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26 「擬人法」を使って書こう
二百字限定作文で作文技術のトレーニング』村野聡著(1996,明治図書)の修正追試

東田 昌樹
指示1 先生の後に続いて読みなさい。
  大木
               原田直友
 わたしは どこにもいけないから
 上へ歩いた
 わたしは どこへも歩いていけないから
 ぐんぐん
 上へ上へ歩いた
 そして 百年歩いた
 声を揃えて読ませる。揃っていなければやり直しをさせる。
指示2 全員で読みなさい。
 すらすらと音読ができるように読ませる。
発問1 この詩には作者の工夫があります。どんな工夫でしょう。
 わからなくてもよい。
 そのときは、すぐに説明する。
説明1 大木、木は歩くはずがないのに、歩いているように書いています。このように人間でないものを人間のように扱って書くことを「擬人法」と言います。
発問2 人間でないものを人間のように書くことを何と言いますか。
 「擬人法です。」
発問3 擬人法とは何ですか。
 「人間でないものを人間のように書くことです。」
指示3 擬人法を使って文を作ります。
     「ボールが転がる。」
     これを「ボールが□。」と、擬人法を使った文にしなさい。
 書けた子どもに発表させる。全員ができていなくてもかまわない。
 次に書ければよい
 ボールが走る。ボールが歩く。ボールが前回りをする。 など
指示4 「電話がなる。」
     これを「電話が□。」と、擬人法を使った文にしなさい。
 教師は、黒板に箇条書きの印をつける。
 列ができないように、子どもが動く流れを作る。
 文の間違いがあったら、訂正させる。なければ、○をつけ、黒板に書かせていく。
 途中、「黒板を参考にしていいですよ。」と言う。
指示5 右から順に発表しなさい。
 電話がさわぐ。電話がよぶ。電話が踊る。 など
指示6 「雪がふる。」
     これを「雪が□。」と、擬人法を使った文にしなさい。
 書けた子どもに発表させる。全員ができていなくてもかまわない。
 雪が落ちる。雪が跳ぶ。雪が癒してくれる。 など
指示7 「なりきり作文」を書きます。例えば次のように。
 吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。なんでも薄暗いじめじめした所でニャ―ニャ―泣いていたことだけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。
説明2 夏目漱石の「吾輩は猫である」です。夏目漱石は猫になりきって書いています。
指示8 ノートに写しなさい。「ぼくは、えんぴつだ。」
指示9 第二文を書いたら、ノートを持って来なさい。
 教師は、黒板に箇条書きの印をつける。
 列ができないように、子どもが動く流れを作る。
 文の間違いがあったら、訂正させる。なければ、○をつけ、黒板に書かせていく。
 途中、「黒板を参考にしていいですよ。」と言う。
指示10 右から順に発表しなさい。
 C(擬人法になっていない)、B(擬人法になっている)、A(擬人法になっていておもしろい)、AA(擬人法になっていてすごくおもしろい)で評定をする。最終的には全員をB以上にする。
指示11 続きを書きなさい。
 最終的には作った作文を提出させる。
 詩は、学級通信に載せるなり、掲示するなりして評価する。

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