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2013年11月4日、ゲームマーケット2013秋が開催されました。今回の来場者数は約5000人と、前回と同じくらいの規模でした。今回も制作段階と当日のレポートをお送りしましょう。
準備編からですが、11月のゲームマーケットの前にぷちもりゲームマーケットと、東京ボードゲームフリーマーケットがありましたが、新しいゲームはゲームマーケットに合わせることにしました。
今回は負担を減らす方向で野制作ということで、24枚のカードゲームを作りました。去年秋の「アニマル トレイル」と同じシリーズということで、なじみのある作品をベースにひとひねりした感じにしています。物作りでは新しいことを1つ入れることにしていますが、今回は説明書の印刷を外注しています。
巣鴨ゲーム会ではお披露目が間に合わず、何かアイデアはないかと考えていたところで思いついたので、トリックマイスターのカードなどでバランスをとって原型を作りました。カード24枚ははじめから決めていたのですが、トリックテイキングにしようか、別のものにしようかと迷ったあげくうまくまとまらずに、シンプルなものにすることに。
カードの構成は、初期の段階でほぼ完成していました。お披露目前は5色で調整していたときもあったのですが、出しやすさとかのバランスを調整して今の形に。
出せるときより出せないときに悩むゲームにしたかったのですが、得点計算のルールが若干煩雑でした。このあたりは、横浜ラボでのお披露目のときのテストプレイでアイデアをいただき改善していった感じです。シンプルにしたら一気によくなったのでそのまま進めることに。横浜ラボのすごさは、方向性が一気に見えてくるところにあったりします。
テストプレイを回しながらバランス調整を進めていくことに。逆転の要素が少ないので、パーフェクトでの総取りのルールを入れています。ルールを入れた後で、序盤のパーフェクトで逆にゲームが決まるので、初期得点を超えないルールを加えています。
基本ルールで追加したのは、失点が最小のプレイヤーへの支払い免除です。このルールを入れたことで、ゲームは若干長くなりますが、残り得点が少ない状態でも粘れるようになったことと、出せるカードを出さない戦略が有効に働くようになるので、採用しています。
バリエーションルールは、時間とコンポーネントが若干余ったので、簡単なものを入れることに成功しました。4ラウンド限定なのでこちらの方が早く終わるかもしれません。もうひとつ、出したカードが分かるようにするバリエーションも説明書に書いています。
9月上旬の1週間だけ、土日がまるまる空いている週があり、それ以外は少なくとも1日は予定が入っている、過密スケジュールでの制作作業に入りました。カードの原稿が予定通りの早さでできたところまでは調子がよかったのですが、ボックスアートのあたりで遅れだしてきました。
遅れを取り戻すべく、ボックスアートと一緒に説明書の作業も一気に進めて、料金は若干上がるもののオンデマンド印刷でまとめて注文することに。説明書は紙の質がよくなったのと、ホチキス止めが不要になったので、若干ですが作業効率は上がっています。
9月最終週には、カードが到着し、ヘルプをお願いして一気に作業を進めることに。このあたりの作業が早く進んだのが大きいかもしれません。
制作期間には若干余裕がありましたが 10/5 で一通り作業が完了しました。作業の日のカウントとしては、5日で終了したので過去最短です。
今回はちょっとだけ配信会の様子も書きましょうか。第4回の配信会はEssenと日程が重なってしまったこともあり、一時はどうなるかと思ったのですが、17:00 から 8サークルの紹介がありました。
事前準備は開始2週間くらい前に、PowerPointで一気に原稿を作りました。前回からの蓄積があるので、一部のスライドは使い回しをしながら、新しい情報を追加することに。新作はゲームの流れのスライドを多少作っています。スライドの数は前回よりも多かったかと思います。
