぷちばろん関西」をプレイし、このくらいのコンパクトさであれば、プレイ時間の短縮もできそうだというのと、以前から東京近郊路線図を見ていて、これでうまく作れないかという思いがあり、一気にマップを作りました。

 「東京男爵」があったことから、舞台はもう少し狭い範囲で、東京23区内に限定し、その代わり副都心線を含めた地下鉄13路線をすべて登場させようという計画がありました。時間短縮の仕組みとして、目的地の決定方法などは「ぷちばろん関西」をベースにしています。これにより若干ですが目的地決定が簡単になりました。

 すべての条件がそろって、やっと作られたのがこの作品なのです。どれか1つでもなければおそらく実現できなかったでしょう。

●地図作り

 おおざっぱな範囲は最初から決まっていて、山手線+地下鉄13路線がうまく入る範囲で作りました。この範囲になると大手私鉄は中途半端にしか入らないので、意図的に入れていません。

 JRがないといろいろと実際の路線らしくならないので、埼京線、中央線(快速)、中央線(各駅停車)、京浜東北線、総武線(快速)+横須賀線、京葉線というところを入れています。常磐線は千代田線と、湘南新宿ラインは埼京線と役割が重なることから入れていません。

 駅数をベースにする方法もあったのですが、中央線があまりにも強すぎるということで、おおよその乗車時間をベースにマス数を入れています。乗り換えの時間は考慮していないのと端数の関係で、一部うっかりした最短ルートがあったりもします。

 何回かテストプレイをして微調整を加えていますが、せっかくなので他の作品で登場させられなかった路線も入れた方がいいのではという意見があり、東京モノレール、日暮里舎人ライナー、都電荒川線を追加しています。りんかい線、ゆりかもめ、つくばエクスプレスははじめから入れていました。

 駅のつながりは、路線図を参考に、乗り換えが可能なところはつなげています。東京と大手町は実際に歩いて行ける距離ではありますが、別々にしています。

 目的地となる駅の選択は、有名と思われるところは出しましたが、それでも路線に対しての数が少ないので、乗り換えの場所なども加えて70駅を選びました。乗換駅が多いこともあり、いわゆる1社で独占している駅はそれほど多くないです。これが東京マップの特徴ですね。

●ゲーム時間の短縮

 「ぷちばろん関西」がだいぶ時間短縮の要素が入っているので参考にしたのですが、独自でもいくつか時間短縮の要素を入れています。1つは収入額です。「レイルバロン」よりは1ターンあたりの収入額を高く設定しています。あとは、長短距離で利用料すらペイできないような目的地は意図的に排除しています。

 あとは、後述しますが、チャレンジもプレイ時間短縮の要素を大いに入れています。「レイルバロン」の最終運行、「ぷちばろん関西」の特別運行のルールですが、成功率もそれなりに高く、収入も大きいので中盤の流れは大きく変わっています。

●逆転の要素

 主に時間短縮のためにチャレンジのルールを入れたのですが、成功率が思ったよりも高かったのと収入がかなり大きかったので、調整段階でそのあたりのルールのあり方についてかなり考えました。

 最初の路線がうまく買えるのはある程度運に絡んでくるところもありますし、その運がそのまま反映されるよりは、紛れを起こした方がいいのではということで、ある意味割り切る形で入れています。

 中盤は、若干沈んでいるプレイヤーはできるだけチャレンジを狙っていくということになるかと思います。1回の成功では目標金額までは届きませんが、若干の路線の悪さをひっくり返すだけの力はあります。

 そして、最後のゴール運行も逆転の要素の1つです。総資産勝負にすると、最後があっけなく終わってしまうということもあり、多少の波乱を持たせるようにしています。さすがにゴール運行まで行ってしまうと、数ターンでゲームが終わってしまうので大逆転は少ないのですが、状況が整えば誰でも逆転可能なルールにしています。

 プレイ時間の短縮と、ワンサイドゲームを避けるほうにバランス調整したので、このあたりはある程度運も絡んでくると思います。ただ、チャレンジすべきかどうかはプレイヤーの判断もありますね。

●路線紹介

 そして、このゲームのデザイナーズノートで一度やってみたかったのが、登場路線の紹介です。最終的にどこかにまとめたいと思っているので、テストプレイの段階での評価などを中心にざっと書いてみます。

・東京メトロ銀座線
 浅草から渋谷を結ぶ日本で最初の地下鉄ですね。神田から新橋の間の距離があるものの、御徒町(上野広小路)から神田と、新橋から溜池山王の足の速さが魅力的です。これだけでメインをはれるような路線ではないのと、お値段も若干高いので比較的残りやすい路線かもしれません。

