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● 日本語化された作品たち ●

 「カタン」が日本にやってきたから10年がたち、いわゆるドイツゲームも昔と比べれば入手しやすくなりました。海外のゲームは、これまでにない面白さがあるわけですが、プレイするのに少なからず問題になってくるのが言葉の壁です。

 ゲームは言語を超えるというわけで、プレイしてしまえば意外とどうにかなるという印象はありますが、やはりカードに書かれているちょっとしたことが気になるものです。ゲームによっては、カードの日本語訳がついていますが、やはり日本語化されていればどんなにやりやすいか、と思ったことも多々あるわけです。

 2002年の「カタン」、2004年の「サンファン」「キュージェット」、2005年の「ルッカチッタ」など、日本向けに生産されたものから、キダルトゲームズなどのように、言語依存性の低いものに日本語説明書をつけたものなど、日本に向けた作品も少しずつ出てきています。

 今回は、ここ最近で日本語化された「チケットトゥライド」と「ニムト」について、書きつづっていこうと思います。


●チケットトゥライド [公式サイト] [play:game]

 まずは、2004年のドイツゲーム大賞を獲得した「乗車券」(Ticket to Ride) の日本語版です。

 1900年代のアメリカを舞台に、鉄道路線を引いてチケットに書かれている区間を結んで得点を稼いでいくゲームです。ルールもシンプルですし、ボード上に列車コマがおかれていく様子は、プレイヤーのみならず周りで見ている人の目も引きます。

 適度な戦略性と、タイミング、そしてカードの巡りなどが要求される正統派のゲームです。プレイ時間も 60分程度とそこまで長くはありません。これを書いている時点で「乗車券 ヨーロッパ」「乗車券 メルクリン」とバリエーションはいろいろと出ていますが、それらの元となるゲームであり、基本となる要素が詰まっています。

 日本語化された一番の利点は、なんといっても地名がカタカナと併記になったことでしょう。Dallas(ダラス) と Duluth(ダルース) の読み分けも簡単ですし、Houston (ヒューストン) とかも一発で読めます。チケットカードもカタカナ表記なので、場所の対応がつけやすいのです。海外の地名は読みにくいものですが、読めるのと読めないのでは雰囲気が全然違ってくるのです。

 他には、「乗車券 ヨーロッパ」以降の工夫がいくつかフィードバックされています。まずは、得点が 1周 100点になったことでしょう。100点まで行く場合もあるので、計算しやすさという点では工夫されています。

 あとは、カードと対応する路線は「色」がついているのですが、色に対応する「マーク」も一緒についています。これは、バリアフリーという観点からの工夫ですね。

 海外版との比較ですが、ボックスがかなり小さくなりました。置き場所に困ることがおおいボードゲームだけにうれしい配慮ですね。ボードも一回りほど小さくなっていますし、カードも小さなサイズにまとまっています。

 ただし、ボード、カードの厚み/質が若干ではありますが低下しています。また、カードは全く切られていない状態でボックスに入っているので、海外のゲームになれている方にはびっくりするかもしれません。最初の1回の手間といえばそれまでではあるのですが。

 その分が何に反映されているかというと、全体的なコストダウンにつながっているのです。海外版は 5800円ほどしていたのが、日本語版はなんと 3675円です。原作のアメリカ版が 40ドルですから、原作よりも安いということになります。

 家族でプレイすることを見込んで日本語版になった作品ですが、ゲーマーから、ライトプレイヤーまで、広い層で楽しめるゲームではないかと思います。

 プレイ人数ですが、5人でプレイするとシビアなゲームに、4人でプレイすると比較的まったりとしたゲームになります。3人以下の場合、ボードがかなり広く感じられるので、4〜5人がおすすめなのではと思います。


●ニムト [メビウス] [play:game]

 2つめは、1994年のドイツゲーム大賞ノミネート作品の「6ニムト」(6 Nimmt!) の日本語版です。

 「カタン」と近い時期に日本に入ってきたゲームのため、このゲームと「カタン」がきっかけでボードゲームの道を歩み出した方も多いのではないかと思います。私にとっても、ドイツゲームの道を歩むきっかけとなるゲームのひとつです。

 同時公開でカードを出していき、番号順に処理をしていきます。4つある列の「6枚目」にならないようにうまくカードを出していくというゲームです。書き方を誤ると再現できてしまうくらいシンプルな作りのゲームですが、適度な読みとカードの出し方などの戦略的な楽しさがある作品です。ルールが簡単で1ゲームなら 10分くらいで終わるという手軽さがウリですね。

 日本語化のメリットですが、このゲームにとってはあまり大きくありません。というのも、もともとが絵と数字で構成されていて、言語依存性の少ないゲームだからです。

 日本語化の意味はカラフルな日本語版説明書にあります。説明書がきれいにできているかどうか、読みやすいかどうかは、プレイしているのを見て、説明書を見てゲームを理解するという上では重要な要素だと思います。そういった意味で、日本語化された説明書は価値があると思います。また、ドイツ語版の説明書にないバリエーションルールが掲載されていたりします。

 この手のカードゲームだと、ドイツ語版を日本で購入したときに 1200円〜1800円クラスになるのですが、日本語化される前に、定番として大量入荷されるようになってから 1000円になりました。日本語版もお値段据え置きの 1000円です。ドイツ語版は 6.29ユーロということで、おおよそ 950円でしょうか。これも言語版に匹敵する値段になっています。

 初心者向けとしてというより、ドイツゲームの道を知る上で外すことのできないゲームかと思います。

 プレイ人数の話をすると、4〜10人ならどの人数でも大丈夫です。4人の場合ちょっと少ないという印象もありますが、許容範囲内です。7人以上になると、一気にパーティーゲームの様相が強くなりますが、それはそれで楽しいですね。個人的なおすすめは 5〜6人で、4人の場合は 16枚を配って 2枚ずつ出すというのがいいかもしれません。


 簡単ではありますが、最近日本語化された2つのゲームを紹介しました。このような、幅広く楽しめるようなドイツゲームの名作が日本語化されるのは、うれしい傾向だと思います。絶版や入手困難になりやすいゲームもたくさんある中で、このようなゲームはしっかりと残していきたいものですね。


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