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● ゲームのらくがき 「オーシャントレード」 ●

 今回もゲームマーケットの事前情報の一つとして出展予定のゲームのルールのドラフト版を掲載します。カードの構成などが書かれていないのでどんな感じのゲームかというだけですが、参考になればと思います。あとは、ここだけの得点としてデザイナーズノートみたいなものも併せてお送りします。

 プレイ人数は、4〜6人を想定していますが、一部のルールは経験者向けで3人プレイが可能です。プレイ時間は 15分程度です。


●このゲームに入っているもの

カード 60枚
得点チップ 80枚
順番チップ 6枚
得点チャート 2枚
優先権カード 1枚

●ゲームの目的

 海洋交易商人となり、珍しい品物を集めていきます。品物により価値が異なり、集めるだけで価値があるものから、ほかのプレイヤーより多く集めて初めて価値があるものまでさまざまです。ゲーム終了時に集めた交易品の価値に応じて得点を獲得します。もっとも多く得点を獲得することを目指します。

●交易品カード

 このゲームには10種類の交易品が登場し、種類に応じて枚数と価値が異なります。

・カードの枚数
 カードの枚数は、カードの両サイドの一番上にかかれている数字で示されます。3枚〜10枚まであり、枚数が少ないほど貴重な交易品になります。

・カードの価値
 カードの価値は、種類により異なります。どのカードも集めるだけで得点になりますが、2枚集めたり、ほかのプレイヤーより多く集めていると価値が上がるものもあります。

 価値を示すマークは、カードの枚数の下にアイコンでかかれています。複数かかれている場合は、上から順番に処理をしてきます。

- 順位点(王冠のマーク):
 このマークが書かれているカードについては、各プレイヤーが種類ごとに持っている枚数を比較し、上位のプレイヤーが得点を獲得します。得点の獲得方法は2種類あり、詳細は後述します。

 カードを1枚しか持っていない場合は、順位点での得点を獲得することができません。

 順位点は、所有するその種類のカードをすべてまとめての価値になります。

・カッコ付きの数字が書いてあるもの [例:11(8)]
 枚数が1位のプレイヤーが得点を獲得します。
 単独で1位の場合、カッコ外の得点を獲得します。同数で1位の場合は、該当者すべてがカッコ内の得点を獲得します。

・斜線の左右に数字が書いてあるもの [例:16/10]
 枚数の上位2名が得点を獲得します。
 1位のプレイヤーは斜線の左側の得点を、2位のプレイヤーは右側の得点を獲得します。

 1位が同数だった場合は、該当者すべてに1位の得点が入り、2位の計算はおこないません。
 2位が同数だった場合は、該当者すべてに2位の得点が入ります。
 2位のプレイヤーがいない場合は、2位の得点は誰にも与えられません。

- 2枚組の得点(カード2枚重ねのマーク):
 順位点の計算が終わった後で、残ったカード2枚につき記載された得点が入ります。余ったカードはそのままにしておきます。

- 1枚の得点(カード1枚のマーク):
 順位点と2枚組の計算が終わった後で、残ったカード1枚につき、記載された得点を獲得します。

●カードの集め方

 このゲームは、カードの集め方の違いで、4種類の遊び方ができます。ここからは、それぞれの遊び方について説明します。

●中央市場 (Central Market、ちゅうおういちば)

・準備
手札:3枚
山札:残りのカードで、人数×2枚を内容を見ずに脇によけておく
場札:4枚

・ゲームの流れ
 適当な方法でスタートプレイヤーを決め、時計回りでゲームを進めていきます。

・自分のターンにできること
1. 山札からカードを1枚取ります
2. 場札から好きな枚数だけカードを取り、取った枚数-1枚のカードを場札に戻します
3. 場札を4枚になるまで補充します

・ゲームの終了条件
 山札がなくなったら、脇によけておいたカードを山札にします。
 そのあとで、全員1回ずつターンをおこない、ゲームが終了します。

・タイブレーカー
 ありません。

・3人用ルール
 3人で遊ぶ場合、得点計算の直前に、各プレイヤーは自分の獲得したカードの中から3枚を選び、同時に公開します。(各プレイヤーには16枚のカードが残ります。)

 公開された9枚のカードと、獲得されなかった3枚のカードをあわせた12枚のカードがダミープレイヤーの獲得したカードになります。

 順位点の計算の時には、ダミープレイヤーも含めて得点計算を行います。

●交易所 (Trading Post、こうえきじょ)

・準備
手札:5枚
山札:残りのカード
場札:プレイ人数ぶん

 適当な方法でスタートプレイヤーを決め、スタートプレイヤーは優先権カードを受け取ります。ゲームは何回かのラウンドを繰り返して進行します。

・ラウンドの手順
1. スタートプレイヤー以外のプレイヤーは、手札から1枚カードを裏向きにして出し、同時に公開します。
2. スタートプレイヤーは、他のプレイヤーの出したカードのうち1枚を取り、取ったプレイヤーに優先権カードを渡します。
3. カードを取られたプレイヤーは、他のプレイヤーの出したカード1枚と、場札から好きなカード1枚を取ります。
4. 以降、カードを取られたプレイヤーは 3 と同じことを繰り返します。
5. 最後にカードを取られたプレイヤーは、場札の残り2枚を取ります。

