富良野岳〜三峰山沢より

〜何処を見ても美しい沢と山〜

平成19年9月2日 前日夜白銀荘テント泊 同行者: 札幌やまびこ山友会 3名
 富良野岳というと高山植物の花々の美しい山として多くの人に愛されている山である。ぼくもそれらの花はさっぱりわからないけれども、緑のとても美しく映える山として好きなところである。
 今回はこの山を三峰山沢から歩いてみることにした。この三峰山沢は山の本にもあまり紹介されていない沢で、インターネットで検索してもわずか数件のデータしかないのであるが、最近はけっこう歩かれているようだ。

 前日、ぼくらのパーテイは白銀荘でテントを設営することにした。そこには既にフェルさん、T野さん、S木さんが着いており、盛大な焼肉パーティを始めていた。もちろん、僕たちも早速参加させていただいた。(^^♪

 富良野在住のYさんからも、なんと富良野牛の差し入れがあり、ものすごいボリュウムの焼肉を堪能させていただいた。Yさんには深く感謝しております。

 翌日、朝4時半に起床。早速準備にとりかかった。僕は朝食にカップヌードルを食べたのだが、さすがに夕食の食べすぎのせいか、お腹に入っていかない。沸かしたお湯を飲みながら、四苦八苦しながら食べた。
 三峰山沢は凌雲閣の更に下のバーデンかみふらのあたりから入溪するのだが、車はそこに置くとしても、下山の際には凌雲閣から歩いてこなければならない。それなりの距離があるので、どうしたものか考えていたら、T野さんが協力してくれて車をだしてくれた。おかげで、ぼくの車を凌雲閣に置くことができた。T野さんにも感謝である。ありがとうございます。

 6時15分に入溪する。砂防ダムにまずヌッカクシ富良野川が流れており、その奥に三峰山沢がある。そこには、林道があるはずなのだが、それがわかりずらい。赤テープを目指して沢に入るが林道が見当たらない。ここで右往左往する。ぼくは砂防ダムまで戻って丹念に左岸を見ていくがそれらしきものは出てこない。
 メンバーの一人が少し戻ったところから、上流に向かうとなんと林道が突然現れた。ここで一安心。
沢歩きが始まった。

 それからもいくつかの砂防ダムが現れるが、きちんと巻く踏み跡はある。そして、いよいよ、二股にくると右沢に滝が見え出した。九重の滝である。いよいよ、滝を攀ることができる。

 遠目に見えた範囲ではそれほど大きな滝には感じなかった。けれども、どんな滝か早く見たい。攀りたい。皆の足が速くなる。

 ずっと奥まで滝が続いているようである。実際、小さな釜をもった滝が連続している。名前は九重だが、もっと多くの滝があるように思う。傾斜もそれほどきつくないのだが、意外と滑りやすい。場所によっては思い切って水流の中の壁を攀る。その方が滑らないのである。

 念のためにザイルも持っていたのだが、みな、慎重に攀る。ザイルは使うことはなかった。微妙なところは、木や草を掴みながら攀る。
 ずうっと、滝が続いていく・・・。





 おもしろい滝が続いていく。難しいところはない。滝の面白さを感じるのにうってつけの沢かもしれない。
 そうこうしているうちに、華雲の滝に着く。

                                                    
 この滝もとても美しい滝であった。考えてみれば、ここまで休憩らしい休憩をとっていなかった。ずっと、興奮状態であったといってもいい・・・。

 この滝はそすがに直登はできない。左岸から高巻きをしなければならない。
 ところがリーダーである僕は高く上がりすぎて、沢に降りる道を見落としてしまった。再度、降りたのだが、今度は降りすぎてしまう(ーー;)
 再度、慎重に登り、先頭にいたメンバーが降り口を見つける。
 こんなところで時間をロスするのも沢歩きだ。

 ここからはしばらくは滑滝も続くが次第に水量も減っていく。名残惜しむように沢の水の中に浸かりながら歩く。
 そして、このあたりからは地図を入念に読みながらの歩きとなる。
 今年の沢歩きではGPSは一切使わないことにしたので、まさしく、地図とのにらめっこが続く。
 GPSがあれば、たしかに現在位置の確認はたやすいが、それではちっとも地形を読む力が養われない。その基礎ができてからでも、GPSの使用は遅くはない。

 次第に源頭に近づいていく。
 顕著な右股と左股が現れる。たしか、これを右股を選べば富良野岳直下に行くことができるし、左股を選べば登山道に出るはずだ。ぼくらはしばらく考えたのち、左股を選ぶ。とうに水流はなく、滑りやすい火山灰と石ころを歩く。

 暫く登ったあたりで、先ほどの右股左股のあたりにパーテイが現れた。なにやら叫んでいるのだが、よく聞こえない。ところが、後ほど富良野岳ピークに着くと、そのパーテイはK夫妻とYAさんだったことがわかる。

 僕たちは枯れ沢やお花畑を歩きながらどんどん進む。すると、十勝岳やカミホロが見えてきた。

 さらに上がると・・・。

 登山道が近づいてきた。しかし、僕たちは勘違いから楽な最低コルへ行くルートではなく、小尾根を選んでしまう。そこはハイマツが茂り、僕たちは遊ばれる。

 でも、このあたりからは登山道は本当に目と鼻の先なのだ。次の写真の稜線に沿って道はある。

 遊ばれながらも、登山道に出る。そして来し方を振り返る。長い道だった。約5時間。

 写真の右手の小尾根からあがってきたのだった。
十勝連峰は何時でも美しい。特に今回は美しい沢を遡行してきただけに、喜び溢れるなかでこの景色に見入ることができる。幸せな時間をいただいた・・・。

                               (了)


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