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ゲームマーケット2020秋から2021春までの期間が短く、テストプレイもオンラインのみになりそうだったこともあり、紙ペンゲームでということで政策を進めました。
紙ペンゲームのネタはいろいろとありましたが、当初案がうまくまとまらず、いろいろな方向にネタを広げましたが、ソロプレイもできたほうがいいということで、パズル的なゲームにしました。
ポリオミノを埋めていくタイプのゲームをいくつか思いついたのですが、地図に当てはめることを思いつきました。決まった形を埋めていくタイプは他のゲームでも見たことがあるのですが、数字に応じたサイズのマスを埋めるアプローチはあまりなさそうだったのでそちらの方向で、ダイス目を使う形にしました。
数字と同じサイズのマス数は「フィルオミノ」というペンシルパズルがあるのですが、数字に合わせて埋めていくので方向性は違います。テストプレイの最中に、「フィルオミノ」もプレイしています。
地図を埋めるというのは、アイデアとしてあったので、旅行をテーマにしたゲームにしました。数字の違いは速度の異なる交通手段でということで。
パズル的な要素にしたかったので、エリアの早埋めと相反する要素として、できるだけ多くの種類を埋めることにしました。あとは、最初に全部埋めたプレイヤーに得点が入るということにしました。
最初は、1種類1点の単純な得点構成でしたが、種類数を多くするとより難しくなるので、傾斜配点にして、テストプレイの早い段階で、5〜6種類で伸びるような得点構成にしています。
数字の決定も、最初はサイコロ1つずつか、2つの合計のどちらかにしていたのですが、テストプレイのアイデアでサイコロ1個につき数字1つに集約しました。これでかなりルールがシンプルになりました。8面体がよさそうだというアイデアも出ましたが、2〜7のサイズでよさそうなので、「1」の目を特殊にしてカバーしています。
エリアの早埋めも、少し調整を入れましたが、大きな得点変更はありませんでした。
マスの埋め方の他に、テクニカルな要素を入れたかったので、出目を 1増減させる効果を入れていましたが、サイコロの扱いを変えると、出目の偏りが大きくなるので、スペシャルパワーの回数と内容を調整しています。
数字を下方向に下げるのは、マス数的に不利になるので、好きなだけ下げられるようにし、「1」が書きにくくなったので、「1」を埋める効果を追加しました。
出目の範囲を超える使い方は、初期段階から想定していました。通常の方法では「7」までしか書けませんが、「8」以上の数字を書いてもいいことになっており、テクニックとしてもかなり有効です。ゲーム上は「9」を書いて 9種類まで作ることができますし、10 や 11 を書いてもかまいません。
テストプレイの回数が限られているので、ソロプレイから先に作った感じではあります。とはいっても、早取りの要素がターン数制限になるだけというシンプルなものです。少しパズル要素が強くなります。
日本マップは当初から考えていたのですが、バリエーションが欲しかったので、よりパズル的な要素の強い、首都圏マップを追加しました。日本は半島が多く形に合わせて埋めますが、首都圏は陸続きですし、境界が近いという特徴があります。
ゲームのバリエーションを少しつけたかったので、終盤で「目的地」を入れました。初めてプレイする場合は、目的地は入れずにプレイしてもかまいません。追加ボーナスのアイデアがいくつかあったのですが、テストプレイで、目的地で行けそうだという話になって、ランダムに決まった 三地点を特定の数字で埋めると得点が入るルールになっています。
初期段階では、ちょうどのみのボーナスでしたが、1違いでも少し得点が入るようになったので、早埋めとの兼ね合いで、駆け引きが少し出てきます。
タイトルは、英語2単語ということで、旅行を入れつつ、熟語にできればということで、くまなく旅をする travel (all) over (地名) から取っています。
サイコロ1つを振っての紙ペンゲームなので、出目が偏ることは想定していますが、テストプレイ中に「3」の目が1回も出ずに、ゲームが終了したことがありました。こんな状態でも、なぜか地図上に「3」は書かれていました。
というわけで、今回は制作の流れを中心に、デザイナーズノートをお送りしました。