ゲームマーケット前恒例のゲームのらくがきです。今回もルールブックのドラフト版とデザイナーズノートをお送りします。
更新時期の都合上、先にデザイナーズノートをお送りして、あとからルールブックのドラフト版を追加します。
「タウン フォーク」の、プレイ人数は 2〜5人、プレイ時間は 20分程度です。
土地を開拓し、職人を雇い、建物を建設し、町を発展させていきましょう。
土地、職人、建物は町の発展に役立つ効果を持っています。発展に応じて得られるコインで、職人を育てたり、より強力な効果を使用することができるようになります。
町を発展させることで獲得できる得点の最も高いプレイヤーが勝利します。
このゲームには次のものが入っています。
・土地カード 16枚
・職人カード 16枚
・建物カード 16枚
・初期土地ボード 6枚
・得点ボード 2枚
・サイコロ 8個
・コインチップ 35枚 (1コイン×20枚、2コイン×15枚)
・得点チップ 15枚 (50点×10枚、100点×5枚)
・町長マーカー 1枚
・プレイヤーキューブ 10個 (5色×2個)
・マニュアル 1枚
・初期土地ボード
初期土地ボードには、いくつかの効果ボックスで分けられており、各プレイヤーが最初から使用できる効果が書かれています。6種類のボードは、それぞれ 1の目で入手できる材料が異なります。
(1)効果名:効果ボックスに書かれている効果の名前です。
(2)効果ボックス:このカードの効果が書かれています。
・土地カード/職人カード/建物カード
ゲームに使用するカードを説明します(土地カード、職人カード、建物カードをまとめてカードと呼びます)。
(1)カード名:このカードの名前です。
(2)コスト:カードの獲得に必要なサイコロや材料を示します。
(3)効果ボックス:このカードの効果が書かれています。1枚のカードに2つ以上の効果があるものもあります。
(4)能力ボックス:職人がレベルアップしたときの効果を示します
(5)種類アイコン:カードの種類(土地、職人、建物、食料)を示します。
・得点ボード
各プレイヤーの得点を示すボードです。図のように組み立てます。
矢印のない効果ボックスは、毎ターン、書かれているものを生産します。
矢印のある効果ボックスは、矢印の左側に書かれているものを支払うことで、矢印の右側に書かれているものを獲得します。矢印の中に何も書かれていない場合は1回、数字が書かれている場合は書かれている数だけ効果を使用することができます(1〜と書かれているものは何回でも使用することができます)。
同じ効果ボックスで効果を複数回使用する場合、選択可能なものについては、1回ごとに好きなものを指定することができます。
効果ボックスに書かれているアイコンの概要は、下記の通りです。建物カードの中には、特別な効果を示すアイコンが書かれているものがあります。こちらについては後述の「建物カードの効果」を参照してください。
- 出目の書かれていないサイコロは、好きな目のサイコロ1個を示します。
- 出目の書かれているサイコロは、対応する出目のサイコロ1個を示します。
- 材料アイコンはそれぞれ、次の材料を示します(麦、木、石、鉄、好きな材料)。
- 複数のアイコンがいくつかのスラッシュで区切られている場合は、示されたもののうちどれか1個を選びます。
- 得点アイコンは、数字ぶんの得点を示します。
- アイコンと得点が書かれている表は、自分が所有するカードに書かれている種類アイコンの合計数に応じた得点を示します。
例1) 初期土地ボードの「市場」は、「2個のサイコロから、好きな材料1個を何回でも生産する」効果があります。これにより、サイコロ4個から麦と木をそれぞれ1つずつ生産することができます。
例2) 人物カードの「料理人」は、「サイコロ1個から、所有する食料アイコンが1個以下の場合1点、2個の場合2点、3個以上の場合3点を、1回生産する」効果があります。
得点ボードを組み立て、全員から見えるところに置きます。
各プレイヤーは、自分の色のプレイヤーキューブをとり、1個を自分の手元に、もう1個を得点ボードの「0」のところに置きます。手元のキューブは自分のプレイヤーが何色かを示します。