・ゲームの終了条件
 山札がなくなったら、ゲーム終了です。

・タイブレーカー
 優先権カードを持っていたプレイヤーの勝利です。それでも決まらない場合は、同点です。

※このゲームは4〜6人専用です。3人ではプレイできません。

●7つの都 (Seven Cities、ななつのみやこ)

・準備
手札:3枚
山札:残りのカードをできるだけ均等に7つの山札に分ける
(山札は枚数が分かるようにしておくとよい)
場札:なし

 順番タイルをよくシャッフルし、全員に1枚ずつ配ります。
 このゲームはラウンドを繰り返して進行します。
 プレイヤーは、順番タイルに書かれた順で自分のターンをおこないます。
 最後のプレイヤーのターンが終了したら、順番タイルを左隣のプレイヤーに回します。

・ターンの流れ
1. 手札から、好きな枚数のカードを支払います(0枚でもかまいません)。
2. 山札を1つ選び、その中身をすべて見た上で、支払った枚数+1枚のカードを手札に加えます
3. 山札の残りのカードに、支払ったカードを加えシャッフルし、元の位置に戻します

※山札の枚数は確認してもかまいません
※山札の枚数を超えるようなカードの取り方はできません

・ゲームの終了
 すべての山札がなくなったらゲーム終了です。

・3人用ルール
 3人で遊ぶ場合、得点計算の直前に、各プレイヤーは自分の獲得したカードの中から4枚を選び、同時に公開します。(各プレイヤーには16枚のカードが残ります。)

 公開された12枚のカードがダミープレイヤーの獲得したカードになります。順位点の計算の時には、ダミープレイヤーも含めて得点計算を行います。

●港湾都市 (Harbor City、こうわんとし)

手札:プレイヤーごとに3枚ずつ
場札:5枚(1列に並べる)

 適当な方法でスタートプレイヤーを決め、時計回りでゲームを進めていきます。

・自分のターンにできること
1. 次の3つのうちどれかをおこないます
  a. 山札からカードを1枚取り、手札に加えます
  b. 場札の好きな場所からカードを1枚取り、手札に加えます
  c. 場札の手前側から順に2枚以上カードを取り、手札から[取ったカードの枚数-1]枚、または[取ったカードの枚数-2]枚のカードを場札の最後尾に戻します。

  ※山札がない場合、山札からカードを取ることはできません
  ※制限枚数を超えるような取り方はできません

2. 場札のカードを手前側に詰めた上で、最後尾に1枚ずつ5枚になるまでカードを補充します。
3. 制限枚数に達したプレイヤーはゲームから抜けます。このとき、抜けた順番を示す順番タイルをとります

・ゲームの終了条件
 カードが全部取られたらゲームが終了します。

・タイブレーカー
 よりあとに抜けたプレイヤー(順番タイルの数字が大きいプレイヤー)が勝者です。

・3人用ルール
 3人で遊ぶ場合、得点計算の直前に、各プレイヤーは自分の獲得したカードの中から4枚を選び、同時に公開します。(各プレイヤーには16枚のカードが残ります。)

 公開された12枚のカードがダミープレイヤーの獲得したカードになります。順位点の計算の時には、ダミープレイヤーも含めて得点計算を行います。


 さて、ここからは「ゲームのらくがき」限定でお送りする、デザイナーズノートみたいなものを。

 このゲーム、最初からこんな感じにしようとは思っていませんでした。カードが少ないゲームを考えていて 60枚のカードで、それなりの種類がある別のタイプのゲームを作っていたときに、決算型のゲームも一緒に作れないかと思い、シンプルなルールを当ててみたのがきっかけでした。

 ルールを当ててみたという通り、最初の「中央市場」はAlan R. Moonらしいカードの取り方でシンプルに作ってみたのです。そのうちに別の作者らしいカードの取り方もできそうだということで、自分から作ったりアイデアをいただいたりして、4つのバリエーションができました。

 というわけで、4つめの「港湾都市」は1つめのバリエーションですが、残り2つはとあるゲームデザイナーらしいような感じにしてあります。もちろん、このゲームにマッチするように調整はしていますが。

 配当の作り方ですが、順位点については「集めるのが目的だけども集めすぎても意味がない」というものにしています。多数だと独占を狙いたくなるわけですが、いかに効率よく集めるかが重要になってくるのです。1位、2位に入るタイプの同点トップや、うっかり2枚で2位というのが、このゲームのポイントになってくるとは思います。

 独特の集め方のため、集めたカードを放出できるようになっているのも特徴です。一気にカードを取るためには、ある程度カードを放出しなければいけないのですが、放出したカードはほかのプレイヤーに回収されやすくなるので、そのあたりが難しいですね。

 決算/配当のゲームなので、多人数向けだとは思っていたのですが、3人向けにも対応したいと思って作ったのが、3人用のルールです。ダミープレイヤーを使っていますが、いらないと思っていたカードがうっかり重なってしまって、順位が入れ替わったりというのを狙っています。

 今年の作品も、物作りを楽にしようということで、カード60枚とチップのみで、ルールでバリエーションを作ることにしました。実際に楽になったかどうかは、これからわかることだと思います。

 手軽なゲームなので、一通り楽しんでみてはと思います。というわけで、デザイナーズノートみたいなものでした。


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