・東京メトロ丸ノ内線
 新宿と東京、池袋と主要な都市を通る路線です。ほぼ環状線で使い勝手もよく、方南町の独占まで持つ強力な路線の1つです。値段も高いですが値段通りの活躍をしてくれる路線です。環状線を完成させる埼京線、副都心線との相性がいいかと思います。

・東京メトロ日比谷線
 日比谷から中目黒を結ぶ路線です。北千住から秋葉原の主要な都市を通るのと、銀座、有楽町(日比谷)を通りますが、それ以外の足が遅く、終点が恵比寿と若干南寄りと若干使いにくい印象があります。値段が高めなのと、銀座線、浅草線と働きが似ているのでそちらを優先されることが多いです。中目黒の独占に絡んで購入というパターンが多そうです。

・東京メトロ東西線
 中野から門前仲町を文字通り東西に結ぶ路線です。東西の足が速いものの主要な都市は飯田橋、大手町くらいでメインをはれるような路線ではないと思います。マップがもっと西に続いていれば早さを生かすことができるのですが。交差する路線が多いので、他の地下鉄との組み合わせでどうぞ。

・東京メトロ千代田線
 北千住から代々木上原を結ぶ路線です。主要な都市は多くないものの大手町、有楽町(日比谷)を結ぶサポート路線です。あると何かと便利かと思いますが、値段が高いので気軽に購入できないのが難点です。独占となっている代々木上原がきっかけになることも十分に考えられます。

・東京メトロ有楽町線
 小竹向原から新木場を結ぶ、序盤で人気の高い路線のうちの一つです。通過する都市の数は多くないものの、池袋、飯田橋、有楽町、新木場乗換駅を結ぶのと、永田町から有楽町に抜ける最も速い路線のため値段以上の価値があると判断されることが多いようです。東西方向の路線のため他の路線との組み合わせでどうぞ。

・東京メトロ半蔵門線
 押上から渋谷を結ぶ路線です。押上までの距離はあるものの、大手町から九段下までの皇居の北側の主要な駅を通過するのが特徴です。値段は高いですが、それなりの働きのする路線です。こちらは並行する路線が多く組み合わせが難しいものの補完しあう形で皇居の南側をうまく通る路線との組み合わせがよさそうです。

・東京メトロ南北線
 赤羽岩淵から目黒を結ぶ路線です。値段は安めですが、主要な都市は飯田橋、市ヶ谷、四ッ谷で後は他の路線との組み合わせでの路線になると思います。東西に抜ける路線や環状線との相性がいいかと思います。赤羽岩淵は奥目にある独占都市でここの出方も運命を分けるかと思います。

・東京メトロ副都心線
 小竹向原から渋谷を結ぶ路線です。埼京線と併走する形での路線で、池袋と渋谷を結ぶそれなりに速い路線ですが、距離が短いのと肝心な新宿をかすめていることがあり、値段も安くなっています。併走する路線があれば不要ですが、丸ノ内線、新宿線あたりを持っていれば、値段以上の働きになるかと思います。

・都営浅草線
 浅草から西馬込を結ぶ路線です。中央を通らずに斜めに横切る形の路線ですが、浅草から押上と、新橋から西馬込までが使い勝手がいい路線です。値段がそれなりに高く、主要な都市を通らないこと、銀座線、日比谷線などと併走しているなどの理由で売れ残りやすい路線ではありますが、ふとしたときに使いたくなる路線です。

・都営三田線
 志村坂上から目黒を結ぶ、こちらも序盤で人気のある路線です。山手線沿線の主要な都市を通らないものの、深い場所にある独占都市の志村坂上と、水道橋から田町(三田)までの足の速さが魅力です。値段が安めなのと足がかりに使いやすいことが人気につながっているのかもしれません。

・都営新宿線
 新宿から住吉までを結ぶ路線です。きれいに東西に延びる路線で新宿を通りますが、西側の乗換駅が使いにくいというのが難点ではあります。メインをはれる路線ではないので、他の路線との組み合わせになるかと思います。環状線や南北を通る路線との相性がいいですね。

・都営大江戸線
 練馬から新宿までの路線と、汐留、御徒町(新御徒町)を通り新宿に戻る環状線からなります。環状線自体は新宿以外の主要な都市を通らないものの、西方向に伸びていることもあり持っていると便利な路線ですね。環状線の常として値段の高さはありますが、安定感が増すので早めに購入されることが多いようです。

・JR山手線
 東京、上野、池袋、新宿、渋谷、品川をつなぐ環状線で、このゲームの中で一番高額な路線です。通る駅数がかなり多いので、早さこそはないものの出現率の高い主要な駅をことごとく結ぶ防御型の路線です。思ったより収益性はよくないですが、購入するなら早めか、最後の割引がいいかと思います。

