浜益御殿~雄冬山~浜益岳
~御殿直下で楽しいテント泊~

平成20年4月18~19日 同行者: 札幌やまびこ山友会 

 増毛山塊のなかで、まだピークを踏んでいない著名な山は二峰あった。それは雄冬山と群別岳である。実は雄冬山はこの一週間前にもやまびこメンバーと日帰りで向かったのだが、今ひとつモチベーションがあがらず、おまけにぼくの山スキーのビィンディングの故障もあって、標高約千m付近で撤退したのだった。
 浜益御殿から雄冬山に向かう素晴らしい稜線歩きに心奪われたときには、すでに時遅しだったのである。ちなみに、このときのビィンディングの修理には同行のsuginさんに大いに助けられた。多大なる感謝を述べておきます。

 さて、休みが金、土曜日と変則的ではあったのだが、リーダーのmatuok氏と体力充分、気力充分な女性kumeさん、osawさんの四人パーティであった。僕が80ℓザックをもてば、リーダーはなんと100ℓザックである。それも、ぎちぎちに入れて、一泊のテント装備なのだが、いったい何が入っているのかとても気になるところだ。そういう僕も80ℓだから過剰装備。女性二人は60ℓもないだろう。最近の山岳会の傾向としては、軽量化に重点をおいているだけにまったく方向性が違うといわれてもしょうない。
 ともあれ、札幌を出発した車は順調に走り、幌からの林道をその合流点を過ぎて大坂山を巻くあたりまで入れることができた。2年前の浜益岳山行の駐車地点から1km以上は奥に入ったことになる。

 しばらくはスキーを担ぎ歩くことになるが、次第に雪が出てきてスキーにかえる。日差しは強い。ぼくとしては久しぶりのテント泊装備、息が続かない。リーダーはあの巨大なザツクでも平然と歩いていく。まずはバテる心配がでてくる。kumeさんは水1ℓを持ってあげようかと優しい・・・。
 そのkumeさん、えらく調子がいい。「スノーモービル侵入禁止」の横断幕あたりから、快調に登っていく。そのルートは通常のルートからははずれているが、そもそも山スキーに定番のルートなんてありゃしない。このような雪の斜面を歩くことに慣れない人や力量の未だ未熟な人は誰かのトレースをおそるおそる歩くものだが、kumeさんは百戦練磨の山女。我が道を行く・・・。

 浜益御殿が近づくにつれ、稜線からは雄冬山が見えてくる。そう、ぼくが今回こそはと願う雄冬山なのだ。


 浜益御殿も近づいてくる。このピークは何度目だろう。しかし、浜益岳に行くにしても、今回の雄冬山にしても、この御殿のピークは踏まずには行けないのだ。
 ぼくも少しバテながらも歩いていく。結局、1ℓの水は背負ったままだった。しかし、ぼくも意外に持久力があるなぁ~(^^♪


 下の写真、御殿のピークを越えてテン場からの雄冬山なのだ、テン場は御殿のピークから浜益岳方向にいくらか降りて、雄冬山に面したところに決めた。ここからは雄冬山へのルートがしっかりとわかる。緩やかな稜線歩きが待っている。先週も歩いたがとても素適なところなのだ。
 朝日が照らしている。先週は写真の左手を降りていき、左側の稜線から中央に向かって歩いていったが、今回は右手からほぼまっすぐに向かうことになった。


 二日目の朝の出発前。左手奥が御殿のピークだ。この写真には右手の「うんち場」は写っていないが、ぼくは二箇所用意した。残念ながらそのうち一箇所は誰も使わないので僕が使用した。ちょっと設計ミスがあったようで、・・・。
 話は前後するが、前夜は風もなく過ごしやすい夜だった。しかし、残念なことに何を食べたのか既に記憶がない。記憶がなくなるほどうまかったのか、それともまずかったのかぼくの口からはとても真実は書くことはできない。


 目指す山が近づいてきた。道程の半分以上は過ぎた。この雄冬山、とても雄大なそれでいて人に優しい、そんな感じがする。とてもいい山だ。

朝日を浴びて雪原を進みます。実に気持ちいいのです。

 
これは先週着たときの写真だ。トレースはぼくたちの前に一人の先行者がいた。なんか、考え考え登っている感があった。ことばを変えれば、登ろうかそれともやめようか・・・迷いながら登っているように思えた。

 これも先週の写真。左奥には浜益御殿が見えますね。

 スキーは脱いでツボ足で歩く。ここは斜面は広いが油断はしてはいけない。相当に狭いところもある。
ぼくらは決して事故を起こさないように慎重に判断しツボ足とした。雪は腐れているからぬかるが滑落するようなことはないだろう。ただ、雪庇には充分注意しなければならない。
 ピークはもうすぐだから、みんなの気持ちははやる。念願のピークなのだ。ぼくもこの日を何年間待ちわびたことか。そうはいっても、こころは落ち着いている。

 ピークに着きました。リーダの左右には花が・・・。どんな花かは知るよしもありません。深い詮索はやめましょう。

 ピークからの群別岳とその左に奥徳富岳。やや、この二峰が未踏だった。ここは来年か。コントラストがイマイチなのは許してネ。


 そのズームアップ。ボケているのもごめんなさい。本人はまだボケてはいないのだけど、オリンパスのデジカメはズームするとこのアジになってしまう。


 しつこく。しかし、群別から暑寒別への歩きも今後の課題のひとつなのです。登り返しがそれなりにありそうですね。


 その暑寒別方面。群別からだと右手から行き、ピークを経て左手に降りる。しかし、それよりも大変なのは凄まじい厳冬期の寒さ、風、そして長い林道歩きとなります。そのうちいつかやってみたいのですが、さすがに踏み出す勇気はまだありません。


 雄冬ピークを踏んだ後は浜益岳に向かいますが、リーダーの提案でテン場経由ではなく、ほぼ一直線に歩くことにしました。問題は斜面を降りていって沢を渡るのですが、スノーブリッジがあるかどうかです。なければ、延々と廻り込みとなるのです。


 いやぁ~。この歩きは長かったんだわぁ~。しかも、炎天下。沢のスノーブリッジはぼくが見に行きました。結果オーライ。まだ、ほとんど雪に埋もれています。しかし、この稜線、斜度は緩やかだがとにかく遠い。ぼくの靴ずれも始まりだんだんとしんどくなっていく。しかし、このロケーションはすばらしいのです。
 大雪原といいますか、とてもゆったりとした気分になれるところ。もちろん、天気がいいからなのですが・・・。
 して、浜益岳の直下まできました。以前と同様にスキーを脱いで歩きます。


 そして、ピークからの群別岳。しかし、僕は実のところ少し痩せ細っていてあまり好きではないのです。どちらかというと、幌天狗からの姿の方がいいのです。まぁ、ここからの群別岳は定番ですから。


 あとは降りるだけです。テン場に戻り撤収作業をしてスキーを滑らせます。林道に辿りつくとびっくりしました。昨日スキーをつけた場所よりかなり上でも土が出ています。雪解け水が流れています。やはり、春の日差しは強いのです。 the end


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