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● 学習ゲーム特集 ●

 今回はゲームを紹介するのですが、普段とは違った切り口から見ていこうと思います。今回のテーマは楽しくてためになる「学習ゲーム」です。最初は「教育ゲーム」にしようと思ったのですが、調査段階で「ゲームを通した社員教育」というものが多かったので「学習ゲーム」と呼ぶことにしました。

 国語、算数、理科、社会といった小中学校の授業で学習するような内容がプレイしているうちに身に付くような、そんなゲームをアナログ、コンシューマ問わず紹介していこうと思います。中には、入手困難なゲームもあるかもしれませんが、ご容赦ください。


- 国語 -

 最初は国語から行きましょう。最近はワードゲームが私のまわりで流行っているということもあって、見る機会が多いですね。ここでは、日本語を楽しむ、日本ならではのゲームを集めてみました。

● ワードバスケット (しりとり、語彙力、小学校中学年から)

 最初は、アクションしりとりゲーム「ワードバスケット」です。ひらがなの書かれたカードを使って、次々としりとりをしていくゲームです。

 「場に置かれているカード」で始まり「手札のどれかのカード」で終わる単語を思いついたら、その単語をいってカードをバスケットの中に入れます。これを誰かの手札がなくなるまで繰り返していくわけです。

 このゲームのポイントは、誰でも知っているしりとりをベースにした分かりやすいルールと、アクション感でしょう。これまで体験したことのないようなゲームですね。

 しりとりということで、言葉をどれだけ知っているかが重要になると思いがちですが、とっさに言葉が出てくるかの方が重要です。プレイヤーの個性が見え隠れするのもこのゲームの特徴ですね。

 通常のルールなら小学校中学年から楽しめるでしょう。言葉の量だけではなく柔軟な発想も要求されるゲームだと思います。人数は 4〜5人がお勧めです。

● たほいや (辞書のゲーム、創造力、中学校から)

 国語ゲームの 2つ目は、かなり昔に深夜番組でオンエアされた、広辞苑を使ったゲーム「たほいや」です。

 みなさんも、知らない言葉を調べるときに辞書を使うことがあると思いますが、その辞書を使ったゲームが「たほいや」です。通常は 5人でプレイします。

 親のプレイヤーは、広辞苑から見たこともないような言葉を 1つ選んで「お題」にします。このときに、広辞苑に書かれている意味を書き取っておきます。

 他のプレイヤーは「お題」から、その言葉の意味を想像して、あたかも広辞苑に書かれているかのように「答え」を紙に書いて、親に渡します。

 全員の答えが出そろったら、渡された答えと正解をシャッフルした後で 1つずつ読み上げていきます。親以外のプレイヤーは 5つの選択肢の中から本当の意味を当てます。

 意味を当てたら得点になるのですが、他のプレイヤーをダマした(自分の書いた答えを選んでくれた)らその分も得点になります。親は、正解を当てられなければ得点になります。

 辞書を使ったゲームというわけで、とっつきにくいかもしれませんが、広辞苑の独特の表現を味わえる面白いゲームだと思います。他のプレイヤーをうまくだませるような答えを書いたり、あっと驚くような問題を出題したりと、全員に楽しめるところのあるゲームでしょう。

 本格的に辞書を使うゲームなので、中学校から楽しめると思います。5ラウンドで 1時間程度かかると思います。

● はなまる作文ゲーム (言葉のゲーム、作文力、小学校高学年から)

 国語ゲームの 3つ目は、入手困難ですが「はなまる作文ゲーム」を紹介します。これは、糸井重里さんが監修のゲームで、文字通り作文をするゲームです。

 手札には名詞、形容詞といった言葉の書かれたカードがあり、場札には「は」「が」といったつなぎカードが出ています。手札と場札を使って意味の通るような言葉を作るのが目的です。

 例えば「恥ずかしいくらい」「猫」「が」「好き」という具合に言葉を作るわけです。中には「チュチュ」とか「リボ払い」といった難しい単語もはいっていますが、これを使うと高得点になります。

 普通に言葉を作っても楽しいのですが、ルールを見て感動したのが、つなぎ言葉だけでも文になっていれば OK というものです。助詞の「は」と「わ」、なぜか入っている「い」を使って、「ハワイ」ということもできるわけです。

 偶然の産物でたまにものすごい言葉ができたり、思わぬつながり方をしたりと「言葉」や「ひらがな」の面白いところが見え隠れします。文章を作るのってこんなに楽しいの? と思ういいゲームでした。このゲームは 10年近く前にプレイしたのですが、今でも印象に残っているゲームです。

