コイカクの秋

〜1839を夢見て〜

平成16年10月6日 前日札内ヒュッテ泊 同行者: 息子
 僕の山歩きはほとんど日帰りである。
前日仕事が終わってから出発し、避難小屋か適当な場所でテントを張って翌日登り帰ってくる。それでも、いつの日か二泊とか三泊することも夢見ている。

 日高には1839峰という憧れの山があり、しかし、ここはやはり二泊は必要なようである。
平成16年の10月に息子とその1839峰の下調べとしてコイカクまで行ってきた。
 札内ヒュツテ(避難小屋)に前泊し早朝から歩き始めた。釣り人は入っているものの、コイカクに向かうのは我々だけだった。この時期に歩く人は少ないようだ。

 沢からはコイカクの稜線が見える。この日はデジカメは息子に託して(とられてしまった)歩く。

 この山は尾根取り付きから道がある。けっこうな急斜面なのだけれど、一歩一歩たしかに歩けるということはうれしいものだ。

 早いペースで歩く息子からときどき「大丈夫?」とか「遅いよ〜」と声がかかるけれど、こちらはこれ以上早く歩くなんて到底できない。

 下の写真はコイカク夏尾根の直下を歩く僕だが、実際はさほど急斜面ではない。

 コイカクの夏尾根に着く。
すっかり、秋の風情でわびしさだけがつのる感じもする。きっと、夏は1839峰に向かうパーティのテントが何張りもあったのだろう。
 風はなく秋の日ざしがそこはかとなく落ちている。

 見渡すかぎり日高の山々は連なる。
カムエクはひとつ山を隔ててはいるものの、その存在感を誇示しているかのように見える。。


 1839峰を見る。そこに到る道程を想う。
コイカクからヤオロそして1839へと息もつかせぬ稜線が続くのだ。
1839峰は北海道の岳人たちの憧れの山だという。しかし、今日、その山はただそこにあるだけだった。


 秋の日は短い。駐車地点に戻ったときには日が暮れるころだった。(了)


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