迷沢山への二つのルート

〜札幌の奥深い山〜

平成16年12月19日 上平沢林道から 同行者: なし
 迷沢山は札幌周辺の山のなかでも比較的奥深くにあり、これまでは平和の滝からの送電線を利用したルートから登られてきた。ただ、このルートは距離がけっこうあって、雪が深いときはラッセル訓練に終始してピークまで行き着かないということもあるようだ。
 ぼく自身としては平成15年3月にHYML(北海道山メーリングリスト〜山登りをする人などのメールによる情報交換、提供の場)の仲間とともに歩いたことがある。なお、今もぼくはHYMLの一員である。
 フェルさん、AOKIさんと三人で目指したのだが、結果としてはとどかなかった・・・。
 その日もけっこう積雪がありラッセルもそれなりにあったのだが、三人の意気は高くこのぶんではまず間違いなくピークまで到達できるだろうとふんでいた。ところが、天候がしだいに吹雪き模様へと変わっていき、そのなかで頼りなげなトレースをつい信じてしまったのである。
 その結果、迷沢山ピークへ向かうのではなく、奥手稲小屋に向かっていた。違和感を感じた頃に単独者と行き交い、話しているなかでルートミスを知った。

 今から考えれば、地図とコンパスで確認しておけばなんでもないことなのだ。
そこから引き返ししたものの、やはり、エネルギーの枯渇(意欲の衰退ともいう・・・)は甚だしいものであって、時間もおしせまるなかで標高点約1000m、ピークまでの水平距離はわずか500mのところまで進んだものの、そこで撤退することになった。
 非常に残念ではあったけれど、こういうときは潔く撤退するものである。この決断が遭難や事故を防ぐものだと考えている。
 無理な行動は周囲の事態、事実等を正確に認識することを妨げる。すべてを自分たちの都合のよい方向にあわせて「見て」いくからだ。事態や事実を歪曲してとらえるとさらに判断がぶれていく。

 そのあと、送電線の片斜面のスロープに穴ぼこをこしらえながら滑りおりた。もっとパウダーであればどんなによいかと考えながら上手い((^^♪)二人のあとを追った。

 翌年の平成16年12月に単独で定山渓側からの上平沢林道から歩いてみた。ここはピーク直前まで林道が続いており、つまり、林道をはずさなければピークに着いてしまうというルートである。いや、これをルートというのだろうか?
 ただ、この林道からの定山渓天狗岳や余市岳周辺、そして、ピークからは手稲山や藻岩山の眺望がよかったのも事実である。





しかし、やっぱり山スキーをする山屋たるもの、このルートで迷沢山には行ってはいけないだろう。このような簡単明瞭なコースで「満足」してはいけないのだ。(・・・というか、このコースでルートミスしたら、かなり恥ずかしい・・・。もちろん、事故はどんなコース、ルートを歩くにしてもつきものであるからして)

 ただ、ピークからの下りはなんせ楽だ(^^♪。このときも途中で会った人と立ち話をしても35分たらずで到着。スキーの旨い人なら、30分はかからないだろう。(了)


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