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● 「シティー・プラン」から「シティープラン 2.0」へ ●

 せっかくなので、前作のプレイヤー向けに「シティープラン2.0」の差分情報などのコアな情報をお知らせしましょう。何回かに分けてお送りします。


●タイトルについて

 リメイク当時は、コードネームで「アレのリメイク版」と読んでいたのですが、正式タイトルをつけるに当たって順当なところでバージョン番号をつけることにしました。元ネタは非常に有名なところなので割愛しましょう。

 タイトルの「読み」ですが、私は「してぃーぷらん にー てん ぜろ」と呼んでいます。「ぜろ」は日本語読みで「れい」と発音してもOKです。小数部分の英語読みは two point zero (または、two point ou) としておきます。

●リメイクのきっかけ

 まずは、リメイクのきっかけからですが、2005年のTGFでリメイク希望が相当数出ていたというのが一番多き怒ったりします。あのときは「ほんのきもちです」と「マーケットトレンド」の比較的多人数向けのゲームを出していて、4人くらいの時に何回か出していたのです。

 2006年のゲームマーケットが終わって、新しいネタも出てこないという状態が続いていました。ゲームマーケット直前の3月に全くゲームをやっていなかったのと、4月の環境の変化、5月はアナログオフといたストポータブルなどであまり創作ゲームに時間を割いている余裕がなかったのが挙げられます。

 作品自体は 5/19 に試験的に作った模様です。当初は創作ゲームのお披露目の時期で、新作がなかったので急遽つくったという感じだったかと思います。その後、6月JAGAでバランス調整をして、ネタが出てこないのでそのまま突き進んだというのが大まかな経緯です。

●改造コンセプト

 前作の「シティー・プラン」は、リリースまでに相当数のテストプレイをしていて、あれはあれでバランスを取ったのですが、一部の特殊施設が弱いのではという印象を持っていました。特殊施設は没にしたアイデアもいくつかあり、そのあたりを整理するところから始めてみようと思ったわけです。

 あとは、普通の建物もコストごとに1枚では単調になりがちで、バリエーションを増やしたいということもあり、反映させてみました。これがバランスを大きく変えるきっかけになりました。

 さらにいうと、マニフェストも例外が多いかと思ったので、系統別に分けてなるべく文章を減らす方向に持って行きました。一番紆余曲折があった部分ではありますが、2軍からの引き上げなどを繰り返し、今の形になっています。このあたりは、バランスが変わると様変わりしそうなところだと思っています。


●基本の建物と数値バランス

 基本の建物は、おおよそ種類を倍に増やそうとしていました。1〜2の低コストは効率の悪い建物を増やし、3コストはエコ建物を増やすことでバリエーションをつけました。従来はエコ建物しかなかった4コストに通常の建物を加えました。この種類の増加のため、建物の得点、電力が大きめに設定されました。

 5コストは、従来通りの役割でしたが、4コストに引きずられてサイズが大きくなりました。さらに、通常の建物でも6コストがあってもいいじゃないかということで、1枚だけ特大サイズのものを加えています。

 結局、低コストのものは使いにくい割に効果が小さいということで、採用しませんでしたが、他はすべて採用することになりました。エコ建物が増えたのと(その分、効果は弱くしました)、全体的なサイズアップがされています。

 エコ建物については、4コストに限定することはないと思っていて、3コストのものも増やしました。数値的なバランスはいろいろと考えたのですが、エコ施設のマークがつくことに価値があると見て、普通の建物とくらべて小さいサイズにしました。

 4コストのエコ建物も、メリットが若干薄れた形になりました。これも、エコ建物であることに価値があるとの判断です。通常の4コストの建物は、数値バランスから6電力、6点のサイズになり、これがそのまま 5コストの 8電力、8点や、6コストの10電力、10点というバランスにつながっています。

●発電所

 発電所が一番大きく変わったところかもしれません。主に基本の建物のサイズアップの影響で、発電量を若干増やすことにしました。また、従来のバージョンで若干得点が低めに設定されていたので、普通の建物と同じくらいの得点に変更してあります(1コスト1点に近づけ、1点ほど得点を上げました)。

 得点を上げた理由は、旧バージョンで最後に建てられる建物がなく、泣く泣く発電所を建てるのはむなしいと感じたからです。発電所で逆転というのはあまりないと思いますが、発電所を建てたから負けたというのは避けたかったので。

 得点バランスを変えたときに、水力発電所は1点高く、原子力発電所は1点低くというのをキープしました。風力発電所は迷ったあげく、従来通りの数値にしてあります。

 発電量は、全体的なサイズアップに反映させて増やしました。低コストのものは1電力、高コストのものはそれ以上増えています。

 それでも、今回のバランス改正は大きく、従来使い勝手のよかった3コストの火力発電所が、今回は若干使いにくくなったという印象があります。コアな話をすると、従来のルールでは初期発電所が18電力の時は、3コストの火力発電所で十分まかなえるくらいのバランスだったのです。今回は、電力不足に悩まされるでしょう。

 4コストの風力発電所を追加しました。これは、従来の3コストの火力発電所の延長線上という感覚で、エコ建物中心の戦い方で、若干電力が必要になるのに対応した形です。これも使いどころ次第で十分活躍できます。

