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● お気に召すといいのですが ●

- デザイナーズノート -

●制作のきっかけ

 ゲームマーケット2022春の開催前に、「ゲームマーケットチャレンジ」の情報があり、カード32枚以下のレギュレーションに会わせた作品を作るべく、ネタ集めをしていました。

 過去作品の「ほんのきもちです」のカードゲーム版を作ってみたいとも思っていたので、プレゼントをテーマにできるだけ価値の高いものを集めるところからひとひねりするあたりで考えていました。

●アイデア出しの段階

 単に価値の高いものを集めるだけではゲームにならないので、基準値を超えたらアウトにして、ギリギリを攻める感じにならないかというところで、「先生」を登場させました。集めすぎると失礼に当たるという流れがやりやすかったので。

 プレゼントは初期段階では 100〜7000 で有効数値2桁で、大雑把なところは1000単位でという構成にしていました。集める枚数は3枚ずつで、先生は全員の投票のみで決定するようになっていました。

 プレゼントのやりとりは、構想段階で最終版と変わらず隣のプレイヤーとのドラフトでした。最初は3〜6人ルールのみ考えていました。

●2人プレイとソロプレイ

 2人プレイの対応は、構想段階からありました。2人だと左右隣が同じになるので、そのままやると情報が出すぎたりするので、ちょっと獲得方法にひねりを入れています。1日くらい考えて、うまい方法が思いつきました。検証して行けそうだったので、そのまま採用しています。

 ソロプレイは、構想段階では考えていませんでしたが、前回の「ファーム コンプレックス」でソロプレイの需要があるのが分かったのと、せっかくのゲームマーケットチャレンジで幅広くプレイしてもらいたいという思いがあったので、システムを活かした別要素のゲームとして作ることにしました。

 トランプのソリティア系の作品を参考にカードを置き切れたら勝ちのゲームを組み立てて、先生の要素を残しつつ、条件を追加でつけることで難度調整をする、「ザ クルー」やOKAZU brand の「ボムスカッド」ような感じにしてまとめてみました。

 5月下旬くらいにソロプレイまでアイデアをまとめて、いけそうな感じになりました。

●テストプレイ

 5月下旬にお披露目して、いろいろとフィードバックをもらって修正しました。

 カード構成をシンプルにして、先生のカードのヒントを出すようにしました。これに伴い投票での決定方法が変わりましたが、変更後、最初のアイデアでそのまま進んだ感じです。

 フィードバックの結果をほかのところに持ち込んで、雰囲気がよさそうだったので、そのまま進めることに。あとは何回か調整して、6月中にまとまった感じでした。2人プレイもテストしましたが、情報量もほどよく、悩ましい感じになったのでそのまま進めることにしました。

 7月は多人数ルールが固まるまで放置しておいたソロプレイルールに手をつけました。数値も投票部分も変わったので、条件もそれに合わせて変更し、何度か試して調整し、コンポーネントに合わせて変更を入れたところもありました。製造の兼ね合いで、カードの種類を増やさずに 1枚ずつ抜き出してミッションカードにすることもしています。パスは難度調整で最後に入れています。

●タイトルの決定

 今回は、「ほんのきもちです」の流れとなる作品なので、日本語で雰囲気の近い言葉から選びました。構想段階で、すでに決まっていたかと思います。

●Tips

 2人以上では、手札と先生の獲得カードがヒントになります。先生の数値が低い場合は高いものを、低い場合は高いものを渡すことになりやすいかと思いますが、1枚は確実に残せるので、どれを温存するかも大事です。

 獲得するカードは、先生に会わせるのが基本ですが、自分のカードのうち1枚を獲得するので、そことの兼ね合いもあります。

 先生への投票は、高いカードが選ばれやすいのに注意です。すでに公開されているカードに合わせて出し、枚数で単独トップになると、高いカードが次点として選ばれます。

 極端に高いカードが集まったときは、先生の合計を思い切り小さくして逆転を狙ったりもできるかもしれません。逆に極端に低いカードが集まるときも、先生の合計を下げる方向になるでしょう。最後に残すカードである程度の調整ができるとなおよいです。

 ソロプレイは、ふさわしくない組み合わせのミッションをいかに避けるかがポイントになります。1種類の条件が集まると苦しくなりますし、あなたは先生より合計を小さくする必要があるので、それに反する内容はかなりやりにくくなります。あとは、残り枚数にも気をつけましょう。


 今回も、デザイナーズノートをお送りしました。手軽にできる作品なので、軽く楽しんでいただければと思います。