 難しい言葉には意味がちゃんと書いてあるので安心です。小学校高学年から、3〜4人くらいで楽しめるゲームだと思います。


- 社会 -

 ボードゲームは、歴史、政治、経済など社会に関係しているものが多いのですが、それだけに本当に社会らしいゲームというのはなかなか出てこないのです。

● 桃太郎電鉄 (日本の地理、小学校高学年から)

 コンシューマも扱うということで、日本の地理にある意味詳しくなれる桃太郎電鉄です。プレイするときも駅の名前でどの辺にあるかが分かっていたほうがスムーズにプレイできますからね。

 シリーズ開始から 15年くらい経過しますが、日本が舞台になっているのはずっと変わりません。日本の地理と名産に詳しくなれるゲームなのではないのでしょうか。

 私の場合は、日本地図を頭の中で書き描くと、桃鉄の地図になるという現象が起こります。東京から新潟までが 8マスとか、名古屋から大阪までが 6マスとかといった感じです。

 ゲームの説明はもはや不要だと思われます。取っつきやすい部類のゲームだと思いますし、その割にはある程度の戦略性があるゲームにまとまっていると思います。プレイ時間は公式戦で 90分程度でしょうか。

● エウロパ (近現代ヨーロッパ、高校から)

 社会のゲームから、もうひとつ。こちらは本格的なボードゲーム「エウロパ」です。第二次世界大戦終了後のヨーロッパを舞台に EU 加盟国を増やしていくゲームです。

 このゲームの特徴はなんといっても、近代ヨーロッパに詳しくなれることでしょう。時代が進むまでは東ヨーロッパの国は加盟しませんし、現代に近くなると内戦が起こったりします。

 国の数もかなり多く、旧ユーゴの国もすべて分かれています。スイスはなかなか加入しにくいとか、紛争の起こりやすい地域が設定されているとかと、しっかりとした作りになっています。歴史の授業では飛ばされやすい、近現代ヨーロッパを知るのにはいいゲームだと思います。

 ゲーム的な側面からいうと、EU に加盟させるためには複数のプレイヤーの協力が必要なため、どのプレイヤーと手を組むかということが大切になっていきます。コマの配置から、交渉、展開を見る力、読みあいまで、総合力が問われるゲームです。

 人数は 5人でプレイするのがいいと思います。プレイ時間は 2時間ほどとかなりボリュームがあります。さまざまな要素が入った本格的なゲームです。かなり難しい部類のゲームでしょう。


- 理科 -

 理科といえば、物理、化学、生物、地学などさまざまな分野があるのですが、ゲームになっているものは少ないのです。ここでは、生物のゲームを紹介しようと思います。

● ゾフインズー (生物、食物連鎖、小学校中学年から)

 最初に紹介するのは、食物連鎖を題材にした大富豪系のゲーム「ゾフインズー」です。暖かい感じの動物のイラストが印象的なゲームですね。

 カードゲームで、カードには動物が書かれています。最初のプレイヤーは 1種類のカードを好きな枚数だけ出すことができます。次からは、出したカードに「勝てる」カードを同じ枚数出す必要があります。この「勝てる」カードが食物連鎖をモチーフにしているのです。

 「ネズミ」は「蚊」に勝ち、「キツネ」は「ネズミ」に勝ちますが、「キツネ」は「蚊」に勝つことはできません(サイズが違いすぎるのです)。このように、強さがまちまちなので大きな動物を持っていても必ずしも勝てるとは限らないのです。

 また「ネズミ」はかなり強い「ゾウ」に勝つことができます。これによって 2週目の連鎖に突入することもあるのです。

 ゲームとしてはちょっと変わった大富豪ですが、最強のカードがないのでなかなか面白い展開になります。ほのぼのとしたイラストで、まったりと楽しんでみるのがいいかもしれません。人数は 4〜6人がいいと思います。プレイ時間は 10分程度。そんなに難しいゲームではありません。

● 原始スープ (進化、環境、中学校から)

 お次は、進化のゲームから「原始スープ」を紹介します。環境の変化に対応して自分のアメーバにさまざまな能力をつけて繁栄させていくゲームです。

 アメーバは生き物ですから、当然エサを食べなければ死んでしまいます。このあたりの生物の営みもシミュレーションしています。進化の方向によっては、他のアメーバを食料にすることもできるわけです。

