三角点 桂沢 470.3mから

〜名もなき低山〜

平成14年11月24日 スノーシュにて 同行者: なし
 僕は小学4年生から数年の間石狩郡当別町に住んでいたこともあり、この周辺の山への思い入れは深いほうだ。
 当別町と旧厚田村の境にある三角点桂沢も別狩岳(南 666m)から南に伸びる稜線のひとつのピークにすぎず、とりたててとりあげるべきものもない山である。

 道々11号線から臨む桂沢

 この山に初めて訪れたのは平成14年11月のことである。特に期待もせずに駐車場の林道から歩き出した僕は周囲の静寂さと雪の白い煌きのなかで未知の領域に入るちょっとした興奮をおぼえていた。

 林道づたいに樹木が生えており見通しをさえぎっていたのだが、ときどき見え隠れする厚田側の山々を見たくて足早に歩いた記憶がある。
 それでも、しばらくすると見渡せるところがあり、標高は低いにもかかわらず随分と立派な姿に驚かされた。

 しかし、それ以上に見とれたのは樺戸の山塊、その連なりだった。
南から三角山、隈根尻山、マチネシリ、ピンネシリと続く稜線が空の広がりのなかで映えていた。

 さらに、北に目を移すとそこには神居尻山の堂々たるかたちがあった。ここから見るこの山は双耳峰の大きさを存分に表しているようだった。標高はそれこそ千mにも満たないのにどうしてこれほどまでに逞しく見えるのだろうか・・・。
 神居尻山・・・カムイシリ・・・人が神住まう山と称したのもうなずけるほどの”大きさ”・・・。

 この姿を目にして以来、この桂沢は僕にとって格別の意味をもつ山になったのである。(了)


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