トップ > Hammer Works > 活動記録
2003年11月24日、国内の自作ボードゲーム制作者が一堂に集まった、「ゲームパーティー」がおこなわれました。これが、私の個人サークル(プロジェクト) Hammer Works の初舞台になりました。
別件との兼ね合いもあるのですが、こちらでは直前から打ち上げまでの様子も含めたレポートにしようと思います。
今回は初舞台ということもあったのですが、どのゲームを用意してこようかは本当に迷いました。こちらの方は、文章量に余裕があるので、持ち込みゲームの候補の変遷を書いていきましょう。
9/12 に参加表明をするまでは、「ことばであそぼ」と The Last Hope をメインに置こうと思っていたのですが、それから開始までの間にいろいろと候補が動きましたね。まずは、この期間から作ったゲームを書きましょう。
カワサキさんの「ワイルドラッシュ」から影響を受けた、初のアクションものです。普通は、自分でテストプレイしてから外部に出すのですが、このゲームに限っては自己テストができません。
時期の関係で JAGA ではなく「いたストオフ」に最初に出したところ、うまく動いていたので出展まで持ち込みました。カワサキさんとの協力もあり、メインの作品として出展することにしたわけです。
お次は没になってしまった作品を。ダイスを振ってコマを動かす、加速度的に成長していく、倍率をつかう、あたりをベースに作ったゲームでした。
これは、1週間ちょっとかけて、自己テストでも 20回を超えるプレイをしていたのですが、短期的に回数をプレイしすぎたため、煩雑な処理に慣れてしまっていたのが落とし穴になってしまいました。JAGA でテストプレイをして、煩雑で方向性が定まっていないという印象を持たれたので、いったん没にしました。
作品としては残っていないのですが、テストプレイのあり方など、得られたものは大きいゲームでした。没になっても要素は他のゲームに再構成されることがよくあります。
「グランドタワー」テストプレイのときの JAGA でプレイした、Think Twice からヒントを得て作ったゲームですね。役の優劣がはっきりしているとか、1 の位の得点計算が面倒だとか、最後に逆転するのが厳しいとかそのあたりでバランス調整をしたいゲームだと思ったのが、きっかけになりますね。
プレイしてから 1週間ほどで、「スリー・ドリームズ」の原型が完成しました。外部のテストプレイの機会は限られてはいたのですが、「いたストオフ」に持ち込んでみて大丈夫だという判断で出展に踏み切りました。
これ以上は、ゲームは増えないだろうと思っていた 11月半ばになって、またもや新しいゲームのアイデアができました。キーワードは、危険物、体力ゲージといったところでしょうか。要素は単純にしたいということで、ダイスとチップのみでできるゲームに仕上げてみました。
これについては、もう外部に出すテストプレイの期間は残っていなかったのですが、自分で 10回ほどテストプレイをやって、実験作というのもありかということで、コンポーネントまで作って出展しようと思ったのでした。
この時期に作ったゲームでも、コンポーネントはほぼ 2回作っています。最近は、PC を使ってコンポーネントが作れるので、テストプレイの段階から制作してしまうことが多いのですが、プレイしていて気づくこともいろいろとあるので、結局もう一度作ることになるのです。
旧作については、どれを持ち込もうか迷ったのですが、結局出せるものはほぼすべて出すようにしました。プレイされなくても、作品紹介という意味もありますし、ゲームがなくて後悔することはあっても、ありすぎて後悔したという覚えはあまりないからです。
ここからは、当日の様子を会場内を中心にお送りします。切れ目なしの長文が続きますが、参加している方は本当にこんな感じでしたね。
他の用事との兼ね合いで、会場の住吉駅からそんなに遠くない、押上出発になりました。行きがけに朝食をとって、開通後は初めての半蔵門線に乗ることになりました。3ホームの罠に引っかかって 10分待ちになるものの、ほぼちょうどの時間で OKAZU さんと合流しました。迷うこともなく、会場に到着。
受付をすませて、ランダムで引いたところは B2 でした。大がかりなコンポーネントがないのもあって、5分足らずで設置完了。コンポーネントが地味なのはマイナスに作用するところは多かったのですが、設営と片づけが楽だったのが印象的ですね。
近くの卓も埋まりつつあり、斜め隣のクロノスクラウンのるてんしとさんや、入り口近くのおばらさんと軽く挨拶をしにまわりました。本当に挨拶回りはこの時間しかできませんでしたね。
カワサキファクトリーが隣だったら面白いといっていたら、本当に隣になっていました。先に来ていた yas-oさんと工場長が来ないと軽く話をしたり、カワサキさんが到着後にポップを見て、敗北を感じたりしながら、会場と相成りました。