 進化は早い者勝ちです。望みの能力は早めに取る必要があります。また、あまりに能力をつけすぎると環境に対応できなくなってしまいます。生き残るためにはバランスが重要なのです。

 ゲーム的な観点から見ると、エサの確保や進化の方向など戦略性の高いゲームにまとまっています。エサの配置など手を動かす作業は多いですが、本格的な戦略ゲームになっていると思います。プレイ人数は 4人がお勧めで、時間は 90分ほど。戦略性が高く、けっこう難しいゲームです。


- 英語 -

 中学校からスタートする、英語ですが好き嫌いの分かれる教科ですよね。ボードゲームをやる場合は英語が読めるようになると、いろいろと役に立ちますよ。今回は、英語を使うゲームを海外と国内から紹介します。

● スクラブル (パズル、単語力、中学校3年の教科書程度の英語力)

 昔からあるゲームですね。クロスワードのように、手持ちのアルファベットの書いてあるタイル出していくゲームです。当然のごとく単語力を要求されます。

 英語の場合は Q や Z といった、使いにくいアルファベットがあるのでこれをうまく処理できるかが、重要になってきます。タイルとして使えれば高得点ですが、残ってしまうとその分減点になってしまいますからね。

 基本的に、辞書は答えの確認が必要なときだけに使った方がいいでしょう。ゲームのテンポが悪くなってしまうというのもありますし、自分で単語を作るのがゲームの面白さにつながりますからね。

 ゲーム的には、タイルの引きによってつらさがだいぶ変わってしまいますが、クラシックなゲームのなかでは完成度は高いと思います。プレイ人数は 4人程度がいいでしょう。時間は 30分ほどでしょうか。

● スペラカード (語彙力、創造力、中学校3年の教科書程度の英語力)

 お次は、国内からの英語ゲームです。先ほど紹介した「スクラブル」と同じように単語を作るゲームなのですが、マージャン風のゲームになっております。

 アルファベットの書いてあるカードが 12枚ずつ配られ、1枚カードを引いた後で、カードを余らせることなく何個かの単語を作るのが目的になります。カードが余ってしまう場合は、いらないカードを 1枚捨てて次の日との番になります。

 こちらも単語力を要求されるのですが、アルファベットの入れ替えなどで思わぬ単語ができてしまうときがあります。創造力、発想力も試されるゲームかもしれません。mother の m を取ると other になるといった感じです。

 カードの枚数が 13枚と単語を作るのには、ちょっと多いくらいの枚数ですが、この枚数がけっこう絶妙だったりします。混乱しない程度に文字を入れ替えることができたりしますからね。入れ替えてきれいに完成したときはけっこう気持ちのいいものがあります。

 プレイ時間は 1ラウンド 5〜10分ほど、人数は 3〜4人がいいと思います。中学校卒業程度の英語力がないとつらいですが、ゲーム自体はそんなに難しくありません。


- 算数/数学 -

 最後は、算数と数学のゲームです。ゲームには確率論などといった数学的な要素がつきものですが、ここでは純粋な算数の能力が問われるゲームを集めてみました。こちらも、国内外の作品を混ぜて紹介します。

● アルゴ (推論、記憶力、小学校中学年から)

 1つ目は、算数オリンピック協会が手がけており、学研から発売されている正真正銘の学習ゲーム「アルゴ」です。

 各プレイヤーには何枚かのカードが配られ、数の大小関係に沿って並べ替えます。相手の持っているカードを、大小関係をヒントにしながら当てていくゲームです。

 序盤から中盤にかけては情報が少ないので、直感が頼りになってきますが、カードは各種 1枚しかないので、持っているカードとヒントから、だんだん候補が絞れてくるようになります。中盤以降は、質問の内容と、手持ちのカード、公開されているカードからカードを当てることになります。

 自分の行動や相手の質問がそのままヒントになってしまうこともあって、数学的な推論の力を要求されるゲームです。頭を使うゲームではありますが、じっくり考えれば分かるくらいの程良いバランスだと思います。

 プレイ時間は 1ラウンド 15分ほど、人数は 2〜4人でプレイできます。4年の学習の付録に付くゲームなので、小学校中学年から楽しめるでしょう。論理的な思考力、記憶力などが問われるので、大人も楽しめるゲームだと思います。

● ニューメロ (計算力、小学校低学年から)