土地カード、職人カード、建物カードをそれぞれよくシャッフルして、下図のように、それぞれから 3枚を表向きにして並べます。並べられたカードを「カード売り場」と呼びます。その横に残りのカードを裏向きの山札にします。
そのあとで、初期土地ボードを人数分ランダムで選び、全員の手の届くところに並べます。初期土地カードの右下には1〜6の数字が書かれており、ランダムで選ぶ際、人数分サイコロを振って出た目に対応するボード使用してもいいでしょう。
適当な方法で(たとえば、最近役所に行ったプレイヤー)最初のプレイヤーを決め、「町長マーカー」を受け取ります。
・初期土地ボードの獲得
最後のプレイヤー(市長マーカーを持ったプレイヤーの右隣のプレイヤー)から、逆時計回りに初期土地ボードの1枚を選び、自分の前に置きます。これを、最初のプレイヤーまで繰り返し、全員が初期土地ボードを1枚ずつ獲得します。
このゲームはいくつかのラウンドからなります。1ラウンドは、市長マーカーを持つプレイヤーから時計回りに、自分のターンを行い、最後のプレイヤーのターンが終了するまで続きます。
各プレイヤーは自分のターンになったら、次のステップを順番に行います。
1. カードを交換する
2. サイコロを獲得する
3. サイコロを振る
4. 材料を生産する/レベルアップする
5. 得点を獲得する
6. カードを獲得する
7. コインを獲得する
8. カードを補充する
1. カードを交換する
初期土地ボードの「やぐら」の効果を使用することで、1ターンに1回、カードを交換することができます。
コイン1枚を支払い、表向きの土地カード、職人カード、建物カードのうち好きなカードを対応する山札の一番下に戻します。そのあとで、それぞれのカードを3枚になるまで表向きに公開します(十分な枚数のカードがない場合は、すべて公開します)。
2. サイコロを獲得する
プレイヤーは毎ターン 5個のサイコロを振ることができます。
このときに、初期土地カードの「宿屋」の効果を使用することで、このターンに振れるサイコロの数を増やすことができます。コインを3枚まで支払い、支払った枚数と同じ数のサイコロを獲得します。
3. サイコロを振る
5個+獲得した個数のサイコロ(最大8個)を同時に振ります。サイコロがテーブルから落ちてしまった場合は、すべて振り直します。
4. 材料を生産する/レベルアップする
獲得した初期土地ボードやカードの効果で材料を生産したり、コインを支払うことで職人をレベルアップさせたりすることができます。
・材料の生産
初期土地ボードや土地カードの効果を使用し、材料を生産します。生産した材料は、このターンでの得点やカードの獲得に使用することができます。
初期土地ボードの2〜5の出目は、それぞれの材料アイコンに書かれているシンボルの個数に対応しています。
・レベルアップ
初期土地ボードの「訓練所」の効果で、コインを1枚支払うことで、職人カードをレベルアップすることができます。
職人カード1枚には、1ターンに1回しかレベルアップはできませんが、何枚でもレベルアップさせることができます。レベルアップの効果はすぐに適用され、このターンの得点獲得にも影響します。
職人カードの上に置かれたコインは、その職人のレベルを示し、最大で 2枚まで置くことができます。レベルアップすることにより、効果を使用したときに獲得できる得点や、使用できる回数が増えます。レベルアップ時の効果は、能力ボックスに書かれています。
例) 「パン職人」は通常「麦1個から2点の効果を2回まで」使用できますが、1回レベルアップすると「麦1個から3点の効果を3枚まで」、2回レベルアップすると「麦1個から4点の効果を4回まで」使用できます。
5. 得点を獲得する
得点を獲得する効果を使用し、得点ボードの自分のコマを動かすことで、得点を獲得します。得点が 50点になった場合は得点チップを受け取り、再度 0点からカウントします。
初期土地ボードの中にも、いくつか得点を獲得する効果があります。
初期土地ボードの「採掘所」の効果で、サイコロ1個を1点に変えることができます。
初期土地ボードの「税関」の効果で、このターンにサイコロを5個振った場合に限り、1ターンに1回、サイコロ1個を1点とコイン1枚に変えることができます。コインの獲得は「7. コインを獲得する」で行います。
