ゲームマーケット事前情報恒例のゲームのらくがきですが、去年からマニュアルをPDFで公開しているため、こちらのコーナーでは、デザイナーズノートをお送りしましょう。
ルールブックに載せない、Web限定ここだけの話で、デザイナーズノートをお送りします。
今年度は、全体的に慌ただしく、春の「シティー ディストリクト」も、今回もあまり手間はかけられないことを見込んでいました。そんな中、コンポーネントが少ないゲームをと思っていたところでした。
そんなところで、春のゲームマーケットといつもニアミスするイベント「けもケット」の 5周年企画で、オリジナルTCGを出すということで、コンプリートして遊んでみました。
2人対戦のゲームですが、ざっと見てルールで不明確な点があったり、確率的な攻略法がありそうな感じだったので、どうにかしてみたいということで、6月くらいにバリアントルールを作ったのが間接的なきっかけです。こちらについては blog に残しています。
カード 20枚のシンプルな構成なので、このカード構成で 3人以上で楽しめる、簡単なゲームが作れないかと思ったので、少しネタを暖めていました。
多人数にするにあたり、手札の枚数を少なくする必要があり、テキサスホールデム動画を少し見ていたこともあり、カード2枚の組み合わせでうまくできないかというところと、元ネタとは別の効果ですが、J と 1 に特殊効果をつけたいということで、カード 2枚で役を作るゲームにしました。
J と 1 の扱いは、最初は交換するという効果でしたが、ちょっと派手すぎると思っていたところで、コピーでいいのではという話もあったので、そちらの線で進めることに。
いろいろなカードに活躍の機会を与えたいということもあり、合計 7 のカードで特殊な役をつけることを考えましたが、対となる役もほしかったので 13 の役も作りました。こうすることで 4〜6 のカードにも活躍の機会が増えるので。
これが、感覚的にも、ゲーム的にもうまく動いたので、これをテーマにしようと決めました。ペアが強い役ですが、13にはペアがないので、そのあたりの非対称性もあります。
タイトルも「7 vs 13」としました。検索性はそこまでよくないですが、and にするとさらに別の物に当たるのと、この単語はアメリカでの企業の倒産の際の法律で Chapter 7 と Chapter 13 とのちがいあたりでヒットして、ギャンブルゲームにうまくはまりそうだったという裏話はあります。
ゲームを軽くするために、ビッドはせずに出降りの駆け引きと、カード選択の駆け引きに絞りました。
出降りの駆け引きを強めるために、チップの支払いが、勝利数に応じて変わるルールを入れています。これは、「アニマル トレイル」のバリアントルールで入れていましたが、勝ち数の多いプレイヤーが調子に乗りすぎないように、という感じになっています。
7 と 13 の役は、名声レベルが上がらず、ポットの資金をかすめ取ることができるのですが、参加者が多ければ多いほど、資金も大きくポットに貯まるので、射幸心をあおる要素になっています。
なお、序盤の勝利は、収支ギリギリのバランスでしたが、勝ち損の場面が出そうというコメントもあったので、すこしだけ資金をつけています。
このゲーム、7 と 13 で、役の強さと特殊ルールがすこしついていましたが、最終的には特殊なルールを削りました。ゲーム的にはほとんど変わらないというのはありますね。
ルールを削った分で、弱い手札になったときはどうしようもなくなったというのはありますが、ギャンブルゲームなので、即フォールドでよいのではという判断です。
この方向性で進めましたが、2〜3のカードの使いどころが少ないので、上級ルールとして、大富豪でいうところの革命状態になる「反乱」を追加しました。「7」の役になる 7ペアと、J と 1 の扱いがあるので、役の強さと数字構成は非対称なので、少し変わった動きをします。
もともとは、ノーテーマなゲームにしようとしていましたが、カードイラストが入れ込める時間がとれそうだったので、ファンタジー的な味付けをしようと決めました。
カード構成は、2スート、10種類ですが、スートの部分は元ネタとかぶらないようにしつつ、ファンタジーで 2要素に分かれるものということで、Law と Chaosにしました。コンビを組むゲームなので Good と Evil にはしませんでした。
あとは、クラスでカード名をつけるのですが、J は英語で Jで始まるもの、1 は英語で Aで始まるものにしています。同色の 1 と J の組み合わせは最強になるので、ブラックジャックを意識してというものはあります。
カードイラストですが、ドット絵にすることは決めていましたが、スキルと技能がそろったので、Furryのテーマをつけることにしました。これは作りたい物を作るポリシーですね。
本当は「アニマル トレイル」や、「タウン フォーク」でやりたかったのですが、前者のときはドット絵もまだでしたし、後者は 16×16ドットでは表現しきれなかったので、断念しました。今回は 16×24ドットです。
ちなみに、元ネタとカード構成は同じにしているので、カードの差し替えも可能ではあります。こ
せっかく作ったので、キャラクターの活躍の機会は作りたいですし、Furry なテーマのゲームも作りたいですね。ゲームマーケットでも、それ以外のイベントでも追いかけていますし、参加されているサークルもあったりとか。
今回から、デザイナーズノートを独立してお送りしました。できる限りデザイナーズノートは残しておきたいですね。