最初の20分くらいは、様子を見る方が多かったですね。私の方も客引きを狙ってやらなかったということもあって、ゲームの開始は意外と遅かったりします。会場後にいきなり仙台某所でお世話になった方が来られていてびっくりしましたが、遊友会のメンバーだということを後で思い出して、納得しました。
OKAZUさんとルール説明を兼ねて Breathing をやったあと、10:30 ちょっと前に初の作品がプレイされました。「ことばであそぼ」のリクエストがあったのです。ルール説明をしてさっそくプレイ。久しぶりのルール説明ということもあって、ちょっととまどう部分があったりしましたが、滞りなくプレイしました。
ここから先は、時間の感覚がすっかり飛んでしまっています。遠路はるばる来られた、るーしんさんを交えて 2ゲーム目の「ことばであそぼ」をプレイ。このときは yas-oさんも参加されていたと思います。あと、kobaさんにもひさしぶりにお会いしました。
るーしんさんの「あんだんて」と「さようなら」の 5文字 2連発はお見事でした。ちなみに、最終ターンの作りたくても作れなかったことばは、「図説」のコーナーの例を作るときに、全く同じことばができて困ってしまいました。気になる方はチェックしてみてください。
このゲームは確か、最後に 4文字のことばの書き換えで 10枚使い切り 9連鎖という大きな記録を出して、逆転が起こったと思います。
「ことばであそぼ」はテーブル上にことばができることがあって、集客効果が抜群だったようです。続いて 3ゲーム目もプレイ。これは、12:00 からの「アップル トゥ アップル」の時間の関係で 3ラウンド目で終了になっていましたね。
全体ゲームがプレイされるようになり、ちょっと場が落ち着いたところで、「ことばであそぼ」以外のゲームが立て続けにプレイされた覚えがあります。The Last Hope は通常ボードで 1回だけプレイ。最後の最後にパーフェクトが出ました。
その後、「スリー・ドリームズ」と「インスタント・サクセス」を 1回ずつやりました。「スリー・ドリームズ」は 1ターン目に 500点の大きな役ができて、全員で「1」を追い求める展開になったのが印象的でした。最後の倍率ダイスはその分地味だったような気がします。その場その場で雰囲気は変わるものですね。
「インスタント・サクセス」もこの日は 1回きりでした。隣の「ワイルド・ラッシュ」は大盛況だったみたいですが、同じジャンルのゲームは続けてやりたがらないというのも普通の反応ですからね。ピタリ賞は偶然出るくらいでいいというバランスなのですが、どうだったでしょうか?
合間に、ちょうど隣だったグランペールから挨拶されたりしていました。ここ出回りのテーブルの様子も紹介しましょう。一番目立ったのは、カワサキさん、yas-oさんが大活躍のカワサキファクトリーでした。ほとんど客足が絶えることなかったような印象がありましたね。
位置取りで端になってしまったるてんしとさんのクロノスクラウンは、「スペースステーション」が中心だったような気がします。斜め隣のサイ企画は「ナイスミドル」、「出たとこ勝負ピグニック」などが気になりましたね。
横軸のとなりは、グランペールでした。「コレクタブル・モンスター」が中心だったみたいで、私も一度プレイしたいと思っていましたが、テーブルを持つ身では叶わぬ夢ですね。もう一つのお隣、桜井工芸は、「ホットルード」が気になりました。
あと、斜め隣はビバリーと冒険企画局だったのですが、ちょっと距離が離れていたため様子を見ることがほとんどできませんでした。
このあたりで、雨霧さんが遊びに来てくださりました。おそらく 13:00 を回ったころだと思います。ちょうど来られていた Mattyanさんを引き込んで「ことばであそぼ」をプレイ。ギャラリーも集まっていたので、もう一度「ことばであそぼ」をやったような覚えがあります。
14:00 くらいになって、昼も食べていないということで OKAZUさんに昼食休憩をとっていただきました。その間、ちょっとだけテーブルがからになりましたが、バネストの中野さんや、遊宝洞の中村さんが挨拶に来られました。中村さんからのリクエストで「ことばであそぼ」をもう一度プレイ。
あの回のルール説明は、突っかかってばかりだったかもしれません。午後に入ってから、ルール説明のミスが多くなりましたね。プレイしてくださったみなさまには、ご迷惑をおかけしたかもしれません。
さすがに休憩が必要と思って、14:30 くらいに遅い昼食休憩に。外に出てそばを食べてきました。15:00 には戻ってラストスパートに。
「ことばであそぼ」を1回、「スリー・ドリームズ」を1回、その後で「ことばであそぼ」をやったと思います。ここら辺に来ると、本当に何をやったかあまり覚えていません。「スリー・ドリームズ」では「1」狙いが目立つ展開だったような覚えがあります。
このあたりの時間でやっていた「ダイスダービー」もかなり気になるところでした。4面体が勝利したとか、強いはずの 12面体と20面体がさんざんだったとか、かなり荒れた展開になったようです。
