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● クローズドボードゲーム会 2020年11月 ●

 2020年11月22日、クローズドのゲーム会に参加してきました。もろもろの事情があり、影響の少ないところまで前線を上げて、半分遠征でのゲーム会にしました。金曜日の時点で場所変更があったりしましたが、なんとか開催できたので、プレイしたゲームを中心にレポートします。ゲームマーケットの創作ゲームが中心です。


●オフトゥンからの脱出

 1ゲーム目は、こちらの作品をプレイ。拡張第2弾までを入れています。アクションプロット系のゲームです。

 体力管理と、順番とカード獲得のゲームですが、拡張セットが入り、カード枚数が増え、ラウンド数が増えました。その結果、休むタイミングも重要になってきます。Variable Player Power の要素もあります。大きな違いは、獲得対象のカード枚数が 1枚増えたことと、セットコレクションの要素が1つ増えたことでしょうか。

 通常は、1枚余裕ができたので「取らされる」ケースが少なくなりました。とはいえ、2枚以上を獲得するケースもあるので、不足が出るケースもごくまれにあります。枚数が増えたのはいい変更点だと思ったりとか。

 初期プレイヤーの能力ですが、強弱はあるように感じました。特定のカードでボーナス点が入るものと、そのカードがプラスの効果を持つものの組み合わせは、かなりやりにくいです。デメリットがある効果だと、カットされにくいので集まりやすくなりますが。タイブレイクの順番が決まるのは、分かりやすいとは思います。

 ラウンド数が多いので、最後の試験の得点は、もう少し期待値を大きくし、高得点のカードを入れてもいいような気がしました。最後に残る体力と、獲得した得点のバランスが若干アンバランスな感じはするので。今回の場合は、体力をギリギリまで削るプレイの方が安定しそうです。

●Align

 お次はこちらの作品を。交渉を駆使して同色のカードを集めるゲームです。

 カードは裏表の両面になっており、表面のカードの色をそろえます。裏面の色は高確率で同色ですが、他の色も混ざっています。交渉は 1人に対して1トライで、最後の1人は強制的に成立します。

 裏面の色を見ながら、表面のカードをそろえるので、ヒントになるかもしれないし、違う色がくるかもしれません。裏面の色がそろうと脱落するので、そのあたりもポイントになってきます。交渉のラストトライは拒否できないので、そのあたりでうまく詰めることも必要になります。ワイルドカードは、そろえる枚数が1枚減りますが、脱落条件も 1枚減るのがポイントになります。ハイリスクハイリターンですね。

 カードをそろえる感覚は独特で、面白さがあります。カード構成が複雑なのと、交渉ゲームなので、プレイ人数が多いとプレイ感は重くなります。4人がよさそうな気がします。あとは、もう少しコンパクトな作りだと変わってくるかもしれません。

●Boast or Nothing

 その次は、こちらの作品を。マストフォローのトリックテイキングです。

 3スートしかありませんが、スートの強さがトリックを取るごとに変わってきます。この中で決まったトリック数を取るか、0トリックを取ることを目指します。0トリックの方が得点が高いので、トリックを取らないことを狙うゲームではあります。

 マストフォローでトリックを取らないミゼールを狙うとなると、1スートを使い切って、マストフォローができずに捨て札にするのですが、このコントロールがしにくくなっています。うっかり取らされることもあります。マストフォローの制約も受けず、最弱のパスカードもあります。

 少しひねったトリックテイキングで、どちらかと言えば軽く楽しむタイプでしょうか。ちなみに、マニュアルはフレーバーが多くて読みにくいタイプです。ルール自体はそこまで複雑ではありませんが、読み解く必要が出てきます。

●宵は短し決せよ乙女

 お次にプレイしたのは、こちらの作品を。勝ち抜け負け残りの、読みあい系のカードプロットのゲームです。

 自分のターンで対戦相手を指定して、プレイしたカード+特殊効果で対決をおこない、対決に勝利すると、ゲームの勝利条件に関わるカードが引けます。負けた方は戦力強化ができることになります。

