■ いただきストリートの戦略 - 第4部 ■

- 5倍買い -

 自分のエリアを独占や半独占にする手段の1つとして、相手のお店を5倍買いするというものがあります。 ここでは、5倍買いをするときについてと、5倍買いからの防御法についてを書きます。

● 5倍買いの特徴
 まず5倍買いするときですが、自分のエリアが独占できるときに使うのが普通です。 また、手詰まりになってしまうと、半独占にするために5倍買いをせざるを得ない場合も生じるでしょう。 いったん独占をしてしまえば、増資限度額が大幅にアップするため、 手詰まりになる心配はほとんどなくなります。
 5倍買いをするためには、それなりの流動資産が必要になります。また、半独占以上にするわけですから、 当然インサイダーにつなげなければなりません。そうなると、 流動資産がほとんどなくなるような5倍買いはしない方がいいということが分かります。 逆に、流動資産にいくら余裕があっても、買いたいお店に止まらなければ5倍買いはできません。
 また、5倍買いをすると相手にお店価格の3倍分の現金が渡ってしまうので、 相手もインサイダーの段階に入っていると、それだけ株をためられてしまいます(または、 増資の資金にされてしまいます)。
 ここまでの話をまとめると、5倍買いの特徴は次のようになります。

■ 自分だけが一方的にエリアをそろえられる
■ 5倍買いをするためには、買いたいお店に止まらなければならない
■ 自分の流動資産が減るため、動きが遅くなる
■ 相手にまとまった額の流動資産が渡ってしまう

 このため、5倍買いは自分が先行していてもうすぐ手詰まりになりそうなときや、 相手にまだエリアがそろっておらず、大きなインサイダーがされそうにないときに使えるでしょう。 基本的には、先行したプレイヤーがするべきだとは思います。
 ただし、出遅れたプレイヤーについても5倍買いが使えないわけではありません。 増資限度額を大幅に引き上げたあとで、株を大量に持っているようにすれば、 ちゃんと逆転することはできます。
 相手の独占したエリアを崩す、防御的な5倍買いというものもあります。 これは、高い買い物料の店が回避しにくいストリートではそこそこ有効です。 エリア内に100G以下のあまりにも安いお店があるときは、 そこから独占を崩される場合もあるので、要注意です。
 ただし、自分のエリアに絡まない5倍買いは、流動資産の減少により出遅れてしまうので、 よほどのことがない限りはしない方がいいと思います。

● 5倍買いからの防御
 5倍買いを完全に防ぐ方法は残念ながらありません。買いたいお店に止まり、 買い物料の上にお店の5倍の値段を支払うので、5倍買いをするだけでも大変なのは分かるでしょう。
 だから、チャンスがあったら迷わず5倍買いをした方がいいといえるのです。 一度逃したチャンスは二度と来ないかもしれませんから。
 話を元に戻して防御法なのですが、相手にお店の値段の5倍も払わせるのだから、 お店の値段を上げて、相手の負担を大きくしてしまおうと考えることができます。 これが、防衛増資になります。
 5倍買いされそうなエリアのお店を、株の所有に関係なく増資することで、 お店の値段を上げ、そのエリアの株価まで上げてしまうという働きがあります。
 お店価格が200G以下のお店は5倍買いの格好のターゲットとなるので、 そういったお店は積極的に増資しましょう。私の経験から行くと、お店価格が200Gを越えると、 5倍買いをするのに考えるようになりますし、400Gを越えるとだいぶ買う気がしなくなります。
 ただし、エリアに1軒しかないお店は増資限界が元の価格の半分しかありません。 もともと安いお店(100G以下)はいずれにせよ5倍買いされる運命にあります。
 自分が独占したエリアについても、あまりにも安いお店は5倍買いされる危険性があるので、 増資をする場合は安いお店からの方がいいでしょう。 この場合は、防衛増資とインサイダーを一緒にすることになります。


- 取り引き -

 5倍買いとは対照的に、他のプレイヤーと取り引きをすることによりエリアをそろえることもできます。 ここでは、取り引きの特徴などについてを述べます。

● 取り引きの特徴
 取り引きは5倍買いと違って、2人のプレイヤーでお互いの利害関係が合致するような条件で、 エリアをそろえたり、お店を売り買いしたりすることになります。 これは、自分のターンのサイコロを振る前なら自由に行うことができます。
 取り引きを行うことによって、自分だけが一方的に有利にはなりませんが、 少なくとも取り引きをしたプレイヤーは、 取り引きをしなかったプレイヤーよりも有利になります
 これらをまとめると、取り引きの特徴は以下の通りになります。

■ 条件がそろえばいつでもできる
■ 自分もエリアがそろうが、他のプレイヤーもエリアがそろってしまう
■ 取り引きは誘発する(取り引きに混ざれなかった2人の間で、取り引きが起こりやすい)

● お店の売り買い
 取り引きの方法の1つとして、お店と現金の交換があります。 ただ、私の経験ではこのような取り引きが行われるのを見たことはありません。
 状況によって、お店と渡す現金の価値は大きく変化するため、そこまで計算して売り買いを行うのも、 ゲーム時間の遅延につながるのでどうかと思います。せっかく5倍買いという手段があるのですから、 そちらを軸に考えるのが無難ではないのでしょうか。