そんなこんなで 16:30 くらいになりました。もう「ことばであそぼ」をプレイしている時間もないということと、偽善者さんも駆けつけてくださったということで、最後の最後に、初お目見えの「デンジャラス・ゾーン」をやりました。
「デンジャラス・ゾーン」はだいたい狙い通りかと思いました。思ったよりも展開が長引いたので、頂いたアイデアを組み込んでみようと思います。感想やアイデアなどを一通りいただいたところでタイムアップになりました。参加者の拍手がとても印象的でしたね。
開始前から、終了までの様子を一気に書いてみました。ここまで読んでくださったみなさまもお疲れ様でした。ここからは、参加した感想などを。
Hammer Works の弱さは、アピール度が低いことにあるような気がしました。個人的な創作スタイルとか、好みの問題もあって、ダイスゲームやカードゲームが中心になるのですが、そうなるとどうしても人を引きつける力が弱いのです。
ダイスゲームは、コンポーネントだけ置いてもかなり地味ですからね。この点は、どうしようもないといえばどうしようもないのですが、ポップを使うとかでもっと工夫すべきだったのかもしれません。というよりも、カワサキファクトリーのポップは本当にすごかったという印象につきます。
そんな中「ことばであそぼ」の集客効果は思ったよりも高かったです。プレイしている様子を写真に撮られるというのは、このゲームの制作者としては勝利だと思っています。30〜45分かかるゲームが 8回プレイされたらしいです。8割方はこのゲームをやっていたような印象があります。
ところで、「ゲームマーケット」で「ことばであそぼ」を出して欲しいというリクエストはどのくらいあるのでしょうか? 反応を見ると、作った方がいいような気もしていますが、それなりに手間と時間がかかってしまいますからね。
他のゲームのプレイ回数を見るに、作品は絞り込むのが正解でしたね。ちょっとした時間を埋めるのにダイスゲームがプレイされると思ったのですが、そのあたりは読み違いだったかもしれません。
OKAZUさんには、私がルール説明で忙しくしている間に、知っている方が来られたときに Breathing をプレイしていたようでした。全盛期のころは「ことばであそぼ」2卓という体制もできたかもしれないだけに、スペアを持ってこなかったのは、残念だったかもしれません。
あとは、予想通りでしたが、いざ始まると自分のテーブルが忙しくて、他のところを回る時間がありませんでした。自分のテーブルを大事にしたいというのはあるのですが、気になる作品も本当に多かったですね。ゲストとしても、参加したかったと痛感しています。
まとまりませんが、こんなところでしょうか。
おまけとして「ことばであそぼ」の記憶に残った出来事を。単独のことばでは「あんだんて」「さようなら」とか、最初なので OK をだした「ゆでてある」に続くことばが「こおりがし」という矛盾もなかなかでした。
うっかり 11枚配ってしまって公式記録にならなかった 7文字のことば「こどもせんよう」も印象的でした。9文字の「こくどうせんようき」を見たときは、本当にどうしようかと思いました。
ボーナス部門では、連鎖中に出した「ぽぱい」はかなりお見事でした。1回の書き換えで 5点とはかなり凶悪です。4文字から 10枚使い切りの 9連鎖は新記録です。本当に難しいと思います。
この日は、私も 2回ほどプレイヤーとして参加したのですが、説明の方に気をとられていて、かなりまったりとしたプレイになってしまいました。そんな中で史上初の「ぢ」を「ちぢむ」という平凡なことばで作ってしまいました。
終了後は、yas-oさんが指揮の下で、中華料理店で打ち上げをやっていました。ボードゲーマーはクイズ番組好きとかからはじまり、オリジナルゲームのコストの話だとか、アクワイア大会の話とか、本当にいろいろな話題で盛り上がりました。
料理もかなりおいしかったですね。海鮮鍋を火鍋にしたのは私の仕業です。辛子とコショウと山椒で思いっきりむせていたのも私だったりするのですが、たまにはこういう刺激的なものもいいものです。
帰りの電車では、るーしんさんや yas-oさんなどといろいろとお話をしながら帰途につきました。これほど、翌日がお休みだったらと思う日もなかったですね。
最後に謝辞を。Hammer Works の初舞台だったわけですが、プレイしてくださったみなさまには本当に感謝します。感想などがあれば、メールや掲示板でお送り頂けると非常にうれしいです。
ルール説明の協力ということで来てくださった OKAZUさんもありがとうございました。オリジナルゲームのご意見番としても、いろいろと意見をいただけたので今後の参考にしたいと思います。
あとは、テーブルまで遊びに来てくださった関係者の方々にも感謝です。人数の調整で参加してくださったりと、本当に助かりました。
オリジナルゲームの活動は今後もネタが続く限りやっていこうと思います。次に Hammer Works として出るのは「ゲームマーケット」でしょうか。そのときにまたお会いしましょう。
トップ > Hammer Works > 活動記録