 基本は、属性の強弱、同点の場合は、数字の強弱で決まりますが、特殊効果の幅が広い感じです。なので、最終的には読み合いに帰着するような感じがしました。カードの雰囲気はいいですし、手軽なゲームだと思います。

 このゲーム、対決に関わらないのが一番残念な感じなので、少し隙を見せる感じがちょうどいいのかもしれません。最後は2人になるので、指名されないこともあるのですが。

●iC (intellectual Carta)

 お次は、こちらの作品を。カルタ系のゲームです。

 この系統のゲームは比較的色々と出ていますが、知識が必要にならないタイプのゲームです。取り札、読み札には3色で構成された図形が書かれており、読み手は色を1色ずつ読み上げます。該当する図形を早取りするので、知識は不要です。色を扱うゲームではあるのですが。

 面白いところは、読み上げ順は任意なので、読み手の性格も出るところです。幅広く楽しめるゲームだと思います。

●リストランテ パグ

 昼食休憩を挟んで、こちらをプレイしました。料理のジャンル、調理法、材料などがかかれたカードを使ったオムニバスのコミュニケーション系のゲームです。

 今回は、親が 6枚中3枚のカードを選び、そこから連想される料理名を、親と合わせることを目指すゲームです。親はできるだけ当ててもらうという感じになります。今回のメンバーは、料理に造詣が深い方が多いので、このタイミングでということで。

 思ったよりも、料理を思いつく難度は高めかもしれません。きれいに決まると爽快感があるゲームですね。料理への興味が必要なので、思ったよりもプレイヤーは選ぶかもしれませんが、手軽なゲームではあります。

 テーマとQ&A、今回初参加ということもあり、一通り購入しました。コミュニケーション系のゲームが中心とのことですが、ルールの書き方はロジカルな感じがしました。

●神のツルハシ

 その次は、こちらのゲームをプレイしました。ダイスでリソースを獲得し、売却したりしながら、目標のものを購入する、相場操作と経済系のゲームです。

 序盤は、装備品を整えて、収入を増やし、中盤以降でいかに一気にお金を稼ぐかという感じになります。装備品の組み合わせによって、ダイス目で手に入る物も変わり、相性もあります。基本的に上がり基調の相場ですが、上がりきるとリセットされたりということもあります。

 序盤、中盤くらいは若干の手数の差はありましたが、装備品がそろい始める終盤がだいぶ長くなりました。直接攻撃ができるゲームではあるのですが、直接収入に対して、他のプレイヤーからお金を奪う出目の方が多くなるので、プレイヤー間でしかで現金が流れない展開が出てきます。

 中盤の装備品よりも、奪う効果を防ぐシールドを取ったのが、超長期戦の展開で有利に働きました。換金一発で目標金額を貯めて、差し切った形になりました。終盤は、現金をわざと取らない方が有利だと判断して場にお金を流さなかったりもしました。

 中盤までのコンボは楽しいゲームではありますが、相場が荒れすぎるのと、終盤の奪う効果でゲームが停滞するのは改善点ではあります。単純にお金を奪う効果を大きく減らし、大きな収入がある効果を少し入れることで、収束性はかなり違ってくるかと思います。

●アルヴィウム

 さらにその次は、こちらの作品をプレイしました。ペントミノを地図上に書き込む紙ペンゲームです。

 このゲームの独特な要素として、自分の容姿に最初に書き込んだ後は、隣のプレイヤーに回して図形を書き込んでもらうと言うことになります。自分に対しては隙間をあけない長方形を作ることが目的で、他のプレイヤーは、持ち主とできるだけ隣接するように、かつ、自分の図形を隣接させるように書いていきます。

 時計回り、逆時計回りの妙もあり、偶数ラウンドは悪意からスタートすることもあります。隣接のマジョリティがあるので、できるだけ接戦になるような配置が理想ではあります。それにまして、自分で間を開けないようにするのも大事ですね。