 今回は、5コスト、6コストの原子力発電所に人気が集中するのではと思います。それだけ、サイズの大きな建てものが活躍する機会が多くなっています。原子力発電所は「原発反対」のマニフェストに引っかかってしまうこともあり、あの戦略の場合 5コストの水力発電所が意外と役に立つと思っていたりします。

 あと、今回は特殊施設の効果やマニフェストから「発電所以外の」という言葉がなくなっています。主にコストに関わる部分ですが、地味に勝負を分けることがあるので要注意です。


●特殊施設

 これが、今回の一番の変更点です。カードバランスを変更するとともに、使いにくいと思われる特殊施設を変更させました。前作では、主に得点加算で大量に得点できるものと、カードのコストが下がるものが使いやすかったという印象があったので、その傾向を強くしました。

 なくなったものとしては、1軒につき 1点の加算の「交番」「郵便局」「倉庫」の3枚です。これらを建てるくらいなら、それぞれの地区を1軒多く建てた方が効率がいいことが多いことからです。

 効果を変更したものは、たくさんあります。せっかくなので、1つずつ紹介していきましょう。

 「工事現場」は建設されている状態で終了条件を満たすことが可能になりました。カードテキストを減らし、例外を削るという目的があったためです。0点ですが、0電力で済むことや、新しく加わったカードとの組み合わせで得点が増えたりすることもあるため、終盤でも使えるカードになりました。

 「公園」は、前作では序盤のエコ奨励金のためというのがほとんどでしたが、2コストに上げた代わりに、得点加算のカードになったためかなり強力になりました。エコ施設は他の施設とくらべて固め打ちが難しいですが、0電力で10点近くまでは狙えるカードではと思います。

 「公民館」は地味に効果を上げています。得点加算のカードなので、2コストから4コストに上げた代わりに、得点も 1.5倍に増やしました。住宅地、商業地、工業地の組で得点加算にしたため、2組作れば切り札となるくらいの得点が入ります。

 「駅」「空港」「みなと」は序盤に建てるとうれしいことから4コスト→3コスト、5電力→4電力とコストダウンしています。得点も6点→4点に下げましたが、速攻になることを考えると新しいバージョンの方がきっと使い勝手がよくなっているはずです。

 「文化センター」は、バランス調整に伴い弱体化させたカードです。従来は 3コスト4電力でしたが、得点を据え置きにして、4コスト6電力に変更しました。これは全体のサイズ増加から、発展ボーナスが上がったためです。今回は、発展ボーナスで 8点くらいが狙えるので、同じ効果でも18点くらいまで伸びます。

 「職業安定所」も、ルールが分かりにくかったことから弱体化させました。2地区の得点に割り振れたのを、1地区の得点として扱うことにしました。

 「シティーホール」は、おまけとしてエコ施設にしたのに加え、得点を15点から18点に上げました。発展ボーナスの関係もあり、このくらいの得点でちょうどいいとの判断です。さらに、レイアウトの関係で何らかの効果が必要になったので、同点トップなら勝利というこれもおまけの能力をつけました。この条件で勝利したらかなり珍しいと思います。

 3つ減った分で新しい建物も造ったので、紹介しましょう。

 「バスターミナル」は、全体的なバランス調整で速攻が弱くなったことを受けて作った建物です。2コスト3電力で、建設コストが3以下の建物の必要枚数が2枚減少します。「交通局」と対になる効果です。これがあると、1手遅れるもののコスト減の効果でほぼ毎ターン何らかの建物が建設できます。10ラウンドでのゲーム終了も狙えます。

 「歴史建造物」も、速攻を強化しようというコンセプトで作ったものです。速攻に適した得点増加系のカードで、3コスト以下の建物で得点が入るようにしました。これさえあれば、速攻での得点不足も補えるはずです。速攻の場合、この建物で 18点を狙っていくことになるでしょう(初期発電所はコストがないためカウントされません)。

 「大型展示場」は、各地区の得点加算のカードを削った代わりに入れたものです。住宅/商業/工業のどれかに偏っていると効果を発揮します。高コストの建物が安く建てられる「交通局」「工事現場」とも相性がいいカードです。なお、「職業安定所」の効果はこの建物に影響を与えることができます。

 今回は、特殊施設をより強力にしました。戦略の軸となるものが多いですが、建てすぎると首が回らなくなるという難点があります。

●マニフェスト

 こちらは、メインの改訂ではなかったのですが、結果的に大部分の効果が変わりました。改訂のコンセプトは例外条件をなくすことと、「〜しない」という条件のものを減らすことの2つです。あとは、速攻へのサポートとして全体的な得点を上げました。

 例外条件をなくすことにより、「最も多く建設する」マニフェストで同点トップでも満額の得点が入るようになりました。また、「〜しない」という条件のものを減らすことで、中盤から建設の幅を狭めるようなことが少なくなりました。ただでさえ、条件を満たすために建設が厳しくなってくるので。

 前回は、マニフェストが1枚くらい少なくても建物の質がよければなんとかなりましたが、今回はマニフェストの2枚達成が必須に近い条件になっています。そのぶん、達成しやすいものを増やすようにしています。


 今回は、改訂版ということでバランス調整程度にと思っていたのですが、あれもこれもといううちに大改造になってしまいました。ゲーマー向けゲームではありますが、前作をプレイした方も、そうでない方でも楽しめるような作品になればと思っています。


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