● 協定4倍買い
 5倍買いに対して、取り引きでの協定4倍買いというテクニックがどこかで紹介されていました。 これは、お店を4倍の値段で買い取って、5倍買いよりも買う方も売る方も、 お店の定価分もうけてしまおうという考えです。
 ただし、協定4倍買いでは重要な要素が1つ抜けているため、買う側が若干有利になります。 それは、「5倍買いは買いたいお店に止まらなければできない」ことです。 ただ、売る方もいつ入るか分からない収入よりは、確実に入る収入のほうがうれしいはずです。 それらもふまえて、本当に4倍で売るのかを考えるのがいいのでしょう。

● お店の交換
 一番よく行われる取り引きが、お店の交換です。お互いにエリアのお店をそろえ、 (表面上は)仲良くインサイダーを始めようというのが目的です。
 提示する条件は基本的に、「エリア内の所有するお店の数が一緒で、総資産が変動しない」ような条件です。 PS版のコンピュータ戦でコンピュータがよくやってくるのがそうです。
 交渉に応じる際は、相手がなぜ交渉をしてきたのかを考えて、 自分がまだ動けるかや、相手にエリアをそろえさせてもいいのかなどを考えた方がいいでしょう

● 交渉とマナー
 交渉は確かに効果的ではありますが、よりよい条件を探したり、交渉が平行線をたどったりすると、 長考やプレイ時間の遅延の大きな原因になります。
 参加者が気持ちよくプレイできるためには、交渉に何らかの制約をもうけた方がいいでしょう。 ここでは、マナーの面から見た交渉のルールについて私の意見を書きます。

 私は、よく(コンシューマではない)ボードゲームもプレイするので、 ゲーム上で「交渉する」ようなものにも多くふれてきたつもりです。 一般のゲームでの交渉には、ルールに明記されていない限りは、

 ゲーム上の現在の状況で、やりとりできるものしか交換条件として提案できない

という制約があると思います。これを「いたスト」に当てはめると、交換できるものは、

 その時点で各プレイヤーが持っているお金とお店

だけになります。

 「相乗りはしないから、このお店を買っていただけでないでしょうか」とか、 「あなたがエリアを通過するまで、増資はしないから交換してください」とか、 「独占させてあげるから、トップのプレイヤーをつぶしてほしい」とかという取り引きは、 トラブルの元になるのでやらないほうが無難です(誰でも交渉内容をうっかり忘れてしまうことはあるので)。
 これだけの制約で交渉内容はフリーにしてもいいのですが、 プレイ時間の点から見てもうちょっと工夫したほうがいいのではないかと思います。
 まずは、前交渉の許可です。「いたスト」場合、のゲーム上のコンピュータが行ってくれるので、 ターンの回っていないプレイヤーは基本的に何もしません。 自分のターン中にいろいろな条件を提示したのでは、その間ゲームがストップしてしまいます。 その時間を、待ち時間に回してもいいのではないかという考え方です。
 もう1つは、取引条件の定額化です。たとえば、お店同士の交換の場合は完全な等価交換のみ、 とか、お店の売り買いは協定4倍買いのみとかという具合です。提示される条件が制限されれば、 当然考えることも少なくて済みます(条件を見て受けるかどうかを決めればいいだけなので)。
 取引条件の定額化は交渉の機会を大幅に減らしてしまうことにもつながります。それでも、 プレイ時間が短縮されるほうが、ゲームとしては楽しくなると思います。
 お店を売る場合を例に、取引額を厳密に計算しようとすると、相手のエリアの占有状況(独占か半独占か)、 相手の持っている株と現金(インサイダーに関係)、 自分の状況(手詰まりか、インサイダー中か)などが絡んできます。 これらの条件を元に交渉しようとすると、 「相手にいくら資産を持たせてインサイダーをスタートさせるか」という、 モノポリー的な交渉になってしまいそうです。
 それはそれで面白いのですが、「いたスト」はあくまでも4人のゲームです。 2人で折り合いをつくまで交渉をしてたのでは、時間がいくらあっても足りませんし、 残された2人のプレイヤーが気の毒だと思います。


- 競売 -

 競売には大きく分けると、ターン中に選べるような「自主競売」と、 流動資産がなくなったときに行う「強制競売」の2種類があります。

● 自主競売
 自主競売は、序盤で流動資産が不足したときに行います。 また、チャンスカードの効果で2倍の値段で競売に出すのもここでは自主競売とします。
 競売で競り落としたお金は自分のものになるので、出す店が重要になります。 状況と全員の流動資産をよく見て決めましょう。
誰も興味のない店を自主競売すれば、銀行に定価で売れるので強制競売になるよりも25%得しますし、 店が相手に渡るというリスクもありません。
 逆に、自分と他の2人がそれぞれ1軒ずつ、空き店が1軒以上あるエリアの自分の店を売ると、 半独占以上のチャンスのある2人が競り合ってくれるため、より多くの現金を得ることができます。 うまくいけばリスクに見合う収入があるでしょう。

● 強制競売
 これはできればやりたくない、所持金不足の後で起こる競売です。 お店を売るようでは勝利にはほど遠いのですが、これから増資できるお店を残すようになるのでしょう。

● 競売に参加する場合
 競売に参加する場合、自分の中でいくら出せるかを考えておく必要があります。 自分の独占になるエリアでも、流動資産のほとんどを使い切ってまで入手しても、 あまり意味はありません。そうなるくらいなら、せり上げているプレイヤーに渡した方がいいでしょう。
 自分で買うときも、せり上げるときも基本的に自分の目安を作っておくと、 不慮の事故が起こったときでも対応できます(相手にやめられてお店を買わされることもあります)。 相手がどこまで値を上げるかは、完全には分からないのですから。


第3章 < 目次 | Light > 第5部
Index Consumer