そして、今回は初の試みとして OKAZU brand の紹介スライドも一部追加作成しました。Essenに参加されているため代理で紹介で、一部原稿をいただいていましたが、サンプル版と一緒にルール説明の部分の原稿を追加しました。テストプレイにも参加していてゲームの内容やポイントも押さえていましたが、いつもとまた違った雰囲気の作成で面白かったです。
実際の配信会では OKAZU brand の方が 15分枠で 14分30秒とほぼ時間通り、自分の作品は 30分の持ち時間で 25分程度と尺が余りました。「アニマル グループ」は1ラウンドが短いのでまるまるプレイしても余裕がありました。
いつもは前夜祭の前は何もないことが多いのですが、今回は昼から集まってという感じになりました。昼の参加者がここまで増えるとは前々日くらいの段階で予想していなかったので、別の予定を入れて1日早くビッグサイトに出かけていたりとか。
無事に合流しての前夜祭でしたが、前回とはまた違ったお店でがっつりとした感じになりました。作戦会議としてはほぼいつも通りでしたが、時間はたっぷりと使った感じになりました。
事前搬入は、荷物がそこまで多くなかったので比較的楽でしたが、どちらかというとスケジュールが押していたのと、翌日の出発が早かったので、そのほかのことがあまりできなかったというのはあります。直前情報の中継も見られませんでしたし。
前回と同じく、ビッグサイトへは車で入りました。雨の搬入は久しぶりでしたが、降りがひどくなくてよかったですね。今回設営が 30分早く開始できるので、設営自体にはかなり余裕がありました。前日のロケハンのかいもあって搬入経路もきれいにたどることができましたし。
9:00 くらいには準備が完了していたので 1時間くらい落ち着かない時間を過ごすことに。twitter で待機列の様子を見たりとか、外まで人が出ている様子が見えたりとかそんな感じでした。1000人程度が並んでいたとのこと。
10:00 開始直後は、OKAZU brand にちょっとした行列ができたので、列整理をお願いしつつ、こちらは「ほんのきもちです」の初動を見守ることに。今回はフリーマーケットの2倍といっても10セットしか作っていなかったので 35分ほどで完売でした。
10:40 くらいには落ち着いた感じになったので、今回は早めに体験卓をオープンしました。「アニマル グループ」はプレイ時間がかなり短いので、午前中から結構プレイされていた感はあります。
このくらいの時間で、買い物をお願いしていたところも戻って来つつあり、11:15 くらいに早めに買い物の時間をとることにしました。全体を見るのに時間がかかりましたが、いくつか気になるものを買ってきています。11:45 くらいに戻って昼休憩を。今回は昼休みをとるため、体験卓をいったん閉めることに。
13:45 くらいに体験卓を再開。ここから1時間くらい体験卓に立って 3回くらいプレイをしました。自分でもプレイに参加したり、説明のみだったりとさまざまですが、テストプレイでも見られなかったような僅差のゲームや、総取りで逆転などもあったらしいです。
15:00 を回るとさすがにまったりとした感じになってきましたが、体験卓は継続して回していました。精算も 16:20 くらいからスタートして時間内に収まりました。体験卓はさすがに 16:00 過ぎのゲームで閉めていますが。
17:00 の閉会の拍手まで会場にいるというのが目的だったりするので、最後の拍手を見届けてから撤収作業に。荷物が比較的少なかったので、搬出も比較的スムーズでした。車での搬出はゲストも交えてという感じになりました。
というわけで、恒例のひとり反省会です。
生産段階ですが、今回はあの過密スケジュールでよく生産作業が入ったというのが正直な感想です。ゲームマーケットまでの8週間、週末のどこかには予定が入っているという状態でした。平日も比較的慌ただしかったのでラストスパートだけ、平日作業の力を借りた感じになりました。
生産作業は、前述の通り説明書を外注に出すことに。シンプルにしすぎた感はあるので、もうちょっと調査しておきたいところではあります。原稿の締め切りは厳しいものの、Hammer Worksは物作りの期間を早めにおいているので、作業順序を変えることで対応できそうだということが分かりました。
カードのデザインですが、今回から推奨の周囲のマージンを 3mm以上あけるテンプレートに変えました。制作作業の初期から変えているので負担にはならないですね。3週間弱のオーダーは早い時期だからこそ通るといった感じです。