・JR中央・総武線
 荻窪から錦糸町を結ぶ路線です。山手線に近い役割ですが、東西方向なのと駅数の少なさ、足の速い快速との併走になるため防御路線としての役割が強いです。秋葉原に東西方向からアクセスできる唯一の路線というのもお忘れなく。値段は高いですが、それに見合うだけの価値はある路線だと思います。

・JR中央線快速
 荻窪から東京を結ぶ路線です。中央・総武線と併走しますが、こちらは速度が全く違います。新宿から東京を6マスで結ぶため自分で持っているとかなり便利な路線です。独占駅もないですし、値段も高いですが、この早さは他の路線が売れた後の中盤以降の大きな力になります。人気のある路線で、狙っていきたいものの1つです。

・JR総武線快速・横須賀線
 錦糸町から品川を結ぶ路線です。総武線部分は乗換駅が多いものの、東京から品川までの横須賀線部分の足の速さが魅力的です。局所的な路線でそれほど高くないですが、他のプレイヤーに買われるといやな路線ですね。西側の路線や東西に抜ける路線との組み合わせでどうぞ。

・JR京浜東北線
 赤羽から大井町を結ぶ路線です。田端から品川までは山手線ときれいに併走していますが、足が遅いこともあり防御的な役割が強いです。値段が高い路線ですが、山手線が買われていて東側の路線が全くない状態だと購入を急ぐ必要がありますね。比較的売れ残りやすい路線の1つです。

・JR京葉線
 東京から葛西臨海公園を結ぶ路線です。千葉県に入ってからが魅力的な駅をもっているのですが、マップの切り方の影響で地味な路線になってしまいました。とはいえ、東京から新木場の最速路線で、独占まで持つため新木場や東京につながる路線を購入できた場合や、新木場の独占を狙うときに候補に挙がってきます。

・JR埼京線
 赤羽から大崎を結ぶ路線です。西側の主要都市をカバーし足が速い典型的な攻めの路線です。値段もそれなりなので、早いうちに狙って買いに行って問題ないかと思います。うまく手に入れられたら西側に抜ける路線や環状線を狙っていきましょう。実際に乗り入れている、りんかい線との相性もいいです。

・ゆりかもめ
 新橋から豊洲を結ぶ路線です。深い場所に独占の台場を持つ、独占狙いの攻めの路線です。汐留や台場が目的地にならない限りこちらから買われることは少ないと思いますが、りんかい線との組み合わせで有明の独占が狙えます。片手間で買うには若干高いかもしれませんが、タイミングに注意の路線です。

・りんかい線
 大崎から新木場を結ぶ路線です。品川シーサイドの独占を持つほか、他の路線との組み合わせで独占が狙いやすい路線です。このあたりのバランスは「レイルバロン」のマイアミ近辺に近いかもしれません。締め出し狙いのゆりかもめ、東京モノレール、アクセスのよい埼京線、京葉線、有楽町線との組み合わせでどうぞ。

・つくばエクスプレス
 秋葉原から北千住を結ぶ路線です。こちらも路線の本番は北千住から先ではあるのですが、このマップの範囲でも秋葉原から浅草、北千住の早さは目を見張るものはあります。この長さで唯一独占駅を持たない路線ですが、値段相応の働きがあります。中央・総武線からの延長や、大江戸線からのサポートなどにも使えます。

・都電荒川線
 早稲田から三ノ輪橋を結ぶ路線です。路線は長いものの足が極端に遅く、目的地になる駅もかなり少ないという特徴があります。活躍の場は独占の荒川遊園地が目的地になったときくらいですが、終盤で他のプレイヤーがこの目的地を引くとかなりのダメージになります。終盤まで残りやすい路線の1つです。

・東京モノレール
 浜松町から大井競馬場を結ぶ路線です。マップの都合で羽田空港まで伸びませんが、独占駅の大井競馬場を持つ短い路線です。大井競馬場が出てしまったときや、りんかい線との組み合わせで購入することになるかと思います。片手間で買える値段なので、りんかい線と近いタイミングで売れる路線ですね。

・日暮里・舎人ライナー
 日暮里から足立小台を結ぶ路線です。南側が上野まで伸びていないので路線自体へのアクセスが難しく、ほぼ足立小台の独占のための路線と思っていいでしょう。荒川線とこの路線の所有者が違ったとき、終盤の荒川遊園地はかなり恐ろしい存在になります。下手をすれば 3人の路線を使わざるを得ない状態になります。


 というわけで、デザイナーズノートみたいなものと、各路線の紹介も中心にお送りしました。これを書いている時点で、まだ細部の変更などがあるかもしれません。


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