秋のゲームマーケットも準備期間に入りました。まだ作業期間がつかめないのですが、後の作業のためにゲームのらくがきをお送りしましょう。
名称などは変わる可能性がありますが、ルールは完成版です。出展するときは TIPSをつけて、こちらだけの要素としてデザイナーズノートをつけるのはいつも通りです。
プレイ人数は 2〜6人、プレイ時間は 10分程度です。2人用ルールをはじめとしたバリエーションはここでは省略します。
刻々と変わりゆく相場で、タイミングよく売却してお金を稼ぐゲームです。相場の変動も品物の売却もカードを投げ入れることで行います。相場をじっくりと見るのも大事ですが、あまりに待ちすぎて出遅れてしまうと、手痛いペナルティーがあります。
相場カード 8枚×6色
市場ボックス 1個
相場チャート 1枚
リファレンスシート 1枚
得点ボード 2枚
得点コマ 2個×6色
相場コマ 1個
手札のカードを市場ボックスに投げ入れて、相場を操り、品物を売却していきます。投げ込んだカードによって相場は刻一刻と変動していきます。売却の機会はわずか4回。その中でもっとも多くのお金を稼いだプレイヤーが勝利します。
このゲームは、「簡易版ルール」と「通常ルール」の 2種類のルールがあります。ゲームを始める前にどちらのルールを使用するかをプレイヤー間で決めてください。
各プレイヤーは、同じ色の相場カードを8枚ずつと、得点コマを2個ずつ受け取ります。相場カードは4種類×2枚から構成されています。
市場ボックスを組み立て、テーブルの中央に裏向きにして配置します。
リファレンスシートを使用するルールの面を表向きにして全員から見える場所に置きます。得点ボードをテーブル脇に置きます。簡易版ルールの場合は 30〜59点のボードは使用しません。全員の得点コマのうち1つを得点ボードの「0」の位置に置きます。
通常ルールでプレイする場合、相場チャートをテーブル脇に置き、相場チャートの「5」の位置に相場コマを置きます。カードに書かれた矢印の向きに従って相場コマを動かし、売却価格が決まります。
簡易ルールでプレイする場合は相場チャートを使用しません。リファレンスシートに書かれているとおり、直前のカード、2つ前のカードの種類によって売却価格が決まります。
各プレイヤーは自分の相場カードをよくシャッフルし、裏向きにしてテーブルの上に置きます。このとき相場カードに手を触れてはいけません。
適当な方法、たとえば一番最近に日経平均株価を見聞きしたプレイヤーがマーケットを開始します。裏向きの市場ボックスを表向きにひっくり返したらマーケットが開きます。この時点で全員手札を持って好きなタイミングでカードを投げ込みます。
カードは、市場ボックスから10cm以上離れた場所から 1枚ずつ投げ込まなければなりません。できるだけ表向きになるように投げ込んでください(裏向きに市場ボックスに入ったカードはそのままにします)。
市場ボックスから外れたカードは向こうになります。他のカードの投げ込みの邪魔にならないように、カードを拾って再度投げ込まなければなりません。
全員が全てのカードを投げ込んだら、マーケット終了です。得点計算に移ります。
得点計算は、マーケット監査員、資産記録員、基本ルールでは、相場監視員の 3つの役割を分担して行います。
マーケット監査員は、投げ込まれたマーケットカードを裏向きにして回収します。その後で、最初に投げ込まれたカードから順に 1枚ずつ表向きに並べていき、どのカードが投げ込まれたか、誰が売却したかを読み上げます。ある程度の枚数が並んだら適宜新しい列を作るといいでしょう。
相場監視員は、通常ルールでのみ登場します。マーケット監視員が読み上げた方向に従い、相場コマを動かします。
資産記録員は、売却したタイミングで、売却金額に従い得点ボードの得点コマを動かします。簡易ルールの場合は、マーケット監視員が、通常ルールの場合は、相場監視員が、売却額を読み上げます。
・ボーナスとペナルティー
プレイヤーが投げ込んだカードの順番によって次のペナルティーとボーナスがあります。
1. 最後のカード (通常ルール/簡易ルール)
どちらのルールでも、一番最後にカードを入れたプレイヤーには -2点のペナルティーです。
2. 同一色のカード連続 (通常ルール)
通常ルールのみ、同じ色のカードが連続した場合に、ペナルティーがあります。直前のカードと同じ色のカードが出ていたら -2点のペナルティーです。3連続、4連続と続いた場合はカードごとにペナルティーを受けます。
3. ボーナスゾーン (通常ルール)
マーケットの終盤にうまく売却できたプレイヤーにボーナスがあります。人数に応じてリファレンスシートに書かれているボーナスゾーンで売却したプレイヤーに +1〜+2点のボーナスがあります。このボーナスは売却時にのみ有効です。
最後のカードまで得点計算の処理が終わった時点で、もっとも得点の高いプレイヤーが勝者です。同点の場合は、より早くカードを出し切ったプレイヤーが勝者となります。
今回は初めての秋のゲームマーケットということで、できるだけ物が少ない作品をということで考えていきました。カードを投げ込むゲーム自体は「ワードバスケット」や「ジレンマ」「ワイルドラッシュ」などがありますが、相場ゲームとの組み合わせができないかと思ってふと作ってみたものです。リアルタイムが要求される世界ではありますからね。
相場チャートを使うのは当初から考えていましたが、実際にやってみると、最初のうちは相場が終える物の、途中からわからなくなってしまうという感じが出てきました。相場チャート自体は結構ダイナミックに動くので、フィーリングである程度は狙えるのと、最後まで残ってしまうとペナルティーになるので待ち過ぎてもよくないというある意味ジレンマですね。
相場混乱のカードがポイントで、高い場合は大暴落、安い場合は高騰するようになっています。売却ラッシュの途中で投げ込むとかなりの効果がありますし、下がってきたタイミングで投げ込まれると一気にリセットされます。
通常ルールは、テストプレイ中のアイデアから、終盤の不利さを解消するためボーナスゾーンをつけています。これを狙うのもいいですが、最後にカードが余ったり、連続投入すると一気に台無しになってしまいます。
相場チャートを追っていくのは大変だということも考えられたので、もっとシンプルな簡易版ルールも作りました。直前のカードで相場が決まりますが、数字が書いていないのがポイントで、ここでも相場混乱の2つ前まで見るのがきいています。こちらはじっくりとカードを見るとある程度相場が追えるようになっています。最後のペナルティーが相対的にきつくなっていますが。
ともすると、実際のプレイよりも、得点計算の方が時間がかかったりしますが、どのタイミングでどのカードが投げ込まれたかのリプレイをおうような感じになります。普通の相場ゲームでは途中過程は流れてしまうので、後で検証できるというのもおもしろさの一つではと思ったりします。
カード投げ込みのゲームにはまだ可能性があるのではと思います。今回実際に作れることがわかったので、気が向いたら別の要素との組み合わせも考えてみようともいます。