今回は、ようやくテストプレイも終わりそうということで、ゲームのらくがきをお送りしましょう。
今回のテーマは再版希望をいただいていた「東京乗車券」の第2版をお送りします。市販ゲームのリメイクということで、ルールは差分だけで、デザイナーズノートをお送りしましょう。プレイ時間は3〜5人、プレイ時間は 1時間ほどです。前作よりは若干時間がかかるかもしれません。
2008年のゲームマーケットで出展した「東京乗車券」ですが製作数が短時間ではけてしまいました。以前からやりたかったことでしたし、初めてのバリアントマップということでしたが、製作過程で元のボードサイズに合わせたということもあり、1つのボードを作るのに 30分以上かかるという非常に効率の悪い状態でした。規定数を作るのもかなりぎりぎりの状態で、今までで一番厳しい作業でした。
リリース後、プレイレポートも見せていただいたりしたのですが、再販の予定はないのですかというメールなども何件かいただき、ある程度集まるようならどうにかしたいと思っていました。
そして、2009年のゲームマーケットで「東京鉄道網」製作のためラミネーターを購入。これは、クレヨンで直接路線を引くという要素があったため必須の材料でしたが、ゲームボードを手軽に作るのにも向いており、テストプレイも活用し始めました。そんな中、これならボード作りも行けそうだと思っていたのでした。
リメイクを出すなら、まずは新しい試みをということで「日本乗車券」を先に仕上げ、その間に A4版×6枚のボードに旧マップを写す作業などを進めていました。そして、バランス取りが終わった頃に、こちらの作業に入ることにしました。
「シティープラン」のときもそうでしたが、再版希望からのリメイクのときは改版しようと思っていました。同じものを出してもというところもありますし、やり残していたこともいろいろとありましたから。
初版でやりのこしたことといえば、立体交差ができないマップの都合などがあり、一部の路線が入れられなかったことにあります。武蔵野線と東武東上線が入っているのになぜ西武が入っていないとか、横浜が端っこなのはちょっと寂しいとか、そういうこともあり、せっかくなので大手私鉄を全社入れようとしました。
そうなると駅の追加が入ります。西武と相鉄、そして目立たなかった京成に専用の駅を入れようとしていたので、所沢と大和、青砥を入れることにしました。あとは、立体交差が作れないため武蔵野線と西武の合流点となる秋津を、大和が中途半端になってしまうためと神奈川県の駅を増やすため、藤沢を追加して39駅に。
駅の数が若干中途半端になるため、長距離路線が多く、路線が実際とは違っていた飯能近辺を実際のものにあわせるべく拝島を追加しました。これで駅の数は 40ですね。
あとは、テストプレイの途中で横須賀線の武蔵小杉が開業することから、武蔵小杉近辺の路線を増やすことにしました。これで武蔵小杉がますます便利に。といってもチケットの割り振りまで調整しないとなかなか使われなかったりとか。
駅の追加に伴いチケットの割り振りを代えたり、「日本乗車券」と同様、得点ボードは別に1枚作っています。このあたりはマイナーチェンジですね。
「東京乗車券」は元のゲームからの差分をできるだけなくそうと思っていたのですが、リメイクにあたり1つだけ差分を増やしました。それは 3列路線の扱いです。「日本乗車券」では、山陽新幹線のあたりの幅が確保できずどうしても入れたのですが、「東京乗車券 第2版」では3列路線は山手線沿線にしかなく、どちらでもよいという感じではありました。
ただ、前作も4人のときに東京近辺の 3列路線が比較的楽なのと、逆に5人のときの渋谷に入る路線が狭すぎると感じたので 3列路線の範囲を増やし、「日本乗車券」同様の3列目は5人プレイのみを入れることにしました。元々3列路線自体が差分ルールに当たるので、大きな問題はないと思っています。
それ以外は、差分ルールはありません。チケットの枚数もそうですし、最長路線賞の扱いも同じです。
マイナーチェンジとはいえ、駅の数が 34から40へ 2割ほど増えているのでそのぶんバランスもかなり違った感じになりました。全体的に路線の長さが短くなったのはマップ形状のためもありますが、駅の数が増えたからというのもあります。6本路線は初期の段階から数を減らし、路線長も全体的に短くなりました。あまり使われていないような迂回路を中心に得点稼ぎのポイントがだいぶ減っています。
チケットは、駅の数が増えたこともあり、若干ですが「日本乗車券」に近いバランスになっています。主要路線に沿う形と、山手線沿線を数多くして得点は低いものの効率の悪い場所を引くと当たりやすくなるというバランスにしてます。
それでも、まだ6本路線が強く、最終段階で数を半減させわずか 3つだけが残ることになりました。これで比較的路線点も落ち着いてきました。
前作から比べるとマップ自体は広くなり、郊外での競り合いが減った代わりに、全体的に得点が取りにくいようになっています。終了時点の点数も若干ですが下がってくるかと思いますし、得点の振り幅も大きくなっているような気がします。このあたりは最終調整で変わることもありますが。
というわけで、ようやく完成にちかづいた「東京乗車券 第2版」次のゲームマーケットに向けて着々と準備を進めています。