初期土地ボードの「金鉱」の効果で、ターン開始時に得点ボード上の自分得点が50点以上になっている場合に限り、3個以上の1の目を支払うことで、1の目1つにつき8点を獲得します。
6. カードを獲得する
カード売り場に置かれているカードについて、そのカードのコスト(サイコロ、材料)を支払うことで獲得することができます。サイコロや材料が足りる限り、好きな枚数カードを獲得することができます。
獲得したカードの効果は、次のターンから使用することができます。
得点の獲得とカードの獲得で使用しなかった、材料やサイコロは次のターンに持ち越すことができません。
7. コインを獲得する
このターンに使用した効果や、獲得した得点、カードの種類アイコンの数に応じて、コインを獲得します。
コインは最大5枚まで持つことができます(職人のレベルアップに使用したコインは含みません)。5枚を超えてしまった場合は、それ以上獲得できません。
このターンに、初期土地ボードの「税関」の効果を使用していた場合、コインを1枚獲得します(サイコロを6個以上振ったターンには、この効果は使えません)。
このターンに、自分の得点が2点と20点に到達した場合、それぞれコインを1枚獲得します(1点以下から一気に20点以上になったときは、コインを2枚獲得します)。
このターンに、獲得したカードにより、自分の獲得したカードに書かれている種類アイコン(土地、職人、建物、食料)が 2つ以上に到達したときに、到達した種類1つにつきコインを1枚獲得します。
8. カードを補充する
カード売り場のカードを3枚になるまで補充します。土地カード、職人カード、建物カードについて、それぞれの山札の上からカードを表向きにし、カード売り場のカードを補充します。十分な枚数のカードがない場合は、可能な限り補充します。
全員のターンが終了したら、ラウンドが終了します。
ラウンド終了時点で、誰かの得点ボード上での得点が 50点以上になった場合(得点チップを獲得した場合)、次のラウンドが最終ラウンドになります。最終ラウンドが終了したら、ゲームが終了します。
ラウンドが継続する場合、市長マーカーを持つプレイヤーから再びターンを行います。
最終ラウンドが終了したら、ゲームが終了します。
ゲーム終了時点で、現在の得点ボードの得点に、持っているカードの得点を加算し、最終得点を計算します。最も得点の高いプレイヤーが勝者となります。同点の場合は建物カードの「タウンホール」を持っているプレイヤーが勝者となります。
建物カードの効果の詳細をカードごとに説明します。
・精麦所、材木工場、石材工場、製鉄所
左側の効果ボックスでは、アイコンに指定された材料1つを得点に変えたときに、1点を追加で獲得します。
右側の効果ボックスでは、1ターンに1回、コイン1枚を支払うことで、指定された材料を1つ獲得できます。この材料は得点に変えるときにしか使用できません(カードの獲得には使用できません)。
・職人ギルド
左側の効果ボックスでは、「職人のレベルアップ」を1回行うごとに、2点を獲得します。
右側の効果ボックスでは、1ターンに1回、コイン1枚を支払うことで、自分の所有する職人カードに乗っているコイン1枚につき2点を獲得できます。
・温泉
左側の効果ボックスでは、1点を獲得します。
右側の効果ボックスでは、1ターンに1回、コイン1枚を支払うことで、自分の所有するカード1枚につき2点を獲得します。(土地カード、職人カード、建物カードの枚数の合計で、初期土地ボードは含まれません。)
・交易所、コロシアム、図書館、酒場
左側の効果ボックスでは、自分が所有しているカードに書かれている指定された種類アイコンの個数合計に応じ、1〜3点を獲得します。
右側の効果ボックスでは、1ターンに1回、コイン1枚を支払うことで、自分の所有するカードに書かれている指定された種類アイコン1個につき2点を獲得します。(土地カード、職人カード、建物カードの枚数の合計で、初期土地ボードは含まれません。)
・建築士ギルド
左側の効果ボックスでは、建物カードを1枚獲得するごとに、3点を獲得します。
右側の効果ボックスでは、1ターンに1回、コイン1枚を支払い、かつ、サイコロ1個を使用することで、好きなを1つ獲得できます。この材料は建物カードの獲得にしか使用できません。
・劇場
左側の効果ボックスでは、1点を獲得します。