 次に紹介するのは、オーストラリア生まれの計算カードゲーム「ニューメロ」(NUMERO)です。こちらは、計算力が要求されるゲームです。

 トランプの「カシノ」というゲームに近いルールになっています。場札の数字カードの何枚かを、手札のカード 1枚を使って取るゲームです。カシノの場合は、場札の何枚かのカードの合計と同じ数字を出すことでカードをとることができますが、このゲームはもっと複雑な要素が加わっています。

 それが、ワイルドカードです。ワイルドカードの中には −1 や ×2 といった演算子と数が書かれており、場札に対して計算をかけることができるのです。これによって大量のカードを一度にとることができたりします。

 例えば、場札に 15 と 11 と 3 があり、手札に ×1.5、√、6 があったとすると、11 と 3 を足して 14、それを 1.5倍して 21、21 に 15 を足して 36、36 のルートは 6 ということで、手札の 6 でカードをとることができるのです。

 小学校低学年向けには 1〜15までの数字カードのみを使いますが、慣れてきたら引き算のワイルドカード、中学年以降はかけ算、わり算のワイルドカード、高学年になると分数のかけ算のワイルドカード、中学になったら 2乗、ルート、高校生向けで 3乗、3乗根とレベルにあわせて追加カードが決まります。

 もちろんコアにプレイする場合はすべて入れてプレイします。かけ算やわり算、ルートが入るとかなりすごい計算ができたりします。

 ある意味、ものすごい計算力が要求されるゲームですが、ルールは至ってシンプルです。プレイ人数は 2人がお勧めで、時間は 20分程度です。

● 等式くん (創造力、計算力、小学校中学年から)

 最後に紹介するゲームは、マージャン式算数上達ゲーム「等式くん」です。マージャンの要領で 1つの等式を完成させるというゲームです。

 このゲームのポイントは、登場する牌にあります。牌には数字や、+, − といった演算子の他に、A 〜 I までの文字定数があります。6枚で等式を完成させる必要があるので、簡単にはいきません。

 数字の牌からクセがあります。まず、計算しやすい 0 がありません。あと、 6 と 9 は牌をひっくり返して使います。数字を 2つ並べると 2桁の数字になってしまいます。

 文字定数は A = 10, B = 11, ... , I = 18 となっています。文字式なので、2つ並べるとかけ算になります。AB = 110, 6I = 108 といった具合になるわけです。

 演算子は、+, −, x , ÷ の他に、2乗、ルート、挙げ句の果てには ' (微分記号) まであります。かけ算の牌が小文字のエックスなのに注意してください。そう、微分記号は x に対する微分になるのです。理系の高校数学になってしまうので、このあたりはゲームで使う範囲での補足説明を入れます。

 こんなクセのある牌を使って計算するのだから、かなりすごいことになります。ルートと 4 と 6 といった 3枚の組み合わせだけで、√49 = 7, √64 = 8, 4√9 = 6√4 = 12, 9√4 = 18 と 4種類の整数が作れるのです。

 文字定数でも、27A = FI (27×10 = 9×3×5×2 = 15×18 = 270) という等式が完成しますし、2乗を使った力業で、(162 =) G2 = 256 という上がり方もあります。

 紹介したのは極端な例ですが、思わぬ牌で上がれたりするのがこのゲームの面白さでもあり、難しさでもあります。牌を組み合わせを考えるのはパズル的な要素もありますね。さらに上級者のために 8枚で上がりというものもあります。どれだけ難しくなるかは、想像にお任せします。

 人数は 3〜4人、プレイ時間は 1ラウンド 5分くらいでしょうか。足し算、引き算のみだと小学校中学年からできますが、全部入れると大学生でも大変なくらいの難度になります。お好みにあわせてお選びください。

注:x の微分
 数学的な定義を省略してゲームで使う部分だけを。上がれる範囲では次の公式で間に合うはずです。

1) (定数)' = 0
2)    x' = 1
3)   x2' = 2x

 公式 3 は 6枚の場合はそのまま上がりになります。なかなか出ることのない微分での上がりです。



 今回は、学習ゲーム特集ということでしたが、いかがでしたでしょうか。特に算数の後半はかなりコアな内容になったのですが、ついてこられたでしょうか。

 ゲーム紹介では教科を前面に押し出してみましたが、どの作品もゲームとしてよくまとまっていると思います。あくまでもゲームなので、そんなに難しく考えずに軽い気持ちでプレイしていただければいいでしょう。普段とはちょっと違った見方からゲームをプレイするのも面白いと思います。


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