チップのサイズを小さくしてみましたが、ここが一番負担のかかるところです。1日作業で終わったのが大きいですが、実作業で一番負担が大きいところではあります。チップを使わない方法も考えながらでしょうか。
前夜祭は、いつも通りではあります。前夜祭の日に予定を入れない方がよさそうだというのは分かりましたが、得られるものもあったので、トレードオフではありますね。
搬入出は、1回経験を積んだのでかなりスムーズに行けるようになりました。他のイベントとぶつかっていないのも大きいようです。
当日運営ですが、ブースについては前回とあまり変えていません。ディスプレイで価格表示をつけるようにしましたが、新作はシュリンクをかけない都合上プライスがつかない状態になっていました。埋没しそうなので、シュリンクをかけたサンプルの箱を用意して、新作の表示とプライスをつけるのがよさそうですね。メニューはありますが、活用されていないので。
そしてもっと活用されていないのがカルトンだったりします。段差を作って会計場所を作るというテクニックを見たことがありますが、そこまでする必要があるかどうかはちょっと微妙だったり。ぶら下げるタイプのディスプレイだと活きるのですが、平積みだとそうでもないですね。
今回は完全に両隣に埋まった感じになりましたが、元々目立つようなサークル運営はしていないので、こういうときもあります。制作作業に時間をかけると、宣伝とかまではなかなか手が回らない状況ではありますね。配信会が頼りではあります。
昼食は、最初から中で食べるつもりでいましたが、それが正解のようです。甘いものも準備していますが、飲み物を忘れてきて、現地調達しました。
体験卓ですが、今回はかなりプレイ回数はあったのではと思いますが、頒布数に結びついた感じがしません。春と比べて、来場者層が変わった感じはあります、去年の秋に近いかもしれません。この流れだと、派手な活動をしていないところは苦戦しやすいのですが。
モチベーションを保つためにも、何らかの施策は必要かもしれません。作者と直接作品をプレイできる機会はここだけなので、交流の場として考えるのもいいのかもしれません。メッセージボードを作ってみたりしましたが、いかがでしょうか。次のステップはフリーペーパーですが、ちょっと負担が大きいのです。
頒布数ですが、昨年秋の再来でなおかつそれよりも頒布数が出ない状況です。材料費がギリギリ出た感じで、参加費を含めると、参加してから 10年目で初めての赤字だと思います。
お祭りなので、参加費が出ないくらいでサークルをたたむつもりはありませんが、健全な運営ではないので生産数などの調整は必要かもしれません。ちなみに、今回の「アニマル グループ」で生産数を絞ると、頒布価格は 1200円になるでしょう。
こちらは、規模を広げずに作りたいものを作りたいだけ、作りたいときに作るという感じで続けていこうと思います。
ここからは、個人的に思うところを。
アナログゲームを取り巻く環境はここ2年くらいで変わりましたが、今回 Essen直後ということもあり、同人ゲーム中心のイベントになりました。善し悪しはあるのかもしれませんが、ゲームマーケットの一つの側面ではあります。来場者数は前回同様でしたが、企画の人狼ブースはかなり賑わっていたようでした。
春はどちらかといえばイベント慣れした方が多く来場されていたようですが、今回は去年秋のようにボードゲーム自体も始めたばかりという方も多く参加されていたのではと思います。
ここ最近の流れに乗らないサークルではあるので、ここから先は苦戦することになりそうですね。逆に、イベントごとに新作を出し続けるサークルはそこまで多くないような感はあります。身近にはもっと創作のペースが速い OKAZU brand もありますし、横浜ラボというものすごく恵まれた環境があるので、何らかの形で新作を出し続けられればと思います。
スタッフのみなさま、お越しくださったみなさま、協力してくださったメンバーに感謝です。次は 6/1 の春のゲームマーケットでお会いしましょう。
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