右側の効果ボックスでは、2個以上の6の目を支払うことで、6の目1つにつき6点を獲得します。この効果を使用するとき、コインを1枚支払うことで、獲得できる得点を6の目1つにつき9点に上げることができます(6の目の個数にかかわらず、支払うコインは1枚です)。
・庭園、屋敷、要塞、タウンホール
左側の効果ボックスでは、2点を獲得します。
右側の効果ボックスでは、1ターンに1回、コインを1枚支払うことで、指定された得点を獲得します。
恒例のデザイナーズノートです。ルールブックに載せないので、Web限定の話になります。
この作品、実は 2014年秋向けに考えていました。「シティー ビジョン」が品切れからしばらく立ち、リメイクしてみたいという気持ちがありましたが、バランス調整に時間がかかった作品で、秋向けの時間が 5か月しかなかったこともあり、見送りました。
春のゲームマーケットの日程が 5/5 と間が空き、別のイベントの開催とぶつからなかったことから、ゲームマーケット前の 10月の時点で進めようとしていました。
まちづくりシリーズも「シティー プラン」が 2005年の作品で、10周年になることもあり、春には間違いなく出そうということで、早めに動きました。ゲームマーケット終了直後からプロトタイプを作り、翌週の JAGAでお披露目というこれまでにないペースです。
「シティー ビジョン」の流れをくむ作品ということで、ある程度は同じようにしつつ、新しい要素を入れることにしました。
「シティー ビジョン」は、建物を建てることで、高い建物を入手しやすくしたり、ダイスを得点変換する効果を手に入れたりして、最終的には 8軒の建物を揃えて、得点変換に走るという流れでした。役作りのような感じですね。
今回の作品は、ダイスと得点の間に「材料」を1つ入れて、材料を集めて建物を建てる、材料から製品を作って得点を獲得するという流れにしたいと思っていました。そうなると、コンボ的なものも組みやすくなるだろうという狙いもありました。
材料を使うということと、「シティー ビジョン」とは違うテーマにしたいということで、ファンタジーというところまでは構想段階でありました。
また、建物の他に材料を入手するための土地と、材料から得点を生産する職人の3種類をきれいに分けるところまでは、構想段階ですでにありました。
比較的早い時期からバランス調整に着手しましたが、1月には完了させたかったので日数はあまりありません。11月の初お披露目と何回かのテストプレイで出たのが、建物と職人の効果に違いがなさ過ぎること、得点の差がつきにくいゲームになっていること、ダイスの数を6個からいっそのこと減らした方がいいのではということ、選択肢が欲しいことなどがありました。
このあたりを加味して、12月頭の段階で、コインの要素を加え、ダイスの初期数を5個にして、コインでダイスを増やすことができるようにしました。12月は試行錯誤の時期で、コンボのボーナスを入れたバージョンを作ったりしましたが、職人はレベルアップできることと、建物は補助効果に徹することで方向性をつけています。
1月に入って、何回かプレイする機会がありましたが、バランス調整は続いています。建物のバリエーションを考えるのが中心でしょうか。非対称系の建物の一部は、この時期にアイデアを考えたものもあります。
2月はテストプレイ自体は 2回だけでしたが、セルフテストは回しています。最終調整ですが、問題となりそうなカードが見つかって修正したりと、最後まで予断を許さない状態でした。JAGAで最終的な調整は完了。3か月ちょっとというところですね。
冬休みや、帰省が入ったりして、時間はとれなかったもののバランス調整にかなり時間がかかりました。
この作品、まちづくりシリーズなので、当初はイラストも依頼を出す予定でしたが、バランス調整に時間がかかりすぎたことと、時期がぶつかってしまったので、自分でイラストを作る方向に急遽変更しました。
時間もそこまでとれないので、ベタにフィールドマップやタウンマップをドット絵で起こす方向にしました。素材が多く大変でしたが、それらしいものになったのではと思います。
この作品、ファンタジーものということで、職人カードの構想は練っていたのですが、自己生産になったので通常のドット絵にしています。素材と時間が十分にあればうっかり入れ込めたかもしれませんが。