 初手に受け入れの広い形を作り、2手目で隙間が空かないようにうまく詰められたこともあり、最終的にあまり穴が空かない展開になりました。基本点でだいぶ伸ばせたのと、思ったよりも隣接のマジョリティがとれたので得点が増えました。

 図形を埋める紙ペンゲームは「ラストチャンス」「パッチワーク ドゥードゥル」「カートグラファー」がありますが、相手のシートにも書き込むのが独自要素ではあります。パズル的な要素は強いので、好き嫌いは分かれそうな感じでしょうか。プレイ感はよかったです。

●ドリアン

 ここから 6人に増えて、こちらをプレイすることに。

 自分以外の状況が見えている中で、全員の条件を満たすような注文をしていく、ブラフ系のゲームです。「コヨーテ」に近い感じでしょうか。自分以外の状況を見ながら、追加注文するか、オーバーしているとコールするかの2択です。追加注文したときも、カードの配置で 2通りにすることはできます。

 人数が多いと、巡目があまり回ってこないこともあるのと、失点方式なので、0点で終わるプレイヤーが多くなるのは難点ですが、軽く楽しめるタイプのゲームではあります。シンプルさはこちらの方があるでしょうか。

 得点を考えると 3人くらいの方が締まる感じはしますが、3人だと同作者の「ダンジョン オブ マンダム」があるので、そちらとの棲み分けが悩ましいですね。軽い方が好みの場合は、こちらのほうがいいでしょうか。

●Cat in the Box

 今回の注目作をプレイしました。マストフォローのトリックテイキングゲームです。

 このゲームのポイントは、数字は決まっていますが、カードの色は自己申告で決まるというところにあります。当然、すでに出たカードは出せないので矛盾を発生させることはできません。手詰まりになったらその時点でゲームが打ち切りになり、得点計算が入ります。

 トリックを取った方がいいタイプのゲームですが、トリック数のビッドに正解するとボーナスチャンスがあります。逆に破綻させてしまうと、基本は失点になります。

 ルールを読むと、ゲームとして成り立つかが不安になりますが、破綻のルールも含めて成り立っています。概念を理解するためには、マストフォローのトリックテイキングの知識は必須ですが、プレイングは少し癖がある程度で、基本テクニックはある程度使えます。「ザ クルー」がしっかり楽しめるくらいの知識があれば十分でしょう。

 プレイヤーは完全に選びますが、これまでにない作品ではあるので、トリックテイキング好きの方に強くお薦めします。

●535

 その次は、こちらのゲームをプレイ。大富豪系のゴーアウトゲームです。手札を無くすことが目的になります。

 カード構成が 5枚、3枚、5枚となることと、ペア、シークェンスでカードの強弱が逆転するところがポイントです。場札につける形もできるので、弱いカードもなんとかつながるかもしれません。ただし、ハードパスなのでタイミングが合わないこともあります。

 ウィナーがあまり確定しないゲームではあります。3枚までしか出せないのもポイントですが、隙が無くカードを出せるようにするのがポイントかもしれません。数字が抜けているため、シークェンスに制限があるのも面白い作りです。

 若干コントロールは効きにくいゲームではあるので、やや少なめの人数のほうがいいかもしれません。不思議なプレイ感覚のゲームです。

●さぼっちんぐアケチくん

 最後にプレイしたのはこちらです。全員で同じ入札をして目標値の達成を目指す、同時入札系のゲームです。

 タイトルの通り、いかにさぼってカードを温存するかがポイントですが、目標値に足りない場合は、最も貢献した人からの指名でカードプレイを強制されます。手札の枚数が少ないので、コントロールはほとんど効かない感じです。事故が起こるときもあります。

 ランダムで、得点獲得条件が、最も貢献したプレイヤーに変わる場合もあります。それも含めた勝負所を見極めるゲームでしょうか。プロジェクトカードの何も説明していない感と雰囲気を楽しむタイプのゲームでしょうか。


 ギリギリの状況でしたが、新作をまとめてプレイする機会ができました。特に創作ゲームをまとめてプレイできる機会は限られているので、大事にしたいですね。


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